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MR.デスティニー Mr. Destiny (1990)

人生をやり直せたら?と嘆きながら日々を送るしがないサラリーマンが別の満ち足りた?人生を体験する姿を描く、主演ジェームズ・ベルーシリンダ・ハミルトンマイケル・ケインジョン・ロヴィッツレネ・ルッソコートニー・コックス他共演、監督、脚本ジェームズ・オアによるハート・ウォーミングなファンタジー・コメディ。
★★★☆☆

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ


スタッフ キャスト ■
監督:ジェームズ・オア

製作総指揮:ローレンス・マーク
製作
ジム・クラックシャンク

ジェームズ・オア
脚本
ジェームズ・オア

ジム・クラックシャンク
撮影:アレックス・トムソン
編集:マイケル・R・ミラー
音楽:デヴィッド・ニューマン

出演
ラリー・ジョセフ・バロウズ:ジェームズ・ベルーシ

エレン・ジャーン・バロウズ/ロバートソン:リンダ・ハミルトン
マイク/MR.デスティニー:マイケル・ケイン
クリップ・メツラー:ジョン・ロヴィッツ
ナイルズ・ペンダー:ハート・ボックナー
レオ・ハンセン:ビル・マクカッチェオン
シンディ・ジョー・バンパース/バロウズ:レネ・ルッソ
ジャッキー・アール・バンパース:ジェイ・O・サンダース
ジュエル・ジャガー:コートニー・コックス
ガゼルマン:モウリー・チェイキン

アメリカ 映画
配給 タッチストーン・ピクチャーズ

1990年製作 110分
公開
北米:1990年10月12日
日本:1991年2月
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $15,379,250


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
35
歳になるラリー・バロウズ(ジェームズ・ベルーシ)は、何の変哲もない自分の人生に飽き飽きしていた。

ラリーは、20年前に高校の野球の大試合でドジを踏んでしまったことで、人生が狂ったと思い込んでいた。

そんな時、独りしょ気ていたラリーを励ましてくれたのが、現在の妻エレン(リンダ・ハミルトン)だった。

誕生日だというのに、冴えないことばかり続くラリーは、スポーツ用品メイカーである自社に出社して、旧友のクリップ・メツラー(ジョン・ロヴィッツ)に一応は”祝福”される。

ダメ社長ジャッキー・バンパース(ジェイ・O・サンダース)に激励されたラリーは、美しい彼の妻シンディ・ジョー(レネ・ルッソ)にうっとりしてしまう。
...全てを見る(結末あり)

ランチの際、同じ会社で働くエレンが、同僚の解雇をで自分の身も危ういのではと心配し、ラリーにそれを確かめて欲しいと頼む。

その後ラリーは、上司ナイルズ・ペンダー(ハート・ボックナー)が、日本の企業と裏取引をしている事実を掴みかける。

しかし、ペンダーのオフィスに忍び込んでいるところを彼に見つかり、結局、ラリーは解雇されてしまうことになる。

帰宅途中、車が故障してしまったラリーは、誕生日に矢継ぎ早に起きる不幸な出来事に嫌気がさしながら、近くにあったバーに入る。

客のいないバーで、ラリーはバーテンのマイク(マイケル・ケイン)に酒を勧められ挨拶をする。

ラリーと初対面とは思えないマイクは、20年前の野球の試合の現場にいたのだった。

平凡な毎日や、誕生日だというのに散々だった一日の愚痴をこぼすラリーに、マイクは、あらゆる出来事には理由があることを伝え、特性カクテルを差し出す。

あの野球の試合で打っていれば、人生が変わったと思うかというマイクの問いかけに、ラリーはその瞬間を想像し店を出る。

レッカーを呼んでいたためか車もなくなり、たラリーは徒歩で帰宅する。

今朝は未完成だった家の庭が整備され、自宅には見知らぬ男が住んでいた。

そこに、タクシーを運転したマイクが現れラリーを乗せ、野球の試合でホームランを放ち、人生が変わってしまったことを彼に伝える。

ラリーは、誕生日にエレンとクリップが仕組んだジョークだと思い、マイクに豪邸の前で降ろされる。

豪邸で、執事と妻シンディ・ジョーと子供達に迎えられ、驚いたラリーはマイクにそれを確かめる。

マイクは、人間の運命の複雑さをラリーに説明し、新しい人生を楽しむよう告げて姿を消す。

ラリーは屋敷に戻り、実現した夢を楽しむ事に決め、昨日まで模型でしか見たことのなかった高級車やヴィンテージカーが、ガレージに並んでいるのを見て驚く。

その後、ラリーの盛大な誕生パーティーが始まるが、彼は仲の良かった両親が離婚したことを知りショックを受ける。

それを会場にいたマイクに問い質すが、変わった人生の現実を受け止めるよう助言され彼は姿を消す。

そしてラリーは、シンディ・ジョーから最高のプレゼントを贈られる。

翌日、シンディ・ジョーの夫ということは、自分が社長だと気づいたラリーは意気揚々と出社する。

しかし、昨日まで工場のフォークリフト係だったジュエル・ジャガー(コートニー・コックス)が愛人だと分かり、彼女に昨晩無視したことを責められてしまう。

その後、会社売却を画策するペンダー、そして義父のレオ・ハンセン(ビル・マクカッチェオン)とゴルフをしたラリーは会社に戻る。

社員食堂に顔を出し、ラリーはエレンを見つけ声をかけるが、結婚していた彼女は素っ気無い態度を取る。

そこに現れたマイクは、エレンが組合の代表で、社長であるラリーを敵対視するのは当然だと語る。

ラリーは、エレンだけでなく、多くの社員から嫌われていることを知らされ、親友クリップもその例外でないことに気づきショックを受ける。

エレンが、家庭でも夫との不仲で不幸を背負っていると知ったラリーは、翌日クリップが会社で飛び降り自殺をしようとする現場に出くわす。

コピー機を壊したことでラリーに解雇されると思ったクリップだったが、ラリーは彼に昔話をして落ち着かせ、親友だということを心から伝える。

クリップを救ったラリーは、彼を副社長にすることを決め、ペンダーに役員会招集を指示する。

役員会でラリーは、エレンとの話し合いの食事を条件に、組合の要求を呑むことを告げる。

エレンを迎えに行ったラリーの後をつけたペンダーは、シンディ・ジョーに電話を入れる。

二人の食事する現場を、シンディ・ジョーとジュエルが目撃する。

自分の食事や飲み物の好みなどを知り尽くすラリーを、エレンは不思議に思う。

ラリーはエレンと結婚していたが、人生を変えたと正直に答える。

それでもスパイしたと言い張るエレンは、自分を知る決定的な事実を聞かされ観念してしまう。

楽しい夜を過ごしたラリーは、幸せだった人生を、なぜ変えたのかというエレンの問いかけに、愚かだったからと答える。

帰宅したラリーは、シンディ・ジョーにエレンのことを問い質される。

野球のことから話し始めたラリーだったが、シンディ・ジョーに屋敷を追い出されてしまう。

シンディ・ジョーに、ラリーを解雇するよう言われた父である会長のハンセンは、それを書面にして会社に向かう。

ラリーを陥れようとしていたペンダーは、彼のオフィスに現れたハンセンを殺しラリーの仕業に見せかける。

オフィスに現れたラリーは警察に連行されそうになるが、ジュエルが彼を銃撃し、その隙にラリーは逃亡する。

ラリーは、エレンを連れて逃亡しようとするが、彼女は夫と仲直りしていた。

ショックを受けたラリーは、駆けつけたパトカーの追跡を逃れ、愛犬を避けようとして事故を起こしマイクのバーに逃げ込む。

ラリーは、自分でカクテルを作りそれを飲み、元の人生に戻ろうとするが、パトカーが近づき諦めかける。

しかし、現れたのは故障した車を取りに来たレッカーで、カウンターにいるマイクを見たラリーは、元の人生に戻ったことに気づく。

ラリーは、今の人生がどれだけ価値があるかを教えてくれたマイクに感謝し、ペンダーが進めようとする会社の売却を阻止するため会社に急行する。

会議室に押し入ったラリーはペンダーを殴り倒し、彼の策略を暴露する。

帰宅したラリーは、エレンやクリップらが自分のために企画してくれた、サプライズ・パーティーに喜んで参加する。

クリップは、恋人ジュエルをラリーに紹介し、彼は現れたジャッキーとシンディ・ジョー夫妻に感謝され、副社長昇進を伝えられる。
__________

1970年の失意の試合の直後、ラリーは”人生はこれからだ”とマイクに励まされていた。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
20年前の高校時代の野球の試合、その時の大失態がきっかけで、人生が狂ったと思い込んでいるラリー・ジョセフ・バロウズは、35歳の誕生日にも拘らず嫌なことが重なり、あるバーに立ち寄る。
バーテンのマイクは、不幸な人生だと言って嘆くラリーに、特性カクテルを飲ませ、彼にとってのバラ色の人生を体験させる。
社長や美しい妻、高級車に豪邸と、何不自由ない人生に驚くラリーだったが、今は他人と結婚した妻エレンや、親友クリップが自分から遠ざかっているのに気づき心を痛める・・・。
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スリーメン&ベビー」(1987)などの脚本家として知られるジェームズ・オアの監督作品で、本作でも脚本の他、製作にも参加している。

良くありがちなストーリーだが、絶望の果てに自殺しようとした主人公が、それを天使に止められ、彼の存在しない世界を見せられるという、ヒューマン・ドラマの傑作「素晴らしき哉、人生!」(1946)を彷彿させる作品でもある。

なかなか魅力的なキャスティングで、興行的に成功した作品とは言えないが、肩が凝らない人情味溢れる作品として痛快でもある。

デビッド・ニューマンの心地よい音楽と共に楽しめる一作だ。

高校時代の一度の失敗で、それを引きずり、自分をダメ男と決め付ける主人公ジェームズ・ベルーシは、人間味のある軽い乗りの、彼のキャラクターを十分生かした役柄を好演している。

その妻役、工員と組合代表の二役で、違ったタイプの女性を演じ切るリンダ・ハミルトン、物語のキーマンとして登場する、”運命の男”を重厚に演ずるマイケル・ケイン、主人公の親友ジョン・ロヴィッツ、会社売却の陰謀を画策する上司のハート・ボックナー、気のいい会長ビル・マクカッチェオン、その娘で、まだ映画デビュー間もないレネ・ルッソ、その夫、ダメ社長ジェイ・O・サンダース、倉庫係と主人公の愛人を演ずるコートニー・コックスなどが共演している。


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