2001年に公開されたドイツ映画、「マーサの幸せレシピ」のハリウッド版リメイク作品。 料理に人生を捧げる女性シェフが母を失った姪との触れ合いを通し新たな人生を見つける姿を描く、監督スコット・ヒックス、主演キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、アーロン・エッカート、アビゲイル・ブレスリン、ボブ・バラバン、パトリシア・クラークソン他共演のハートウォーミング・ラヴ・ストーリー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:スコット・ヒックス
製作総指揮
スーザン・カートソニス
ブルース・バーマン
製作
ケリー・ヘイセン
セルジオ・アグェーロ
脚本:キャロル・フックス
撮影:スチュアート・ドライバーグ
編集:ピップ・カーメル
音楽:フィリップ・グラス
出演
ケイト・アームストロング:キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
ニコラス”ニック”パルマー:アーロン・エッカート
ゾーイ:アビゲイル・ブレスリン
セラピスト:ボブ・バラバン
ポーラ:パトリシア・クラークソン
リア:ジェニー・ウェイド
ショーン:ブライアン・F・オバーン
パターソン:ジョン・マクマーティン
パターソン夫人:セリア・ウェストン
バーナデット:リリー・レイブ
クリスティーン:アリジャ・バレイキス
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2007年製作 104分
公開
北米:2007年7月27日
日本:2007年9月29日
製作費 $28,000,000
北米興行収入 $43,052,270
世界 $92,601,050
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク、グリニッチ・ヴィレッジ。
人気レストラン”22ブリーカー”でシェフを務めるケイト・アームストロング(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)は、自分の料理には妥協を許さない完璧主義者だった。
そんなケイトは、しばしば客や店のオーナーのポーラ(パトリシア・クラークソン)と口論になったりもする。
ケイトは、階下に住むショーン(ブライアン・F・オバーン)の誘いも断り、仕事に没頭し続けていた。
ポーラの勧めで、ケイトは、週1回のセラピーを受けにセラピスト(ボブ・バラバン)の元に通っていた。
そんな、仕事に追われる毎日を送っていたケイトは、妹クリスティーン(アリジャ・バレイキス)を突然の交通事故で亡くしてしまう。
車に同乗していた、姪のゾーイ(アビゲイル・ブレスリン)は一命を取り留めるのだが、ケイトは彼女の心の傷の大きさを知る。 ケイトは、即、仕事に復帰し、悲しみをこらえ気丈に振る舞おうと猛烈に働く。 しかしケイトは、妹クリスティーンのことが頭から離れず、同僚に隠れて一人涙する。 それを見たポーラは、休暇をとるようケイトを説得する。 ケイトは、ゾーイを引き取り二人の生活は始まるのだが、傷心のゾーイは、なかなか心を開こうとしない。 ケイトの休暇中に、ポーラは、腕利きのシェフ、ニック・パルマー(アーロン・エッカート)を雇ってしまい、ケイトはそれに憤慨する。 ゾーイは学校に通い始めるものの、相変わらず塞ぎ込み、ケイトの作った料理も食べない。 ケイトがそれをセラピストに相談すると、彼は”ディナー”ではなく、庶民的な料理を出すように助言する。 仕事に復帰したケイトは、楽天家で荒削りなニックとはことごとく対立し、彼は店を辞めようとする。 しかし、ケイトは店やスタッフ達のことを考えて自分を抑え、ニックを一応引き止める。 帰宅したケイトは、魚の冷凍フライも食べないゾーイを翌日、店に連れて行くことにする。 ケイトがゾーイを店に連れて行くと、ニックは何も食べようとしないゾーイのことを気にする。 ニックはゾーイに何気なく接して、スパゲティを食べさせることに成功し、ケイトは彼に感謝する。 翌日、店のスタッフのリア(ジェニー・ウェイド)が急に産気付き、ケイトはゾーイの学校の迎えを忘れてしまう。 ゾーイは不満を露にするが、ケイトは素直に謝り償いをすることを約束し、ゾーイも自分の態度を謝罪する。 その後、ゾーイは店でケイトやニックの手伝いをするなど、楽しい時間を過ごして徐々に心を開いていく。 やがて、ニックが気に入ったゾーイは、休日にケイトとデートをさせようとする。 それが迎えを忘れた償いだということで、ケイトは仕方なく承諾する。 そして、ケイトの家でニックが料理を作ることになり、ゾーイがそれを手伝い、3人は楽しく食事をする。 やがて、ケイトとニックのわだかまりは消え、互いに惹かれ合うようになる。 そんな思いを、ケイトはセラピストに話すが、彼は、強気だと相手を逃がすと忠告する。 ゾーイが、夜遅くまで店の手伝いをしていることを学校は心配し、ケイトは彼女に、今後は店に連れて行けないことを伝える。 そのことを聞いたゾーイが、再び心を閉ざしてしまったため、ケイトはショーンに彼女を託して店に向かう。 仕事の後、ニックと過ごしたケイトは、帰宅し眠りに着くが、ゾーイが母との想い出のビデオを見ているのに気づく。 ケイトは何も言わずにゾーイに寄り添い、同じベッドで眠る。 ゾーイと触れ合うためにケイトは店を休み、彼女との時間を過ごし、二人の信頼関係は回復する。 ケイトのいない厨房に寂しさを感じたニックは、彼女の元を訪れ、そして二人は結ばれる。 翌日、一夜を共にしたケイトとニックは、ゾーイを連れて楽しい一日を過ごす。 その後、ポーラが、ニックにシェフを任せようとしていることを知ったケイトは、彼と言い合いになり、ニックはシェフの話しを断り店を辞めてしまう。 ポーラはそれをケイトのせいにして、代わりを探すように彼女に指示する。 何人か面接をしてみたケイトだが、ニックの代役が務まる者は現れない。 しかし、ケイトがニックと仲違いしたことにショックを受けたゾーイは、翌日学校から姿を消してしまう。 ケイトはニックに助けを求め、二人は、ゾーイを母親の墓地で見つける。 その後、ニックが、サンフランシスコで自分の厨房を持つことになったため、ケイトは落胆する。 再び仕事に熱中し始めたケイトだったが、客の注文にうんざりして店を辞めてしまう。 セラピストに意見を求めたケイトは、自分流を貫くのがベストだと助言され、彼女はニックの元に向かい、彼を引き止める。 そして、ケイトとニック、ゾーイの3人は、新しい店を持ち、新たな人生をスタートさせる。
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*(簡略ストー リー)
ニューヨーク、グリニッチ・ヴィレッジ。
人気レストラン”22ブリーカー”でシェフを務めるケイト・アームストロングは、料理には妥協を許さない完璧主義者だった。
ある日、仕事に追われる毎日を送っていたケイトは、妹を突然の交通事故で亡くし、一命を取り留めた姪のゾーイを引き取ることになり、休暇をとり、2人で生活を始める。
しかし、母親を亡くして傷心のゾーイは、ケイトに心を開こうとしない。
ケイトの休暇中に、オーナーのポーラは腕利きのシェフ、ニックを雇ってしまい、それを知ったケイトは憤慨する。
その後、学校に通い始めたゾーイだったが、相変わらず塞ぎ込み、ケイトの作った料理を食べない。
仕事に復帰したケイトはニックと対立し、彼は店を辞めようとするが、彼女は店やスタッフ達のことを考えニックを一応引き止める。
ケイトは、何も口にしようとしないゾーイを、店に連れて行くことにする。
そんなゾーイが気になったニックは、何気ない態度で彼女に接し、食事をさせることに成功し、ケイトは彼に感謝する。
その後、ゾーイは、店でケイトやニックの手伝いをするうちに、次第に心を開いていく。
やがて、ニックが気に入ったゾーイは、彼とケイトをデートをさせようとするのだが・・・。
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セラピーを受けてまで仕事に打ち込み、自分の料理に満足しない客とトラブルを起こす、人気レストランの一流シェフのプライドを強調する、冒頭の過激で力強い描写で、思わずドラマに引き込まれてしまう。
そんな彼女は、新入りの副料理長との対立で一気に怒りの頂点に達するが、不幸な姪に愛情を捧げることで、彼女自身の人間らしさを取り戻していくという、クライマックスに向け、心和むストーリーもなかなかいい。
ロマンチックなムードと、グリニッチ・ヴィレッジの粋な雰囲気がよく伝わってくる、フィリップ・グラスの音楽も印象的だ。
色気も素っ気もない料理一筋の人生を歩み、姪を引き取ることで、苦手な人間関係にさらに苦悩するキャサリン・ゼタ=ジョーンズは、才女でありながら、反面不器用な人物を好演している。
アーロン・エッカートも含め、料理人としての仕草や振る舞いも見事だ。
楽天家でありながら、人生や人の心を動かす術を心得ているアーロン・エッカートも、好感度の高い役柄を好演している。
悲しげな表情から、笑顔に変わる場面が実に愛くるしく、主演の二人に引けをとらない名演を見せるアビゲイル・ブレスリンは、前年の「リトル・ミス・サンシャイン」(2006)でアカデミー助演賞にノミネートされただけあり、その実力を見十分にせてくれる。
知的な科学者や医師役がよく似合うセラピスト役ボブ・バラバン、やり手のレストラン・オーナーのパトリシア・クラークソン、スタッフのジェニー・ウェイド、リリー・レイブ、主人公の階下に住むブライアン・F・オバーン、馴染み客のジョン・マクマーティンとセリア・ウェストン、主人公の妹役アリジャ・バレイキスなどが共演している。