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オリバー! Oliver! (1968)

チャールズ・ディケンズの”オリバー・ツイスト”を原作にした同名ミュージカルの映画化。
孤児の少年が虐げられた生活を送る中で隠された出生の秘密を知り幸せを掴むまでを描く、監督キャロル・リード、主演ロン・ムーディーマーク・レスターオリヴァー・リードジャック・ワイルド他共演のミュージカル。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル


スタッフ キャスト ■
監督:キャロル・リード

製作:ジョン・ウルフ
原作:チャールズ・ディケンズ
原案:ライオネル・バート(オリバー!:ミュージカル)
脚本:ヴァーノン・ハリス
撮影:オズワルド・モリス
編集:ラルフ・ケンプレン
美術・装置
ジョン・ボックス
テレンス・マーシュ
ヴァーノン・ディクソン
ケン・マグレストン
衣装デザイン:フィリス・ダルトン
振付:オナ・ホワイト
音楽
ジョニー・グリーン
エリック・ロジャース

出演
フェイギン:ロン・ムーディー
オリバー・ツイスト:マーク・レスター
ビル・サイクス:オリヴァー・リード
ジャック・ドーキンス”アートフル・ドジャー”:ジャック・ワイルド
ナンシー:シャニ・ウォリス
ブラウンロウ:ジョセフ・オコナー
バンブル:ハリー・シーコム
コーニー夫人:ペギー・マウント
サワベリー:レナード・ロシター
サワベリー夫人:ヒルダ・ベーカー
ベット:シーラ・ホワイト
判事:ヒュー・グリフィス

イギrチス 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1968年製作 146分
公開
イギリス:1968年9月26日
北米:1968年12月10日
日本:1968年10月5日
製作費 $10,000,000
北米興行収入 $16,800,000
世界 $40,000,000


アカデミー賞 ■
第41回アカデミー賞

・受賞
作品・監督・録音・美術
音楽(ミュージカル)・名誉賞(振付)
・ノミネート
主演男優(ロン・ムーディー
助演男優(ジャック・ワイルド
脚色・撮影・編集・衣装デザイン賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
19世紀。
救貧院で、粗末な食事だけを与えられ、過酷な労働を強いられていた子供達は、食事のお代わりをしたいためにクジ引きをして、施設を管理する教区吏バンブル(ハリー・シーコム)とコーニー夫人(ペギー・マウント)に訴えようとする。

クジに当たってしまった孤児オリバー・ツイスト(マーク・レスター)は、バンブルにお代わり求めたため理事室に連れて行かれ、売りとばされることになってしまう。

そして、ようやく葬儀屋のサワベリー(レナード・ロシター)がオリバーに興味を示すものの、生まれて直ぐに母親と死に別れた救貧員の子供は手がかかると、夫人(ヒルダ・ベーカー)は愚痴をこぼす。
...全てを見る(結末あり)

試験的に雇われることになったオリバーは、母親を侮辱され騒ぎを起こし、地下室の棺桶倉庫に閉じ込められてしまう。

その場を逃げ出したオリバーは、1週間かけてロンドンにたどり着き、活気ある大都会の様子に驚いてしまう。

その後オリバーは、ジャック・ドーキンス”アートフル・ドジャー”(ジャック・ワイルド)という少年に出会う。

子供達のスリ集団に属するドジャーは、仲間達と親方のフェイギン(ロン・ムーディー)の元にオリバーを連れて行く。

フェイギンは、オリバーにスリの極意を教え、彼を気に入り仲間に引き入れる。

オリバーを寝かしつけたフェイギンは、悪党の仲間ビル・サイクス(オリヴァー・リード)に会う。

奪った物をフェイギンに渡したサイクスは、情婦ナンシー(シャニ・ウォリス)のいる酒場に元に向かう。

翌日、ナンシーが酒場の娘ベット(シーラ・ホワイト)を伴い、フェイギンにサイクスの金を受け取りに来るが、彼女らも新入のオリバーを気に入り可愛がる。

渋々金を払ったフェイギンは、オリバーを自分と組ませると言うドジャーらを仕事に送り出す。

ドジャーの仕事を見ていたオリバーは、スリに被害を受けた紳士ブラウンロウ(ジョセフ・オコナー)に犯人と間違われ、警官に追われ捕まってしまう。

フェイギンは、サイクスと共に自分達の身の危険を感じながら、裁判にかけられるオリバーの元にナンシーを向かわせ様子を探る。

アル中の判事(ヒュー・グリフィス)は、何も話そうとしないオリバーに、証人喚問もせずに3ヶ月の重労働を言い渡してしまう。

しかし、犯行を見ていた証人の発言でオリバーは無実となり、被害者のブラウンロウは、償いのために彼を屋敷に連れて行く。

翌朝、目覚めたオリバーは、今までに体験したことのない、街角の人々の幸せに満ち溢れた様子に驚いてしまう。

それを監視していたサイクスは、オリバーを連れ戻す方法を考えるが、ナンシーは夢のような生活を送れる彼をそのままにしていてあげたいと反論する。

しかし、サイクスはそれを許さず、ナンシーは彼に従うしかなかった。

その頃ブラウンロウは、肖像画の姪に似ているオリバーに、5ポンドと高価な本を渡しお使いを頼む。

オリバーを追い街角で声をかけたナンシーは、彼を路地裏に連れて行き、サイクスが強引に馬車に乗せ連れ去る。

フェイギンのアジトに、オリバーを連れ帰ったサイクスは、彼が何かを話したと察し罰を与えようとする。

我慢の限界に達したナンシーは、それを制止してその場を去ってしまう。

サイクスは、この件に対処するようフェイギンを脅し、今後、仕事は自分が仕切ることを伝える。

オリバーが姿を消し、ブラウンロウは救貧院のバンブルから受け取ったネックレスが姪のものだと気づくが、それを今まで隠していた彼らに礼金を払い追い返してしまう。

サイクスはオリバーを家に連れ帰り、彼に仕事を手伝わせようとするが、それを知ったナンシーはブラウンロウの屋敷に向かう。

ナンシーは、ブラウンロウに自分達がオリバーをさらったことを正直に伝え、彼を救うために協力すると約束する。

ロンドン橋にオリバーを連れて行くことをブラウンロウに伝えたナンシーは、仲間の男の名前は明かさなかった。

オリバーを強盗に加担させたサイクスだったが、それに失敗し酒場に向かう。

ナンシーはオリバーを連れ出せずにいたが、突然、歌い踊り出し、酒場内が賑わった隙に彼を連れロンドン橋に向かう。

サイクスはそれに気づき二人を追い、ナンシーがオリバーにブラウンロウがいることを教えた直後、彼女を捕まえ撲殺する。

オリバーを連れ去ったサイクスだったが、現場に彼の愛犬がいたため、その場にいたブラウンロウらはナンシー殺害犯がサイクスだと考える。

フェイギンは、戻ってきたサイクスが、ナンシーを殺したことを知り危険を察し、彼を追い出そうとする。

しかし、フェイギンのアジトはブラウンロウや人々に知られてしまい、彼らはその場を逃れようとする。

サイクスはオリバーを連れて逃亡し、フェイギンも子供達と別れ逃げ去る。

ロープを使って建物を渡ろうとしたサイクスは、警官に撃たれ死亡する。

仲間も盗品も失ってしまったフェイギンは途方に暮れるが、ドジャーが混乱の隙に盗んだぶ厚い財布を渡す。

二人は、とても足など洗えないと言って、新たな仕事を求め夢を膨らませる。

そして、オリバーはブラウンロウが母親のおじだと知り、彼と共に屋敷に戻る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
孤児のオリバー・ツイストは、救貧院で虐げられた生活を送っていたが、ある日、粗末な食事について意見したことが問題となり売りとばされてしまう。
売られた先の葬儀屋で、騒ぎを起こして逃げ出したオリバーは、苦労してロンドンにたどり着き、スリの少年ドジャーと出会う。
ドジャーは、親方のフェイギンの元にオリバーを連れて行く。
フェイギンに気に入られたオリバーは、ドジャーと組んで仕事を始めるが、運悪く警察に捕まってしまう。
オリバーは、目撃者の証言で無実となり、被害者の紳士ブラウンロウは、彼に償いをするため屋敷に連れて行く。
その後オリバーは、夢のような暮らしを体験するのだが、隠れ家であるアジトのことがばれる恐れが出てきたフェイギンと、彼と組む極悪人サイクスはオリバーを連れ戻そうとする。
しかし、サイクスの情婦ナンシーはオリバーに同情して、彼に今の生活を続けさせてあげようと反論するのだが・・・。
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月刊誌”ベントリーズ・ミセラニー”に1837-1839年まで掲載され、1838年に著書として発表された、チャールズ・ディケンズ原作”オリバー・ツイスト”を基にした、1960年にロンドンの”ウエストエンド・シアター”で初演されたライオネル・バート同名ミュージカルの映画化。

第三の男」(1949)などのキャロル・リードが、ミュージカルでアカデミー監督賞を受賞したことで話題になった作品。

第41回アカデミー賞では11部門にノミネートされ、作品、監督、録音、美術、音楽(ミュージカル)、名誉賞(振付)を受賞した。
・ノミネート
主演男優(ロン・ムーディー
助演男優(ジャック・ワイルド
脚色・撮影・編集・衣装デザイン賞

興行的にも大成功して、アカデミー作品賞も受賞した作品ではあるが、ミュージカル史上に残ると言うほどでもなく、キャロル・リードの監督賞受賞は、彼の長年の功績に対するものであることは確かだ。

北米興行収入 $16,800,000
世界 $40,000,000

19世紀のロンドンを再現したセットや衣装、撮影などは素晴らしく、子供達の演技や振付も、当然手抜きはなく、2時間半近くの長尺でも飽きることのない、見応えある作品には仕上がっている。

スリ集団の親方を愉快に演ずるロン・ムーディー、愛らしく主人公を演ずるマーク・レスター、女子供にまで容赦なく手を出す極悪人を迫力で演ずる、撮影当時まだ29歳のオリヴァー・リード、登場場面はインパクトがあるものの、後半の活躍が少ないのが残念な、スリの少年ジャック・ワイルド、主人公に同情する酒場の女シャニ・ウォリス、主人公の出生の秘密に気づく紳士ジョセフ・オコナー、救貧院を管理する教区吏ハリー・シーコム、婦長ペギー・マウント、主人公を雇う葬儀屋のレナード・ロシター、その妻役ヒルダ・ベーカー、酒場で働く少女シーラ・ホワイト、そして、ゲスト出演としてアル中の判事役でヒュー・グリフィスが登場する。


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