1969年に発表された、エルモア・レナード(脚本兼)の小説”The Big Bounce”の登場キャラクター”Mr. Majestyk”を基に製作された作品。 殺し屋に脅されながら怯むことなく立ち向かう農場主の戦いを描く、監督リチャード・フライシャー、主演チャールズ・ブロンソン、アル・レッティエリ、リンダ・クリスタル、リー・パーセル他共演の犯罪アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:リチャード・フライシャー
製作:ウォルター・ミリッシュ
原作:エルモア・レナード”Mr. Majestyk”
脚本:エルモア・レナード
撮影:リチャード・H・クライン
編集:ラルフ・E・ウィンタース
音楽:チャールズ・バーンスタイン
出演
ヴィンセント”ヴィンス”マジェスティック:チャールズ・ブロンソン
フランク・レンダ:アル・レッティエリ
ナンシー・チャヴェス:リンダ・クリスタル
ワイリー:リー・パーセル
ボビー・コーパス:ポール・コスロ
ラリー・メンドーサ:アレハンドロ・レイ
ジーン・ランディ:テイラー・ラシャー
マクアレン:フランク・マクスウェル
ハロルド・リチー:ジョーダン・ローデス
フリオ・トマス:バート・サントス
アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1974年製作 103分
公開
北米:1974年7月17日
日本:1974年11月9日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
コロラド州、ユマ郡、エドナ。
農場主である元アメリカ陸軍レンジャー部隊員でベトナム帰還兵のヴィンセント”ヴィンス”マジェスティック(チャールズ・ブロンソン)は、貧しいメキシコ移民を使いスイカの栽培をしていた。
ガソリンスタンドで、メキシコ移民の労働者の手助けをしている組合員ナンシー・チャヴェス(リンダ・クリスタル)と知り合ったマジェスティックは、彼女と労働者を雇う。
農場を管理させているラリー・メンドーサ(アレハンドロ・レイ)に、人員を確保させて農場に向かわせていたマジェスティックは、ボビー・コーパス(ポール・コスロ)という男が、自分の農場で低賃金労働者を働かせていることを知る。
労働者に仕事を辞めさせようとしたマジェスティックだったが、コーパスが銃を手にしたために彼を叩きのめして追い払う。 ところが、コーパスに訴えられたマジェスティックは逮捕されてしまう。 マクアレン警部補に(フランク・マクスウェル)に質問されたマジェスティックは収穫時期の説明をするが、前科などを問われて収監される。 マジェスティックは、同じ留置場にいた組織の大物で殺し屋のフランク・レンダ(アル・レッティエリ)と共に移送されることになる。 途中、移送車はレンダの部下らに襲撃され、マジェスティックは他の囚人と怪我人を降ろし、逃げようとするレンダを乗せて逃走する。 レンダを自分の指示に従わせたマジェスティックは、狩猟期に使う山小屋に向かう。 マジェスティックは抵抗したレンダを叩きのめし、ロサンゼルスに向かえば何でも与えると言う彼に、スイカの収穫がしたいだけだと伝える。 レンダは、自分を逃がせば2万5000ドルを渡すことを約束し、マジェスティックを納得させる。 街道の店まで歩いて行ったマジェスティックは、マクアレン警部補に電話をして、捕えたレンダを引き渡すことを条件に自分の釈放を要求する。 更にマジェスティックは、レンダの恋人ワイリー(リー・パーセル)に電話をする。 現れたワイリーの車に乗ったマジェスティックが刑務所に向かおうとしたため、レンダは騙されたと気づき憤慨する。 レンダは報酬を上げようとするが、マジェスティックは他と取引したことを伝える。 ワイリーがレンダに銃を渡そうとしたため、それを阻止しようとしたマジェスティックは、車から脱出してその場から逃れる。 エドナの警察署に戻ったマジェスティックは、マクアレンに事情を話そうとするものの収監される。 とりあえず自由の身となったレンダは、自首したというマジェスティックを殺そうとする。 マジェスティックは、コーパスが告訴を取り消したことをマクアレンから知らされる。 釈放されてもレンダに命を狙われると考えるマジェスティックは、レンダを捕らえるために協力をマクアレンに強要される。 農場に戻ったマジェスティックは、労働者が集まらず、ナンシーの家族などで何とか収穫していることをラリーから知らされる。 マジェスティックは、裏で手を回すコーパスが、レンダに動かされていることに気づく。 ワイリーと共に現れたレンダは、手下のジーン・ランディ(テイラー・ラシャー)とコーパスに迎えられる。 マジェスティックの農場を通ったレンダは、その場の労働者を確認し警察が監視していることに気づき、コーパスの無能さを批判しまともな仕事をするよう脅す。 収穫を終えたマジェスティックは、ナンシーを誘い飲みに行く。 他の仕事に目もくれないレンダは、ラリーや労働者に農場の仕事から手を引くことを強要し、収穫したスイカを銃撃してしまう。 バーにいたマジェスティックの元に向かったレンダは、必ず殺すと言って脅しをかける。 それに動じないマジェスティックは、警官がいるため手出しできないレンダを殴り倒し、ナンシーと共にその場を去る。 家に戻り、スイカを潰されたことを知ったマジェスティックはショックを受ける。 無事だったスイカを出荷する準備をしたマジェスティックは、危険を避けるために去るようナンシーに伝える。 ナンシーは、危険には慣れていると言って自分も立ち向かおうとする。 マジェスティックは、ナンシーのことを考えてそれを断る。 スイカを出荷するついでにナンシーを送ったラリーは、コーパスやジーンらに痛めつけられる。 ラリーを見舞ったマジェスティックは、コーパスらに襲われたことを確認し、逃げろと忠告される。 保安官が殺されたことをマクアレンから知らされたマジェスティックは、その件で移民に話を聞きたいという彼にレンダを捜すよう伝える。 マクアレンは、保安官補ハロルド・リチー(ジョーダン・ローデス)に、警察を頼りにしないというマジェスティックの監視を続けさせる。 家に戻り、その場を見張るコーパスらに気づき警戒するマジェスティックは、ナンシーが居たために驚く。 現れたジーンからマジェスティックのことを聞いたレンダは、彼を始末することを焦る。 翌日、マジェスティックの家に向かったレンダは、入り口から入るようコーパスに指示する。 ナンシーにトラックで逃げるよう指示したマジェスティックは、走り出した直後に荷台に飛び乗る。 レンダらはそれを追跡し、その様子を報告されたマクアレンは警官を総動員させる。 方向が違うことをナンシーに伝えたマジェスティックは、山道で運転を代わり、レンダの部下の車を追い詰めて崖下に突き落とす。 隠れ家に戻ったレンダは、マジェスティックが銃撃してきたため、外に出て彼を誘い出すようワイリーに指示する。 近づいて来たワイリーに声をかけたマジェスティックは、彼女から中の様子を聞き、ナンシーと共に車で街道に向かわせる。 マジェスティックは、その場にあった車の鍵を抜き、レンダに利用されて表に出たジーンを射殺する。 レンダは、それを非難するコーパスにも外に出るよう指示して脅す。 飛び出したコーパスは、マジェスティックに銃を向けられる。 コーパスを撃ったように見せかけたマジェスティックは、家に飛び込みレンダを射殺する。 車で逃げようとしたコーパスだったが、マジェスティックは、鍵を抜いてあることを彼に伝える。 観念したコーパスは、駆けつけたマクアレンに逮捕される。 マクアレンはマジェスティックの銃を預り、レンダが死んだことを知らされて署で話を聞くことを伝える。 ナンシーと車に乗ったマジェスティックは、レンダの死体を確認するマクアレンに、やはり自分は命を狙われたようだと何食わぬ顔で伝えその場を去る。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
コロラド州、ユマ郡、エドナ。
農場主である元アメリカ陸軍レンジャー部隊員でベトナム帰還兵のヴィンセント”ヴィンス”マジェスティックは、貧しいメキシコ移民を使いスイカの栽培をしていた。
低賃金で労働者を押し付けてきたコーパスを追い払ったマジェスティックだったが、彼に訴えられて逮捕されてしまう。
刑務所に向かう途中マジェスティックらの乗った移送車は、組織の大物で殺し屋レンダの部下に襲われる。
レンダを拘束して逃走したマジェスティックは、彼を引き渡すことを条件に警察に釈放を求める。
マジェスティックに2万5000ドルを渡すことを提案し解放を求めたレンダは、恋人ワイリーを呼び寄せる。
釈放を条件に自分を売ったマジェスティックの考えを知ったレンダは、拘束から逃れようとしてワイリーから渡された銃を向ける。
マジェスティックはその場から逃走し、レンダは彼を追い殺そうとするのだが・・・。
__________
軍歴と少々の前科を持つ恐れを知らぬ男が、巨悪に敢然と立ち向かう姿を描く、リチャード・フライシャーのシャープな演出も光る快心作。
誰もが従う極悪人に、怯むことなく頭脳戦を仕掛けながら単独で戦う主人公の行動は痛快で、エルモア・レナード自身による捻りの効いた脚本も冴える作品。
主人公を演ずる、1970年代を代表するアクション・スターのチャールズ・ブロンソンは、正に適役という感じで主人公を演じ、魅力的で雰囲気のある逞しい男を熱演している。
悪党と言えばこの人という感じの組織の大物で殺し屋でもあるアル・レッティエリ、主人公に労働者として雇われる協力者リンダ・クリスタル、悪党の愛人リー・パーセル、小悪党ポール・コスロ、主人公の農場の管理人アレハンドロ・レイ、悪党テイラー・ラシャー、警部補フランク・マクスウェル、保安官補ジョーダン・ローデスなどが共演している。