惹かれていた女性を友人に奪われた歯科医の復讐を考えるまでの経緯を描く、監督スティーヴン・ロバーツ、主演ゲイリー・クーパー、フェイ・レイ、フランセス・フラー、ロスコー・カーンズ、ニール・ハミルトン他共演のコメディ・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:スティーヴン・ロバーツ
製作:ルイス・D・ライトン
原作:ジェームズ・ヘイガン”One Sunday Afternoon”
脚本
グローヴァー・ジョーンズ
ウィリアム・スレイヴァンス・マクナット
編集:エルスワース・ホーグランド
撮影:ヴィクター・ミルナー
音楽:ジョン・レイポルド
出演
ルシウス・グリフィス”ビフ”グライムス医師:ゲイリー・クーパー
ヴァージニア”ヴァージー”ブラッシュ・バーンズテッド:フェイ・レイ
エイミー・リンド・グライムス:フランセス・フラー
スナッピー・ダウナー:ロスコー・カーンズ
ヒューゴ・バーンズテッド:ニール・ハミルトン
リンド夫人:ジェーン・ダーウェル
豚コンテストの司会者:エド・ブレイディ(クレジットなし)
チャーリー・ブラウン:ロバート・ホーマンス(クレジットなし)
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1933年製作 85分
公開
北米:1933年9月1日
日本:1933年12月
■ ストーリー ■
歯科医のルシウス・グリフィス”ビフ”グライムス医師(ゲイリー・クーパー)は、友人スナッピー・ダウナー(ロスコー・カーンズ)と治療室で話をしていた。
隣りの部屋ではビフの妻エイミー(フランセス・フラー)が、夫とスナッピーの話を聞きながら散歩に行く準備をしていた。
そこに電話が入り、ビフは旅行者からの治療依頼を受ける。
それが、かつて、心惹かれた女性ヴァージニア”ヴァージー”ブラッシュ(フェイ・レイ)を奪った恋敵のヒューゴ・バーンズテッド(ニール・ハミルトン)だったために、ビフは複雑な思いで彼を待つ。
しばらくするとヒューゴが現れ、彼と再会し握手をしたビフは、虫歯を抜くために麻酔をかける。
ビフは、ガスを調整してヒューゴを殺害することを考えながら、昔のことを思い出す。
ヴァージニアに惹かれていたビフだったが、短気で暴力的だったために、彼女の心を掴むことができなかった。
そんなビフと高校が同じだったヴァージニアの友人エイミーは、当時から彼に惹かれていた。
エイミーから愛を告白されるものの、ヴァージニアのことしか頭にないビフは、彼女がヒューゴと結婚したことを知りショックを受ける。
ビフは、ヴァージニアに対する気持ちに未練を残しながら、エイミーと結婚する。
工場で働き歯科医の勉強をするビフは、平凡な日々を過ごしていた。
そんな時ビフは、工場の管理者として上司になったヒューゴと対立し、傷害事件まで起こしてしまう・・・。
1933年にブロードウェイで上演された、ジェームズ・ヘイガンの戯曲”One Sunday Afternoon”を基に製作された作品。
多くの短編を含めて100作以上を手がけたスティーヴン・ロバーツが監督し、人気スターのゲイリー・クーパーとフェイ・レイが共演した作品。
惹かれていた女性を友人に奪われた歯科医の、復讐を考えるまでの経緯を描くコメディ・ドラマ。
本作が公開された時期にブロードウェイの舞台劇は上演されていたために比較され、映画の製作を急ぎ過ぎたのではないかと言う意見もあった。
ラオール・ウォルシュによるジェームズ・キャグニー主演の「いちごブロンド」(1941)と、デニス・モーガン主演のミュージカル「或る日曜日の午後」(1948)は本作のリメイクであり、両作とも評価は高くヒットした。
本作は、この時期のゲイリー・クーパー作品の中で唯一の失敗作となった。
何を考えているのか分からない、暴力的な性格の歯科医を演ずるゲイリー・クーパーだが、ラストで自分にとって最も大切なもの(妻)を見つけて幸せを手に入れる男性を熱演している。
主人公が惹かれる女性で、彼の友人を選んでしまうフェイ・レイ、彼女の友人で主人公と結婚し、ラストでようやく真の愛を手に入れるフランセス・フラー、その母親ジェーン・ダーウェル、主人公の友人ロスコー・カーンズ、主人公の恋敵ニール・ハミルトン、豚コンテストの司会者エド・ブレイディ、警官のロバート・ホーマンスなどが共演している。