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マイ・プライベート・アイダホ My Own Private Idaho (1991)

ジゴロとして生きる青年の挫折と成長を描く、製作総指揮、監督、脚本ガス・ヴァン・サント、主演リヴァー・フェニックスキアヌ・リーブスウィリアム・リチャートキアラ・カゼッリジェームズ・ルッソウド・キア他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:ガス・ヴァン・サント
製作:ローリー・パーカー
製作総指揮:ガス・ヴァン・サント
脚本:ガス・ヴァン・サント
撮影
エリック・アラン・エドワーズ
ジョン・キャンベル
編集:カーティス・クレイトン
音楽:ビル・スタッフォード

出演
マイク・ウォーターズ:リヴァー・フェニックス
スコット・フェイヴァー:キアヌ・リーブス
ボブ・ピジョン:ウィリアム・リチャート
カルミラ:キアラ・カゼッリ
リチャード・ウォーターズ:ジェームズ・ルッソ
ハンス:ウド・キア
バッド:フリー
ゲイリー:ロドニー・ハーヴェイ
デニス:ジェシー・トーマス
ジャック・フェイヴァー:トム・トゥループ
エレーナ:グレイス・ザブリスキー
空港チケットカウンター・スタッフ:ジム・カヴィーゼル

アメリカ 映画
配給 Fine Line Features
1991年製作 102分
公開
北米:1991年10月19日
日本:1991年7月20日
製作費 $2,500,000
北米興行収入 $6,259,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
アイダホ

男娼の青年マイク・ウォーターズ(リヴァー・フェニックス)は、街道でナルコレプシー(発作性睡眠障害)の発作が起きて倒れてしまう。

シアトル

通りで富豪婦人のエレーナ(グレイス・ザブリスキー)に誘われたマイクは、彼女の豪邸に向かい、その場にいた仲間のスコット・フェイヴァー(キアヌ・リーブス)とゲイリー(ロドニー・ハーヴェイ)に声をかける。

エレーナに迫られたマイクは発作を起こしてしまい、スコットは、彼を安全な場所に寝かせてタクシーで帰る。

ポートランド市長である父ジャック(トム・トゥループ)に反抗するスコットは、膨大な財産を受け継ぐ身なのだが、通りに立つ生活をしていた。
...全てを見る(結末あり)

翌朝、目覚めたマイクは、エレーナの車に乗っていた、彼女の友人だと言うハンス(ウド・キア)から声をかけられる。

車のパーツをセールスしていると言うドイツ人のハンスに誘われたマイクは、彼が変態だと気づき去ろうとするが、発作が起きて倒れてしまう。

ポートランド

目覚めたマイクは、自分を抱きかかえていたスコットから、ハンスが運んできたと言われる。

スコットが本当の父親と慕う、”フォルスタッフ”のような男ボブ・ピジョン(ウィリアム・リチャート)が現れる。

眠っているボブのコカインを奪ったマイクは、それをスコットに見せる。

目覚めたボブはコカインがないことに気づき、仲間のバッド(フリー)にそれを伝える。

生き方を変えるようにとボブに意見したスコットは、遺産を相続する21歳の誕生日を控え、それを境に変身して父を驚かせる考えを話す。

息子がゴロツキどもとつるんでいると言うジャックは、スコットを捜すよう部下に指示する。

盗んだバイクでマイクと共に溜まり場のホテルの廃墟に戻ったスコットは、大ぼら吹きのボブの話を聞く。

そこに、ジャックに指示された警官らが現れ、スコットを捜す。

警官とジャックの部下は、マイクとベッドの中にいたスコットを見つけるものの、追い払われる。

ジャックの元に連れて行かれたスコットは、自分の行いを嘆く父に、それは思い違いで、今に分かると伝える。

スコットは、車いす生活のジャックの体調が悪いことに気づきながら、その場を去る。

アイダホ

盗んだバイクが故障してしまい、街道の脇で野宿したマイクとスコットは、焚火をして話し合う。

普通の家に生まれればまともな人生を歩めたと言うマイクは、スコットへの愛を伝え、二人は抱き合う。

翌日、パトカーが現れたためマイクは逃げてしまい、スコットは、バイクが故障したことを警官に伝えて直してもらう。

マイクを捜したスコットは、発作を起こして倒れている彼を見つける。

スコットは、意識のないマイクを連れて、彼の兄リチャード(ジェームズ・ルッソ)の元に向かう。

意識の戻ったマイクに母親の写真を見せたリチャードは、1歳の時に施設に預けられたことを知らせる。

危険な母親の元に置いておくことはできなかったと、マイクはリチャードから言われる。

マイクといつも言い争いになるリチャードは、男をあさり、常に銃を持っていた情緒不安定気味な母親が、マイクの父親である男を射殺した話をする。

嘘だと言うマイクは、リチャードが自分の父親であることを知っていると伝える。

母親から届いた絵葉書を見せられたマイクは、彼女があるホテルで働いていることを知る。

スコットと共にホテルに向かったマイクは、母親が、仕事を辞めてイタリアに行ったことを知り、その住所を渡される。

マイクとスコットは、その場にいたハンスに声をかけて、彼の部屋に向かう。

芸人だったというハンスは芸を見せて、そして二人と愛し合う。

翌日、二人からバイクを譲り受けたハンスは、街道でパトカーに止められ、スピード違反の切符を切られる。

ローマ

スコットと共に教えられた郊外の家に向かったマイクは、母親を捜す。

その場にいたカルミラ(キアラ・カゼッリ)から、アメリカ人女性は既に帰国したと言われたスコットは、マイクを紹介する。

母親のことをスコットから知らされたマイクは悲しむ。

カルミラと愛し合うようになったスコットは、マイクと別れることになる。

ローマに戻り客を相手にしたマイクは、発作を起こしてしまう。

ポートランド

発作に苦しみながら通りに立つマイクは、父が亡くなったため、カルミラと共に帰国して財産を相続した、紳士となったスコットを見かける。

ボブから声をかけられたスコットは、様々なことを教わり父よりも愛しているが、近づくなと言って彼を追い払う。

ショックを受けたボブは、苦しみながら息を引き取り、マイクはそれを知る。

父ジャックの葬儀が行われ、スコットは、同じ場所でボブの死を悼むマイクや仲間達の様子を気にする。

アイダホ

街道に佇むマイクは発作を起こし、その場に倒れ込み意識を失う。

通りがかった二人の男は、マイクの靴と荷物を奪う。

その後に現れた男性は、マイクを車に乗せて走り去る。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ポートランド、男娼の青年マイク・ウォーターズは、時々起こる発作ナルコレプシー(発作性睡眠障害)を抱えながら通りに立つ。
市長の息子であり何不自由ない家庭で育つものの、父に反抗して男娼をしていたスコットは、21歳で生活を変えることを考えながら、マイクの世話をしていた。
師匠とも言える”フォルスタッフ”のような男ボブや仲間達と共に、スコットとマイクは気ままな日々を送っていた。
そんな二人は、マイクの兄リチャードがいる故郷アイダホに向かう。
幼い自分を施設に預けた母親の話をリチャードから聞いたマイクは、兄が自分の父親であること知っていた。
母親がイタリアに向かったことを知ったマイクは、スコット共に旅立つのだが・・・。
__________

1970年代に、ガス・ヴァン・サントジョン・レチーの小説”City of Night”を基にして書いた脚本がオリジナルであり、ウィリアム・シェイクスピアの「ヘンリー四世 第1部」、「ヘンリー四世 第2部」、「ヘンリー五世」を原作としている。

「マラノーチェ」(1985)、「ドラッグストア・カウボーイ」(1989)と合わせて、本作はガス・ヴァン・サントの”ポートランド三部作”として知られている。

出征や生活に恵まれないナルコレプシー(発作性睡眠障害)を抱える青年の心の傷、母親への想いや葛藤などを描きながら、男娼、同性愛、麻薬他、様々な問題などを含め、鋭い視点で社会を描くガス・ヴァン・サントの演出が見所の作品。
ガス・ヴァン・サントは、第48回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞ノミネート。

本作公開の2年後に23歳の若さで他界するリヴァー・フェニックスの切ない演技も注目で、第48回ヴェネツィア国際映画祭全米映画批評家協会賞、インディペンデント・スピリット賞で主演男優賞を受賞した。

何不自由ない恵まれた人生を好まず、男娼として生きて主人公の世話をする青年キアヌ・リーブス、彼と愛し合うことになるイタリア人女性のキアラ・カゼッリ、主人公らが慕う”フォルスタッフ”のような男ウィリアム・リチャート、主人公の兄(父)ジェームズ・ルッソ、主人公らと関係するドイツウド・キア、男娼仲間のフリーロドニー・ハーヴェイ、スコット(キアヌ・リーブス)の父親である市長のトム・トゥループ、主人公を誘う富豪婦人グレイス・ザブリスキー、空港チケットカウンター・スタッフ役で、デビュー作となるジム・カヴィーゼルなどが共演している。


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