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クレアモントホテル Mrs. Palfrey at the Claremont (2005)

夫に先立たれて自立しホテル住まいを始めた老婦人が作家志望の青年との出会いで人生を見つめ直す姿を描く、主演ジョーン・プロウライトルパート・フレンドゾーイ・タッパーアンナ・マッセイ他共演、監督ダン・アイアランドによるヒューマン・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■
製作総指揮:グスタヴァス・プリンツ

製作
リー・カプリン

ザカリー・マッツ
カール・コルパート
原作:エリザベス・テイラー
脚本:ルース・サックス
撮影:クラウディオ・ローシャ
編集
ヴァージニア・カッツ

ナイジェル・ガルト
音楽:スティーヴン・バートン

出演
サラ・パルフリー:ジョーン・プロウライト

ルードヴィック・メイヤー:ルパート・フレンド
グウェンドリン・グース:ゾーイ・タッパー
エルヴィラ・アーバスノット:アンナ・マッセイ
オズボーン:ロバート・ラング
メイヤー夫人:クレア・ヒギンズ
シャーリー・バートン:ジョージナ・ヘイル
ヴェラ・ポスト:マルシア・ウォレン
ローナ・デ・サリス夫人:ミリセント・マーティン
ウィリー・デ・サリス:マイケル・カルキン
エリザベス:アンナ・カータレット
デズモンド:ローカン・オトゥール
サマーズ:ティモシー・ベイトソン

イギリス/アメリカ 映画
配給 Cineville
2005年製作 108分
公開
北米:2005年11月25日
日本:2010年12月4日
製作費 $750,000
北米興行収入 $1,720,950
世界 $3,919,280


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ロンドン
最愛の夫に先立たれた老婦人サラ・パルフリー(ジョーン・プロウライト)は、娘エリザベス(アンナ・カータレット)の元から自立した生活を送るために、”クレアモント・ホテル”に長期滞在しようとする。

夕食のためにドレスアップして、ダイニング・ルームに向かったパルフリー夫人は、居心地の悪さを感じていると、エルヴィラ・アーバスノット(アンナ・マッセイ)から声をかけられる。

アーバスノット夫人から、ホテルのルールのようなものを知らされたパルフリー夫人は、こんな場所で暫く暮らさなければならないのかと、憂鬱になってしまう。

翌日の朝食時、ヴェラ・ポスト(マルシア・ウォレン)と言葉を交わしたパルフリー夫人は、孫息子デズモンド(ローカン・オトゥール)のことを語り、彼と日曜日に食事をするために、留守電にメッセージを残す。
...全てを見る(結末あり)

しかし、数週間が経ち、デズモンドどころか、誰からも電話がかかってこないことにパルフリー夫人は気づく。

ある日、パルフリー夫人は、郵便局に行った帰りに道で転んでしまう。

作家志望の青年ルードヴィック・メイヤー(ルパート・フレンド)がそれに気づき、パルフリー夫人に優しく声をかけて介抱する。

ルードヴィックにお礼を言ったパルフリー夫人は、彼を夕食に招く約束をする。

ホテルに戻ったパルフリー夫人は、若い男性を食事に招待することを、アーバスノット夫人やポスト夫人に伝える。

パルフリー夫人は、それを孫息子のデズモンドと勘違いされてしまい、そのことをルードヴィックに伝える。

ルードヴィックは、その日だけ自分が孫になることを提案して、パルフリー夫人を安心させる。

約束の日、ホテルに現れたルードヴィックは注目を集め、パルフリー夫人は楽しいひと時を過ごす。

パルフリー夫人から、作品のヒントを貰ったルードヴィックは執筆を始めて、翌日、彼女を散歩に誘い、そのことを伝える。

数日後、ホテルにデズモンドが突然現れ、パルフリー夫人は焦り、彼を追い返してしまう。

そんなパルフリー夫人は、ルードヴィックと彼の不仲の母(クレア・ヒギンズ)の元に向かう。

パルフリー夫人は、ルードヴィックの生き方を理解しようとしない母親に、彼が優しい気遣いを持つ好青年だと伝える。

ホテルの宿泊客オズボーン(ロバート・ラング)に誘われたパルフリー夫人は、彼と共に”フリーメイソン”の集会に参加する。

その帰り道で、パルフリー夫人はオズボーンにプロポーズされてしまうが、彼女は、残りの人生を自分自身として生きたいことを伝えてそれを断る。

ある日ルードヴィックは、パルフリー夫人から、思い出の映画”逢びき”の話を聞き、ビデオ・ショップでそれを借りてみようかと思う。

同時にそれを借りようとしていたグウェンドリン・グース(ゾーイ・タッパー)と、ルードヴィックは意気投合する。

同じ頃ホテルに、パルフリー夫人の娘エリザベスが現れ、デズモンドを追い返したことで母親を非難する。

その時、食事を終えたアーバスノット夫人が倒れてしまい、パルフリー夫人は、彼女の”覚悟はできている”という言葉にショックを受ける。

ルードヴィックとグウェンドリンと共に、ビューリーの村に向かったパルフリー夫人は、”プレイス・ハウス”の前で、その場を夫と訪れた想い出に浸る。

その後パルフリー夫人は、アーバスノット夫人が養護施設で亡くなったことを知る。

ルードヴィックも、グウェンドリンとの愛を深めていることで、パルフリー夫人は孤独を感じるようになる。

宿泊客の干渉に苛立ったパルフリー夫人は、ホテルの前で倒れて腰の骨を折ってしまう。

それを知ったルードヴィックは病院に急行し、パルフリー夫人を慰め、彼女が、肺炎と合併症だということをに気づいていたホテルの宿泊客にも、優しく声をかける。

意識が朦朧とする中、自分を夫と間違えるパルフリー夫人の話し相手になったルードヴィックは、”ササ”(夫人)というタイトルの作品を仕上げて、彼女の病室に届ける。

そして、ルードヴィックはパルフリー夫人に別れを告げ、グウェンドリンの元に向かう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
最愛の夫に先立たれた老婦人サラ・パルフリーは、自立を求めて娘の元を離れ、長期滞在型の”クレアモント・ホテル”での生活を始める。
人の噂話が唯一の楽しみのような老人達に囲まれ、憂鬱に感じるパルフリー夫人だった。
ある日、パルフリー夫人は、路上で転んでしまい、作家志望の青年ルードヴィックに介抱される。
パルフリー夫人は、ルードヴィックに御礼をしようとホテルの食事に招待するが、宿泊客は現れるのが夫人の孫息子だと思い込む。
真実を言いそびれたパルフリー夫人は、ルードヴィックの提案で彼を孫だということにして、宿泊客の注目を集める。
ルードヴィックは、パルフリー夫人とのひと時を過ごし、彼女に作品のヒントを貰い執筆を始める・・・。
__________

1971年に発表された、エリザベス・テイラーの小説”Mrs Palfrey at the Claremont”を基に映画化された作品。

気品ある老婦人の自立を求める姿、そして訪れる孤独感を、ユーモアも交えて綴った心温まる作品。

ローレンス・オリヴィエ夫人のジョーン・プロウライトの、演技とは思えない、その雰囲気から漂う品格と繊細な感情表現は秀逸だ。

度々挿入される、主人公の心から一時も離れることのない、先立った夫を想うシーンは、どうしてもローレンス・オリヴィエを想像して見てしまう。

1945年のデヴィッド・リーンの名作”逢びき”が、青年の生活の変化のきっかけになるところなど、名画を愛するダン・アイアランドの気持ちが伝わる演出だ。

出来過ぎた美青年でないところが好感が持てるルパート・フレンド、その恋人になるゾーイ・タッパー、宿泊客で、名優レイモンド・マッセイの娘アンナ・マッセイ、主人公に求婚するロバート・ラングジョージナ・ヘイルマルシア・ウォレンミリセント・マーティン、その夫マイケル・カルキン、ルードヴィック(R・フレンド)の母クレア・ヒギンズ、主人公の娘アンナ・カータレットピーター・オトゥールの息子で、孫役のローカン・オトゥール、ホテルのポーター、ティモシー・ベイトソンなどが共演している。


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