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片目のジャック One-Eyed Jacks (1961)

仲間に裏切られた無法者の復讐と許されぬ恋を描く、監督、主演マーロン・ブランドカール・マルデンベン・ジョンソンピナ・ペリサーケティ・フラドスリム・ピケンズ他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇

マーロン・ブランド / Marlon Brando / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:マーロン・ブランド

製作:フランク・P・ローゼンバーグ
原作:チャールズ・ネイダー”The Authentic Death of Hendry Jones”
脚本
ガイ・トロスパー
カルダー・ウィリンガム
ロッド・セリング(クレジットなし)
サム・ペキンパー(クレジットなし)
撮影:チャールズ・ラング
編集 :アーチー・マルシェク
音楽:ヒューゴ・フリードホーファー

出演
”キッド”リオ:マーロン・ブランド
ダッド・ロングワース:カール・マルデン
ボブ・エモリー:ベン・ジョンソン
ルイーザ:ピナ・ペリサー
マリア・ロングワース:ケティ・フラド
ロン・デドリック:スリム・ピケンズ
カーヴェイ:エリシャ・クックJr.
チコ・モデスト:ラリー・デュラン
ハーヴェイ・ジョンソン:サム・ギルマン
ハワード・テトリー:ティモシー・ケリー
レッドヘッド:ミリアム・コロン
警部:ロドルフォ・アコスタ
農夫の息子:トム・ウェッブ
バーニー:レイ・ティール
チェット:ジョン・ディアケス
おじ:フィリップ・アーン
ニカ:マルガリータ・コルドヴァ
ドク:ハンク・ウォーデン

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1961年製作 141分
公開
北米:1961年3月30日
日本:1961年7月8日
製作費 $6,000,000


アカデミー賞
第34回アカデミー賞

・ノミネート
撮影賞(カラー)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1880年、メキシコソノラ州
”キッド”リオ(マーロン・ブランド)、ダッド・ロングワース(カール・マルデン)、ドク(ハンク・ウォーデン)の三人組は、銀行を襲って逃亡する。

ある町に着いたリオは、ダッドとドクと別れてマルガリータの元に向かい、彼女に迫るものの拒まれる。

地元の警官である警部(ロドルフォ・アコスタ)率いる捜索隊は酒場に押し入り、ドクを射殺する。

レッドヘッド(ミリアム・コロン)と楽しんでいたダッドは銃声を聴き、窓から逃げて捜索隊員の馬を奪う。

レッドヘッドに邪魔された警部は、ダッドに逃げられる。
...全てを見る(結末あり)

銀行で女性から奪った指輪を母の形見だと言ってマルガリータに渡したリオは、彼女に喜んでもらえる。

そこにダッドが現れ、逃げると言われたリオは、ドクが死んだことを知らされる。

マルガリータの指輪を外したリオは、ダッドと共に逃げる。

途中、捜索隊に追いつかれて馬を撃たれたリオは、反撃して追い払う。

捜索隊が戻ってくると考えるリオは、一人が付近の農家に向かい、馬を連れてくることをダッドに提案する。

クジで農家に行くことになったダッドは、リオにガンベルトを渡して馬に乗り出発する。

農家に着き、主人と交渉したダッドは、強引に二頭の馬を手に入れる。

ダッドのバッグを落とした息子(トム・ウェッブ)は、大金が入っていたために驚く。

リオを見捨てることにしたダッドは、農夫に金を払いその場を去る。

ダッドは戻らず、捜索隊が迫ったためにリオは観念する。

連行されたリオは農夫の家に着き、ダッドが去ったことを知らされる。

5年後。
ソノラ刑務所から囚人のチコ・モデスト(ラリー・デュラン)と共に脱獄したリオは、二人でダッドを捜す。

レッドヘッドの元に向かったリオは、ダッドのことを訊くものの、5年前にドクが殺された日以来会っていないと言われる。

レッドヘッドが相手をしていたハーヴェイ・ジョンソン(サム・ギルマン)は、彼女を強引に連れ戻そうとするもののリオに追い払われる。

ホルスターを着けたハーヴェイだったが、相棒のボブ・エモリー(ベン・ジョンソン)から、相手がリオだと知らされ手を出すのをやめる。

リオと話したボブは儲け話があると言って銀行強盗に誘い、ダッドの情報があることを伝える。

町の保安官がダッドだと知ったリオは、ボブの話に乗る。

国境を越えて、ボブらとカリフォルニアモンテレーに着いたリオは、保安官事務所に向かう。

保安官補のロン・デドリック(スリム・ピケンズ)にダッドを捜していることを伝えたリオは、まともに対応しない彼を牽制してその場を去る。

海岸線にダッドの家があることを知ったリオは、その場に向かう。

妻マリア(ケティ・フラド)から客が来たことを知らされたダッドは、それがリオだと気づき、ホルスターを身に着ける。

警戒しながら再会したリオを歓迎したダッドは、馬を連れて戻らなかった理由を話す。

ウソをつくダッドの話を聞きながら、保安官になった経緯を知ったリオは、彼に謝罪される。

逃げる気はないと言うダッドに、自分は逮捕されず逃亡したことを話したリオは、恨みはないと伝えて握手する。

夕食に誘われタリオは、まだ足を洗っていないと言って去ろうとするが、ダッドから家族を紹介してもらうことになる。

ダッドがマリアを捜しに行っている間に、リオは、現われたダッドの継娘ルイーザ(ピナ・ペリサー)と話す。

マリアとルイーザを紹介されたリオは、夕食を共にすることになる。

かつて罪人だったことを隠さずにダッドと話すリオは、ルイーザから、明日から祭りがあるので楽しむようにと言われ、そうすることにする。

町に戻ったリオはボブらと話し、銀行は明日は休みだが、開いたらダッドを殺すと伝える。

翌日、再選されたことで、次の任期も町のために務めると人々に伝えたダッドは、祭りを始める。

花売りのマーサから花と彼女のネックレスを買ったリオは、マリアとルイーザに昨日のことを感謝し花を渡す。

マリアは、リオからダンスに誘われたルイーザのことが気になる。

リオの仲間のボブとハーヴェイがお尋ね者だと気づいたダッドは、今日は逮捕しないが、明朝までに町を出るようにと伝える。

夜になり、惹かれ合うリオとルイーザは、別れを惜しむ。

マリアから、リオとルイーザのことが心配だと言われたダッドは、それを気にせず酔い潰れてしまう。

ロンにルイーザのことを任せたマリアは、ダッドを馬車に乗せて家に向かう。

海岸でルイーザと話すリオは、人には隠している政府の仕事をしていると伝えてキスする。

明日オレゴンに発ち、5か月は戻ってこないと言うリオは、育ちはよくない男で身分違いは承知しているが、待っていてほしいとルイーザに伝える。

リオは、それを約束してくれたルイーザに、母の形見だと言ってネックレスを渡す。

翌朝、ルイーザとその場で一夜を過ごしたリオは、オレゴンには行かないと言って、自分は銀行強盗だと彼女に話す。

昨夜の話はすべてウソだと言うリオは、ネックレスのことを訊かれ、自分は母親知らずで、花売りから25ドルで買ったとルイーザに伝える。

ルイーザに謝罪するリオは後悔していると伝えるが、彼女から、自分が嫌になっただけだと言われる。

ネックレスをリオに返したルイーザは、その場を去る。

家に戻ったルイーザは、その場にいたロンから、”どこにいたか知っている、自分とも付き合え”と言われたために彼をぶつ。

二日酔いで寝ていたダッドを起こしたロンは、リオがルイーザと一晩中、一緒にいたことを伝える。

その件をダッドから問い詰められたルイーザは、リオと一緒にいたことは認めるものの、散歩をしていただけだと伝える。

マリアも何があったかをルイーザに尋ねるが、ダッドに呼ばれる。

ダッドから、真実を言わせるようにと指示されたマリアは、ルイーザは正直だと伝える。

ルイーザと話したマリアは、涙する娘を抱きしめる。

マリアから、ルイーザは何もしていないと言われたダッドは、彼女を外出禁止にする。

フラメンコ・ダンサーのニカ(マルガリータ・コルドヴァ)に絡む、酔っ払いのハワード・テトリー(ティモシー・ケリー)を叩きのめしたリオは、銃を手にした彼を射殺する。

通報を受けて現れたダッドに事情を話したリオは、いずれ誰かが殺した男だと言われる。

リオとチコはハワードの死体を運びだすのを手伝い、馬車に乗せる。

拳銃を預かるとリオに伝えたダッドは、それに従わない彼に、助手が銃で狙っていることを知らせる。

手出しできないリオは銃を捨て、ロンに拘束される。

面倒を起こすなという忠告に従わなかったと言って、リオのシャツを破ったダッドは、彼を鞭打つ。

その様子を見守るボブは、手出しはできないので銀行を襲うのは延期だとハーヴェイに伝える。

リオから殺せと言われたダッドは、そうはいかないと伝えて彼の右手を銃の柄で殴り馬に乗せる。

戻れば殺すとリオに伝えて脅したダッドは、彼を町から追い払い、チコがそれを追う。

チコに手当されたリオは、ハーヴェイと共に現われたボブから、助けられなかったことを謝罪される。

海沿いの村で暫く過ごすことにしたリオらは、部屋を借りる。

ルイーザは、傷ついたリオが静養していることをロンから知らされる。

その後、背中の傷は治るものの右手は使えないリオは、チコからメキシコに戻ることを提案されるものの、その気になれない。

何とか手が動かせるようになったリオは、射撃を始める。

6週間も足止めされ苛立つボブは、ダッドを殺して銀行を襲うことをリオに提案するものの、自分のやり方に反すると言われる。

マリアは、落ち込むルイーザが妊娠したことを知り気遣う。

リオの元に向かい話をしたルイーザは、彼がダッドを殺す気であることを知る。

ルイーザから、酷い仕打ちだったことは認めるが、殺す理由にはならないと言われたリオは、劣悪な環境下で5年間もソノラの刑務所で過ごしたことが理由になると伝える。

5年前にダッドに裏切られたと言うリオは、それが金のためだったと話し、すべてが終わったら自分と来てほしいとルイーザに伝える。

父を殺すのではなく、男として当然の復讐だと言うリオは、それが5年間生きるための支えになったと伝える。

幸せになるチャンスは今だと言うルイーザは、ダッドのことは忘れるようにとリオに伝えるものの、それを拒まれる。

もう一度頼むものの無理だと言われたルイーザは、それならば自分も町を出るとリオに伝えて去ろうとする。

リオに呼び止められ、何かを知らせに来たのかと訊かれたルイーザは、その通りだがもういいと言ってその場を去る。

ルイーザのことでボブにからかわれたリオは憤慨し、今度、口にしたらただでは済まさないと言って彼を脅す。

明日の計画は中止しルイーザを迎えに行くことをチコに話したリオは、ダッドには出くわさないことを祈ると伝える。

翌朝、ボブとハーヴェイは、チコにその件を確認する。

メキシコに戻るチコは、リオに別れを告げてボブとハーヴェイと共に出発する。

途中、銀行を襲うと言うボブに誘われたチコは、リオの邪魔になると考えて断る。

町に向かおうとするボブに銃を向けたチコは、侮辱されたために発砲しようとするが、弾を抜けれていた。

チコを射殺したボブは、ハーヴェイを待たせてダッドの家に向かい、リオが来ることを知らせる。

ハーヴェイと共に銀行に向かい、行員のカーヴェイ(エリシャ・クックJr.)に銃を向けたボブは、隠してあった銃を奪い、バッグに現金を入れさせる。

現われた女性を黙らせたボブは、バッグを持って去ろうとするが、隠してあった銃でカーヴェイに撃たれる。

カーヴェイと女性も撃たれ、ハーヴェイがそれを確認する。

銃声に気づいたロンは、仲間達と銀行に向かう。

瀕死のボブは倒れ込み、彼を見捨てたハーヴェイはその場から逃げる。

ダッドの家に向かい銀行強盗のことを知らせたロンは、犯人はリオらで、一人は死んで相棒は逃げ、エイムの娘も死んだたと伝える。

その場にはいなかったもののリオの計画だと考えたダッドは、町に向かおうとする。

村を離れたリオは、チコの死体に気づかない。

リオを捕らえたダッドは、町に連行して拘留する。

ボブに伝言など頼んでいないとダッドに伝えたリオは、裁くのは町の人々だと言われる。

10年間の行動の結果であり、足を洗うべきだったと言われたリオは、お前は”片目のジャック”で、自分はもう一つの顔を知っていると伝える。

5年間、刑務所で過酷な日々を送っていたと言うリオは、信じようとしないダッドに、裁判は受けられることを確認する。

ダッドは、その後に自分が吊るすとリオに伝える。

会いに来たなルイーザに、銀行を襲わせたのは自分ではなく、君を迎えに行ったと伝えたリオは、結婚を申し込むつもりだったと話す。

子供ができたことをルイーザから知らされたリオは、明日は君を想いながら死ねると伝える。

裁判で真実を話せば分かってもらえると言うルイーザは、現われたロンに帰るよう指示される。

ロンにからかわれ挑発されたリオだったが、彼を相手にしない。

食事の際にマリアは、リオを殺したい理由が個人的にあるのではないかとダッドに尋ねる。

メキシコに置き去りにして逃げたことは本当か尋ねたマリアは、ルイーザから聞いたことをダッドに話すが、本当なら吊るしはしないと言われる。

ルイーザがリオの子を身籠ったことを知ったダッドは激怒し、貧困から救ってやった仕打ちがこれかと言ってマリアを責める。

罪を捨て去るために、自分たちは犠牲にされると伝えたマリアだったが、処刑を1日早めるだけだと言って出た行くダッドを止めることはできなかった。

再び現れたルイーザを追い払おうとしたロンは、ダッドに頼まれてリオに食事を差し入れに来たと言われ、それを調べる。

ルイーザは、握っていた二発の弾丸をリオに見せようとする。

シチューに隠してあった”デリンジャー”が見つかり、リオに近づき愛を伝えたルイーザは、ロンに引き離されて下に連れて行かれる。

ベッドを壊してネットを利用し、デリンジャーが置いてあるテーブルを引き寄せたリオは、それを手にするものの、弾が入っていない。

戻ってきたロンに銃を向けたリオは、牢屋の扉を開けさせて銃を奪う。

デリンジャーには弾は入っていないと言って手錠を外したリオは、ロンを叩きのめして牢屋に閉じ込め、その場から逃げる。

町に着いたダッドは、牢屋から叫び声をあげるロンに気づき、馬を手に入れて逃げようとするリオに発砲する。

銃撃戦になり、撃たれたように見せかけたリオは、背後に回りダッドを銃撃する。

それを見ていたルイーザから、父を殺したと言われたリオは、仕方がなかったと伝えて馬に乗りその場を去る。

瀕死のダッドは発砲するものの、息絶える。

海岸に着いたリオは、ルイーザに、この場で別れると言って、マリアに謝罪してほしいと伝える。

オレゴンに逃げることを考えるリオは、子供が生まれた後でソノラで会うことを提案されるものの、捜索されるとルイーザに伝える。

春になったら自分を捜すようルイーザに指示したリオは、愛を確かめて彼女にキスし、その場を去る。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1880年、メキシコソノラ州
”キッド”リオ、ダッド・ロングワース、ドクの三人組は、銀行を襲って逃亡する。
三人を見つけた警察の捜索隊はドクを殺し、リオとダッドは逃亡する。
追跡する捜索隊に馬を撃たれ、一人が馬を調達して戻ることになり、ダッドが農家に向かう。
農家で気が変わったダッドはその場を去り、リオは捕らえられる。
5年間刑務所生活を送ったリオは、囚人仲間のチコと脱獄し、知り合った悪党のボブから、ダッドがカリフォルニアモンテレーの保安官だと知らされて国境を越える。
ダッドに会ったリオは、許したように見せかけて牽制し、妻のマリアと彼女の連れ子ルイーザを紹介される。
その場を去るつもりだったリオはルイーザに惹かれてしまい、祭り楽しむことにするのだが・・・。
__________

チャールズ・ネイダーの小説”The Authentic Death of Hendry Jones”を基に製作された作品。

仲間に裏切られた無法者の復讐と許されぬ恋を描く、マーロン・ブランドが監督を務めたことで話題になった、彼の唯一の監督作品である異色の西部劇。
サム・ペキンパーがクレジットなしで脚本に参加している。

批評家の評価は低く、その後に再評価されたわけでもないが、2018年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

マーロン・ブランドの魅力はまずまず活かされてはいるが内容的は平凡で、それを補う個性派スターの演技が注目の作品。

また、第34回アカデミー賞 で撮影賞(カラー)にノミネートされたチャールズ・ラングの、海の風景を多用した珍しい西部劇でもある。

主演のマーロン・ブランドは、無法者ではあるが、流儀に反することを嫌い、愛する女性のために生きる決心をした男を熱演している。

強盗仲間であった主人公を裏切った保安官で、主人公と対決するカール・マルデン、主人公と共に銀行強盗を計画する悪党のベン・ジョンソン、主人公と愛し合うようになる保安官の継娘で、3年後に睡眠薬の過剰摂取により30歳の若さで他界するピナ・ペリサー、その母親ケティ・フラド、保安官補のスリム・ピケンズ、銀行員のエリシャ・クックJr.、主人公が信頼する脱獄仲間ラリー・デュラン
、彼らと手を組む悪党のサム・ギルマン、主人公に殺される酔っ払いティモシー・ケリー、酒場の女ミリアム・コロン、主人公らを追う警官のロドルフォ・アコスタ、農夫の息子トム・ウェッブ、フラメンコ・ダンサーのマルガリータ・コルドヴァ、主人公の強盗仲間ハンク・ウォーデン、他、レイ・ティールジョン・ディアケスフィリップ・アーンなどが共演している。


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