伝統ある”王室カナダ騎馬警察”の前進である”北西騎馬警官隊”の先住民との混血族メティとの戦いを描く、製作、監督セシル・B・デミル、主演ゲイリー・クーパー、ポーレット・ゴダード他共演のアクション大作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:セシル・B・デミル
製作:セシル・B・デミル
原作:R・C・フェザーストーンホー
脚本
アラン・ルメイ
ジェシー・ラスキーJr.
C・ガードナー・サリヴァン
撮影
ヴィクター・ミルナー
W・ハワード・グリーン
編集:アン・ボーシェンズ
美術・装置
ハンス・ドレイアー
ロナルド・アンダーソン
音楽:ヴィクター・ヤング
出演
ゲイリー・クーパー:ダスティ・リヴァース
ポーレット・ゴダード:ルヴェット・コルボー
マデリーン・キャロル:エイプリル・ローガン
プレストン・フォスター:ジム・ブレット巡査部長
ロバート・プレストン:ロニー・ローガン
ジョージ・バンクロフト:ジャック・コルボー
エイキム・タミロフ:ダン・デュロック
リン・オヴァーマン:トッド・マクダフ
ウォルター・ハンプデン:ビッグ・ベア
モンタギュー・ラヴ:キャボット警部
レジス・トーミー:ジェリー・ムーア
ロン・チェイニーJr.:ショーティ
フランシス・マクドナルド:ルイ・リエル
ジャック・ペニック:フィールド巡査部長
ロバート・ライアン:デュモン
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1940年製作 126分
公開
北米:1940年10月22日
日本:1952年1月24日
■ アカデミー賞 ■
第13回アカデミー賞
・受賞
編集賞
・ノミネート
撮影・美術・録音・作曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1885年、カナダ北西部。
ヨーロッパ人と先住民の混血族メティは、白人達が社会を支配し始めたことに不満を抱き、リーダーのルイ・リエル(フランシス・マクドナルド)が率いる反乱軍を組織した。
当時、北西騎馬警官隊が治安維持にあたる中、反乱計画は隣国アメリカの小学校へ飛び火していた。
教師としてアメリカに身を隠していたリエルは、同志ジャック・コルボー(ジョージ・バンクロフト)とダン・デュロック(エイキム・タミロフ)に急き立てられ、騎馬警官隊一掃作戦を開始する。
騎馬警官隊のジム・ブレット巡査部長(プレストン・フォスター)とロニー・ローガン(ロバート・プレストン)は、メティ達が集結し、武装していることに気づき警戒する。
デュロックはブレットに、メティが新政府を樹立すると伝え、仲間達と彼をからかおうとするが、ローガンの姉エイプリル(マデリーン・キャロル)の機転で救われる。 ブレットは、看護師であるエイプリルに心を寄せるのだが、彼女は、無鉄砲なブレットを素直に受け入れられない。 その後、銃器を奪った殺人犯コルボーを追い、騎馬警官隊の砦に、テキサス・レンジャーのダスティ・リヴァース(ゲイリー・クーパー)が現れる。 同じ頃、ローガンは、コルボーの娘ルヴェット(ポーレット・ゴダード)と密会を続けていた。 カナダ入りしたリエルとコルボーは、騎馬警官隊の尋問を受けるが、ガトリング銃を隠し持っているのを知られ、彼は警官二人を銃撃してしまう。 砦に運ばれた警官の情報から、犯人がコルボーだと知ったリヴァースと騎馬警官隊は出撃準備を始める。 ブレットは、エイプリルに近づくリヴァースを見て嫉妬する。 応援部隊が到着するまで、砦に待機するようよう連絡を受けたキャボット警部(モンタギュー・ラヴ)は、部隊の出動を中止する。 偵察を許可されたブレットは、単独で、メティが集結しているバトーシュに向かおうとするリヴァースは、監視役であるスカウトのマクダフ(リン・オヴァーマン)とエイプリルを伴い出発する。 リヴァースは、メティの集会で殺人犯コルボーを捕まえる意思をリエルに伝える。 それを知ったコルボーは、リヴァースを殺そうとする。 先住民の酋長ビッグ・ベア(ウォルター・ハンプデン)の協力を得ようとするコルボーは、ガトリング銃の威力を見せ付けようとする。 居合わせたブレットは、メティに加勢しないようビッグ・ベアを説得するが、そこに、捕らえられたリヴァースとマクダフが現れる。 ビッグ・ベアに、静かに立ち去ることを告げられたブレットだったが、リヴァースがコルボーに決闘を申し出る。 卑怯な手しか使わないコルボーは怖気づき、ガトリング銃の威力だけ見せ、3日以内に騎馬警官隊の血に染まった制服を持ち帰ることをビッグ・ベアに約束する。 それをメティへの加勢する条件にしたビッグ・ベアに対し、ブレットは3日以内にコルボーを殺すと言い残し、その場を立ち去る。 砦に戻ったブレットは、キャボット警部から、唯一待ち伏せされる危険性のある場所に、監視所の設置を命ぜられる。 先住民から、監視所にいる弟ローガンらが待ち伏せされていることを知らされたエイプリルは、ルヴェットに本部隊への伝令を頼む。 しかし、ルヴェットはローガンに結婚を迫り、監視所から連れ出してしまう。 ローガンだけを助けるために、彼を誘き出したルヴェットは、父コルボーの手助けをするのだが、ローガンには憎まれてしまう。 待ち伏せされた警官隊は、ガトリング銃の攻撃に遭い大損害を受ける。 ブレットとリヴァースが到着するが時既に遅し、負傷したキャボット警部の指示で退却を余儀なくされる。 監視所のジェリー・ムーア(レジス・トーミー)は殺されてしまい、ローガンの安否を気遣うエイプリルだったが、逃亡の可能性がある彼を捕らえる命令を出し、部隊をブレットに託したキャボット警部も息を引き取る。 マクダフが斥候としてメティを牽制し、デュロックがそれに気づくものの、彼は警官隊に狙撃されてしまう。 メティが混乱する隙に、負傷兵を砦から退避させようとしたブレットは、エイプリルにローガンが脱走したことを知らせる。 砦に火を放ったブレットは、煙に紛れて負傷者を脱出させ、自分はビッグ・ベアの元に向かう。 リヴァースは、テキサスに行きたいというエイプリルの気持ちを複雑な思いで受け止めるが、彼女と負傷兵を救援部隊に残し、ローガンを捜しに向かう。 ビッグ・ベアの部落では、コルボーが、ブレットを殺した証拠の赤い制服を掲げて気勢を上げていたが、そこにブレットと6人の警官隊が現れる。 神聖な制服を汚されたブレットは、自分達が殺されれば、女王陛下の部隊が部族を滅ぼすとビッグ・ベアを脅す。 ブレットは抵抗するコルボーを捕らえ、以前奪った女王のメダルをビッグ・ベアに返す。 その頃、ガトリング銃を川に沈めたリヴァースは、ローガンを見つけ出し、彼をバトーシュに向かわせる。 ローガンは、途中メティに撃たれて命を落とすが、リヴァースは、彼が捕らえられていたことを知る。 リヴァースは、敵やガトリング銃をローガンが始末したことにして、それを上層部に報告する。 ローガンは一躍英雄となり、エイプリルはリヴァースに感謝する。 リヴァースは、絞首刑を前にしたコルボーの逃亡を手助けして、彼を捕らえてテキサスに連れ帰ろうとするが、そこにブレットとエイプリルが現れる。 しかし、二人は恩人リヴァースに感謝し、コルボーを見逃して別れを告げる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1885年、カナダ北西部。
ヨーロッパ人と先住民の混血族メティは、ルイ・リエル率いる反乱軍を組織する。
北西騎馬警官隊が治安維持にあたる中、逃亡中のリエルは、同志コルボーとデュロックと共に、警官隊一掃作戦を開始する。
その頃、警官隊のブレット巡査部長とローガンは、メティらの動きを察知し警戒する。
その後、銃器を奪った殺人犯コルボーを追い、警官隊の砦にテキサス・レンジャーのダスティ・リヴァースが現れる。
同じ頃、ローガンは、コルボーの娘ルヴェットと密会を続けていた。
カナダ入りしたリエルとコルボーは、警官隊の警官二人を銃撃してしまう。
リヴァースと警官隊は、その情報から犯人がコルボーだと知り、出撃の準備を始めるのだが・・・。
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R・C・フェザーストーンホーの小説、”The Royal Canadian Mounted Police”を基に製作された作品。
テキサス・レンジャーも登場する西部劇風の作品だが、騎馬隊員の勇気や誇りを、ユーモアを交えて描いた、巨匠セシル・B・デミルの痛快作。
騎馬警官隊の雄姿や、指揮官の恐るべき勇気、混血民族との憎しみの間に芽生えるささやかな友情や、許されない愛、そして勇者の潔さなど、娯楽の要素を網羅した、セシル・B・デミル作品らしい仕上がりになっている。
第13回アカデミー賞では、やや頭を傾げるような場面展開があるが、編集賞を受賞し、撮影、美術、録音、作曲賞にノミネートされた。
1940年の作品にして、総天然色カラーによる美しい映像に、騎馬警官隊の制服の赤が見事に映える。
ヴィクター・ヤングの、勇ましいテーマ曲も印象に残る名曲だ。
主演のゲイリー・クーパーは、コミカルで茶目っ気のある演技が、少々わざとらしいところもあり、巡査部長として、勇者を豪快に演ずるプレストン・フォスターの引き立て役に徹して、クライマックスで、一気に存在感を示すところなどはさすがだ。
魔性の女ポーレット・ゴダードと、誠実な女性マデリーン・キャロルの、対照的な二人の美しさも見所の一つだ。
上司ブレットの忠告も聞かず、許されぬ恋に溺れ命を落とすロバート・プレストン、極悪非道な殺人犯ジョージ・バンクロフト、同志エイキム・タミロフ、敵味方の彼との押し問答が笑えるスカウトのリン・オヴァーマン、酋長ビッグ・ベアのウォルター・ハンプデン、メティのリーダー、ルイ・リエルを演ずるフランシス・マクドナルド、警官隊隊長モンタギュー・ラヴ、そして、端役ではあるがロン・チェイニーJr.、ジャック・ペニック、ロバート・ライアンらも出演している。