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マイ・ボディガード My Bodyguard (1980)

不良グループに目をつけられた転校生と彼のボディガードとなる心に傷を負う少年の友情を描く、監督トニー・ビル、主演クリス・メイクピースアダム・ボールドウィンマット・ディロンマーティン・マルルース・ゴードンジョン・ハウスマン、た共演の青春ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(青春)


スタッフ キャスト
監督:トニー・ビル

製作
メルヴィン・サイモン
ドン・デヴリン
脚本:アラン・オームズビー
撮影:マイケル・D・マーグリーズ
編集:スチュー・リンダー
音楽:デイヴ・グルーシン

出演
クリフォード・ピーチ:クリス・メイクピース
リッキー・リンダーマン:アダム・ボールドウィン
メルヴィン・ムーディ:マット・ディロン
ラリー・ピーチ:マーティン・マル
クリフォードの祖母:ルース・ゴードン
ドブス:ジョン・ハウスマン
グリフィス:クレイグ・リチャード・ネルソン
カーソン:ポール・クァント
シェリー:ジョーン・キューザック
マイク:ハンク・サラス
ジャンプ先生:キャサリン・グロディ
ロス校長:ディック・キューザック
ダブロー:リチャード・ブラッドリー
クーンツ:ティム・レイナ
ハイタワー:ディーン・R・ミラー
エンジニア:ジョージ・ウェント
クリフォードのクラスメイト:ジェニファー・ビールス

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1980年製作 96分
公開
北米:1980年7月11日
日本:1981年2月7日
製作費 $3,000,000
北米興行収入 $22,482,950


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
シカゴ
高校生のクリフォード・ピーチ(クリス・メイクピース)は、高級ホテル”ザ・アンバサダー・イースト/ザ・パンプ・ルーム”の支配人である父ラリー(マーティン・マル)と祖母(ルース・ゴードン)とで何不自由ない生活を送っていた。

ホテル内に住むラリーは、客とトラブルを起こす母に手古摺り、クリフォードは、新学期を迎えて新しい学校に通うようになる。

レイク・ヴュー・ハイスクール
初登校して教室に向かったクリフォードは席に着き、隣のレラニーとシェリー(ジョーン・キューザック)から声をかけられ、新入生だと伝える。

現れたメルヴィン・ムーディ(マット・ディロン)から自分の席だと言われたクリフォードは、先に座ったためにどこうとしない。

担任のジャンプ(キャサリン・グロディ)は、リッキー・リンダーマン(アダム・ボールドウィン)の姿が見えないことを気にする。
...全てを見る(結末あり)

隣の席のカーソンにリッキーのことを訊いたクリフォードは、人殺しだと言われる。

ジャンプに名前を呼ばれ、メルヴィンからゲイみたいだとからかわれたクリフォードは、意見したために目を付けられる。

カーソンから、メルヴィンは問題児だと言われたクリフォードは、彼に金を払い保護されている者が大勢いることを知らされる。

それを気にするクリフォードは、放課後になり、メルヴィンを避けて図書室で迎えの車を待つ。

車が来たために帰ろうとしたクリフォードは、メルヴィンと仲間のダブロー(リチャード・ブラッドリー)、クーンツ(ティム・レイナ)、ハイタワー(ディーン・R・ミラー)に捕まりトイレに連れて行かれる。

この学校は私立校とは違いボディガードが必要だと言うメルヴィンは、クラスにはリッキーがいて、荒っぽい彼は、子供の頭を撃って殺したとクリフォードに伝える。

そのために、1日1ドルで守ると言うメルヴィンからそれを強要されたクリフォードは、抵抗して逃げる。

校舎から出て迎えの車に飛び乗ったクリフォードは、ホテルに戻る。

その夜クリフォードは、ラリーから、学校でのトラブルは連絡したので心配いらないと言われる。

翌日、ロス校長(ディック・キューザック)に呼ばれたメルヴィンは、前日のことで注意され、冗談だったと弁解するものの、1週間の居残りを言い渡される。

一緒に呼ばれていたクリフォードは、校長から、正義は貫くべきだが危険は避けるようにと言われる。

校長に言いつけたことで、クリフォードはメルヴィンに脅される。

その後、授業を受けていたクリフォードのクラスに、長身で異様な雰囲気のリッキーが現れる。

体育の授業のバスケットボールの試合で、メルヴィンに痛めつけられたクリフォードは、更衣室のロッカーにゴミを入れられる。

トイレで汚れた服を洗っていたクリフォードは、メルヴィンが現れたために隠れるものの、見つかってしまう。

しかし、その場にリッキーがいることに気づいたメルヴィンは、何も言わずに立ち去る。

それを見ていたクリフォードはリッキーを呼び止め、金を稼ぎたくないか尋ねる。

メルヴィンらから保護料を払えと脅されていると話したクリフォードは、リッキーから皆を守っているというのが彼らの言い分だと伝える。

その意味が理解できない様子のリッキーに、自分のボディガードになってほしいと伝えたクリフォードは、他にも同じ考えの者はいるはずで、宿題も手伝うことを約束する。

クリフォードに興味がないと伝えたリッキーは、その場を去る。

ラリーの母がトラブルを起こすことなど、ホテルの運営に不満を抱いていた副支配人のグリフィス(クレイグ・リチャード・ネルソン)は、本社の総支配人ドブス(ジョン・ハウスマン)に視察を依頼していた。

その後もメルヴィンらに嫌がらせをされ、保護料を払うよう強要されたクリフォードは、更衣室のロッカーに閉じ込められてしまう。

それに気づいたリッキーはロッカーを開けるが、お前もやるならさっさとやれと言うクリフォードが気に入る。

カフェにいたメルヴィンらの元に向かい、マスタードやドリンクを浴びせたクリフォードは、路地に逃げる。

追ってきたメルヴィンらに言い寄られたクリフォードは、現れたリッキーが自分のボディガードだと伝える。

メルヴィンは抵抗することが出来ず、仲間達は自分には関係ないと言って去り、集まってきたクラスメイトからもバカにされる。

手出しできないメルヴィンは、クリフォードから、自分や皆も保護してもらう必要はなくなったと言われる。

カーソンにもからかわれたメルヴィンは恥をかき、何も言わずにその場を去るしかなかった。

いい思いをしたクリフォードは、巻き上げられた金を取り戻そうと考えるが、リッキーは、この件はもう終わりで、これ以上は手は貸さないと言って立ち去る。

その後、担任のジャンプにリッキーのことについて尋ねたクリフォードは、いろいろな噂はあるが事実は一つだと言われる。

1年ほど前に、父親の銃で遊んでいるうちに暴発してリッキーの弟が死に、最初に見つけたのがリッキーだったために、そのショックが今でも残り心を閉ざしているとジャンプは話す。

警官を殺したり教師に乱暴した話を確認したクリフォードは、ジャンプから、知っているのは弟の件だけだと言われる。

ランチタイムにリッキーに話しかけたクリフォードは、借りがあると伝えるものの相手にしてもらえない。

学校を出たリッキーを追ったクリフォードは、気づいていた彼から、路地でなぜつけたのかと訊かれ、友達になりたいからだと答える。

それを拒み去ろうとするリッキーを呼び止めたクリフォードは、弟の話は聞き辛いとは思うが、誰にでもあることだと伝える。

クリフォードの話に興味を示さないリッキーだったが、帰り道が分からないと言われたため、仕方なく、組み立てているバイクがある場所に連れて行く。

その後、リッキーから母親のことを訊かれたクリフォードは、2年前に交通事故で亡くなったことを伝える。

自分の世話をするために来た祖母が問題ばかり起こすことも話したクリフォードは、リッキーと共にスクラップ場などを回り、バイクのエンジンのシリンダーを探す。

リッキーは、弟は厄介な問題児だったが、いい奴だったとクリフォードに話す。

クリフォードがシリンダーを見つけたためにリッキーは喜び、バイクを組み立てて、二人は試運転する。

その頃、本社から来た総支配人のドブスをグリフィスから紹介されたピーチ夫人は、バーで彼と話をする。

リッキーをホテルの部屋に招いたクリフォードは、楽しい時間を過ごす。

母が問題を起こしたことを知ったラリーは、その場に向かう。

ピーチ夫人とダンスをしたドブスは、こんなに楽しい思いをしたのは久しぶりだと言って彼女に感謝し、世話を焼くグリフィスを追い払う。

グリフィスを解雇したラリーは、母と意気投合するドブスから、素晴らしいホテルだと言われる。

その様子を見ていたクリフォードとリッキーは、祖母と共に食事をして話が弾む。

心を開いたリッキーは、カーソンやシェリーらとも過ごすようになる。

そんな時、メルヴィンが強そうなマイク(ハンク・サラス)を連れて現れ、クリフォードとリッキーに自分のボディガードだと言って紹介する。

マイクに挑発されたリッキーは手出しせず、その場を去ろうとする。

メルヴィンから痛めつけろと言われたマイクは、リッキーのバイクを壊して彼を叩きのめす。

リッキーを助けようとしたクリフォードは制止され、いきがるメルヴィンは、リッキーのバイクを池に沈めてしまう。

クリフォードから、なぜ抵抗しなかったと言われたリッキーは、何も話さずにその場を去る。

リッキーを捜し家を訪ねたクリフォードだったが、彼は帰っていなかった。

ホテルに戻ったクリフォードは、その場にいたリッキーから金が要ると言われる。

6ドルしか持っていないクリフォードからそれを受け取ったリッキーは、何も話さず非常階段に向かう。

リッキーを追ったクリフォードは、いい家族があるので自分には関わるなと言われる。

自分が戦わなかったことをとやかく言われる筋合いはなく、ボディガードでもないと伝えたリッキーは、駅のホームに向かう。

クリフォードから、弟のことがあるから戦う気になれないのだろうと言われたリッキーは、答えようとしない。

事故なら仕方ないことだと言われたリッキーだったが、クリフォードの話を聞こうとしない。

大事なバイクを池に沈められても戦おうとしなかったことを批判されたリッキーは、弟の死には関係なく、死体を見つけたのは偶然だと言うクリフォードを黙らせ、自分が撃って殺したと伝える。

父親の銃で遊んでいた時に、弟が渡さないために無理に取ろうとして暴発したと言うリッキーは、叱られるのを恐れて弟の手に銃を握らせたと伝える。

今まで秘密にしていたと話し涙するリッキーは、クリフォードから、わざと殺したわけではないはずだと言われる。

気持ちは嬉しいが今のままでいいとクリフォードに伝えたリッキーは、家に帰れと言って電車に乗る。

翌日の放課後、カーソンとシェリーと下校したクリフォードは、池からバイクを引き上げたリッキーに気づき話しかける。

近づいてきたメルヴィンから、バイクは自分のものだと言われたリッキーは、呼ばれたマイクに挑発される。

制止しようとするクリフォードはメルヴィンに押し倒され、リッキーはマイクに襲い掛かる。

クリフォードは、マイクに手を貸すメルヴィンに飛び掛かり、リッキーはマイクを叩きのめす。

メルヴィンに殴られても諦めないクリフォードは、リッキーに助言されながら相手を殴り倒す。

鼻が折れたと言うメルヴィンは、仲間達の元に戻る。

リッキーから、喧嘩がとても強いので自分のボディガードになるようにと言われたクリフォードは、1日50セント払うし宿題も手伝うという提案に興味ないと答え、1ドルに値上げしたと伝える。

冗談を言い合うクリフォードとリッキーは、カーソンとシェリーと共にその場を去る。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
シカゴ
高校生のクリフォード・ピーチは、高級ホテル”ザ・アンバサダー・イースト/ザ・パンプ・ルーム”の支配人である父ラリーと祖母とで何不自由ない生活を送っていた。
レイク・ヴュー・ハイスクール”に転向したクリフォードは、不良少年のメルヴィンに目を付けられ、人を殺したクラスメイトのリッキーから身を守るための保護料を要求される。
それに応じようとしないクリフォードは、メルヴィンらの嫌がらせに遭う。
そんな時クリフォードは、長身で異様な雰囲気のリッキーをメルヴィンが恐れていることを知り、リッキーをボディガードにしようとするのだが・・・。
__________

不良少年の嫌がらせに対抗するため、殺人を犯したと言われるクラスメイトの手を借りて対抗しようとする高校生と、彼のボディガードとなった少年の友情を描く作品。

若くしてテレビ俳優として活躍し、映画プロデューサーとしても「スティング」(1973)でアカデミー作品賞を受賞したトニー・ビルの初監督作品。

物語としてはよくある話だが、暴力とは無縁な裕福な少年が、正義を貫くために、”アウトロー”的な頑強なクラスメイトをボディガードにして抵抗するという展開は斬新で、いかにもアメリカ的な内容であり、爽やかな感動で締めくくられるラストもいい。

ひ弱な少年と心に傷を持つクラスメイトとの友情、そして、様々な苦難を子供なりに乗り越えて成長していく姿も清々しく描かれた快作に仕上がっている。

デイヴ・グルーシンの軽快な音楽も印象に残る。

主人公の二人、嫌がらせに屈しない転校生のクリス・メイクピースと、彼と親交を深める問題児であり、弟を殺したことで心に傷を負う少年を演じたアダム・ボールドウィンの好演が光る。

不良少年を演じたマット・ディロンの出世作とも言える作品で、他にジョーン・キューザックジェニファー・ビールスがクラスメイトで出演している。

また、大ベテランの二人、ホテル内で問題ばかり起こす主人公の祖母役をルース・ゴードンが怪演し、彼女に翻弄されるホテルの総支配人役のジョン・ハウスマンの出演も映画ファンには嬉しい。

ホテルの支配人である主人公の父親マーティン・マル、彼に解雇される副支配人のクレイグ・リチャード・ネルソン、主人公のクラスメイトのポール・クァント、メルヴィン(マット・ディロン)に雇われる頑強な男ハンク・サラス、主人公の担任教師キャサリン・グロディ、校長のディック・キューザックジョーン・キューザックの実父)、メルヴィンの仲間リチャード・ブラッドリー、ティム・レイナ、ディーン・R・ミラー、ホテルのエンジニアのジョージ・ウェントなどが共演している。


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