2009年に発表された、デヴィッド・ニコルズの小説”One Day”を基に製作された作品であり、彼自身が脚色している。 大学の卒業式後に出会った男女の18年間の恋と友情を描く、主演アン・ハサウェイ、ジム・スタージェス、ロモーラ・ガライ、パトリシア・クラークソン共演、監督ロネ・シェルフィグによるドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロネ・シェルフィグ
製作総指揮:テッサ・ロス
製作:ニーナ・ジェイコブソン
原作:デヴィッド・ニコルズ”One Day”
脚本:デヴィッド・ニコルズ
撮影:ブノワ・ドゥローム
編集:バーニー・ピリング
音楽:レイチェル・ポートマン
出演
エマ・モーリー:アン・ハサウェイ
デクスター・メイヒュー:ジム・スタージェス
シルヴィー:ロモーラ・ガライ
イアン:レイフ・スポール
スティーヴン・メイヒュー:ケン・ストット
アリソン・メイヒュー:パトリシア・クラークソン
ティリー:ジョディ・ウィッテカー
ジェイミー・ハジール:ジェイミー・シーヴェス
スキー・メドウズ:ジョージア・キング
アーロン:マット・ベリー
マレー・コープ:マシュー・ビアード
ジャスミン・メイヒュー:エミリア・ジョーンズ
アメリカ/イギリス 映画
配給 フォーカス・フィーチャーズ
2011年製作 107分
公開
北米:2011年8月19日
イギリス:2011年8月24日
日本:2012年6月23日
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $13,766,010
世界 $56,706,630
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1988年7月15日、スコットランド、エジンバラ。
エジンバラ大学の卒業式が終わり、エマ・モーリー(アン・ハサウェイ)とデクスター・メイヒュー(ジム・スタージェス)は出会い、彼女のアパートに向かう。
愛し合おうとした二人だったが、結局は、友達として付き合うことに決めた二人はそのまま夜を過ごす。
1989年7月15日、ロンドン。
ウエイトレスとしてメキシカン・レストランで働き始めるエマは、世界を旅するというデクスターに別れを告げる。
1990年7月15日。
成功を夢見るものの、ウエイトレスの仕事を続けるエマは、気が滅入りデクスターに連絡を入れる。
パリ。 1991年7月15日。 デクスターは、そんな彼女の人生を案じて、自信を持つように励ます。 1992年7月15日。 1993年7月15日。 1994年7月15日。 デクスターの生き方に失望している父スティーヴンは、酔って現れた彼を痛烈に非難する。 苛立つデクスターは、エマと連絡を取ろうとするが、彼女は、同僚であったコメディアンのイアン(レイフ・スポール)と映画と食事に出かけていた。 エマに好意を抱くイアンは、教師になる彼女を祝福してアパートに誘う。 1995年7月15日。 教師になっていたエマも、弱音を吐くデクスターを励ます。 1996年7月15日。 1998年7月15日。 1999年7月15日。 2000年7月15日。 デクスターは、シルヴィーと結婚することをエマに伝えて、一月後の式の招待状を渡す。 シルヴィーが妊娠していることも知ったエマは、それも祝福するものの、寂しさを感じながら友情を確かめ合う。 2001年7月15日。 デクスターは、不器用ながら地道に仕事をする毎日を過ごすがシルヴィーは浮気を始める。 2003年7月15日。 エマの恋人と会うのを断ったデクスターは、翌日ロンドンに帰ることを伝えて独り街を歩く。 2004年7月15日。 2005年7月15日。 2006年7月15日。 それを電話のメッセージで謝罪したエマは、プールで泳いだ帰りに、自転車で路地を通り過ぎたところで、トラックに轢かれて死亡する。 2007年7月15日。 デクスターは、エマが生きていると考えてみてはどうかと、10年間それを続けている父スティーヴンに助言される。 2009年7月15日。 イアンは、嫌っていたデクスターだが、自分とは釣り合わないエマを、幸せにした彼に感謝する。 今後も連絡を取り合おうと提案するデクスターだったが、イアンは、これで終わりにするべきだと言って、その場にいた家族の元に戻る。 2011年7月15日。 1988年にエマと初めて行った場所で、デクスターは、その後、愛し合った彼女と、訪ねて来た両親に会ったことを想い出す。 エマは遠慮してその場を立ち去り、デクスターは、それを気にする母アリソンに、彼女が友達だと伝える。 しかし、デクスターはエマを追い、電話番号を聞いてキスをして別れる。
複数のガールフレンドと付き合っているデクスターは、休暇中だと言って、母アリソン(パトリシア・クラークソン)と父スティーヴン(ケン・ストット)と過ごす。
...全てを見る(結末あり)
エマは、辞めない条件でマネージャーになれることを、店に現れたデクスターに伝える。
フランス旅行に出かけた二人は、相変わらず”友人”関係を続けて、一線を越えない時を過ごす。
デクスターは、テレビ・ショーのホストとして有名人になる。
癌と診断された母アリソンに会ったデクスターは、ショーのホストが目標だったのかを彼女に問われる。
母アリソンは亡くなり、業界の嫌われ者になっていたデクスターを父スティーヴンがスタジオに訪ね、マスコミの報道など気にするなと助言する。
イアンと同棲していたエマは、ある日、デクスターとデートをして、自分達の人生が何なのかで意見が合わず、彼に別れを告げる。
番組の方向性を変える意味で、プロデューサーのアーロン(マット・ベリー)はデクスターを降板させる。
デクスターは、フィアンセのシルヴィー(ロモーラ・ガライ)がいたが、彼と何年か会っていないエマは、しっくりいかないイアンとの関係を断ち切れない。
知人の結婚式で、エマとデクスターは何年かぶりに再会する。
作家になったエマは本を出版してパリに住み、デクスターには、娘ジャスミンが生まれる。
離婚したデクスターは、パリのエマを訪ねるが、彼女に恋人がいることを知りショックを受ける。
しかし、エマはデクスターを追い、彼にキスして心残りを伝えてお互い裏切らないにとを約束する。
カフェを開いたデクスターは、結婚も考えながらエマと付き合い始める。
子供が欲しいということで、意見が一致したエマとデクスターは愛し合う。
妊娠する気配のないエマは落ち込み、デクスターに八つ当たりしてしまう。
立ち直れないデクスターは自暴自棄になり、生きる望みも失い実家に滞在することになる。
保険業者になっていたイアンがデクスターの店を訪ね、エマの命日であるその日について二人は語り合う。
デクスターは、娘ジャスミン(エミリア・ジョーンズ)を連れて、エマとの想い出の場所”Arthur’s Seat, Edinburgh”に向かう。
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*(簡略ストー リー)
1988年7月15日。
エジンバラ大学の卒業式で出会ったエマ・モーリーとデクスター・メイヒューは、意気投合してベッドを共にしようとする。
しかし、友達として付き合うことを決めた二人はそのまま夜を過ごす。
その後エマは、ロンドンでウエイトレスとして働き始めるが、作家になる夢も果たせるか不安を抱えながら、世界を旅するというデクスターを見送る。
二人は、お互いの人生を歩みながらも、時に、一緒に旅行して励まし合い、衝突もして友情を深め合う。
やがて、エマは教師になり、デクスターはテレビ界で成功するものの、女や酒、ドラッグに溺れる生活は続き、二人が出会った7月15日を毎年迎える・・・。
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デンマーク人女性監督ロネ・シェルフィグの、主人公二人の微妙な関係を、流れるような映像表現で描写する演出、レイチェル・ポートマンの美しい音楽が印象深い作品。
二人の18年間とその後、出会いの日と同じ1日だけを描くというアイデアが非常に面白い。
ほぼ1年刻みで進む展開に合わせ、主人公二人の表情や髪形、衣装など、少しずつ変化する細かい演出も注目だ。
スコットランドのエジンバラから始まる物語は、その後、ロンドン、パリなどを舞台にし、クライマックスで、回想シーンを含めて再びエジンバラに戻り、田舎町や自然など美しい映像も楽しめる。
イギリス人女優が演じるべきだった気もするが、既に大女優の風格も感じられるアン・ハサウェイが、幸せを掴みきれずに不幸な結末を迎える主人公を繊細に演じ切っている。
何不自由ない生活を送れるプレイボーイから、凋落する役を好演するジム・スタージェス、その妻ロモーラ・ガライ、娘エミリア・ジョーンズ、主人公に心を寄せるレイフ・スポール、デクスター(J・スタージェス)の父親のケン・ストット、母親のパトリシア・クラークソン、TVタレントでデクスターの恋人役ジョージア・キング、TVプロデューサーのマット・ベリー等が共演している。