1973年に公開された、ジョージ・ルーカス監督、脚本、編集による青春ドラマの傑作「アメリカン・グラフィティ」の続編。 思い出の夏の一夜を過ごした若者達の数年後のニューイヤーズ・イヴを描く、製作総指揮ジョージ・ルーカス、監督、脚本ビル・L・ノートン、出演ポール・ル・マット、シンディ・ウィリアムズ、キャンディ・クラーク、チャールズ・マーティン・スミス、ロン・ハワード、ボー・ホプキンス他共演の青春ドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ビル・L・ノートン
製作総指揮:ジョージ・ルーカス
製作:ハワード・カザンジャン
原作
ジョージ・ルーカス
グロリア・カッツ
ウィラード・ハイク
脚本:ビル・L・ノートン
撮影:ケイレヴ・デシャネル
編集:ティナ・ハーシュ
出演
ジョン・ミルナー:ポール・ル・マット
ローリー・ヘンダーソン・ボランダー:シンディ・ウィリアムズ
デビー・ダナム:キャンディ・クラーク
テリー”トゥード”フィールズ:チャールズ・マーティン・スミス
スティーヴ・ボランダー:ロン・ハワード
ジョー・ヤング:ボー・ホプキンス
キャロル”レインボウ”モリソン:マッケンジー・フィリップス
ニュート:スコット・グレン
エヴァ:アンナ・ビヨ
ベックウィズ:ケン・プレイス
本人:ウルフマン・ジャック
コミューンの少女:ロザンナ・アークエット
ティーンザ:メアリー・ケイ・プレイス
クリーチ少佐:リチャード・ブラッドフォード
ボブ・ファルファ:ハリソン・フォード
アンディ・ヘンダーソン:ウィル・セルツァー
ランス・ハリス:ジョン・ランシング
ロン:ジョナサン・グリース
陸軍軍曹:デルロイ・リンドー
シンクレア:ジム・ホーントン
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1979年製作 110分
公開
北米:1979年8月3日
日本:1980年4月26日
製作費 $3,000,000
北米興行収入 $15,014,670
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1964年、ニューイヤーズ・イヴ。
ドラッグ・レースのチャンピオンであるジョン・ミルナー(ポール・ル・マット)は、レースの前に、プロ・チームに入ることをライバルのベックウィズ(ケン・プレイス)に伝える。
レースが始まり、ジョンはベックウィズに負けてしまう。
自慢気なベックウィズにタイヤががたついたとと弁解したジョンは、現れた友人のスティーヴ・ボランダー(ロン・ハワード)と妻のローリー(シンディ・ウィリアムズ)、テリー”トゥード”フィールズ(チャールズ・マーティン・スミス)とその友人のデビー・ダナム(キャンディ・クラーク)に負けたことを知らせる。
予選だから構わないと言うジョンは、妊娠中のローリーとスティーヴから、双子かもしれないと言われる。
テリーは、今夜ベトナムに発つことをジョンに伝える。 1965年、ニューイヤーズ・イヴ、ベトナム。 指揮官のクリーチ少佐(リチャード・ブラッドフォード)は、ヘリコプターと戦闘機による集中攻撃を要請する。 1966年、ニューイヤーズ・イヴ。 パトロール警官のボブ・ファルファ(ハリソン・フォード)に車を停めるようにと指示されたデビーは、ランスがマリファナを吸っていたために焦る。 ランスはマリファナを飲み込んで車を降りるが、耳にさしてあったものが見つかり逮捕されてしまう。 デビーと結婚する約束をしたランスだったが、保釈が先だと言って連行される。 1967年、ニューイヤーズ・イヴ。 子供を預けて働きたいというローリーの考えに反対するスティーヴは、息子達に必要なのは母親だと伝える。 納得いかないローリーは、大学生の弟アンディ(ウィル・セルツァー)の元に向かうと言って出て行く。 1964年。 スティーヴからテリーを基地に送ると言われたジョンは、レースがあるので一緒には行けないと伝える。 ジョンは、爆発させた車の部品の一部をテリーに渡し、生きて帰ってくるようにと伝えて別れを告げる。 1965年。 基地を視察に来ていた下院議員の前で、かなりの敵がいたとクリーチに言わされたテリーは、医務室に向かう。 1966年。 1967年。 反戦を訴える学生運動で忙しいアンディは、ローリーを残してデモに向かう。 1964年。 1965年。 1966年。 1967年。 アンディからの電話を受けたローリーは、財布を持ってきてほしいと言われる。 1964年。 エヴァに言い寄るベックウィズを制止したジョンは、からかっただけだと言われる。 1965年。 負傷兵を乗せたシンクレアは飛び立つが、その様子を見て動揺してしまう。 1966年。 1967年。 1964年。 キャロルに出くわしたジョンは、エヴァを紹介して外国人だと伝える。 1965年。 クリーチ少佐に目をつけられたテリーは、罰として1か月の便所掃除を命ぜられる。 テリーは、軍曹(デルロイ・リンドー)から糞尿の処理の仕方を教わり、仕方なく作業を始める。 1966年。 1967年。 アンディの家に向かいローリーを捜したスティーヴは、隣の家の学生に刑事と間違われ、保険屋だと伝えるものの信じてもらえない。 刑事だと言って学生を脅したスティーヴは、アンディがキャンパスにいることを知る。 1964年。 1965年。 テリーが気に入ったジョーは、帰国したら”ファラオ”の名誉会員にすると言って、ランスと3人で中古車屋をオープンする考えを伝える。 その後ヘリは攻撃を受け、銃弾を受けたジョーは息絶える。 被弾したヘリは墜落してしまう。 1966年。 1967年。 アンディらは抵抗して、ローリーと共に逃げる。 1964年。 スタートしたジョンは、相手のマシンが火を噴いたために不戦勝となる。 1965年。 テリーから臆病者呼ばわりされたクリーチは、その発言は軍法会議ものだと伝えて、発煙筒で位置を示せと命ずる。 1966年。 1967年。 感じているからここにいるというアンディに、ローリーは、戦争を止めたらテリーの死が無駄になると伝えて考えを変えない。 テリーの死は無駄だったと言うアンディは、もう誰も無駄に死なせないとローリー伝えるが、再び警官隊に襲われて実験室に逃げ込む。 キャンパスに着いたスティーヴは警官に止められ、保険会社の者で、損害の予備報告のための調査だと言って通してもらう。 1964年。 1965年。 1966年。 1967年。 謝罪したローリーは、スティーヴから働いていいと言われるものの、それが数年後の話だと知り憤慨する。 二人は言い争いになるが、警官隊に追われた学生が迫る。 指輪を外してしまった二人は、警官に捕らえられてしまう。 1964年。 ベックウィズに感謝したジョンは、エヴァにもチームのTシャツを着るように指示する。 1965年。 これは自分の戦争ではないと言って、戦場から逃げだすつもりのテリーは、それをシンクレアに伝える。 クリーチらの行為に憤慨したテリーは、爆弾を使って思い知らせることを考える。 1966年。 1967年。 1964年。 1965年。 起爆装置をセットしたテリーは、クリーチから便所掃除をしろと言われて中に入る。 クリーチと下院議員がケーキを切った直後に便所は爆発し、シンクレアは、中にテリーがいたと伝える。 その時、クリーチと下院議員の頭上から糞尿が流れ落ちる。 1966年。 ニュートに慰められたデビーは、ランスと話し合うようにと言われる。 しかし、デビーはランスを殴り、その場は大乱闘になる。 1967年。 学生は警官達に襲い掛かり、スティーヴはバスを奪い逃走する。 バスを降りたローリーは、自分の英雄だとスティーヴに伝える。 1964年。 オリーから、話せるのはノルウェー語だと言われたジョンは、エヴァがアイスランド人だと知り、愛しているので結婚したいと彼女に伝える。 ジョンはデートを申し込み、それを受け入れてくれたエヴァから、魅力的な男性だと言われてキスされる。 1965年。 脱走兵でもあるため、ヨーロッパに行くことも考えていると言うテリーは、シンクレアに別れを告げる。 1966年。 1967年。 1996年。 1965年。 1964年。 ジョン・ミルナーは、飲酒運転の車と衝突して死亡する。 テリー・フィールズは、ベトナムで戦闘中に行方不明になる。 スティーヴ・ボランダーは保険会社の外交員として働き、ローリーは消費者団体を主催する。 デビー・ダナムは、カントリー&ウェスタン・シンガーになる。
...全てを見る(結末あり)
基地の脇の茂みの中で銃のチェックをしていたテリーは、誤って発砲してしまい、敵だと思った部隊は攻撃を始める。
デビーは、二人の友人が死んだことを恋人のランス・ハリス(ジョン・ランシング)に話す。
双子が生まれ、幸せそうに見えたスティーヴとローリーだったが、諍いが絶えなかった。
レーシング・チームのオーナーのハントに呼ばれたジョンは、ドライバーとしてではなく、広告に出るために契約を結びたいと言われたためにそれを断る。
茂みから出てきたテリーから、銃の整備中に誤って発砲してしまったと言われたクリーチ少佐は、敵がいなかったことを知る。
コミューンに戻ったデビーは、ランスの保釈金を都合するためにキャロル”レインボウ”モリソン(マッケンジー・フィリップス)らから借金しようとするが、誰も金を持っていないため、働いているストリップ・バーのボスに話をしようとする。
理解のないスティーヴのことを泣きながら弟アンディに話すローリーだったが、夫の元に戻り話し合うようにと言われる。
レースの準備をしていたジョンは、友人のティーンザ(メアリー・ケイ・プレイス)からエヴァ(アンナ・ビヨ)を紹介されるものの、彼女は交換留学生である外国人だっために言葉が通じない。
入隊していた”ファラオ”のリーダー、ジョー・ヤング(ボー・ホプキンス)とテリーは、上官シンクレア(ジム・ホーントン)のヘリ部隊に志願したことになってしまう。
ボスに借金しようとしたデビーは、ヘビと踊ることを要求されるもののそれを拒み、辞めると言ったために何とか金を手に入れることができる。
パーティーの準備をしながら子供達の世話もしなければならないスティーヴは、ローリーと電話で話し、考えは変わらないと伝える。
ティーンザが男のバイクに乗り去ってしまったため、動揺するエヴァを落ち着かせたジョンは、ドイツ語が少しできるベックウィズが彼女を口説こうとしたために苛立つ。
シンクレアの操縦でヘリで飛び立ったテリーとジョーは、戦闘中の味方の部隊の元に向かう。
ランスを保釈させたデビーは結婚のことを訊き、紙切れの契約に過ぎないと言われてコミューンに戻る。
キャンパスに向かったローリーは、徴兵カードを燃やす気のアンディにそれを渡そうとしない。
エヴァと話したジョンは、彼女が北極出身でエスキモーに育てられたと思う。
基地に戻ったテリーとジョーは、泥だらけになってフットボールを楽しむ。
ランスをバンドに推薦しようとしたデビーは、キャロルと共にコンサート会場に向かう。
反戦デモを開始するアンディは、ローリーの話も聞かずに徴兵カードを燃やし、警官隊も準備を整える。
ジョンに迫られたエヴァは、気分を害してその場を去る。
出撃したテリーは、去年のニューイヤーズ・イヴにジョンが死んだことをジョーに話す。
バンド”エレクトリック・ヘイズ”にランスを売り込んだデビーだったが、成り行きでバンドと共に行動を共にすることになる。
ローリーだけがデモに反対して帰ろうとするが、学生に警告した警官隊が一斉に襲い掛かる。
スタート・ポジションにつこうとしたジョンはエヴァに気づき、彼女に駆け寄ってえ謝罪し、何とか気持ちは伝わりレースに戻る。
救援に向かったクリーチ少佐は、無事だったシンクレアとテリーに、攻撃区域なので着陸できないと伝える。
車が公園を突っ切ることに驚きながら、ニュート(スコット・グレン)らに、ランスをメンバーに加えてほしいと伝えるデビーだったが、車は消火栓に衝突してしまう。
ベトナム戦争の戦いだけで充分だと思わないのかとアンディに尋ねたローリーは、テリーの死に何かを感じるはずだと伝える。
次のレースでも勝利したジョンだったが、パラシュートが開かずにコースをオーバーし、倉庫に突っ込みマシンを壊してしまう。
救援を要請したテリーは、怯えるシンクレアを励まして川を渡り、着陸したヘリに乗る。
ニュートらと消火栓から車を動かしたデビーは、警官を追い払ってその場から逃れる。
スティーヴに気づいたローリーは、彼の元に向かい抱き合う。
実力がないことを認めたベックウィズは、自分のマシンの前部を使い修理するようにとジョンに伝えて手を貸す。
基地に戻ったシンクレアはテリーに感謝し、二人は、ジョーが死んだにも拘らず下院議員らと共に、敵を殺した数が200人を超したことを祝うパーティーをするクリーチ少佐を見て呆れる。
あるバーで演奏するニュートは、デビーもステージに上がるよう指示する。
スティーヴやアンディと別れて連行されるローリーはバスに乗せられ、車内で歌うのを止めない学生を殴った婦人警官に対し、抵抗して歌い続ける。
何とかレースに間に合ったジョンは、見事に勝利して優勝する。
ケーキを運んだテリーは、ニューイヤーズ・イヴなので便所掃除から解放してもらいたいとクリーチ少佐に頼むものの、それを認めてもらえない。
ステージ上で踊っていたデビーは、ランスが女性と踊っていたためにショックを受ける。
バスに乗せられたローリーに近づいたスティーヴは、考えを理解したことを伝えるが、警官から離れるようにと言われて押し倒されたため、殴りかかる。
優勝を祝うジョンは、戻ってきたティーンザがエヴァを連れて行こうとしたため、スウェーデン語が話せるオリーの元に向かう。
林の中でシンクレアから荷物を受け取ったテリーは、歩いてこの場から逃れて帰国するつもりだと伝える。
気落ちするデビーはニュートに励まされ、彼とバンドメンバーと共に日の出を見に行く。
歩いて戻るスティーヴとローリーは、ショーウィンドウのテレビでカウントダウンが始まったことを知り、二人は愛を確かめ、そして年が明ける。
車で移動するデビーは、ニュートらと新年を迎える。
年が明けたことを知ったテリーは、森林地帯を歩き続ける。
一人で車を運転しながら新年を迎えたジョンは、街道をひたすら走る。
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*(簡略ストー リー)
1964年、ニューイヤーズ・イヴ。
ドラッグ・レースのチャンピオンであるジョン・ミルナーは、優勝かけてレースに挑む・・・。
1965年、ニューイヤーズ・イヴ。
ベトナムで戦うテリー”トゥード”フィールズは、上官に反抗しながら、自分の戦争ではないと考える・・・。
1966年、ニューイヤーズ・イヴ。
テリーを見送ったデビー・ダナムは、恋人のランスとの結婚を考え、彼をバンドに売り込もうとする・・・。
1967年、ニューイヤーズ・イヴ。
ティーヴ・ボランダーと妻のローリーは、双子が生まれて幸せそうに見えるものの、諍いが絶えなかった・・・。
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1962年の夏の一夜、その若者達の行動を描いた、ジョージ・ルーカスによる青春ドラマの傑作「アメリカン・グラフィティ」(1973)の続編。
低予算ながら世界的な大ヒットとなり、ジョージ・ルーカスのその後の映画人生を決定づけた作品の続編ということで大いに話題となった。
期待が大きかったものの、それに応えることができず、公開当時は不評に終わった作品ではあるが、数十年の月日が経ち今観直すと、当時の世相などがリアルに盛り込まれ、懐かしい思いで鑑賞できる。
1964年のニューイヤーズ・イヴで主要人物が揃って登場し、その後は、1967年までのニューイヤーズ・イヴに別れてそれぞれの人生が描かれる、興味深い内容になっている。
また、各時代が違ったスクリーンサイズで映し出される工夫も凝らされている。
「スター・ウォーズ」(1977)の成功により世界的スターとなったハリソン・フォードが、前作と同じ”ボブ・ファルファ”役でパトロール警官として登場し、同じく前作で重要な役柄を演じたDJのウルフマン・ジャックも声だけで出演している。
それ以外にも、バンドメンバー役でスコット・グレン、ジョン・ミルナーの友人役でメアリー・ケイ・プレイス、コミューンの少女でロザンナ・アークエット、陸軍軍曹役でデルロイ・リンドーなど、後に活躍するスターが脇役として出演しているのも注目だ。
ドラッグ・レースのチャンピオンであるポール・ル・マット、夫ロン・ハワードといがみ合った末に若いし愛を確かめるシンディ・ウィリアムズ、結婚を考える恋人(ジョン・ランシング)のために奔走するキャンディ・クラーク、ベトナムで戦いながら自分らしく生きる青年を好演するチャールズ・マーティン・スミス、彼と共に戦い戦死する、前作でも登場した”ファラオ”のリーダー、ボー・ホプキンス、前作でジョン(ポール・ル・マット)につき合ってもらった少女マッケンジー・フィリップス、ジョンと親交を深めるアイスランド人の学生アンナ・ビヨ、ジョンのライバルであるレーサーのケン・プレイス、テリー(チャールズ・マーティン・スミス)が憎む上官のリチャード・ブラッドフォード、ローリー(シンディ・ウィリアムズ)の弟ウィル・セルツァー、テリーが助けるヘリのパイロット、ジム・ホーントンなどが共演する。