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太平洋機動作戦 Operation Pacific (1951)

太平洋戦争下でのアメリカ海軍潜水艦乗組員の戦いを描く、監督ジョージ・ワグナー、主演ジョン・ウェインパトリシア・ニールウォード・ボンドフィリップ・ケイリースコット・フォーブス他共演の戦争ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(戦争)

ジョン・ウェイン / John Wayne 作品一覧
ジョン・ウェイン / John Wayne/Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ジョージ・ワグナー

製作:ルイス・F・エデルマン
脚本:ジョージ・ワグナー
撮影:バート・グレノン
編集:アラン・クロスランドJr.
音楽:マックス・スタイナー

出演
デューク・E・ギフォード少佐:ジョン・ウェイン
メアリー・スチュアート中尉:パトリシア・ニール
ジョン・T”ポップ”ペリー中佐:ウォード・ボンド
ラリー大尉:スコット・フォーブス
ボブ・ペリー中尉:フィリップ・ケイリー
ジョーンジー:ポール・ピサーニ
トーカー:ウィリアム・キャンベル
スティール中佐:キャスリン・ギヴニー
コールドウェル少尉:マーティン・ミルナー
太平洋艦隊潜水艦部隊司令官:クリフ・クラーク
チーフ:ジャック・ペニック
シスター・アナ:ヴァージニア・ブリサック
SP指揮官:ジェームズ・フラヴィン
分隊指揮官:リュイス・マーティン
ジュニア:サム・エドワーズ

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1951年製作 111分
公開
北米:1951年1月27日
日本:1959年10月29日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
太平洋戦争下、南太平洋
アメリカ海軍の潜水艦”サンダーフィッシュ”の副艦長デューク・E・ギフォード少佐(ジョン・ウェイン)と部下らは、孤島に残された子供達と2人の修道女を救出する。

子供達と修道女をボートに乗せて沖に向かわせたデュークは、部下のジョーンジー(ポール・ピサーニ)を待つ。

浮上したサンダーフィッシュの艦長ジョン・T”ポップ”ペリー中佐(ウォード・ボンド)は、部下が連れられて来た子供達と修道女を見守り、赤ん坊までいることをコールドウェル少尉(マーティン・ミルナー)から知らされる。
...全てを見る(結末あり)

日本兵を担いで戻って来たジョーンジーから、敵に知られる可能性があり仕方なく運んで来たと言われたデュークは、気を失っているが生きている日本兵を隠すよう指示する。

デュークらはサンダーフィッシュに戻り、ポップは出航を命ずる。

潜水艦内の生活に直ぐに慣れた子供達は、兵士達に可愛がられる。

その後、敵を発見したサンダーフィッシュは警戒態勢に入り、潜水して海上を監視する。

敵が空母であることを確認したポップは魚雷発射を命ずるが、途中で爆発してしまう。

駆逐艦に気づかれたサンダーフィッシュは爆雷攻撃を受け、損傷して浸水する。

敵は諦めて去り、サンダーフィッシュは何んとか持ち堪え、ポップは、頑丈な艦を造ってくれた技師に感謝する。

ゴム手袋を熱湯で殺菌したデュークとチーフ(ジャック・ペニック)は、それにミルクを入れて赤ん坊に飲ませる。

島で苦労をしたシスター・アナ(ヴァージニア・ブリサック)が、泣き言一つ言わないことに感心するポップは、母親は助からなかったが、赤ん坊が元気なことで救われる思いのデュークと話す。

元妻メアリー・スチュアート中尉(パトリシア・ニール)のことをポップから訊かれたデュークは連絡をしていないと答えて、ホノルルにいると言われる。

思い出を語るポップに、仕事一筋で子供が生まれた時も志願して任務に就き、5週間後に死んだと時も家にいなかったと語るデュークは、全て自分が悪いと伝えてその場を去る。

子供達と修道女を保護していることをパール・ハーバーに伝えて病院の手配をしポップは、看護師であるメアリーをその担当に指名する。

サンダーフィッシュが到着することを上官のスティール中佐(キャスリン・ギヴニー)から知らされ、担当するようにと言われたメアリーは、元夫が乗っていると言ってそれを拒もうとする。

潜水艦ではなく別の場所で会いたいと言うメアリーに、”頭痛”がしていることにすると伝えたスティールは、任務以外で会うことを許可する。

パール・ハーバー
太平洋艦隊潜水艦部隊司令官(クリフ・クラーク)に迎えられたポップは、空母を撃沈できなかったことなどを報告する。

潜水艦を去るシスター・アナから感謝されたポップとデュークは、彼女らに別れを告げる。

メアリーを捜すポップは、その場にいた看護師に声をかけるものの人違いだったために戸惑い、その様子を見ていたデュークは、彼の行動を不思議に思う。

病院に向い、助けた赤ん坊を”ブッチ”と呼び様子を見たデュークは、許可なく入ったためにスティールに注意される。

不満を訴えるデュークの声に気づいメアリーは彼に近づき、二人はキスする。

互いに罪を感じていることを確認したデュークとメアリーは、やり直したいという考えで同意する。

食事とダンスをして楽しむことを提案されたメアリーは、ポップの弟ボブ(フィリップ・ケイリー)とデートの予定だとデュークに伝える。

旧友ポップの弟であるボブは子供の頃から知っているため、デュークは驚く。

レストランでメアリーを待つデュークは、同席していたポップにボブのことを尋ねる。

立派になったボブは女性の憧れの的だと言われたデュークは、彼と共に現れたメアリーを迎える。

海軍中尉であるパイロットのボブと話したデュークは、互いにメアリーと踊ろうとするが、彼女はポップを誘う。

電報で自分を指名した理由をポップに尋ねたメアリーは、今でもデュークを愛している自分の気持ちを、偽ってはいけないと言われる。

ポップから何も聞いていなかったことをボブに伝えたデュークは、軍人の道を選ばずに建築家になった自分に、兄は失望したのだと言われる。

学生時代などから英雄視されていたデュークに反感を持つボブは、夫として失格だと伝え、メアリーと結婚すると断言する。

メアリーがノーとは言わなかったことを確認したデュークは、彼女の元に向い、ポップと交代して踊る。

ボブから求婚されたことをデュークに問われたメアリーは、彼の腕時計を見て時間を確認してその場を去ろうとする。

ポップから話があると言われたボブだったが、送ってほしいとメアリーから言われて二人は去り、デュークは納得いかない。

メアリーを送ったボブは、彼女がデュークを想っていることを察する。

兄ポップにも好かれているデュークがいい男らしいと話すボブは、メアリーの気持ちを訊き、別れた夫に会えば心が揺れ動くものだと言われる。

明日、電話すると言ってボブは去り、そこに現れたデュークは、ボブから求婚されたのかをメアリーに問い、それを認めた彼女は、海軍とは無縁の場所で暮らそうと言われたと伝える。

別れて4年、1日も忘れたことがないと言うデュークは、もう一度チャンスを与えてほしいと伝えて、メアリーに結婚を申し込む。

戸惑うメアリーを説得するデュークだったが、現れたチーフから、部下が騒ぎを起こして憲兵に連行されたことを知らされる。

緊急事態であることをメアリーに伝えたデュークは、行くべきだと言われたため、結婚のことは考えておいてほしいと伝えてその場を去る。

留置場に入れられている部下の元に向かったデュークは、責任者である中佐(ジェームズ・フラヴィン)から事情を聞き、修道女を救ったことで許してもらえるが、損害は弁償するようにと言われる。

部下が違法の蒸留酒”オコレハウ”を飲まされたことを知ったデュークは、酒を飲ました損害を求める者達を追及し、請求を却下させる。

出航するデュークは、見送りに来てくれたメアリーがボブと一緒だったためにそれを気にする。

ポップを見送りに来ただけだと言うメアリーだったが、奇妙な関係だと考えるデュークは、戻るまで結論は出さないでほしいと伝えて、ボブの前で彼女とキスする。

出航したサンダーフィッシュは敵艦を撃沈するものの、魚雷が不発に終わるケースがあり、その理由が解明できないポップとデュークは悩む。

思い当たることがあると言うポップは、一度、分解して撃針を調べてみたいことをデュークに伝える。

ポップは、直角に命中した場合は不発で、斜めの場合は爆発する魚雷の原因究明の必要があることを、潜水艦司令部に電信で送る。

司令部からの連絡を受けたポップは、原因究明のために艦を離れることになり、艦長に推薦したことをデュークに伝える。

その後、敵艦を発見したサンダーフィッシュは攻撃態勢に入り、最後の魚雷を発射してど真ん中に命中するものの不発だった。

敵艦は旗を下ろして白旗を掲げたため、船体が破損したことも考えられ、ポップは、救命ボートを下ろす準備を始めることも確認する。

ポップは警戒しながら艦を浮上させるが、兵器を隠していた敵艦の攻撃を受けたために潜水を命ずる。

銃弾を受けたポップを助けられないままハッチを閉めたデュークは、偽装船からの攻撃に遭い艦長は戻れなかったことを乗員に伝える。

一端、潜航して敵の後方に回り攻撃に備えるよう指示したデュークは、艦を再び浮上させる。

攻撃しながら突っ込んだサンダーフィッシュは、敵艦を撃沈する。

司令部では消息を絶ったサンダーフィッシュの捜索が続き、心配して現れたメアリーは、心配いらないと司令官から言われる。

艦首を破損したサンダーフィッシュは潜航することができなかったが、デュークは必ず帰還できると言って乗員を励ます。

帰港したサンダーフィッシュの乗員は、今回の事態の事情聴取を受けるために足止めされる。

休暇を取り本国に戻るよう上官から指示されたデュークは、それを拒むものの、委員会の決定だと言われる。

下船した乗員らが、ポップの死を悼み揃って教会に向かったことを知ったデュークは、代表して祈りを捧げる。

サンダーフィッシュを潜水させたデュークを批判し、それをメアリーに伝えるボブは、ポップの死はデュークの責任だと決めつける。

デュークには艦と乗員の命を守る責任があると言って擁護するメアリーだったが、ボブは納得できない。

最善は尽くしたはずだと言って庇うメアリーに、デュークは英雄になりたいだけだとボブは伝える。

そこに現れたデュークは、ポップのことで話しをしたいとボブに伝えるが、兄を見殺しにしたと言うボブはその場を去る。

ボブもいずれは許すとメアリーから言われたデュークは、自分を犠牲にして艦と部下を救うため、潜水命令を出したのはポップだと伝える。

それでも、ボブにとっては兄であるため納得できないのだとメアリーから言われたデュークは、ポップは自分の親友であり辛い気持ちは変わらないと話す。

ポップを誇りに思うデュークは、自分は嘆きはしないとメアリーに伝える。

同情はいらないと言いながら、今はサンダーフィッシュをどうするかだと伝えたデュークはその場を去り、結局は以前と同じ彼に戻ってしまったと考えるメアリーは苛立つ。

司令官に会い休暇の返上を申し入れたデュークは、魚雷不発の原因究明を条件にそれを認められる。

技術者ではなかったデュークだったが、魚雷に精通しているチーフや部下と共に、落下実験などを繰り返す。

苦労の末に魚雷の改良に成功したデュークは艦長となり、サンダーフィッシュの修復も進み、新たな任務を受けて出航の準備をする。

メアリーに会ったデュークだったが、喜びも悲しみも共有できず、必要とされていないと感じたから離婚したと言い残して去った彼女を呼び止めることができない。

ブッチを立派な男にてほしいとスティールに伝えたデュークは、その場を去る。

自分の考えは思い上がりで、このままだとデュークは戻らないとスティールから言われたメアリーは、ブッチを抱きしめながら苦悩する。

その頃、フィリピンレイテ島沖に迫る日本の連合艦隊の動きを察知したアメリカ海軍は、その壊滅作戦を実行しようとしていた。

海域に配備されたサンダーフィッシュは、味方の潜水艦に部品を供給するついでに映画のフィルムを交換する。

デュークは”George Washington Slept Here”を渡し、代わりに受け取ったケーリー・グラント主演の”Destination Tokyo”が、サンダーフィッシュで上映される。

爆発音を確認したデュークは現場に向かい、海面に浮かぶ残骸から、”George Washington Slept Here”のフィルムを確認する。

敵潜水艦を発見したサンダーフィッシュは潜水し、デュークは魚雷発射を命じて撃沈する。

日本の連合艦隊を確認したデュークは、危険を承知でアンテナを海面に出し、司令部に報告する。

敵の爆雷攻撃に備えて警戒態勢に入ったデュークは、司令部からの連絡が来るまで何もできなかった。

駆逐艦が迫り、連絡を受けたデュークは魚雷発射を命ずる。

命中を確認したデュークは、爆雷攻撃を受けながら敵艦を撃沈する。

艦体は去り、故障で残っていた空母への魚雷攻撃に成功したデュークは、味方の戦闘機パイロットの救助活動に備えるよう司令部から命ぜられる。

墜落したパイロットの救助を始めさせたデュークは、水深が浅くなっていることを副官のラリー大尉(スコット・フォーブス)から知らされ、艦首を砂に乗り上げさせる。

ボートを下ろし、コールドウェルやチーフらを救助に向かわせたデュークだったが、敵機が接近していることを知る。

海面に浮かぶボブを救出したチーフは、敵機の銃弾を受けて死亡する。

デュークと部下は海に飛び込みボブを助けるが、ジュニア(サム・エドワー)も命を落とす。

敵機の攻撃を受けたデュークは、銃弾を受けながら艦内に戻る。

治療を受けたデュークは、ジュニアの遺品を確認する。

無事だったボブに感謝されたデュークは、ポップの件で酷いことを言ったこと謝罪される。

兄を亡くした直後では仕方がないと伝えたデュークは、飛行艇で運ばれるボブの頭を子供時代によくした様に叩いて見送り、メアリーの写真にウインクする。

チーフのことを残念に思うとコールドウェルから言われたデュークは、コールドウェルの前はラリー、その前は自分、そして、その前はポップ、新人の面倒をよく見てくれたチーフは、天国でも同じことをして慕われていると語る。

帰港したデュークは司令官に迎えられ、現れたメアリーを抱きしめる。

頭を叩かれたことをボブから聞いたと言うメアリーと共に、デュークは、部下らに見守られながらブッチの元に向かう。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
太平洋戦争下、南太平洋
アメリカ海軍の潜水艦”サンダーフィッシュ”の副艦長デューク・E・ギフォード少佐は、孤島に残されていた子供達と修道女を救出して、”ポップ”ペリー艦長の指揮の下、パール・ハーバーに帰港する。
別れた妻である看護師のメアリーと再会したデュークは、彼女がポップの弟のボブと付き合っていることを知る。
仕事一筋で家庭を犠牲にしてしまったデュークは、後悔していることをメアリーに伝え、ボブに求婚されていたメアリーは心が揺れ動く。
新たな任務を受けたデュークは、自分が戻るまで結論は待ってほしいとメアリーに伝えて出航するのだが・・・。
__________

太平洋戦争下でのアメリカ太平洋艦隊の潜水艦乗組員の戦いを描く、戦争ドラマ。

大戦中、実際に太平洋艦隊潜水艦部隊司令官だった、チャールズ・A・ロックウッド中将をアドバイザーに、アメリカ海軍全面協力による戦争映画の大作。

戦闘シーンの実写映像は殆どないが、精巧なミニチュアを使った特撮などは、当時としては見事な出来栄えであり、ミリタリー・ファン必見の作品。

潜水艦乗組員の上官に対する信頼や友情、そして、一度は失った夫婦の愛情などを、ジョージ・ワグナーの繊細な演出で描く深いドラマに仕上がっている。

ドラマを盛り上げる、マックス・スタイナーの軽快で勇壮な音楽も印象に残る。

戦後間もないこともあり、日本の偽装船の卑劣な行動なども描かれているせいか、日本での公開は北米の8年後の1959年となった。

黄金の1950年代を迎え大スターとなったジョン・ウェインは、盟友でもある艦長役のウォード・ボンドの副官として登場して、彼の死後、それを引き継ぎ、指揮官として堂々たる演技を見せる。

ジョン・ウェインとは親子ほどの年の差(19歳)があるものの、落ち着いているために違和感がない妻役のパトリシア・ニールとの復縁も一つのテーマであり、時にユーモアも交えた二人の演技が実に微笑ましい。

ファンにとって忘れられないのは、ジョン・ウェインウォード・ボンドと共に”ジョン・フォード一家”の一員として活躍した、二人の部下役のジャック・ペニックの存在だ。

ジャック・ペニックは、ジョン・フォード作品などではほとんどセリフもない脇役が多い役者なのだが、若い乗員に慕われ面倒見のいい老兵を好演している。

艦長(ウォード・ボンド)亡き後、ジョン・ウェインの副官となる大尉スコット・フォーブス、主人公の恋敵となる艦長の弟で、戦闘機のパイロットのフィリップ・ケイリー、潜水艦の乗員ポール・ピサーニウィリアム・キャンベルマーティン・ミルナーサム・エドワーズ、ヒロインの上官キャスリン・ギヴニー、太平洋艦隊潜水艦部隊司令官のクリフ・クラーク、主人公らに救出される修道女ヴァージニア・ブリサック、憲兵の指揮官ジェームズ・フラヴィン、分隊指揮官のリュイス・マーティンなどが共演している。


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