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ヴィナスの接吻 One Touch of Venus (1948)

デパートに勤める青年と彫像から女神に姿を変えた美女との恋を描く、製作、監督ウィリアム・A・サイター、主演ロバート・ウォーカーエヴァ・ガードナーディック・ヘイムズイヴ・アーデンオルガ・サン・ファントム・コンウェイ他共演のロマンチック・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ロマンチック・コメディ

エヴァ・ガードナー / Ava Gardner / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ウィリアム・A・サイター

製作
レスター・コーエン
ウィリアム・A・サイター
原作
S・J・ペレルマン
オグデン・ナッシュ
脚本
ハリー・カーニッツ
フランク・タシュリン
撮影:フランク・プラナー
編集:オットー・ルドウィック
音楽
アン・ロネル
クルト・ヴァイル

出演
エディ・ハッチ:ロバート・ウォーカー
ヴィナス/ヴィナス・ジョーンズ:エヴァ・ガードナー
ジョー・グラント:ディック・ヘイムズ
モリー・スチュワート:イヴ・アーデン
グロリア:オルガ・サン・ファン
ウィットフィールド・セイヴォリー:トム・コンウェイ
ケリガン:ジェームズ・フラヴィン
アパートの主人:サラ・オールグッド
探偵:ジョージ・J・ルイス
記者:アーサー・オコンネル

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1948年製作 82分
公開
北米:1948年10月28日
日本:1950年11月14日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
デパートの装飾係である気のいい青年エディ・ハッチ(ロバート・ウォーカー)は、オーナーである富豪のウィットフィールド・セイヴォリー(トム・コンウェイ)に呼ばれる。

同僚で恋人のグロリア(オルガ・サン・ファン)から声をかけられたエディは、セイヴォリーの元に向かうことを彼女に伝える。

グロリアは、エディと結婚できる日を待ち望んでいた。

同僚でルームメイトのジョー・グラント(ディック・ヘイムズ)に話かけられたエディは、閉店になったために、遅くなると言って、グロリアを約束してあるイタリア料理店トニーに連れて行くことを頼む。

デパート内にギャラリーを開いたセイヴォリーは、ヴィナスの彫像を20万ドルで手に入れたことを発表する。

セイヴォリーの補佐兼秘書のモリー・スチュワート(イヴ・アーデン)と話したエディは、彫像の展示場所のカーテンを直すよう指示される。

脚立を持って彫像のカーテンを調整したエディは、それを確認したセイヴォリーから、途中で引っ掛からずにスムーズに上がるように直すことを指示される。

セイヴォリーが忘れて行ったブランデーを飲み干したエディは、美しいヴィナス像に近づき、思わずキスしてしまう。

その時、落雷があり、カーテンを直そうとしたエディは、像が生身の美しい女性(エヴァ・ガードナー)に姿を変えたために驚く。
...全てを見る(結末あり)

話をするヴィナスに誘われたエディは、気を失ってしまう。

バルコニーにいたヴィナスの膝の上で目覚めたエディは、愛の女神だと言う彼女に迫られる。

エディは、イタリアンレストランで友だちと待ち合わせていると言って去ろうとするが、ギャラリーでは、セイヴォリーがヴィナス像を出席者に披露しようとしていた。

カーテンを上げたセイヴォリーは、ヴィナスの彫像が消えて脚立しかなかったために驚き、エディのことを疑う

エディは、ヴィナスから心配いらないと言われるものの焦ってしまう。

セイヴォリーは、探偵のケリガン(ジェームズ・フラヴィン)に連絡することをモリーに指示し、エディを非難する。

エディは、ヴィナスが台座の彫像に戻ろうとしないために、諦めてレストランに向かう。

待っていたジョーとグロリアに彫像が消えたことを話したエディは、動揺しながら、何が起きたのか分からないと伝える。

そこにケリガンが現れ、デパートに連れて行かれたエディは、彫像が消えた場所で、セイヴォリーとモリーに説明を始める。

エディが盗んだとは思えないモリーは、様子が可笑しい彼に、帰って休むよう指示する。

アパート戻って来たエディを気遣うジョーとグロリアは、食べ物を取りに行くためにレストランに向かう。

浴室にいたエディは、ヴィナスが現れたために驚き、彼女を追い払おうとするものの、言うことを聞いてもらえない。

エディに電話をしたグロリアは、女性の声がしたために憤慨する。

アパートの家主(サラ・オールグッド)が現れたために焦るエディは、ヴィナスを隠し、女性がいることを疑われるものの見つからずに済む。

浴槽の泡の中にいたヴィナスに、服を着るよう指示したエディは、グロリアとジョーが戻ったためにヴィナスを連れて窓から逃げる。

部屋に押し入ったグロリアは、姿を消したエディを疑い、取り乱しそうになる。

デパートに向かったエディとヴィナスは、ギャラリーが閉まっていることに気づく。

警備員に見つからないようにしつぁエディは、最新設備が整っているモデルルームで過ごし、ヴィナスに誘惑され惹かれてしまいキスする。

一方、料理を持ち帰ったジョーは、ヴィナスの歌の魔力により、グロリアに対する愛情が芽生え、惹かれ合う2人はキスする。

エディ、そしてグロリアは我に戻ってその場を去り、ヴィナスとジョーは、エディとグロリアが必ず戻ると考える。

翌日の新聞で、ヴィナスの彫像失踪事件は大きく報道される。

セイヴォリーと話をしたモリーは、モデルルームのベッドで美女が眠っていることを伝える。

その場に向かったセイヴォリーは、女性(ヴィナス)の美しさに心を奪われる。

目覚めたジョーは、ヴィナスの彫像にキスしたと言うエディの話が理解できない。

その頃ヴィナスは、自分の身の回りの世話をしてくれたグロリアから、何とも思っていなかった男性が特別な人に思えるようになったという話を聞き、思い通りになったことに満足する。

セイヴォリーに指示されていたモリーは、ヴィナスにドレスを着せる。

モデルルームに向かったエディは、ヴィナスがドレスを着て現れたために驚き、通路のグロリアに気づきヴィナスを部屋から出す。

ジョーと話したグロリアは、エディがヴィナスといると考え、モデルルームに向かう。

エディを追及するグロリアは、意味不明なことを言う彼を懲らしめる。

ジョーは、悲しむグロリアを気遣い慰める。

エディは、警察の委任状を持参して現れたケリガンらに逮捕されそうになり、その場から逃げる。

セイヴォリーからランチに誘われたヴィナスは、ケリガンに追われるエディと逃げるために魔力を使う。

これ以上、騒ぎを大きくしたくないエディは、ヴィナスを台座に戻すことを考え、グロリアとの元の生活を望んでいるとヴィナスに伝える。

ギャラリーに向かおうとしたエディは、寂しそうなヴィナスを気遣い、彼女を散歩に誘う。

ヴィナスがエディに惹かれていることを考え嫉妬するセイヴォリーは、金で何でも手に入れられるとモリーに話し、それを否定する彼女の意見も聞く気になれない。

エディはヴィナスと共に公園に向かい、その場ではジョーとグロリアがダンスをしながら愛を語る。

エディと踊ったヴィナスはボートで休み、愛したのはあなただけで、特別な人だと伝える。

ヴィナスとの愛を確かめたエディは、彼女のためにポップコーンを買いに行くが、待伏せしていたケリガンらに捕らえられる。

エディが自分を呼ぶ叫び声を聴いたヴィナスは、彼が探偵に連れ去られたことを知る。

ヴィナスは、エディを救うためにセイヴォリーを利用することを考え、彼の元に向かう。

着飾って現れたヴィナスを歓迎したセイヴォリーは、その場にいたモリーに帰ってもらおうとする。

セイヴォリーはシャンパンを取りに行き、ヴィナスは、モリーが彼に惹かれていることを確認する。

そのことを認めたモリーは、ヴィナスから告白するべきだと言われ、それを考えながらその場を去る。

セイヴォリーは、ヴィナスにシャンパンを渡し照明を消し、彼女に迫る。

ヴィナスが、刑務所行きになるエディのことを心配するために、セイヴォリーはケリガンに電話をする。

モリーに電話をしたセイヴォリーは、ケリガンと話しているように思わせる。

モリーは、女性を罠にかける最低な男だと言ってセイヴォリーを非難する。

ヴィナスは相手がモリーだと気づき、セイヴォリーは、モリーをなだめるものの、別れを告げられる。

電話の線を引いたセイヴォリーは、それに足が絡まったヴィナスが倒れたために焦り、モリーが電話を切ったことに気づきショックを受ける。

モリーに惹かれていることに気づいたセイヴォリーは、彼女の元に向かうべきだと言うヴィナスから、ケリガンに電話をするよう指示される。

ケリガンに電話をしたセイヴォリーは、エディを釈放して、この場に来させるようにと伝えて、モリーの元に向かう。

落雷が鳴り、ヴィナスは、”ユーピテル”が”オリンポス山”に自分を呼び戻そうとしていることに気づき、もう少し待ってほしいと願い、時間が10分戻る。

警察署を出たエディは、迎えに来たジョーに、ヴィナスに会わせると言ってデパートに急ぐ。

ジョーに女神のことを信じてもらえないエディは、ヴィナスの歌が聴こえる。

ジョーと共にデパートに着いたエディだったが、ヴィナスの姿はなかった。

その後、ヴィナスの像はギャラリーの台座に戻り、セイヴォリーとモリーは結婚する。

ヴィナスの像を見つめていたエディは、モデルルームを探す新人(エヴァ・ガードナー)から声をかけられる。

女性がヴィナスに瓜二つだと気づき呼び止めたエディは、自己紹介する。

女性の名前がヴィナス・ジョーンズだと知ったエディは、彼女と共にモデルルームに向かう。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
デパートの装飾係である気のいい青年エディ・ハッチは、オーナーのセイヴォリーの秘書モリーから、20万ドルで購入したヴィナスの彫像の展示場のカーテンの調整を指示される。
美しい彫像にエディがキスした瞬間、ヴィナスは生身の人間に姿を変える。
絶世の美女であるヴィナスはエディに惹かれるが、彼には結婚を約束した恋人グロリアがいた。
ヴィナスは、エディの同僚でルームメイトのジョーとグロリアが惹かれ合うように魔力を使い、エディを誘惑しようとするのだが・・・。
__________

スタントなどをこなしてサイレント時代から活躍し監督に転向したウィリアム・A・サイターが、製作を兼ねて監督した作品。

デパートの装飾係の青年と、彫像から女神に姿を変えた美女との恋を描くロマンチック・コメディ。

現代に現れたギリシャ神話の女神が、キスされた青年に惹かれるという内容は、コミカル且つファンタジックに展開し、女神の魔力とも言える歌のシーンも随所に挿入され、ミュージカル・タッチでも描かれている。

主演のロバート・ウォーカーは、女神に翻弄される、気のいいデパートの従業員を熱演している。

彫像から女神に姿を変えるエヴァ・ガードナーの美しさは際立ち、その役柄に相応しい、人間の女性を超越している雰囲気を漂わせる正に適役だ。

主人公の同僚であるルームメイトのディック・ヘイムズ、女神の魔力により彼と惹かれ合う仲になる主人公の恋人オルガ・サン・ファン、デパートのオーナー、トム・コンウェイの秘書を魅力的に演ずるイヴ・アーデン、2人に雇われる探偵のジェームズ・フラヴィン、主人公のアパートの女主人サラ・オールグッド、探偵のジョージ・J・ルイス、記者役でアーサー・オコンネルが端役出演している。


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