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ネブラスカ Nebraska (2013)

大金が当選したと信じ込む父親と旅に付き添うことになった息子との絆を描く、監督アレクサンダー・ペイン、主演ブルース・ダーンウィル・フォーテジューン・スキッブステイシー・キーチボブ・オデンカーク他共演のコメディ・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(コメディ)


スタッフ キャスト
監督:アレクサンダー・ペイン
製作
アルバート・バーガー
ロン・イェルザ
製作総指揮
ダグ・マンコフ
ジョージ・パーラ
ジュリー・M・トンプソン
脚本:ボブ・ネルソン
撮影:フェドン・パパマイケル
編集:ケヴィン・テント
音楽:マーク・オートン

出演
ウッドロー・T・”ウディ”グラント:ブルース・ダーン
デヴィッド・グラント:ウィル・フォーテ
ケイト・グラント:ジューン・スキッブ
エド・ピグラム:ステイシー・キーチ
ロス・グラント:ボブ・オデンカーク
マーサ:マリー・ルイーズ・ウィルソン
レイ:ランス・ハワード
ノエル:ミッシー・ドーティ
ペグ・ナギー:アンジェラ・マキューアン
コール:デヴィン・ラトレイ
バート:ティム・ドリスコル

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ヴァンテージ
2013年製作 114分
公開
北米:2013年11月15日
日本:2014年2月28日
製作費 $12,000,000
北米興行収入 $17,654,910
世界 $27,682,870


アカデミー賞
第86回アカデミー賞

・ノミネート
作品・監督
主演男優(ブルース・ダーン
助演女優(ジューン・スキッブ
脚本・撮影賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
モンタナ州、ビリングス
ハイウェイを歩いていた老人ウッドロー・T・”ウディ”グラント(ブルース・ダーン)は、警官に呼び止められて、行先とどこから来たのかを訊かれる。

警察署に保護されていたウディを迎えに行った息子のデヴィッド(ウィル・フォーテ)は、100万ドルをネブラスカに受け取りに行くと言う父に呆れてしまう。

100万ドルが当選したという手紙を読むウディだったが、デヴィッドは、古い手口だと言い聞かせる。

デヴィッドに連れられて家に戻ったウディは、妻ケイト(ジューン・スキッブ)に無茶な行動を非難される。

数日後、ウディは家を出て連れ戻されたことを知ったデヴィッドは、様子を見に来ていた兄のロス(ボブ・オデンカーク)から、老人ホームに入れるべきだと言われる。
...全てを見る(結末あり)

デヴィッドは、生き甲斐が欲しいだけだと言って、ウディを擁護する。

アパートに戻り、ニュース・キャスターのロスの番組を見ていたデヴィッドは、別れた恋人のノエル(ミッシー・ドーティ)が現れたため、寄りを戻そうとする。

そこに、再びウディが出て行ったという母ケイトからの電話があり、デヴィッドは父を捜しに行く。

ウディを見つけたデヴィッドは連れ戻そうとするが、心配するならリンカーンに連れて行けと言われる。

仕方なく車でネブラスカに向かうことを決めたデヴィッドは、ケイトに反対されながら旅立つ。

ワイオミングからサウスダコタに向い、”ラシュモア山”が近いことに気づいたデヴィッドは、その場に寄るものの、ウディはさほど興味も示さない。

その夜、二人はモーテルに泊まり、夜中に出かけたウディは額を怪我して戻る。

デヴィッドに連れられて病院で治療したウディは、縫った傷の具合と高齢、そして飲酒癖もあるため、入院して様子を見ることを医師から勧められる。

リンカーンに行くのは無理だとウディに話すデヴィッドは、ショッピングセンターの”BOSE”の店長だったため、来週の半ばに戻る予定は組めないと伝える。

その後、入れ歯をなくしたウディに見つからないことを伝えたデヴィッドは、伯父レイ(ランス・ハワード)の家で親族パーティーがあり、母や兄も来るため、その場に行くことを提案する。

退院して、転んだ線路で入れ歯を見つけたウディとデヴィッドは、ネブラスカに向かう。

ホーソーン。
ウディとデヴィッドは、レイの妻マーサ(マリー・ルイーズ・ウィルソン)に歓迎される。

ウディはレイと簡単な言葉を交わし、デヴィッドは、その場にいたいとこのコール(デヴィン・ラトレイ)とバート(ティム・ドリスコル)に声をかける。

その後、デヴィッドと共に、かつて経営していた工場に向かったウディは、共同経営者のエド・ピグラム(ステイシー・キーチ)を捜すもののその場にはいなかった。

二人はバーに入り、デヴィッドからアル中の話をされたウディは、気分を害して店を出る。

他のバーに向かったウディは、その場にいたエドに声をかけて歓迎される。

エドに挨拶したデヴィッドは、100万ドルの話はしないようにとウディに忠告してトイレに向かう。

ところが、ウディはそれをエドに話してしまい、店内が騒ぎになる。

翌朝、噂は既にレイとマーサらの耳に入り、デヴィッドは当選してないと言うものの、ウディは祝福される。

バス停でケイトを迎えたデヴィッドは、付いた途端にウディに嫌みを言う母に、もう少し優しく接して数日間くらい夢を見させてあげるよう伝える。

デヴィッドの話を聞こうとしないケイトは、墓参りに連れて行くようにと言って、三人は墓地に向かう。

墓地でもケイトの下品な話は続き、ウディとデヴィッドはうんざりしてしまう。

ウディが新聞社から取材を求められたため、デヴィッドはオフィスに向い、編集長のペグ・ナギー(アンジェラ・マキューアン)に、100万ドルは当選していないことを伝える。

ペグがウディの恋人だったことを知ったデヴィッドは、彼女から昔話を聞き、父が朝鮮戦争時に戦闘機のパイロットであったことを知らされて驚く。

その時代の新聞をペグに見せてもらったデヴィッドは、ウディのことを見直す。

その夜、デヴィッドとケイトと共にレストランで食事をしたウディは、その場のカラオカで歌っていたエドから、有名人だと言われて紹介され、気まずい思いをしながら客に祝福される。

トイレでエドに話しかけられたデヴィッドは、ウディに貸した金を返してほしいと言われ、元共同経営者として、当選金の分配を求められる。

脅しだと考えたデヴィッドは、席に戻りその話をするが、ウディは気にしなかった。

翌朝、リンカーンに行きたいと考えるウディだったが、デヴィッドから明日の予定だと言われる。

家には兄弟が集まるものの会話もなく、そこにロスが現れ、家族は食事をする。

100万ドル当選で祝福されたウディだったが、ロスは当選していないと皆に伝える。

その後、デヴィッドとロスは、以前ウディの金の工面をしたと言う家族からも、当選金の分配を求められる。

当選していないと言うロスとバートは争いになり、お互い助け合ったはずだと反論するケイトは、納得しない者達を罵る。

家族と共に生家に向かったウディは、誰も住んでいない荒れたその場で昔を思い出す。

エドの家に寄ったデヴィッドとロスは、ウディのコンプレッサーを取り戻す。

それが自分のものではないと言い出したウディは、エドの家でなかったことを息子達に伝える。

デヴィッドとロスはコンプレッサーを返すために納屋に向い、そこに家主が帰って来る。

友人だったために声をかけたケイトとウッディは、なんとかその場を凌ぎ、納屋に隠れていたデヴィッドとロスは、その場から去る車を追う。

その夜、デヴィッドとバーにいたウディは、現れたエドから分配金の1万ドルを要求される。

デヴィッドがエドを追い払うが、店を出たところで覆面の二人組に襲われて、ウディは賞金の手紙を奪われる。

相手がコールとバートだと分かっていたデヴィッドは、手紙を取り戻そうとするものの、インチキだったために捨てたと言われる。

気落ちするウディはデヴィッドに慰められるが、捜してみようと言われたために町に向かう。

店の周囲を捜したウディは手紙を見つけられず、休息しようとデヴィッドとバーに向かう。

その場では、手紙を拾ったエドが、その内容を皆に読んで聞かせてウディをバカにしていた。

何も言わずに、エドが持っている手紙を手にしたウディはその場を去る。

エドに近づいたデヴィッドは彼を睨み帰ろうとするものの、振り向いて殴り倒す。

外でうずくまり、めまいがすることをデヴィッドに伝えたウディは、明日リンカーンに行くと言い張る。

これで終わりだと言うデヴィッドは、賞金で新車のトラックを買い家族のために遺したかったと話すウディに、可能性があれば連れて行くと伝える。

モンタナから連れ出し、一緒に過ごしたかったとデヴィッドに言われたウディは、リンカーンには行かなくていいと伝えて納得する。

ウディを病院に連れて行ったデヴィッドは、駆けつけたケイトとロスが早朝に戻ることを確認して、その場に残り父に付き添う。

夜中にウディがいないことに気づいたデヴィッドは、道路を歩いていた父を見つけて車に乗せる。

リンカーンに着いたデヴィッドは、手紙を送って来たマーケティング代理店に向かう。

担当者に手紙を渡して100万ドルを受け取りに来たと伝えたデヴィッドは、当選ナンバーではないと言われる。

帽子かクッションがプレゼントでもらえると言われたウディは帽子を選び、デヴィッドと共にその場を去る。

モンタナに戻ることをウディに伝えたデヴィッドは、車のディーラーに向い、愛車の”スバル”とピックアップトラックを交換する。

名義をウディにして、それを父に伝えたデヴィッドは、コンプレッサーも購入してホーソーンに戻る。

デヴィッドは通りで運転を代わり、ハンドルを握るウディは友人に声をかけられ、彼を見たエドは驚く。

ペグもウディに気づき、二人は互いに見つめ合う。

郊外で運転を代わったウディとデヴィッドは、モンタナの家に向かう。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
モンタナ州、ビリングス
100万ドルの賞金が当たったという手紙が届いた老人ウッドロー・T・”ウディ”グラントは、それを受け取りに行くために歩いてネブラスカ州のリンカーンに向かおうとする。
息子のデヴィッドは、騙されていると言って何度連れ戻しても諦めないウディを納得させるために、仕方なくリンカーンに向かうことにする。
途中、ウディの兄レイの家で家族会が開かれることになったため、ウディとデヴィッドは、その場に向かう。
かつて工場を経営していたウディは、共同経営者だったエドと再会し、デヴィッドに忠告されていたにも拘らず100万ドルの件を話してしまう。
そのため、ウディは一夜にして有名人になり、エドから分配金を要求されてしまう・・・。
__________

人の心に染みるドラマを描くことで定評があるアレクサンダー・ペインと、ベテラン・スターのブルース・ダーンが主人公を演ずることで話題になった作品。

100万ドルが当選したと思い込む頑固な老人と、それを受け取りに行く旅に付き添うことになった息子との関係をしみじみと描く、アレクサンダー・ペインの繊細な人間描写が光る秀作ドラマ。

誰が見ても怪しげな大金の当選通知を信じたため、家族や周囲に迷惑をかけて騒動が起きるのだが、結局は、金では買えない絆を得られる親子関係を描く、感動のドラマに仕上がっている。

ネブラスカ他の、ののどかな風景などを効果的に描写するモノクロ映像も注目で、アレクサンダー・ペインの故郷ネブラスカへの思いが伝わる情緒的な演出も素晴らしい。

第86回アカデミー賞では、作品、監督、主演男優(ブルース・ダーン)、助演女優(ジューン・スキッブ)、脚本、撮影賞にノミネートされた。

また、ゴールデングローブ賞でもほぼ同じ部門でノミネートされ、第66回カンヌ国際映画祭ではパルムドールを争い、ブルース・ダーンが主演男優賞を受賞した。

頑固な老人を演ずるブルース・ダーンは、70代後半にして、キャリア最高の演技と言っていい名演を見せる。
彼を含め、70歳前後の役者の見事な演技は注目だ。

主人公である父親に付き合うことになる息子のウィル・フォーテ、嫌みで下品な主人公の妻を好演するジューン・スキッブ、ニュースキャスターである長男のボブ・オデンカーク、主人公の旧友で、大金を受け取った場合の分配金を要求するステイシー・キーチ、主人公の兄ランス・ハワード、その妻マリー・ルイーズ・ウィルソン、デヴィッド(ウィル・フォーテ)の元恋人ミッシー・ドーティ、主人公の結婚前の恋人アンジェラ・マキューアン、主人公の賞金を狙う甥デヴィン・ラトレイとティム・ドリスコルなどが共演している。


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