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ミュージック・オブ・ハート Music of the Heart (1999)

実在のヴァイオリニスト、ロベルタ・ガスパーリの苦悩と音楽活動を描く、監督ウェス・クレイヴン、主演メリル・ストリープアンジェラ・バセットグロリア・エステファンエイダン・クインクロリス・リーチマンマイケル・アンガラノ他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:ウェス・クレイヴン

製作
スーザン・カプラン
マリアンヌ・マッダレーナ

アラン・ミラー
製作総指揮
エイミー・スロトニック
ボブ・ワインスタイン

ハーヴェイ・ワインスタイン
脚本:パメラ・グレイ
撮影:ピーター・デミング

編集
パトリック・ラッシャー

グレッグ・フェザーマン
音楽:メイソン・ダーリング

出演
ロベルタ・ガスパーリメリル・ストリープ

ジャネット・ウィリアムズ校長:アンジェラ・バセット
イザベル・ヴァスケス:グロリア・エステファン
ブライアン・ターナー:エイダン・クイン
アスンタ・ガスパーリ:クロリス・リーチマン
ニック・ガスパーリ(7歳):マイケル・アンガラノ
ニック・ガスパーリ(17歳):チャーリー・ホフハイマー
レキシー・ガスパーリ(5歳):ヘンリー・ディンホーファー
レキシー・ガスパーリ(15歳):キーラン・カルキン

ドロテア・フォン・ハフテン:ジェイン・リーヴズ
ダン・パクストン:ジェイ・O・サンダース
デニス・ラウシュ:ジョシュ・ペス
本人:アイザック・スターン
本人:イツァーク・パールマン
本人:アーノルド・スタインハート
本人:マーク・オコーナー

アメリカ 映画
配給 ミラマックス

1999年製作 123分
公開
北米:1999年10月29日
日本:2000年9月9日
製作費 $27,000,000
北米興行収入 $14,859,390


アカデミー賞 ■
第72回アカデミー賞
・ノミネート
主演女優(メリル・ストリープ
歌曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
アメリカ海軍勤務の夫に捨てられたヴァイオリニストのロベルタ・ガスパーリ(メリル・ストリープ)は、息子ニック(マイケル・アンガラノ)とレキシー(ヘンリー・ディンホーファー)、そして大量のバイオリンと共に母親アスンタ(クロリス・リーチマン)の家に向かう。

失意の日々を送るロベルタはアスンタに励まされ、とりあえず職を探す。

ギフト・ラッピングの仕事を始めたロベルタは、里帰りをしていた同級生のブライアン・ターナー(エイダン・クイン)と再会する。

音楽家になるのを諦めたロベルタは、教師の資格を取ったものの夫の転勤が多いためにそれも実現できず、クラスを開くためにヴァイオリン50挺は手に入れてあることをブライアンに語る。
...全てを見る(結末あり)

夫の浮気の件も話したロベルタは、記者であるブライアンが記事にしたことがある、小学校の校長を紹介することを提案される。

ニューヨークイースト・ハーレム
セントラル・パーク・イースト1小学校のジャネット・ウィリアムズ校長(アンジェラ・バセット)に面会したロベルタは、教師として採用することを断られてしまう。

ニックとレキシーを連れて再びウィリアムズを訪ねたロベルタは、息子達と共にその場でヴァイオリンを演奏する。

子供達の演奏に感心したウィリアムズは、生徒達が同じようになれるかをロベルタに問う。

誰でもできると答えるロベルタに、その場にいた音楽教師のデニス・ラウシュ(ジョシュ・ペス)が反論するが、ウィリアムズは臨時教師として彼女を雇うことを決める。

ロベルタは、ヴァイオリンは問題なく調達できることをウィリアムズとラウシュに伝える。

クラスを持ったロベルタは張り切るが、生徒達はヴァイオリンをおもちゃのように扱う。

ロベルタは、話を聞かない生徒を教室から追い出し、厳しい態度で接して一日目を終わる。

とりあえずブライアンのアパートに世話になったロベルタは、彼に迫られて愛し合ってしまう。

翌朝、出張のためにブライアンが数か月留守にすることを知りロベルタは戸惑う。

その後、何とか生徒達に指導するロベルタだったが、黒人に音楽を教えるのは無駄だと言い張る母親への対応などに苦労する。

そんなロベルタは、夫から正式に離婚を要求されて母の元に帰ることも考えるが、ブライアンに励まされる。

翌日、気を取り戻して学校に向かったロベルタは、ウィリアムズに相談しようとするが、忙しい彼女に相手にしてもらえない。

足の悪い生徒が挫折しそうになっていることを知ったロベルタは、同じような境遇の偉大なヴァイオリニスト、イツァーク・パールマンの話をして励ます。

他の教師達に嫌われていると感じていたロベルタは、2年生の担任イザベル・ヴァスケス(グロリア・エステファン)から、すぐ辞めるはずの臨時教師とは、付き合っても意味がないと思われているのだと知らされる。

自分の娘を教えてほしいとイザベルに言われたロベルタは、彼女に親しみを感じる。

複雑な環境下に置かれた生徒達に接しながら、ロベルタは辛い気持ちを何とか抑えて日々を過ごす。

ある夜、夫のことをニックに聞かれたロベルタは、今後、父親と暮らすことはないと伝えるが、彼にはそれが理解できない。

そんな時、生徒達に厳しく接するロベルタの指導問題となり、彼女はウィリアムズに注意される。

しかし、生徒達は突然優しくなったロベルタの態度を受け入れず、彼女はいつも通りに指導をする。

クリスマス。
子供達を父親の元に向かわせたロベルタは、戻って来たブライアンとの時を過ごす。

慰謝料を元手に家を購入したロベルタだったが、母アスンタに小言を言われて苛立つ。

経費を節減するため刑務所出の職人を雇い家を修理するロベルタに、ブライアンは意見するものの聞き入れられない。

ロベルタがブライアンともうまくやっていけないことで悩むニックは、学校で暴力行為を起こし、ウィリアムズは重大な問題であるとロベルタに指摘する。

子供達との時間を大切にしたロベルタは、ブライアンとの結婚を考える。

しかし、結婚に興味のないブライアンは、今の関係を維持したいことをロベルタに伝える。

一人で子供の世話をして生きていけると言うロベルタに対し、父親が欲しいニックは反抗する。

父親を追い出したとまで言われたロベルタは、夫が知人の女性と愛し合っていることと、自分が面倒を見ることを息子達に伝えて理解を求め二人を抱きしめる。

その後、職人をクビにしたロベルタは、ブライアンも突き放してしまう。

そして、生徒達の初めてのコンサートは成功する。

10年後。
人気クラスとなっていたロベルタと生徒達を記事にするために、取材していたカメラマンのドロテア・フォン・ハフテン(ジェイン・リーヴズ)は、夫が著名なヴァイオリニストのアーノルド・スタインハートだということをロベルタに伝える。

新学期を迎えたロベルタは、選抜した生徒達に対して変わらず厳しい指導を続ける。

そんなロベルタだったが、ギャングの争いの巻き添えに遭い死亡したクラスメイトのことで悲しむ生徒に優しく接する。

ロベルタの息子ニック(チャーリー・ホフハイマー)とレキシー(キーラン・カルキン)は、母のために結婚相手を探そうとする。

戸惑うロベルタはは息子達の気持ちを考え、ジャーナリズムを教える大学教授ダン・パクストン(ジェイ・O・サンダース)と会ってみることにする。

ダンと楽しい夜を過ごしたロベルタは、彼がポーカーの賭けに負けたために広告を出したことを知り、自分も息子達がしたことだと伝える。

互いにいい印象ではあったが、ロベルタは真剣に付き合うという回答は避ける。

コンサートまで10日となった日クラスが閉鎖されることになり、ロベルタはウィリアムズに抗議する。

ウィリアムズは予算カットのため仕方なく決断したことをロベルタに伝えるが、彼女は納得しない。

コンサートは終わり、挨拶したロベルタは、クラス閉鎖を撤回させるための闘いを続けることを宣言し、生徒や父兄から支持される。

ロベルタは家で”抗議集会”を開き、ウィリアムズもそれを支援する。

その場に参加したドロテアは、クラスの維持費を確保するためにチケットを販売するコンサートを開くことを提案し、夫のアーノルド・スタインハートイツァーク・パールマンに強力を求めることを約束する。

そこに現れたダンは、ロベルタのラザニアの差し入れで行動を起こし、その結果、今回の件を5紙の新聞が取り上げたことを知らせ彼女らを喜ばせる。

その後、妻ドロテアに頼まれたスタインハートパールマンに連絡を入れ、ロベルタらのコンサートの準備は着々と進む。

ロベルタは、入場料を取る以上それなりの内容のコンサートにしなければならないことを生徒達に話し、かつての教え子の協力を得て更に厳しいレッスンを始める。

ところが、会場がある事故で使えなくなってしまったことをドロテアから知らされ、ロベルタはショックを受ける。

更に、ジュリアードに推薦しようとしていた女生徒が引っ越すことになるなど、ロベルタは辛い思いをする。

そんな時、興奮して現れたドロテアは、著名なヴァイオリニストのアイザック・スターンの好意で、”カーネギー・ホール”が会場として仕えるようになったことをロベルタに知らせる。

喜ぶロベルタだったが、余りの重責に不安が募りその場を訪れてみる。

カーネギー・ホール”。
ステージに上がったロベルタは、現れたアイザック・スターンに歓迎される。

偉大なヴァイオリニストを前に光栄の極みであるロベルタは、スターンから、1891年のこけら落としの際のチャイコフスキーハイフェッツラフマニノフホロヴィッツらがこの場で見守っていると言われる。

スターンは更に、自分達もコンサートに参加させてほしいことをロベルタに伝え、彼女は感激する。

コンサート当日。
緊張して焦るロベルタは、迎えに来たリムジンの車内で、夫と別れたことによりここまでなれたと母アスンタに言われる。

カーネギー・ホール”。
生徒達と共に準備をするロベルタの前にブライアンが現れ、彼女を激励する。

ダンから花束を渡されたロベルタは、彼の協力に感謝する。

ウィリアムズの挨拶で会場は盛り上がり、ロベルタは心で弾くことを生徒達に伝えてステージに上がる。

演奏は始まり、マーク・オコーナーが登場する。

そしてクライマックス、マイケル・ツリー、チャールズ・ヴィールJr.、アーノルド・スタインハートカレン・ブリッグスイツァーク・パールマンアイザック・スターン、サンドラ・パーク、ダイアン・モンロー、ジョシュア・ベルマーク・オコーナーら世界的高名な音楽家が、ジョナサン・フェルドマンの伴奏でバッハの”ヴァイオリン協奏曲ニ短調”合奏を始める。

演奏を終えたロベルタと生徒そして音楽家は、スタンディングオベーションの観客から盛大な拍手を受ける。

その後ロベルタは、新学期を迎えたクラスの生徒をに指導を始める。
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1993年のコンサートにより、クラスは3年間維持できた。

その後”オーパス118財団”が設立されて資金調達活動は続き、本作撮影中にクラスは再建された。

ロベルタ・ガスパーリは、エルサルバドル出身の養女と共に現在でもイースト・ハーレムで暮らしている。

息子のニコラス/ニックはチェリストに、レキシーは医学の道に進んだ。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
海軍勤務の夫に捨てられて失意のヴァイオリニスト、ロベルタ・ガスパーリは、同級生のブライアンと再会し、彼の紹介でニューヨークイースト・ハーレムの小学校教師となることを考える。
一旦は校長ウィリアムズに採用を断られるものの、ロベルタは臨時教師となりヴァイオリンのクラスを持つことになる。
その後、父親を恋しがる息子達の気持ちや自分自身の辛い思いを胸に日々を送るロベルタは、学校に通う子供達もそれぞれが複雑な環境下で暮らしていることを知る。
そんなロベルタだったが、レッスンでは妥協を許さないことを信念に生徒達に厳しく接して指導を続ける。
10年後、多くの子供達に音楽を教え慕われていたロベルタだったが、予算削減でクラス閉鎖の危機に追い込まれてしまう・・・。
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「エルム街の悪夢」や「スクリーム」などホラー、スプラッター映画で知られるウェス・クレイヴン演出のヒューマン・ドラマであるところが注目でり、ハリウッド屈指の演技派女優メリル・ストリープの主演も話題になった。

驚かされるのは、終盤で登場するアイザック・スターン他、高名な世界的音楽家達の出演で、その舞台が”カーネギー・ホール”ということもあり、ドラマは一気に盛り上がる。

何も知らずに観ていると余りにも出来過ぎた話に戸惑ってしまうのだが、これが事実に基づいた物語であることを知ると180度観方が変わる。

心温まる感動のストーリーではあるが、アメリカの抱える様々な問題を直視する描写も多々あり、きれいごとばかりが描かれているわけではない。

夫に捨てられた身の失意の女性、厳しい指導の教師、クラス廃止の危機に苦悩するものの常に前向きで行動する主人公を熱演し、ほぼ完ぺきな演技を見せるメリル・ストリープは、当然のごとく第72回アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされた。
*その他、歌曲賞もノミネート。

主人公を支える学校長アンジェラ・バセット、同僚教師グロリア・エステファン、実際にはメリル・ストリープが10歳年上であり、相手としてはややミスマッチな同級生エイダン・クイン、主人公の母親役で大ベテランのクロリス・リーチマン、主人公の息子マイケル・アンガラノ/チャーリー・ホフハイマーとその弟ヘンリー・ディンホーファー/キーラン・カルキン、主人公に協力するカメラマンのジェイン・リーヴズ、主人公と親交を深める大学教授ジェイ・O・サンダース、音楽教師ジョシュ・ペスなどが共演している。


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