製作レイ・スターク、脚本ニール・サイモンの名コンビによる豪華キャスト競演の爆笑コメディ。 世界の名探偵らをパロディ化した抱腹絶倒のミステリー・コメディ。 トルーマン・カポーティ、ピーター・フォーク、デヴィッド・ニーヴン、ピーター・セラーズ、ジェームズ・ココ、エルザ・ランチェスター、アレック・ギネス、マギー・スミス、アイリーン・ブレナン、ジェームズ・クロムウェル共演。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロバート・ムーア
製作:レイ・スターク
脚本:ニール・サイモン
撮影:デヴィッド・M・ウォルシュ
編集:ジョン・F・バーネット
音楽:デイヴ・グルーシン
出演
ライオネル・トウェイン:トルーマン・カポーティ
サム・ダイヤモンド:ピーター・フォーク
ディック・チャールストン:デヴィッド・ニーヴン
シドニー・ワン:ピーター・セラーズ
ミロ・ペリエ:ジェームズ・ココ
ジェシカ・マーブルズ:エルザ・ランチェスター
ジェームズサー・ベンソンマム:アレック・ギネス
ドーラ・チャールストン:マギー・スミス
テス・スケフィントン:アイリーン・ブレナン
ウィザース:エステル・ウィンウッド
マルセル:ジェームズ・クロムウェル
イェッタ:ナンシー・ウォーカー
ウィリー・ワン:リチャード・ナリタ
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1976年製作 94分
公開
北米:1976年6月23日
日本:1976年9月23日
北米興行収入 $32,511,050
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
大富豪のライオネル・トウェイン(トルーマン・カポーティ)は、”晩餐と殺人に御招待します”という招待状を、有名な5人の探偵に送る。
ニューヨークのディック(デヴィッド・ニーヴン)とドーラ(マギー・スミス)のチャールストン夫妻、カタリーナ島のシドニー・ワン(ピーター・セラーズ)、ブリュッセルのミロ・ペリエ(ジェームズ・ココ)、サンフランシスコの探偵サム・ダイヤモンド(ピーター・フォーク)、イングランドのジェシカ・マーブルズ(エルザ・ランチェスター)だった。
トウェインはその招待状を、盲目の執事ジェームズサー・ベンソンマム(アレック・ギネス)に郵送させる。
ワンは、日本人の養子ウィリー(リチャード・ナリタ)と共にトウェイン邸に向う途中、チャールストンに出くわして先を急ぐ。 ペリエは、嫌な予感がするという、秘書でもあるマルセル(ジェームズ・クロムウェル)の運転でトウェイン邸に向う。 ダイヤモンドは、秘書兼愛人のテス・スケフィントン(アイリーン・ブレナン)から、調べ上げたトウェインの情報を知らされるが、ガス欠で車が止まってしまう。 屋敷に到着したワンとウィリーは、落下した石でいきなり何者かに命を狙われてしまう。 ベンソンマムに迎えられた二人は部屋に案内されるが、ベッドが燃えていることや、盲目の執事に驚いてしまう。 チャールストン夫妻も到着して、ベンソンマムは、2人をトウェイン夫人が亡くなった、蜘蛛の巣だらけでネズミもいる部屋に案内する。 ホコリが小麦粉で、蜘蛛の巣が綿アメだと気づいて安心するチャールストンだったが、ネズミは本物だった。 その後、メイドのイェッタ(ナンシー・ウォーカー)が現われ、自分が聾唖者で、英語も出来ないと書かれた紙を見せるが、目の不自由なベンソンマムにそれが伝わらない。 次に到着したペリエは、電話線が切れていることや、玄関で石が落下してマルセルが怪我をしたことなど不満を訴えながら部屋に案内され、ベンソンマムが盲目だと確認する。 ようやく屋敷に到着したダイヤモンドとテスは、石の落下をかわして、迎えたベンソンマムに脅しをかける。 9時になり食事が始まるが、イェッタが料理の支度もせずにいたことを、ベンソンマムは気づかない。 来客は顔を合わせ、ガラが悪く不躾なダイヤモンドが、それぞれを牽制して嫌味に近い言葉をかける。 そこに、ジェシカ・マーブルズ(エルザ・ランチェスター)と看護師ウィザース(エステル・ウィンウッド)、立場が逆転しているような二人が姿を現す。 そして、トウェインが出席しない食事が始まり、いきなり、自分達が殺されるかもしれない危険を客は感じる。 スープを運んだベンソンマムだったが、ペリエに器が空だと知らされる。 その時点で、ようやく料理が何も用意されていないことに気づき、ベンソンマムは憤慨して、イェッタを追い出そうとするが、彼女にはそれが全く伝わらない。 食卓では来客が命を狙われて停電になり、そして主人のトウェインが現れる。 食事も出ずに殺人も起きないことに憤慨したペリエは席を立とうとして他の者もそれに続くが、トウェインは、彼らを部屋に閉じ込めてしまう。 自分が,最高の犯罪のエキスパートだと言張るトウェインは、12時に殺される被害者と犯人が,この中にいることを告げる。 それを当てた者には100万ドルを進呈すると言って、トウェインは姿を消してしまう。 そこにイェッタが現われ、ベンソンマムが死んでいることを伝えて、ワンとペリエ、そしてマーブルズがそれを確認する。 殺人は来客の中で起きるということで、ベンソンマムの死はおとりだという結論に達し、食堂に戻ろうとするがドアが開かない。 ペリエがベンソンマムの鍵を取りに行くが、彼の死体は消えてなくなり、残っていた服から鍵を見つけて部屋に入る。 しかし、閉じ込められていた部屋から、客達は姿を消していた。 ヘラジカの剥製が発した言葉に従い、三人は一旦部屋を出てドアを開けると、客達は食堂で彼らを待っていた。 ペリエらは驚き、ベンソンマムが死んでいた状況や、食堂が空で再び皆が現われたことなどを伝える。 その時、銃声が聞こえたため、ダイヤモンドとチャールストンが厨房を見に行くが、そこには、ベンソンマムの裸の死体が戻っていた。 ベンソンマムに弾痕のないことを確認した二人は食堂に戻るが、部屋は空だった。 しかし、一旦外に出て戻ってみると、ペリエらが体験したことと同じく皆が顔を揃えていた。 12時が迫り、空の部屋と皆がいる部屋の二つを、電気仕掛けでトウェインが入れ替えていると考え、ペリエが外に出てそれを確かめる。 ペリエは慌てた様子で、ベンソンマムの服を着て戻り、イェッタが姿を消すが、やがて12時になる。 その場では何も起こらず安堵する来客だったが、ドアの向こうにいたトウェインが、背中をナイフで刺されて死亡していた。 ドーラは、消えたイェッタが犯人だと考えるが、ダイヤモンドが、彼女がロボットだったと言って、それを部屋に運び込む。 犯人はその場にいる者の中にいることになり、彼らは客間に移り事件の検証を始める。 チャールストンは、トウェインが自殺したと考えるが、ワンは、破産しかけているチャールストンには、殺人の動機があることを指摘する。 部屋を出た者が何人かいることと、かつてトウェインと恋仲だったマーブルズが、彼に恨みを持っていたはずだと言ってチャールストンは彼女を追求する。 ペリエは、トウェインがテスの叔父で、ワンが彼の隠し子だったことを明かす。 ワンは、養子だったとそれを訂正し、自分が東洋人だと分かり放り出されたことで、確かにトウェインに怒りは感じていたことを語る。 さらにワンは、トウェインに愛犬を殺されたペリエが、彼を憎んでいたことを指摘する。 ペリエは、トウェインに殺意を抱いていたことは認めるが、今回の殺人は否定する。 その後、ダイヤモンドは調査だと言うものの、ゲイ・バー通いをしていたところをトウェインに見られ、女装した写真も撮られていたとテスが明らかにする。 客達は、朝まで休むことにして部屋に戻り、それぞれが殺されそうになる。 毒ヘビの危機を逃れたワンは、実は犯人で生きていた、目の見えるベンソンマムの元に現われて犯行を見破る。 そこに、ガスから逃れたマーブルズとウィザースが現われ、ベンソンマムが、トウェインの弁護士である、アーヴィン・ゴールドマンだということを見破り、トウェインは5年前に死亡していたことを話す。 ゴールドマンはそれを認めるが、毒サソリから逃れてきたチャールストンが、彼が会計士のマーヴィン・メツナーだと言って、ゴールドマンが事故で死んだことを伝え、現金を受取り、サソリに刺されたドーラを病院に連れて行こうとする。 その時、潰されかけた部屋から逃れたペリエと、部屋の天井を支えたマルセルが現われ、メツナーがトウェインの娘アイリーンだと認めさせて、現金を受取ろうとする。 爆弾から逃れたダイヤモンドとテスも現われ、自分がJ.J.ルーミスという物まね役者で、彼女はウエイトレスだと伝え、アイリーンこそサム・ダイヤモンドだと言って現金を要求する。 しかし、それを否定してマスクを外したトウェインは、客達の無能さを指摘して、部屋代までも請求して追い払う。 ウィリーの、殺人があったのかなかったのかという問いにワンは答える。 ”あった、楽しいはずの週末が台無しになった(殺された)。” 客達が引き揚げた後、マスクを取ったトウェインは実はイェッタだった。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
大富豪トウェインは、世界の名探偵に”晩餐と殺人に御招待します”という”、挑戦状のような招待状を送る。
ニューヨークのチャールストン夫妻、カタリーナ島のワン、ブリュッセルのペリエ、サンフランシスコのダイヤモンド、イングランドのマーブルズは屋敷に到着するが、それぞれが師の危険を感じる。
食事が始まり、現われたトウェインは、12時にこの中の誰かが殺されて、また犯人この場にいると伝え、犯人を当てた者には100万ドルを渡すと言い残して姿を消す。
その後、盲目の執事ベンソンマムが殺され、その謎を検証するうちに12時となり、トウェインが刺殺されてしまう。
不可解で謎の多い事件ではあったが、やがて、招待客は、それぞれが、トウェインを殺す動機があったことことが分かるのだが・・・。
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1978年に姉妹編「名探偵再登場」が公開された。
とにかく、巧みに練られたニール・サイモンの脚本が見事で、観客は混乱する間もなく、激しく入り乱れる展開により、画面に釘付けとなる。
個性派や名優それぞれの個性が見事に生かされ、パロディと考えなくても十分に楽しめる作品で、当時のコメディの中でも、指折りの快作とも言える。
北米興行収入も約3300万ドルという大ヒットとなった。
謎の大富豪を、プロの役者並みに演ずる作家のトルーマン・カポーティ、サム・スペードのパロディ、ピーター・フォークとその秘書兼愛人アイリーン・ブレナン、ニック&ノラ・チャールズのパロディ、デヴィッド・ニーヴンとその妻役のマギー・スミス、チャーリー・チャンのパロディ、ピーター・セラーズとその養子リチャード・ナリタ、美食家として登場するエルキュール・ポワロのパロディ、ジェームズ・ココと、その運転手役で、現在名バイプレイヤーとして活躍する若き日のジェームズ・クロムウェル、ミス・マープルのパロディ、エルザ・ランチェスターと看護師エステル・ウィンウッド、聾唖者のメイド、ナンシー・ウォーカー、そして、盲目の執事を怪演するアレック・ギネスなど、その見事な演技を堪能できる。