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パラドールにかかる月 Moon Over Parador (1988)

南米のパラドールで映画ロケ中の役者が急死した大統領の替え玉に雇われるたために起きる騒動を描く、製作、監督、脚本ポール・マザースキー、主演リチャード・ドレイファスラウル・ジュリアソニア・ブラガ他共演の痛快コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ


スタッフ キャスト ■
監督:ポール・マザースキー
製作:ポール・マザースキー
原作:チャールズ・G・ブース
脚本
ポール・マザースキー
レオン・カペタノス
撮影:ドナルド・マカルパイン
編集:スチュアート・H・パッペ

音楽:モーリス・ジャール

出演
リチャード・ドレイファス:ジャック・ノア/アルフォンス・シムズ大統領
ラウル・ジュリア:ロベルト・ストラウスマン
ソニア・ブラガ:マドンナ・メンデス
ダナ・デラニー:ジェニー
ジョナサン・ウィンターズ:ラルフ
フェルナンド・レイ:アルハンドロ
ポリー・ホリデイ:ミッジ
マリアンネ・ゼーゲブレヒト:マグダ
サミー・デイヴィスJr.:本人
エドワード・アズナー:本人

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ

1988年製作 103分
公開
北米:1988年9月9日
日本:未公開
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $11,444,200


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
南米の小国パラドール。
映画の撮影に来ていた役者ジャック・ノア(リチャード・ドレイファス)は、大統領アルフォンス・シムズ(リチャード・ドレイファス)の前で彼を演じて見せ、その演技を賞賛される。

旧友のラルフ(ジョナサン・ウィンターズ)と妻ミッジ(ポリー・ホリデイ)に町で出くわしたジャックは、パラドールの住み心地のよさと国情を知らされる。

同時に、シムズ大統領の愛人マドンナ・メンデス(ソニア・ブラガ)の存在が気にかかる。

友人のサミー・デイヴィスJr.も出演したカーニバルを終えたシムズ大統領は、マドンナとの結婚を考えるが、側近のロベルト・ストラウスマン(ラウル・ジュリア)から、それを考え直すよう意見される。
...全てを見る(結末あり)

しかし、深酒がたたり、発作を起こしたシムズ大統領は急死してしまい、ロベルトはジャックを呼び寄せて、大統領を演じさせようとする。

政情不安の中、大統領の死を国民に知らせる訳にはいかなかったのだ。

ロベルトに言いくるめられたジャックは、仕方なく大統領に成りきる準備を始める。

ジャックの変貌振りに驚くロベルトは、彼を早速に人々の前に登場させて宮殿に案内する。

憲兵や使用人に無難に挨拶したジャックだったが、執事のアルハンドロ(フェルナンド・レイ)は、大統領の異変に何となく気づく。

宮殿から逃げ出そうとしたジャックだったが、それが無理だと分かり諦めて、睡眠薬入りの酒で熟睡してしまう。

演説の準備を始めたジャックだったが、使用人達は彼が替え玉だと気づきつつ、波風立てずに平静を装うことにする。

そして、ジャックは役者魂を発揮し、見事な演説で民衆の心を捉えることに成功する。

ロベルトは、自分の目論見が順調に運んでいるのを喜ぶが、マドンナが、ぶち壊しにしないかが心配で、彼女をマイアミに追放しようと企む。

マドンナは、宮殿に忍び込み大統領に直談判して、マイアミ行きを阻止してもらおうとするのだが、彼が替え玉だと知りショックを受ける。

しかしマドンナは、ジャックに大統領の全てを教え、彼を完璧な大統領に仕立て上げようとする。

ジャックは見事に大統領を演じ、そして、マドンナに恋してしまうが、ロベルトはそれが気にかかる。

ある村の開発行事の際、ジャックは反政府ゲリラに襲われ、村を焼き払ったロベルトに怒りを感じ、マドンナと姿を消してしまう。

宮殿に戻っていたジャックに、ロベルトは、村を焼き払った犯人を仕立て上げ、処刑することをテレビで発表させようとする。

しかしジャックは、処刑どころか、マドンナとの婚約を発表してしまう。

ロベルトは激怒するが、ジャックはゲリラを骨抜きにすることに成功し、彼は、国民から絶大な信頼を得て愛されることになる。

そしてジャックは、1年もの間”大統領”を演じ続け、再びカーニバルの時が来る。

盛り上がるカーニバル会場で、ジャックは銃撃されて、その場にいたロベルトと共に命を落とす。

しかし、それはジャックとマドンナの芝居で、ジャックは、マドンナに別れを告げ国外に逃亡する。

ニューヨークに戻ったジャックは、パラドールのニュースをテレビで見て、マドンナが大統領になったことを知る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
南米の小国パラドール。
映画撮影に来ていた役者ジャック・ノアは、シムズ大統領の前で彼を演じて見せて、その演技を賞賛される。
その後ジャックは、旧友に町で出くわして、この地の住み心地の良さと国情を知らされ、同時に大統領の愛人マドンナが気になる存在となる。
そんな時、深酒で発作を起こした大統領が急死してしまい、政情不安の中、その死を国民に知らせる訳にはいかいと考えた側近のロベルトは、ジャックを呼び寄せ彼に大統領を演じさせようとするのだが・・・。
__________

チャールズ・G・ブースの短編”Caviare for His Excellency”を基に、1939年に映画化された”The Magnificent Fraud”のリメイク。

二流役者の思わぬサクセス・ストーリーに加え、お人好しだが人情味のある主人公を演じたリチャード・ドレイファスの、作品イメージに合った人柄が好感度抜群の快心作。

若くして話題作の主演をこなして人気スターとなり、「グッバイガール」(1977)で史上最年少で(当時)アカデミー主演賞を受賞したリチャード・ドレイファスは、1980年代に入り低迷し、一気に老け込んでしまったように見えるが、本作では彼らしい味のある演技を見せてくれる。

ポール・マザースキー製作、監督、脚本の意欲作で、無駄のない軽快な演出は、観ていて非常に心地よい。

いかにもモーリス・ジャール、という感じを受けない、彼の愉快な音楽も実に新鮮だ。

悪党ではないものの、憎まれ役に徹している大統領の側近ラウル・ジュリアと、能天気な美女から、クライマックスの才気溢れる女性までを、見事に演ずるソニア・ブラガ、2人の好演も光る。

主人公の知人で、現地の滞在者夫妻ジョナサン・ウィンターズポリー・ホリデイ、大統領の執事フェルナンド・レイ、本人役でサミー・デイヴィスJr.エドワード・アズナーも登場するのも嬉しい。


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