”フレンチ・インディアン戦争”を舞台に、インディアン討伐隊”ロジャース・レンジャーズ”と指揮官ロバート・ロジャーズ少佐の戦いを描く、監督キング・ヴィダー、主演スペンサー・トレイシー、ロバート・ヤング、ウォルター・ブレナン他共演の歴史ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:キング・ヴィダー
製作:ハント・ストロンバーグ
原作:ケネス・ロバーツ”Northwest Passage”
脚本
ローレンス・スターリングス
タルボット・ジェニングス
撮影
シドニー・ワグナー
ウィリアム・V・スコール
編集:コンラッド・A・ネルヴィッヒ
音楽:ハーバート・ストサート
出演
ロバート・ロジャーズ少佐:スペンサー・トレイシー
ラングドン・タウン:ロバート・ヤング
”ハンク”マリナー:ウォルター・ブレナン
エリザベス・ブラウン:ルース・ハッシー
”キャップ”ハフ:ナット・ペンドルトン
ブラウン牧師:ルイ・ヘクター
ハンフリー・タウン:ロバート・バラット
アマースト卿:ラムスデン・ヘアー
マクノット軍曹:ドナルド・マクブライド
ジェニー・コイト:イザベル・ジュエル
エイブリー中尉:ダグラス・ウォルトン
クロフトン中尉:アディソン・リチャーズ
ジェシー・ビーチャム:ヒュー・ソーサーン
ウェブスター:リージス・トゥーミー
タウン夫人:ヴェルナ・フェルトン
ワイズマン・クラゲット:モンタギュー・ラブ
サム・リバモア:レスター・マシューズ
オグデン大尉:トルーマン・ブラッドリー
レンジャー:トム・ロンドン
レンジャー:ハンク・ウォーデン
アメリカ 映画
配給 MGM
1940年製作 125分
公開
北米:1940年2月23日
日本:1951年5月8日
製作費 $2,687,000
■ アカデミー賞 ■
第13回アカデミー賞
・ノミネート
撮影賞(カラー)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1759年、ニューハンプシャー州、ポーツマス。
青年ラングドン・タウン(ロバート・ヤング)は、ハーバード大学を放校処分となり故郷に戻る。
酒場を始めた”キャップ”ハフ(ナット・ペンドルトン)から、”ハンク”マリナー(ウォルター・ブレナン)が、弁護士ワイズマン・クラゲット(モンタグ・ラブ)と揉めたため、さらし刑にされていることを知る。
ハフと共にハンクの元に向かったラングドンは、総長を侮辱する風刺画を描いたために放校になったことを二人に話す。
父ハンフリー(ロバート・バラット)や弟たちを失望させたことを謝罪するラングドンだったが、母(ヴェルナ・フェルトン)に擁護してもらう。
ハンフリーは、ラングドンが望み通りに絵が描けることは素晴らしいことだと言う妻の意見に同意する。 恋人エリザベス・ブラウン(ルース・ハッシー)に会いに行こうとしたラングドンは、父から、彼女の父ブラウン牧師(ルイ・ヘクター)にこの件を知られると面倒なので秘密にするよう指示される。 エリザベスに会い、ブラウン牧師と家族に迎えられたラングドンは、既にすべてを知っていた牧師から、今後の計画を問われる。 画家になると答えたラングドンは、それ軽蔑するブラウン牧師とエリザベスの意見が同じであることを知り、憤慨してその場を去る。 ハフの酒場で友人サム・リバモア(レスター・マシューズ)と話していたラングドンは、ブラウン牧師の話を聞くべきだと言われるものの、納得できない。 クラゲットの批判を始めたラングドンは、隣の部屋にいたクラゲットから、イギリスの行政官”ウィリアム・ジョンソン”も侮辱したことを非難される。 連行されそうになったラングドンは、窓から現れたハンクに助けられ、その場から逃げる。 森を抜けようとしたラングドンとハンクは、ある酒場でロバート・ロジャーズ(スペンサー・トレイシー)に出会う。 ラングドンが地図を描けることを知ったロジャーズは、彼とハンクと共にバター入りのホット・ラム酒を飲む。 酔って眠ってしまったラングドンとハンクは、イギリス陸軍の行進で目覚め、マクノット軍曹(ドナルド・マクブライド)から、その場が”クラウン・ポイント砦”だということを知らされる。 自分たちを運んできたロジャーズは少佐であり、地図を持って行ったことを知ったラングドンは、インディアン討伐隊”ロジャース・レンジャーズ”の指揮官である彼の元に案内される。 ロジャーズから地図が描ける者が必要だと言われたラングドンは、ハンクと共にレンジャーズに協力することになる。 司令官アマースト卿(ラムスデン・ヘアー)の命令を受けたロジャーズは、モホーク族のスカウトを伴い、ラングドンとハンクが加わったレンジャーズと共にボートに乗り川を下る。 シャンプレーン湖。 ボートで進むフランス軍の偵察隊を監視する、ロジャーズは夜を待ち移動する。 翌日、安全だと言うモホークの報告を疑ったロジャーズは敵がいると考え、それを避けるために、ボートをロープで引きながら丘を越える。 3席のフランス軍が待ち伏せしていることを確認したロジャーズは、敵はいないと報告したモホークを砦に戻そうとする。 それに反対する隊員が揉め事を起こし、ロジャーズは、騒ぎを起こした部下とモホークを合わせた、全体の2割40人を送り返そうとする。 命令した大尉から意見されたロジャーズは、規則を守らない者は部隊には必要ないと言って考えを変えない。 その後、沼地に到着してボートを隠したロジャーズは、岩に地図を描き、セント・フランシスのアベナキ族の部落を目指すことを隊員に伝えて出発する。 休息したロジャーズは、500人のフランス軍が現れボートが見つかったという報告を受け、負傷兵と病人をクラウン・ポイント砦に戻し、ウェントワース砦に食料と物資を運ぶことを伝えるよう指示する。 人間の鎖を作り川を渡ったロジャーズは、セント・フランシスに向かう。 アベナキ族の部落の手前で野営をしたロジャーズは、クロフトン中尉(アディソン・リチャーズ)に、弟が惨殺された時の話をさせて、襲撃の準備をする。 部落に侵入したロジャーズは、部族民が眠っていることを確認し、待機する部下に合図を送る。 部落に向かったレンジャーズはテントや家に火を放ち、激しい戦いが始まる。 戦いに勝利したロジャーズは、食料はフランス軍に奪われ、トウモロコシしか残っていないことを知る。 白人の捕虜からフランス軍が戻ると言われたロジャーズは、その中のジェニー・コイト(イザベル・ジュエル)を連れて行こうとする。 部族の女子供を解放したロジャーズは、殺戮を繰り返せば同じ目に遭うと警告する。 部隊は撤退の準備を始め、ラングドンが腹部を撃たれたことを知ったハンクは、彼を助けてボートに乗せる。 川の対岸に向かい部隊を整列させたロジャーズは、ラングドンが負傷したことを知る。 湖を経由してウェントワース砦に向かうことを隊員に伝えたロジャーズは、隊列に加わるようハンクに指示し、ラングドンの様子を見る。 歩けなければ置いて行くつもりのロジャーズは、恋人が待っているはずだと言ってラングドンを励まし、強引に歩かせる。 ジェニーとインディアンの少年にラングドンを任せたロジャーズは、先で待っていると言って隊列に向かう。 ロジャーズは、部落の戦利品を抱えているクロフトンの様子が気になる。 その日の野営地を決めたロジャーズは、ラングドンの様子を見に行くようハンクに指示する。 ラングドンを担架で運ぶことを提案したハンクだったが、ロジャーズは、甘やかさずに自力で歩かせるべきだと彼に伝える。 その後、湖に近づいた隊員は、魚を釣ることができるために喜ぶが、警戒するロジャーズは、偵察が終わるまで待つよう部下に指示する。 岸辺で足跡を見つけたロジャーズは、敵が来ていると考え、直ぐにでも出発しようとする。 空腹に耐えられない隊員の意見を聞いたロジャーズは、部隊を4つに分けてイーグル山で合流することにする。 正気を失った様子のクロフトンが気になるロジャーズは、隠していたインディアンの首を彼が食料にしようとしていることを知る。 それを奪って捨てたロジャーズは、クロフトンに銃を向けられるものの、ラングドンが背後から彼に襲い掛かる。 怯えるクロフトンは崖から飛び降り、ロジャーズは、共に戦った彼に敬意を表し敬礼する。 ロジャーズは、クロフトンが抱えていたものがインディアンの頭だったことをラングドンに伝える。 女たちと共にクラウン・ポイント砦に戻るようにと言われたラングドンは、各部隊に地図を渡すことを指示され、これまでのことをロジャーズに感謝する。 ラングドンに同行することを希望するハンクは、ロジャーズから、戦いに加わった方が彼が喜ぶと言われて指示に従う。 イーグル山。 シチューで空腹をしのぐ隊員を励ますロジャーズは、敵に襲われた別の部隊の生き残りの二人が現れたため状況を聞く。 その後、別の部隊が到着し、ハンクは遅れて来たラングドンを迎えに行く。 ロジャーズは、残った40人の隊員を引き連れて砦に向かう。 3日後。 隊員を整列させたロジャーズは、支援部隊を迎えるために、廃墟となったいる砦の掃除と修復を命ずる。 絶望してそれ拒む隊員たちに、これ以上進むことができないため、ここで暮らすしかないと伝えたロジャーズは、皆を奮起させて祈りを捧げる。 その時、笛とドラムの音と共に救援部隊のボートが現れ、ロジャーズは再び隊員を整列させる。 部隊は到着して食料は運び込まれ、ロジャーズから報告を受けたアマースト卿は、任務を果たしたレンジャーズに敬意を表する。 部隊と共にポーツマスに戻ったロジャーズは、アマースト卿から新たな命令を受ける。 国王ジョージ二世からの命令書を読んだロジャーズは、大陸を横断する”北西への道”を開拓する旅に出発する。 ハフから同行しないのかと訊かれたハンクは、十分貢献したと答える。 エリザベスと共に行進を見守るラングドンは、ロジャーズは、これからも”歴史の道”を歩むだろうと考える。 ロジャーズから声をかけられたラングドンは、エリザベスに引き留められたのではなく、自分の意思で同行しないと決めたと伝える。 エリザベスから、絵を描くラングドンのためにロンドンに向かうことを知らされたロジャーズは、彼の人生は地図係で終わらないと伝える。 ”北西への道”が見つかるか尋ねるエリザベスに、いずれ日本を経由してニューヨークのハドソン川まで戻ると答えたロジャーズは、ラングドンに再会を約束して隊列に向かう。 ラングドンは、”北西への道”はあるのだろうかと言うエリザベスに、男の夢は、いつか目的に達することであり、信じて行動すれば必ず夢は叶うと伝える。 手紙が届くか訊かれたラングドンは、川を見つめればロジャーズの声はいつでも届く、彼は自分たちの心の中に永遠に存在するとエリザベスに伝える。 ラングドンは、手を振るロジャーズに応える。
...全てを見る(結末あり)
陸に上がり休息したロジャーズは、ラングドンを呼び地図で進路を確認する。
魚などを獲り調理を始めたロジャーズは、正気を失い逃げ出したエイブリー中尉(ダグラス・ウォルトン)を追わなかった。
ウェントワース砦に着いたロジャーズは、その場が無人で物資も届いていないことを知りショックを受ける。
*(簡略ストー リー)
1759年、ニューハンプシャー州、ポーツマス。
ハーバード大学を放校処分となった青年ラングドンは、町の住人ハンクと共に問題を起こし、逃亡することになる。
インディアン討伐隊”ロジャース・レンジャーズ”の指揮官ロバート・ロジャーズ少佐は、出会ったラングドンが地図を描けることを知り、ハンクと共に協力させようとする。
司令官から、アベナキ族を全滅させる命令を受けたロジャーズは部隊と共に出撃し、フランス軍を警戒しながら北部に向かうのだが・・・。
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1937年に発表された、ケネス・ロバーツの小説”Northwest Passage”を基に製作された作品。
”フレンチ・インディアン戦争”を舞台に、インディアン討伐隊”ロジャース・レンジャーズ”と指揮官ロバート・ロジャーズ少佐の戦いを描く歴史ドラマ。
サイレント期から多くの秀作を残していたキング・ヴィダーが、「我は海の子」(1937)「少年の町」(1938)で2年連続アカデミー主演男優賞を受賞したスペンサー・トレイシーを主演に起用して監督した大作。
”ロジャース・レンジャーズ”の苦難の行軍と戦いをスケール感のある映像で映し出し、信念の男である主人公”ロバート・ロジャーズ”の人間性を深く描く、キング・ヴィダーの力感溢れる演出が見どころの作品。
第13回アカデミー賞では、撮影賞(カラー)にノミネートされた。
”フレンチ・インディアン戦争”時のインディアン討伐隊の物語であるため、残虐非道な先住民の行為に対し、それ以上の行動で対抗しようとする主人公の言動などは、現代では映像化できないような内容であることを承知して鑑賞することをお勧めします。
主演のスペンサー・トレイシーは、妥協を許さない行動で常に最善を尽くし全力で戦いに挑む、”ロジャース・レンジャーズ”の指揮官ロバート・ロジャーズ少佐を見事な演技で熱演している。
主人公に絵の才能を認められ、レンジャーズに加わる青年ラングドンを好演するロバート・ヤング、その友人であり彼を支える男を味のある演技で演ずるウォルター・ブレナン、ラングドンの恋人ルース・ハッシー、その父親で牧師のルイ・ヘクター、ラングドンの知人である酒場の主人ナット・ペンドルトン、ラングドンの父親ロバート・バラット、母親ヴェルナ・フェルトン、主人公の上官であるイギリス軍司令官ラムスデン・ヘアー、主人公の部下である軍曹ドナルド・マクブライド、インディアンに捕らえられていた白人女性イザベル・ジュエル、正気を失うレンジャーズ隊員のダグラス・ウォルトンとアディソン・リチャーズ、同じく隊員のヒュー・ソーサーン、リージス・トゥーミー、主人公の副官トルーマン・ブラッドリー、隊員のトム・ロンドン、ハンク・ウォーデン、ラングドンと揉める弁護士のモンタギュー・ラブ、ラングドンの友人レスター・マシューズなどが共演している。