貧困といじめに苦しむ少年の成長を描く、製作総指揮ブラッド・ピット、監督、脚本バリー・ジェンキンズ、出演トレヴァンテ・ローズ、アンドレ・ホランド、アシュトン・サンダース、ナオミ・ハリス、マハーシャラ・アリ、ジャネール・モネイ他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:バリー・ジェンキンズ
製作
アデル・ロマンスキー
デデ・ガードナー
ジェレミー・クライナー
製作総指揮
ブラッド・ピット
サラ・エスバーグ
タレル・アルヴィン・マクレイニー
原作:タレル・アルヴィン・マクレイニー”In Moonlight Black Boys Look Blue”
原案:タレル・アルヴィン・マクレイニー
脚本:バリー・ジェンキンズ
撮影:ジェームズ・ラクストン
編集
ナット・サンダーズ
ジョイ・マクミロン
音楽:ニコラス・ブリテル
出演
シャロン・ハリス(Chiron) 主人公
シャロン・ハリス/ブラック:トレヴァンテ・ローズ
シャロン・ハリス(ティーンエイジャー)アシュトン・サンダース
シャロン・ハリス(少年期)/リトル:アレックス・ヒバート
ケヴィン・ジョーンズ (Kevin) シャロンの親友
ケヴィン・ジョーンズ :アンドレ・ホランド
ケヴィン・ジョーンズ (ティーンエイジャー):ジャレル・ジェローム
ケヴィン・ジョーンズ (少年期):ジェイデン・パイナー
ポーラ・ハリス:ナオミ・ハリス
フアン:マハーシャラ・アリ
テレサ:ジャネール・モネイ
テレル:パトリック・デシル
アメリカ 映画
配給 A24
2016年製作 111分
公開
北米:2016年10月21日
日本:2017年3月31日
製作費 $4,000,000
北米興行収入 $27,854,930
世界 $65,336,600
■ アカデミー賞 ■
第89回アカデミー賞
・受賞
作品
助演男優(マハーシャラ・アリ)
脚色賞
・ノミネート
監督
助演女優賞(ナオミ・ハリス)
撮影・編集・作曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1. リトル
マイアミ、リバティ・シティ。
ある空き部屋を調べたキューバ人のドラッグ・ディーラー、フアン(マハーシャラ・アリ)は、クラスメイトに追いかけられて隠れていたシャロン・ハリス(アレックス・ヒバート)に声をかける。
ダイナーに向かうものの、内気で何も話さないシャロンを家に連れて行ったフアンは、恋人のテレサ(ジャネール・モネイ)に事情を伝えて彼のことを任せる。
食事をしたシャロンは、フアンとテレサに名前と”リトル”というあだ名を伝える。
家はリバティ・シティだと言うシャロンは父親のことを訊かれるものの、黙ってしまう。
シャロンを気遣うフアンとテレサは、家に送ってほしいか尋ねるが、シャロンはそれを拒む。
結局、泊めてもらったシャロンは、翌日、フアンに家まで送ってもらう。
シャロンのことを心配していた母親ポーラ(ナオミ・ハリス)は驚き、フアンから、昨日、危険な麻薬地帯にいたことを知らされる。 友人に追いかけられて怯えていたと言うフアンは、朝まで家の住所を教えなかったとポーラに伝える。 ポーラに感謝されたフアンは、彼女が警戒するためにその場を去る。 心配していたと言ってシャロンを叱るポーラは、息子を抱きしめる。 シャロンのたった一人の友人ケヴィン・ジョーンズ (ジェイデン・パイナー)は、タフなところを皆に見せるようにと言って彼を励ます。 帰宅したフアンはシャロンがいることに気づき、一緒にビーチに向かい泳ぎを教える。 シャロンと話をしたフアンは、自分の道は自分で決めるべきだと伝える。 夜になり、シャロンを家に送ったフアンは、彼に小遣いを渡す。 ドアを開けたポーラはフアンに何も言わず、シャロンを部屋に入れてドアを閉めてしまう。 翌日、自分のドラッグを買っていたポーラがヤク中だと知ったフアンは、母親としての責任を問い彼女を責める。 ハイな状態のポーラは、シャロンを育てる気かと言ってフアンに言い寄り、息子ゲイだと言われいじめられていることなどを話してその場を去る。 帰宅したポーラは、シャロンを罵って部屋に入る。 翌日、訪ねて来たシャロンに、昨夜ポーラに会ったことを話したフアンは、母は嫌いだと言われる。 フアンは、自分もそうだったが今は母が恋しいと伝える。 ”ファグ”の意味を訊かれたフアンは、ゲイを不快にさせるスラングだとシャロンに伝える。 自分はゲイかと問うシャロンにフアンは、もしそうでも他人に言わせるなと伝える。 自覚するだろうか考えるシャロンに、今は分からなくていいと伝えたフアンは、彼を気遣う。 ドラッグ・ディーラーか訊かれたフアンはそれを認め、母がドラッグ中毒か尋ねるシャロンに、その通りだと答える。 シャロンはその場を去り、フアンは心を痛める。 2. シャロン 高校生になったシャロン(アシュトン・サンダース)は、授業中テレル(パトリック・デシル)にからかわれる。 相変わらずいじめに怯える日々を送っていたシャロンは、未だにケヴィン(ジャレル・ジェローム)だけが友人だった。 帰宅したシャロンは、ポーラから、今夜は家に居ないようにと言われ、亡くなったフアンの家に向かう。 テレサに食事を用意してもらい、ベッドで眠ったシャロンは、ケヴィンの夢を見る。 翌朝、帰宅したシャロンは、ポーラの様子がおかしいことに気づき、金が欲しいと言われる。 テレサが小遣いをくれたはずだと言うポーラは、シャロンから強引に金を奪い、彼を学校に向かわせる。 放課後、下校途中のシャロンはテレルらにからかわれる。 家に帰りたくないフアンは、電車に乗りホームで過ごしビーチに向かう。 現われたケヴィンとマリファナを吸ったシャロンは、話が盛り上がる。 何かを感じた二人は、キスして求め合う。 ケヴィンに送ってもらったシャロンは、ソファーで眠っていたポーラから、愛していると言われる。 翌日のランチの時間、ケヴィンと話したテレルは、自分が選んだ者を殴る遊びを思い出し、それをやらせようとする。 シャロンを選んだテレルは、ケヴィンに殴るよう指示する。 仕方なくシャロンを殴ったケヴィンは、立ち上がるなと言うものの、シャロンは立ち上がる。 殴れと言われたケヴィンはそれに従い、テレルらはシャロンを叩きのめす。 それを警備員が制止し、医務室に運ばれたシャロンは治療を受ける。 ウィリアムス校長と話したシャロンンは、相談に乗ろうとする彼女の言葉を聞こうとせず、どうにもならないと言って涙する。 翌日、登校したシャロンはテレルを椅子で殴り、駆け付けた警官に逮捕される。 連行されるシャロンはケヴィンに気づき、彼を見つめる。 3. ブラック アトランタ。 シャロンは、施設に入っているポーラから頻繁にかかる電話を無視していた。 ある夜、ケヴィンからの電話を受けたシャロンは、テレサから番号を聞いたと言われる。 シャロンがアトランタにいることを知ったケヴィンは、高校時代のことを謝罪し、今は料理人をしていると伝える。 ケヴィンから、戻ったら顔を出すようにと言われたシャロンは電話を切る。 翌日、施設を訪ねてポーラに会ったシャロンは、ディーラーの話をされて苛立つ。 酷い母親だったことを後悔するポーラは、自分のようにならないでほしいとシャロンに伝える。 自分は愛さなくていいが愛していると言うポーラは、涙するシャロに理解してもらえる。 シャロンは、謝罪するポーラを抱きしめる。 その夜、ケヴィンのダイナーに向かったシャロンは、自分に気づいた彼との再会を喜ぶ。 ”シェフのおすすめ”料理とワインを用意したケヴィンは、悪事もして服役もしたことを伝え、シャロンも覚えていたサマンサとの間に息子が生まれたことも話す。 サマンサとは別れたが付き合いはあると言うケヴィンは、シャロンに仕事を尋ねる。 正直に話すと言うシャロンが、ドラッグ・ディーラーだと知ったケヴィンは驚く。 少年院の仲間に勧められ、シャロンが縄張りを仕切るまでになったことを知たケヴィンは、信じることができない。 電話をしてきた理由を訊かれたケヴィンは、ある男がかけたジュークボックスの曲で思い出したことをシャロンに伝える。 ジュークボックスに向かったケヴィンは、その曲をかける。 店を閉めたケヴィンを送ったシャロンは、部屋に入る。 最後に会った時のことをシャロンに話すケヴィンは、何もかもすべて忘れ、アトランタで生まれ変わり強くなったと言われる。 自分は最低の人生で何もできなかったが、今は息子もいて仕事もある、保護観察は18か月だとケヴィンはシャロンに伝える。 精一杯働いても稼ぎは少ないが、昔のような不安はないと言うケヴィンは、最悪なのはテレルだと、笑いながらシャロンに話す。 自分に触れたのはお前だけだと、動揺しながらケヴィンに伝えたシャロンは、気遣ってくれる彼に寄り添う。 リトル(シャロン)は、月明かりの下でビーチに立っている。
...全てを見る(結末あり)
少年院に入れられ、その後ドラッグ・ディーラーになっていたシャロンは、かつてケヴィンがつけた”ブラック”というあだ名で呼ばれ、縄張りを仕切っていた。
__________
*(簡略ストー リー)
マイアミ、リバティ・シティ。
同級生にいじめられている内気な少年シャロンは、ドラッグ・ディーラーのフアンとその恋人テレサと出会い親交を深める。
家ではヤク中の母ポーラを嫌い、学校でも怯える日々が続くシャロンの唯一の友人はケヴィンだった。
高校生になっても環境は変わらず、相変わらずいじめられていたシャロンは、ある夜、ケヴィンに友情ではない思いを感じてしまう・・・。
__________
タレル・アルヴィン・マクレイニーの半自伝的戯曲”In Moonlight Black Boys Look Blue”(2003)を基に製作された作品。
結局は舞台化されなかったものの、監督のバリー・ジェンキンズの脚色により映画化されることになった。
貧困といじめに苦しむ少年の成長を3つの世代で描いたドラマ。
麻薬、いじめ、貧困などのアメリカが抱える社会問題を描きつつ、同性愛的な側面が主人公に安らぎを与える描写が印象的。
マイアミの焼けつくような日差しとは対照的な、人の憐れみを深く表現するショットが心に残る。
本作は各方面で絶賛され、第89回アカデミー賞では8部門にノミネートされて、作品、助演男優(マハーシャラ・アリ)、脚色賞を受賞した。
・ノミネート
監督
助演女優賞(ナオミ・ハリス)
撮影・編集・作曲賞
主人公シャロンの成人期トレヴァンテ・ローズ、高校生のアシュトン・サンダース、少年期のアレックス・ヒバート、その親友ケヴィンの成人期アンドレ・ホランド、高校生のジャレル・ジェローム、少年期のジェイデン・パイナー、ヤク中のシャロンの母親ナオミ・ハリス、シャロンと親交を深めるドラッグ・ディーラーのマハーシャラ・アリ、その恋人ジャネール・モネイ、高校時代にシャロンをいじめるパトリック・デシルなどが共演している。