1964年に発表された、クリスティアナ・ブランドの児童文学小説”Nurse Matilda”を基に製作された作品。 ナニー(乳母)を追い出すいたずら好きの子供達に手を焼く父親のために現れた魔法を使う”ナニー・マクフィー”の活躍を描く、脚本、主演エマ・トンプソン、コリン・ファース、ケリー・マクドナルド、トーマス・サングスター、アンジェラ・ランズベリー他共演のファンタジー・コメディ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:カーク・ジョーンズ
製作
ティム・ビーヴァン
リンゼイ・ドーラン
エリック・フェルナー
デブラ・ヘイワード
製作総指揮:ライザ・チェイシン
原作:クリスティアナ・ブランド”Nurse Matilda”
脚本:エマ・トンプソン
撮影:ヘンリー・ブラハム
編集
ジャスティン・クリシュ
ニック・ムーア
音楽:パトリック・ドイル
出演
ナニー・マクフィー:エマ・トンプソン
セドリック・ブラウン:コリン・ファース
エヴァンジェリン:ケリー・マクドナルド
サイモン・ブラウン:トーマス・サングスター
トーラ・ブラウン:イライザ・ベネット
リリー・ブラウン:ジェニファー・レイ・デイキン
エリック・ブラウン:ラファエル・コールマン
セバスチャン・ブラウン:サミュエル・ハニーウッド
クリスティアナ”クリッシー”ブラウン:ホリー・ギブス
アデレイド・スティッシュ:アンジェラ・ランズベリー
セルマ・クイックリー:セリア・イムリー
ブレザーウィック夫人:イメルダ・スタウントン
ウィーン:デレク・ジャコビ
ジャウル:パトリック・バーロウ
教区牧師:アダム・ゴドリー
イギリス/アメリカ/フランス 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2005年製作 97分
公開
イギリス:2005年10月21日
フランス:2006年2月8日
北米:2006年1月27日
日本:2006年4月15日
製作費 $25,000,000
北米興行収入 $47,144,100
世界 $122,489,820
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
イギリス。
1年前に妻を亡くした葬儀屋のセドリック・ブラウン(コリン・ファース)は、いたずら好きの7人の子供達に手を焼いていた。
子供達が17人目のナニー(乳母)を追い出してしまったため、セドリックは次のナニーを探す。
メイドのエヴァンジェリン(ケリー・マクドナルド)にそれを伝えたセドリックは、紹介所に向かうものの断られてしまう。
しかしセドリックは、開いた郵便受けから”あなたにはマクフィーが必要”と言われる。
エヴァンジェリンは、ナニーが辞めたことを料理人のブレザーウィック夫人(イメルダ・スタウントン)に知らせ、次を探さなくても自分達が面倒を見ればいいと考える。
ブレザーウィックは、子供の面倒を見るなどごめんだと言って、かかわらないことを条件にした念書があることをエヴァンジェリンに伝える。 家に戻ったセドリックは、罰として夕食は抜きだと子供達に伝えるが、長男のサイモン(トーマス・サングスター)は全く気にしない。 子供達の様子を見に来たエヴァンジェリンに、父セドリックが妻探しに忙しく、自分達の面倒は何も見てくれないと言ってサイモンは不満を訴える。 義母は意地悪だと決めつける子供達は、父のことを好意的に見るエヴァンジェリンに、単なるメイドなので対象外だと言う。 エヴァンジェリンの、自分や子供達への気遣いに感謝するセドリックは、新聞記事の”マクフィー”の名前に気づく。 しかし、子供達のいたずらで新聞は切り抜かれていたため、連絡先が分からなかった。 子供達が夕食抜きであるため休んでいたブレザーウィックは、いたずらされるのではないかと考え警戒する。 セドリックは、大伯母アデレイド・スティッシュ(アンジェラ・ランズベリー)に、1か月以内に結婚相手を見つけなければ援助を打ち切ると言われ、その件でも悩んでいた。 その後、台所は子供達に占拠されてしまい、手に負えないエヴァンジェリンはそれをセドリックに伝える。 そこに誰かが現れ、セドリックは、政府から派遣されて来たと言う、異様な表情のナニー・マクフィー(エマ・トンプソン)を招き入れる。 多くを語らず任せてほしいと言って台所に向かったマクフィーは、子供達にその場を片付けて部屋に向かうよう指示する。 子供達がそれを無視したためマクフィーは杖を突き、サイモンらは体の自由を奪われてしまう。 それでもサイモンが抵抗するため、マクフィーはその場を去ろうとする。 末っ子のアガサに危険が及び、仕方なくサイモンはマクフィーの指示に従う。 マクフィーが再び杖を突くとその場は元通りになり、子供達は大人しく部屋に戻る。 しかし、サイモンだけはマクフィーを追い出そうと考える。 寝室に向かったマクフィーは、自分をからかおうとする子供達の態度を気にせず見て回り、必要とされるまで残り、役目が終われば望まれても去ることを伝える。 絶対に望まないとサイモンに言わらたマクフィーは、それならばずっと残ると答えてその場を去る。 懲りないサイモンは、明日、必ず追い出すと言い張る。 うたた寝していたセドリックは、現れたマクフィーから子供達が大人しく眠ったことを知らされて驚き、いくつかの雇用条件を聞く。 翌朝、子供達に起きて身支度などをするよう指示したマクフィーは、セドリックに朝の挨拶をする。 子供達が仮病を使いベッドから出ていないため、マクフィーは寝ているようにと言って杖を突き立ち去る。 喜ぶ子供達だったが、ベッドから起き上がれないことに気づく。 出社したセドリックは、棺桶に隠れていた同僚のウィーン氏(デレク・ジャコビ)とジャウルス(パトリック・バーロウ)に脅かされる。 アデレイドの言葉を思い出したセドリックは、三人の夫を亡くした未亡人セルマ・クイックリー(セリア・イムリー)との結婚を検討する。 薬を持って現れたマクフィーは、まず、それをサイモンに無理矢理飲ませる。 その後マクフィーは、字もまともに読めないエヴァンジェリンが教育を望み、心優しい女性だということを知る。 台所に向かったマクフィーは、病気の子供達のための質素な食事を用意するようブレザーウィックに指示する。 ブレザーウィックは、残飯を利用していかにもまずそうな料理を作り、子供達にそれを与えて満足する。 子供達の様子を見に行ったエヴァンジェリンは、お腹がすいたと言って、素直に”お願い”という言葉を付け加える彼らに驚く。 セルマの住所を調べたセドリックは帰宅し、一日中寝ていたという子供達に感心する。 セドリックが現れた瞬間にマクフィーが杖を突き、子供達は起き上がる許可を、再び”お願い”を付けて父に尋ねる。 その瞬間に、マクフィーの顔のイボが消える。 本を読んでほしいと言う、クリスティアナ”クリッシー”ブラウン(ホリー・ギブス)の要望に応えられないセドリックはその場を去り、子供達のために軽食を用意するようにとマクフィーはエヴァンジェリンに指示する。 トーラ(イライザ・ベネット)は、マクフィーの顔のイボが消えたことに気づく。 セドリックは、やや素直になった子供達の件でマクフィーに感謝し、やはり彼女の顔にあったはずのイボのことを気にする。 翌朝、アデレイドが来るという電報が届き、それを聞いた子供達は、意地悪な大伯母を迷惑に思う。 マクフィーから、日曜なので午後から休暇をとると言われたセドリックは戸惑うが子供達は喜ぶ。 セドリックは、アデレイドが結婚を強要するのを諦めたと思い込み期待する。 アデレイドを迎えたセドリックは、援助を続ける条件として女の子を一人引き取ることを伝える。 その話を聞いてしまったクリッシーはトーラにそれを伝え、動物達に洋服を着せて、目の悪いアデレイドにいたずらをする。 子供を連れて行くことに反対するセドリックは、アデレイドがクリッシーを選んだために動揺する。 エリック(ラファエル・コールマン)は、救いを求めてマクフィーの名を呼び、出かけていた彼女が戻る。 自分の帽子を被ったロバが現れたため憤慨するアデレイドだったが、マクフィーが杖を突いた瞬間に、アデレイドはロバが気に入ってしまう。 アデレイドはロバを連れて行くと言い出し、マクフィーは、ロバを渡すわけにはいかずに子供達の誰かを選ぼうとする。 結婚することも強要されたセドリックは、子供を渡すことを拒むが、マクフィーは支度ができたことを伝える。 馬車が出たため、セドリックはクリッシーが連れて行かれたと思いそれを追うが、子供達は全員が残っていた。 馬車に乗っていたのはエヴァンジェリンだった。 子供達はマクフィーに感謝して、彼女のイボがまた一つ消える。 エヴァンジェリンのことが心配なセドリックは、彼女が教育を受けたかったことを知っていた、サイモンの案であることをマクフィーから知らされる。 クイックリー夫人が訪問することになり、サイモンはその件についてをセドリックに尋ねるが、話を聞いてもらえない。 マクフィーの部屋に向かったサイモンは、どんなことになっても受け入れるという条件で、クイックリー夫人を追い出す計画に口を出さないことを約束してもらう。 子供達とセルマ(クイックリー夫人)を迎えたセドリックは、彼女を部屋に招き入れて話を始める。 セドリックは、子供達のいたずらを必死に阻止するものの、セルマに嫌われてしまう。 アデレイドの援助に頼っている現状で、再婚しなければそれが断たれてしまい、家を銀行に取られ家族はばらばらになることを、セドリックは子供達に伝える。 後悔したサイモンは、解決策は自分達で考えるようマクフィーに言われる。 子供達はセルマの家に向かい謝罪し、父が結婚しなければ援助が受けられなくなってしまうことを伝える。 貴族からの支援金のことを聞いたセルマは納得し、セドリックの元に向かい彼のプロポーズを受け入れる。 本意ではないものの、家族の幸せを考えるセドリックと子供達の考えは一致していた。 また一つ、親子で話し合うということができるようになり、マクフィーの表情が変わる。 結婚式当日。 現れたアデレイドにセルマを紹介したセドリックは、レディとなって同行したエヴァンジェリンの変化に驚いてしまう。 式は始まるが、子供達がそれを妨害し始め、セドリックもそれに協力して会場は大混乱となる。 侮辱を受けたセルマは、セドリックを罵倒してその場を去る。 セドリックを批判したアデレイドは、作法も忘れて騒ぎを楽しんでいたエヴァンジェリンを叱りながら引き上げようとする。 エヴァンジェリンがセドリックに好意を抱いていることを知っていたサイモンは、アデレイドを呼び止めて今日中に父が結婚することを告げる。 子供達は、その相手のエヴァンジェリンが姉妹でないことを伝え、彼女は自分がメイドだと答える。 リリー(ジェニファー・レイ・デイキン)から、父を愛しているかを問われたエヴァンジェリンはもちろんだと答え、同じ質問をされたセドリックも彼女を愛していることを伝える。 自分の身内がメイドと結婚することを聞いたアデレイドは卒倒してしまう。 マクフィーは杖を突き8月に雪を降らせ、彼女の突き出していた前歯は消える。 教区牧師(アダム・ゴドリー)は、エヴァンジェリンとは親子関係でないことをセドリックに確認し、結婚式をやり直そうとする。 美しく変身したマクフィーは、エヴァンジェリンのドレスを花嫁衣装に変えてセドリックの元に案内する。 セドリックとエヴァンジェリンは、子供達や出席者に祝福されながら結婚する。 アガサに母親の形見を戻したマクフィーは、ブラウン夫人の椅子に役目を終えたことを報告する。 ”必要とされるまで残り、役目が終われば望まれても去る・・・”、その言葉の通りマクフィーはブラウン家を去る。
...全てを見る(結末あり)
子供達を自分に服従させようとするセルマは、母親の形見をアガサから奪ってしまう。
参考:
・「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」(2005)
・「ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ」(2010)
*(簡略ストー リー)
イギリス。
1年前に妻を亡くした葬儀屋のセドリック・ブラウンは、いたずら好きの7人の子供達が17人目のナニー(乳母)を追い出したことを知り、次のナニーを探そうとする。
1か月以内に結婚しない場合は援助を打ち切ると、大伯母アデレイドに言われていたセドリックはそのことでも悩んでいた。
メイドのエヴァンジェリンは献身的に尽くしてくれるのだが、子供達のいたずらは激しくなるばかりだった。
そんな時、異様な表情のナニー・マクフィーがブラウン家に現れ、セドリックに招き入れられた彼女は、騒ぎを起こしている子供達と対面する。
マクフィーは魔法の杖を使い、人生や家族にとって大切なことは何かを子供達に教えていくのだが・・・。
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クリスティアナ・ブランドの原作に感銘を受けたエマ・トンプソンが、脚本と主演を兼ねた意欲作。
いたずら好きの子供達のために雇われるナニー(乳母)を描くという内容は、ディズニー映画「メリー・ポピンズ」(1964)に酷似しているものの、一つの見せ場と言える、目的を果たし子供達の成長を確認する度に変化していく、不思議な主人公のキャラクターが実に興味深い。
家族や愛の大切さを、多くを語らず、自分達の考えや努力により学ばせようとする主人公の、厳しくも温かく見守る姿が心を打つ感動作に仕上がっている。
北米興行収入は約4700万ドル、全世界では約1億2200万ドルのヒットとなった。
ここまでしなくてもよいのでないかというほどのメイクで登場するエマ・トンプソンは、甘やかすことなく子供達を躾ける主人公を怪演する。
子供達や結婚のことで苦悩する父親コリン・ファース、彼と子供達を温かく見守るメイドのケリー・マクドナルド、長男であるいたずらっ子のリーダー、トーマス・サングスター、子供達イライザ・ベネット、ジェニファー・レイ・デイキン、ラファエル・コールマン、サミュエル・ハニーウッド、ホリー・ギブス、大伯母アンジェラ・ランズベリー、父親の結婚相手の夫人セリア・イムリー、料理人イメルダ・スタウントン、葬儀社の従業員デレク・ジャコビとパトリック・バーロウ、教区牧師のアダム・ゴドリーなどが共演している。