1915年に発表された、サマセット・モームの小説”人間の絆”を基に製作された作品。 ふしだらな女性に惹かれた医学生の揺れ動く心を描く、監督ジョン・クロムウェル、主演レスリー・ハワード、ベティ・デイヴィス、フランシス・ディー他共演のドラマ。 |
・ドラマ
・ベティ・デイヴィス / Bette Davis / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・クロムウェル
製作:パンドロ・S・バーマン
原作:サマセット・モーム”人間の絆”
脚本:レスター・コーエン
撮影:ヘンリー・W・ジェラード
編集:ウィリアム・モーガン
音楽:マックス・スタイナー
出演
フィリップ・ケリー:レスリー・ハワード
ミルドレッド・ロジャース:ベティ・デイヴィス
マリア・デル・ソル”サリー”アセルニー:フランシス・ディー
ノラ:ケイ・ジョンソン
ハリー・グリフィス:レジナルド・デニー
エミール・ミラー:アラン・ヘイル
シリル・ダンスフォード:レジナルド・シェフィールド
ソープ・アセルニー:レジナルド・オーウェン
アグネス・ホレット:テンピ・ピゴット
アメリカ 映画
配給 RKO
1934年製作 83分
公開
北米:1934年6月28日
日本:1935年2月日
製作費 $403,000
■ アカデミー賞 ■
第7回アカデミー賞
・ノミネート
主演女優賞(ベティ・デイヴィス)
*公式ノミネートではなく書き込みによる投票
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
パリ。
”先天性内反足”で右足が不自由な青年フィリップ・ケリー(レスリー・ハワード)は、画家になる夢を諦めてイングランドに帰国する。
ロンドン。
足が悪いために医学に興味を持っていたフィリップは、その道を目指す学生となる。
プレイボーイの友人ハリー・グリフィス(レジナルド・デニー)はデートに向かい、シリル・ダンスフォード(レジナルド・シェフィールド)から、ある気になる女性と付き合うきっかけを作るのに協力してほしいと言われたフィリップは、彼と共にカフェに向かう。
客のエミール・ミラー(アラン・ヘイル)と親しげに話していたウエイトレスのミルドレッド・ロジャース(ベティ・デイヴィス)は、彼が帰ったためにフィリップとシリルのテーブルに向かう。 傲慢で礼儀を知らないミルドレッドの態度に驚いたシリルは、そんな彼女のために協力してもらおうとしたことをフィリップに謝罪する。 用事があるシリルはその場を去るが、ミルドレッドに興味を持ったフィリップは残る。 ミルドレッドと話したフィリップは、彼女が態度を変えないために店を出る。 フィリップが気になるミルドレッドは、彼は右足が不自由であることを知る。 翌日もカフェに向かったフィリップは、エミールと話すミルドレッドを描き、彼女をテーブルに呼ぶ。 ミルドレッドに絵を見せて食事に誘ったフィリップは、数日後に会う約束をする。 ミルドレッドと駅で待ち合わせて食事をしたフィリップは、また会いたいことを伝える。 フィリップは、他にも付き合う相手はいると言うミルドレッドをアパートに送り別れる。 その夜、フィリップはミルドレッドの夢を見る。 翌日、仕事を終えたミルドレッドに声をかけたフィリップは、彼女をアパートに送り、キスしたいことを伝えるものの断られる。 ミルドレッドを芝居に誘ったフィリップは、数日後、彼女をカフェに迎えに行き、店から出てきたエミールから声をかけられる。 自己紹介されたフィリップは、エミールから、もっと自信を持った態度でミルドレッドに接するよう助言される。 ミルドレッドから芝居には行けないと言われたフィリップは、その場でチケットを破る。 当てつけだと言って気分を害するミルドレッドは、仕事に戻る。 店の外でミルドレッドを待っていたフィリップは、彼女に追い払われてしまう。 アパートに戻ったフィリップは、ミルドレッドのことが頭から離れない。 その後もミルドレッドのことが忘れられないフィリップは、勉強に身が入らず試験に落第してしまう。 ミルドレッドに会うしかないと思ったフィリップは、彼女と食事をして楽しい時間を過ごす。 ミルドレッドとの結婚を決めたフィリップだったが、ハリーとシリルから理解できないと言われる。 指輪を買ったフィリップは、ミルドレッドに会い結婚を申し込むものの、彼女から裕福な男性と結婚すると言われる。 ミルドレッドから、これでお別れだと言われたフィリップはショックを受ける。 劇場に向かうことをミルドレッドから知らされたフィリップは、その場に向かい、彼女の相手がエミールだということを確認する。 失意のフィリップは、二人のことを考えながら呆然として街を歩く。 その件をハリーに話したフィリップは、ミルドレッドを忘れるには別の女しかないと言われる。 その後、作家のノラ(ケイ・ジョンソン)と恋に落ちたフィリップは、辛い経験を話し彼女に励まされながら、試験に受かるために勉強を続ける。 ある日、アパートに訪ねて来たミルドレッドから、妊娠したためにエミールに捨てられたと言われたフィリップは、彼女と話をする。 エミールに会ったフィリップは、夫としての責任を問うものの、結婚していないことを知る。 その件をミルドレッドに問い詰めたフィリップは、真実を話せなかったと言う彼女を責めることができない。 ミルドレッドの世話をすることにしたフィリップは、ノラと連絡を取らなくなる。 訪ねて来たノラに、フィリップは、関係を終わりにしたいとしか言えなかった。 ミルドレッドとのことは知っていたノラは、酷い目に遭いながらも尽くそうとするフィリップの気持ちを察する。 その後、子供が生まれたミルドレッドを見守るフィリップは、彼女から、これから変わると言われる。 子供を施設に預けることにしたミルドレッドは、人生を楽しもうとする。 フィリップとハリーと共に食事に出かけたミルドレッドは、陽気なハリーと意気投合する。 ミルドレッドを送ったフィリップは、ハリーが彼女に気がないことを確認する。 その後、ミルドレッドがハリーに惹かれていることを知ったフィリップは、彼の考えは聞いていると伝える。 ミルドレッドからハリーの手紙を見せられたフィリップは、男を弄ぶ考えが理解できず彼女を追い出す。 気まずい関係になったハリーから、ミルドレッドとは終わったと言われたフィリップは、彼を相手にしなかった。 研修医となったフィリップは、担当する黄疸の患者ソープ・アセルニー(レジナルド・オーウェン)から、娘のマリア・デル・ソル”サリー”(フランシス・ディー)を紹介される。 退院したソープの家に招待されたフィリップは、サリーと惹かれ合うようになる。 シリルから、ミルドレッドが苦労して惨めな生活をしていることを知らされたフィリップは、彼女と子供を家に住まわせる。 寄りを戻そうとするミルドレッドだったが、何度も裏切られているフィリップはその気になれなかった。 その後、フィリップが叔父から援助を受けていることを知ったミルドレッドは、彼に迫るものの拒まれる。 フィリップを侮辱して罵ったミルドレッドは、その後、彼の大切な絵をナイフで裂き、叔父からの小切手を燃やしてしまう。 学費がなくなり退学することを決めたフィリップは、恩師のジェイコブスに相談し、気遣ってくれる彼から足の手術を勧められる。 手術が成功して普通に歩けるようになったフィリップは、職を探すものの見つからなかった。 家賃が払えないフィリップは、大家のアグネス・ホレット(テンピ・ピゴット)から、荷物は預かるという内容のメモを受け取る。 アセルニー家に向かったフィリップは、サリーから、事情は知っていると言われる。 落ち着くまで家に居ることを勧めるソープの好意に感謝したフィリップは、サリーから、百貨店の仕事を探してあると言われる。 ミルドレッドが重病だと知ったフィリップは彼女に会い、咳が止まらない彼女に肺病だと伝える。 子供が昨年の夏に死んだことを知ったフィリップは、ミルドレッドに金を渡し、薬を勧めてその場を去る。 その後、亡くなった叔父の遺産を受け取ることになったフィリップは復学する。 医師となったフィリップは、汽船会社の船医として採用され、シドニーに向けて出発することになる。 悲しむサリーに、戻ったら結婚することを約束したフィリップは、自分の気持ちが変わるのではないかと心配する彼女に言葉を返せない。 ハリーとシリルは、重病のミルドレッドを病院に運ぶ。 病室に入ろうとしたフィリップは、ハリーから、手遅れの患者がミルドレッドだと知らされる。 船に乗るのをやめたフィリップは、サリーに結婚することを伝える。 フィリップが自分に気を遣っているのではないかと思うサリーは、複雑な気持ちだった。 不自由な人生からいつも逃げてばかりいたと言うフィリップは、付きまとっていた者はもういないとサリーに伝える。 それなのに旅立つことをやめた理由を訊かれたフィリップは、幸せはここにあると答えて、サリーに結婚を申し込む。 フィリップは、同意してくれたサリーと共にタクシーに乗る。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ロンドン。
画家になる夢を諦めてパリから戻った青年フィリップ・ケリーは、”先天性内反足”で右足が不自由なため、医学に興味を持ちその道を目指すことにする。
カフェのウエイトレスであるミルドレッドに惹かれたフィリップは、傲慢で礼儀知らずではあるが彼女に魅力を感じて付き合い始める。
ミルドレッドに結婚を申し込んだフィリップは、彼女が裕福な男性エミールと結婚することを知りショックを受ける。
その後フィリップは、妊娠したことでエミールに捨てられたミルドレッドから相談を受けるのだが・・・。
__________
ブロードウェイで活躍し、トーキー映画初期から映画界入りしてキャリアを摘むジョン・クロムウェルの監督作品。
彼の息子は、名バイプレイヤーとして知られるジェームズ・クロムウェル。
ふしだらな女性に惹かれた足が不自由な医学生の揺れ動く心を描くドラマ。
何と言っても、その後、大女優となるベティ・デイヴィスの出世作として知られる作品。
周囲を気にせず本能のままに生きるヒロインを見事に演じたベティ・デイヴィスの演技は評判となり、それをよしとしないジャック・ワーナーらの妨害に遭い、彼女はアカデミー主演賞ノミネートを阻止されてしまう。
しかし、その件に関しての抗議が殺到し、会員による書き込み投票が許可されたという問題が大いに話題になった。
主演のレスリー・ハワードは、足が不自由なことで常に引け目を感じながら人生を送る中で、自堕落なヒロインに恋する悩める医学生を好演している。
主人公と結ばれることになる女性フランシス・ディー(ジョエル・マクリー夫人)、主人公と恋に落ちる作家のケイ・ジョンソン、主人公の友人である医学生でヒロインとも付き合うプレイボーイのレジナルド・デニー、同じく友人のレジナルド・シェフィールド、ヒロインと付き合う裕福な男性アラン・ヘイル、主人公の患者であるレジナルド・オーウェン、主人公のアパートの大屋テンピ・ピゴットなどが共演している。