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陽のあたる教室 Mr. Holland’s Opus (1995)

高校の音楽教師の生徒たちとの交流と家族愛を描く、監督スティーブン・ヘレク、渾身の演技が心を打つ主演のリチャード・ドレイファスグレン・ヘドリージェイ・トーマスオリンピア・デュカキスウィリアム・H・メイシー他共演による感動のヒューマン・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■
監督:スティーブン・ヘレク

製作総指揮
スコット・クルーフ

パトリック・シェーン・ダンカン
製作
テッド・フィールド

マイケル・ノリン
ロバート・W・コート
脚本:パトリック・シェーン・ダンカン
撮影:オリヴァー・ウッド
編集 :トゥルーディ・シップ
音楽:マイケル・ケイメン

出演
グレン・ホランド:リチャード・ドレイファス

アイリス・ホランド:グレン・ヘドリー
ビル・マイスター:ジェイ・トーマス
ヘレン・ジェイコブズ校長:オリンピア・デュカキス
ジーン・ウォルターズ副校長:ウィリアム・H・メイシー
ガートルード・ラング:アリシア・ウィット
ガートルード・ラング州知事:ジョアンナ・グリーソン
ルイス・ラス:テレンス・ハワード
ロウィーナ・モーガン:ジャン・ルイサ・ケリー
コルトレーン”コール”ホランド(6歳):ニコラス・ジョン・レナー
コルトレーン”コール”ホランド(15歳):ジョセフ・アンダーソン
コルトレーン”コール”ホランド(28歳):アンソニー・ナタール

アメリカ 映画
配給 ハリウッド・ピクチャーズ

1995年製作 142分
公開
北米:1995年12月29日
日本:1996年4月27日
北米興行収入 $82,500,000
世界 $106,269,970


アカデミー賞 ■
第68回アカデミー賞

・ノミネート
主演男優賞(リチャード・ドレイファス


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1965年、オレゴン州ポートランド
ジョン・F・ケネディ高校の音楽担当教師となったグレン・ホランド(リチャード・ドレイファス)は、副校長のジーン・ウォルターズ(ウィリアム・H・メイシー)に駐車場で挨拶する。

教室の場所が分からずに、校長ヘレン・ジェイコブズ(オリンピア・デュカキス)に案内されたホランドは、初日ということもあり、緊張しながら授業を始める。

しかし、生徒達は授業、そして音楽そのものに関心を示さず、ホランドは思うような指導ができない。

昼休みに、体育教師ビル・マイスター(ジェイ・トーマス)に話しかけられたホランドは、バンド・マンだった自分が作曲する時間を持ちたかったために、教師になったことを伝える。
...全てを見る(結末あり)

しかしマイスターは、教師に時間的な余裕はないと言ってそれを笑い飛ばす。

ホランドは、4年間教師をして作曲家として成功するという、妻アイリス(グレン・ヘドリー)の計画を聞きながら、不安を抱えたままの日々を送る。

そんなホランドは、3年もクラリネットを吹いているにも拘らず、全く上達しない生徒ガートルード・ラング(アリシア・ウィット)の個人指導などもしながら、作曲活動も続けていた。

その後、テストの結果の酷さに、ついに我慢の限界に達したホランドは、生徒に対し声を荒げてしまう。

上達が見られないガートルードにも、素っ気無い態度を取ってしまったホランドは、家族の中で自分だけが才能に恵まれていないと涙する彼女を、傷つけたことを後悔する。

ジェイコブズ校長は、教師をただの職業としか考えていないホランドに意見する。

帰宅したホランドは、アイリスに不満をぶちまけ、彼女が妊娠したことを知っても即、喜びを示さず、彼女はショックを受ける。

しかし、ホランドは、子供時代、にックス・プレーヤーの”ジョン・コルトレーン”のレコードに出会った時と同じだと言って、彼なりに喜びを伝える。

ある日、生徒達が興味を示す音楽を知ったホランドは、そのことを授業に取り入れ彼らの心を掴み始める。

ホランドは、クラリネットを止めると言い出したガートルードにも、音楽は楽しみながら演奏するものだということを伝え、彼女に心で演奏する喜びを教え込む。

ガートルードらは卒業式を迎え、まだまだ未熟ではあったが、生徒達は式の中で、ホランドの指揮による演奏を披露する。

ホランドとアイリスは、子供のために広い家に引っ越し、そして彼女は無事に男の子を」出産し、コルトレーン”コール”と名付けられる。

その頃、ホランドが授業でロックンロールを取り上げていることを、ジェイコブズ校長とウォルターズが問題視する。

ホランドは全ての音楽を伝える意思を二人に伝え、一応それに納得したジェイコブズは、フットボールのマーチング・バンドを結成する提案をする。

それがうまくいかずに苦悩するホランドは、フットボール・コーチのマイスターから、生徒達に行進を教える代わりに、スポーツでは抜きん出た才能を発揮する生徒ルイス・ラス(テレンス・ハワード)をバンドに入れるよう頼まれる。

ルイスが、不得意な学業で落第しないように、バンドで単位を取らせるのが目的だった。

仕方なくそれを引き受けたホランドは、音楽の知識が全くないルイスに、ドラムを担当させ練習を始める。

それが上達しないために、諦めかけたホランドだったが、マイスターの熱意に負け、ルイスに徹底指導を続けて、ついに成果をパレードで披露する日が来る。

そんな時、アイリスは、息子コールの耳が聞こえないことに気づき、それを知らされたホランドは、我が子の不幸を悲しむ。

ベトナム戦争は激化し、月にロケットが到達し、時は流れるが、ホランドはコールの成長を見守りながら教師を続けていた。

6歳になるコール(ニコラス・ジョン・レナー)と、全くコミュニケーションが取れないアイリスは苛立ち、費用の問題などを抱えながら、ホランドと彼女は、息子を私立の聾唖学校に入れる。

同じ頃ホランドは、マーチング・バンドで活躍したルイスが、ベトナムで戦死したという知らせを受け、マイスターらと共に彼の死を悼む。

その年の卒業式を終え、事あるごとに厳しく意見した校長ジェイコブズは、引退することをホランドに伝え友情を示す。

1980年度、新学期。
演劇祭の催しが、”ジョージ・ガーシュウィン”を題材にしたショーに決まり、ホランドは抜群の歌唱力の生徒ロウィーナ・モーガン(ジャン・ルイサ・ケリー)をヒロインに決める。

息子コール(ジョセフ・アンダーソン)は15歳になっていたが、ホランドが、学校や生徒を優先させているとしか見えないアイリスは不満をぶつける。

ロウィーナの才能を認めたホランドは、ニューヨークで歌手になりたい夢を諦めかけている彼女を励まし、それに挑戦するべきだと伝える。

その後も、家族とはギクシャクする関係が続くホランドは、ロウィーナとレッスンする時間に安らぎを感じる。

ショーは成功し、ロウィーナはニューヨーク行きを決意し、彼女は作曲ができると言ってホランドを誘う。

次のショーを見たアイリスは、ホランドがロウィーナのために作曲したことを知り動揺する。

旅立つロウィーナの元に向かったホランドは、バンド仲間に連絡しておいたことを彼女に伝え別れを告げる。

そして、ホランドは、アイリスの元に向かい愛を確かめる。

12月。
ジョン・レノンが暗殺され、世界中のファンが悲しむ中、ホランドもショックを受ける。

それをコールに伝え切れないホランドは、息子には音楽は分からないと投げやりになる。

コールは、自分も音楽について学びたいことをホランドに伝え、父が生徒達だけに教えていることを強く非難する。

息子コールを失望させたホランドは後悔し、その後、聾唖者でも理解できる演奏会を開催する。

ホランドは息子コールのために、真剣に覚えた手話を使い、ジョン・レノンの”Beautiful Boys”を歌う。

1995年。
春の学園祭が近づく頃、ホランドは校長のウォルターズに呼ばれ、予算削減のため、音楽授業のカットと解雇を命ぜられる。

無駄だと知りながらも、ホランドは教育委員会に自分の意見を訴え、30年間共に助け合ってきたマイスターに、教師生活の価値について語る。

聾唖学校の教師となり、今では発声も出来るようになった息子コール(アンソニー・ナタール)とアイリスが、ホランドを迎えに学校に現れる。

ホランドは講堂の異変に気づき、市民や生徒、そして、かつての教え子達による、彼のための催しものがあることを知る。

司会を始めたアイリスは、州知事になったホランドの教え子ガートルード・ラング(ジョアンナ・グリーソン)を迎える。

ガートルードは、多くの人々の師であるホランドを称え、自分達が、彼のシンフォニーであり”オーパス/作品”だと語る。

ホランドは、家族や同僚マイスター、校長ウォルターズらも見守る中、ステージで準備していた、ガートルードを含めた各年度の卒業生によるオーケストラを紹介され、感激の涙を流す。

そしてホランドは、オーケストラの初演となる彼の曲、”Mr. Holland’s Opus”(The American Symphony)を指揮する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1965年。
作曲をしたいがために、バンド・マンを止め、高校の音楽教師になったグレン・ホランドは、安易な気持ちで生徒に接するが、職業として割り切る彼の気持ちは伝わらない。
ホランドは、同僚教師のマイスターや、校長ジェイコブズの意見を聞き入れながら、次第に生徒達の心を掴んでいく。
しかしホランドは、教師生活にも慣れた頃、妻アイリスとの間に生まれた息子コールが、聴覚に障害があることが分かる。
ホランドは、生徒達の信頼は得ていくものの、家族との触れ合いを犠牲にしたことで苦悩し、アイリスも彼に不満をぶつけるようになる・・・。
__________

1960年代半ばから、アメリカ激動の時代を背景に、主人公にとっても揺れ動く、苦難の30年の教師生活を、押し付けがましくない感動で包み込む演出で、スティーブン・ヘレクがどことなく古風に描いているところが注目だ。

本作は、ジョン・フォードの傑作ヒューマン・ドラマ「長い灰色の線」(1955)を思い起こさせる。
主人公の人物像はやや違うが、双方共に、教え子に愛される名物教師と、ウエスト・ポイントの教官が、現役引退を迎え称えられるラストもよく似ている。

注目はなんと言っても、若くして才能を開花し、その後、暫く間、作品に恵まれていなかったリチャード・ドレイファスの渾身の演技で、各方面で高く評価され、彼の”復活”は歓迎された。

第68回アカデミー賞では、そのリチャード・ドレイファスが、主演男優賞にノミネートされた。

興行収入も、北米で約8250万ドル、全世界で1億ドルを超すヒットとなった。

障害を持つ息子を抱えながら夫を支える、主人公の妻を好演するグレン・ヘドリー、主人公の良き同僚、体育教師兼フットボール・コーチのジェイ・トーマス、厳しいが思慮深く人間味溢れる校長のオリンピア・デュカキス、対照的な堅物の副校長(後に校長)ウィリアム・H・メイシー、才能のないことを嘆く生徒役のアリシア・ウィット、主人公の助言で努力し、後に州知事になるジョアンナ・グリーソン、落第寸前を主人公に救われるものの、その後、戦死するテレンス・ハワード、主人公に歌の才能を見出され、彼に恋心も抱く生徒のジャン・ルイサ・ケリー、主人公の息子達を演ずる三人ニコラス・ジョン・レナー、ジョセフ・アンダーソン、アンソニー・ナタールなどが共演している。


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