娼婦で連続殺人犯のアイリーン・ウォーノスが若い女性との出会いで人生見つめ直す姿を描く、監督パティ・ジェンキンス、主演シャーリーズ・セロン、クリスティーナ・リッチ、ブルース・ダーン他共演の実録ドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:パティ・ジェンキンス
製作
クラーク・ピーターソン
シャーリーズ・セロン
マーク・ダモン
ドナルド・カシュナー
ブラッド・ワイマン
脚本:パティ・ジェンキンス
撮影:スティーヴン・バーンスタイン
編集
アーサー・コバーン
ジェーン・カーソン
音楽:BT
出演
アイリーン・ウォーノス:シャーリーズ・セロン
セルビー・ウォール:クリスティーナ・リッチ
トーマス:ブルース・ダーン
ヴィンセント・コーリー:リー・ターゲセン
ドナ:アニー・コーリー
ジーン:プルイット・テイラー・ヴィンス
エヴァン:マルコ・セント・ジョン
ウィル:マーク・マコーレイ
ホートン:スコット・ウィルソン
囮捜査官:ケイン・ホッダー
アメリカ/ドイツ 映画
配給
Media 8 Entertainment
Newmarket Films
2003年製作 109分
公開
北米:2003年12月24日
日本:2004年9月25日
製作費 $8,000,000
北米興行収入 $34,469,200
世界 $60,378,580
■ アカデミー賞 ■
第76回アカデミー賞
・受賞
主演女優賞(シャーリーズ・セロン)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1986年、フロリダ。
過酷な日々を送っていた娼婦のアイリーン・ウォーノス(シャーリーズ・セロン)は、拳銃とわずかな現金を手に自殺も考えていた。
その夜、ゲイ・バーに入ったアイリーンは、独りで飲んでいたセルビー・ウォール(クリスティーナ・リッチ)に話しかけられる。
自分がゲイでないことを伝えて、その場を立ち去ろうとしたアイリーンは、セルビーが引き止めようとしたために苛立つ。
セルビーに、楽しい時を過ごしたいだけだと言われたアイリーンは、その後は、彼女と意気投合して飲み明かす。
男の相手をして得た金を、使ってから死ぬことを考えていたアイリーンは、セルビーと会って思い止まる。 バーを追い出された二人は別れようとするが、セルビーは、アイリーンを住んでいる家に誘う。 ゲイのセルビーは、親の友人ドナ(アニー・コーリー)の家に預けられていた身で、彼女も疎外感を味わっていた。 何もせずに同じベッドで眠ってしまった二人に、翌朝、ドナがづき驚いてしまう。 アイリーンは、その日の夕方もセルビーに誘われて、礼を言ってその場を去る。 ドナは、アイリーンが明らかに娼婦だということから、セルビーに、彼女と付き合うことを禁ずる。 住まいもないアイリーンは、トーマス(ブルース・ダーン)の倉庫を、彼の善意で借りていた。 アイリーンの生活を知るトーマスは、彼女の唯一人の理解者だった。 一応、身なりを整えたアイリーンは、ローラースケート・リンクでセルビーと会い、娼婦に興味を持つ彼女との時を過ごす。 セルビーは、ゲイだということで両親に勘当され、この地に来ていたのだが、働こうとした矢先に、右腕を怪我してギプスをしていた。 セルビーが、親と話し合って帰ることになったという話を聞き、寂しさも感じるアイリーンは、ローラースケートをしながら、人目も気にせずに彼女にキスしてしまう。 その後、二人は求め合ってしまうのだが、それを、その場にいたドナの息子に見られてしまう。 町を出るというセルビーに、二人でどこかへ行き暮らすことを提案したアイリーンは、自分が稼ぐことを伝える。 ヒッチハイクをして男を誘い稼いでいたアイリーンは、ヴィンセント・コーリー(リー・ターゲセン)という男に森の中に連れて行かれる。 異常者だったヴィンセントは、アイリーンに乱暴し始める。 荷物をまとめたセルビーは、アイリーンを待つのだが、彼女は一向に現れない。 痛めつけられてレイプされたアイリーンは、何んとか拘束を逃れ、ヴィンセントを射殺してしまう。 傷の手当などをしたアイリーンは、セルビーの部屋に向かい、窓越しに彼女に合図する。 ドナと夫がそれに気づき、彼女は息子から話を聞いていたため、セルビーに再び娼婦とのことで警告する。 アイリーンは、約束を破ったことで納得しないセルビーに、現金を見せて何とか納得させる。 セルビーを誘ったアイリーンは、ヴィンセントの車で町を離れ、ホテルの部屋を借りる。 二人は、ただ単に好きなことをして過ごし、荷物を取りに戻ったセルビーはドナに見つかってしまう。 ドナは必死にセルビーを引き止めるが、父親と電話で話した彼女は説得を受け入れずにその場を去る。 セルビーが、自分と暮らすことを知ったアイリーンは喜び、娼婦を辞めてまともな仕事に就き、面倒を見ることを彼女に約束する。 翌日から、働き場所を探して面接を受けるアイリーンだったが、住所不定で学歴も資格もない彼女を、雇う者はいなかった。 今後を心配するセルビーに、強がりを言うアイリーンだったが、その後も職はなく、以前逮捕された警官の相手をさせられる。 そんなアイリーンは、殺したヴィンセントの殺人事件が、進展していないことを新聞記事で知り、ひとまず安心する。 しかし、生活に行き詰まる一方のセルビーは、アイリーンに不満をぶつけて取り乱す。 アイリーンは、なぜ娼婦を辞めたかというセルビーの問いかけに、人を殺したことを告白する。 セルビーのために努力していることや、仕方なく殺人を犯したことを伝えるものの理解してもらえないアイリーンは、やりきれない思いで彼女を追い出そうとする。 落ち着きを取り戻したセルビーは謝罪し、逮捕を恐れていただけだと言うアイリーンは、その危険がなくなったことを伝えて、再び客を取ることを考える。 児童性愛者らしきウィル(マーク・マコーレイ)の車に乗ったアイリーンは、彼を射殺して車を奪いホテルに戻る。 セルビーに稼いだ金を渡したアイリーンは、引っ越すために車を借りたと言って彼女を喜ばせ、そして二人は愛し合う。 一軒家を借りた二人は、暫くの間楽しい日々を過ごし、アイリーンは、殺すつもりで再び客を取る。 ある日、アイリーンが寝ている間に、殺した男の車を、セルビーが無断で使ったためにアイリーンは憤慨する。 留守番ばかりしているセルビーは、人との接触などを希望し、それを理解したアイリーンは、彼女を遊戯施設に連れて行き満足させる。 数日後、車を走らせていたセルビーは、アイリーンの身の上話を聞きながら、運転を誤りある家の庭先に突っ込んでしまう。 焦ったアイリーンは、その家の老夫婦に謝罪して走り去り、車を捨てて家に戻る。 車が、殺した男のものだったことを知ったセルビーは動揺する。 アイリーンは、警察が何も手がかりをつかんでいないことをセルビーに伝えて、新聞記事を見せる。 自分の行き方を正当化し、それを信じてほしいことを伝えたアイリーンは、家を引き払うことを考える。 ドナに会ったセルビーは、再び娼婦と別れるようにと説得されるが納得しない。 車に拳銃を積んでいた男エヴァン(マルコ・セント・ジョン)を、林の中に連れて行ったアイリーンは、彼を殺した後に警官だと知る。 家に戻り、セルビーに事情を説明したアイリーンは、その場を去ることを決める。 バーで、トーマスに別れを告げたアイリーンは、自分を理解する彼から、世の中の犠牲者だと言われながら思いつめるが、生きるしかないことを悟る。 その頃、連続殺人事件は進展を見せ、老夫婦の目撃証言により、アイリーンとセルビーの似顔絵など作成される。 客を取っていたアイリーンは、男性ホートン(スコット・ウィルソン)が、親切心で自分を乗せたことを知り車を降りようとする。 しかし、拳銃を見られてしまったアイリーンは、自分が連続殺人犯だとも気づかれたため、命乞いをするホートンを殺害してしまう。 家に戻ったアイリーンは、自分達の似顔絵がテレビで公表されたことをセルビーから知らされる。 セルビーを実家に帰すことに決めたアイリーンは、過ちを犯したことを悔いて泣き崩れながら、彼女に所持金を渡して別れを告げる。 バーで酔っていたアイリーンは、自分の身を案じてくれるトーマスを追い払うが、囮捜査官(ケイン・ホッダー)らに取り押さえられて逮捕される。 刑務所に入れられたアイリーンは、セルビーとの電話で、過去の罪で逮捕されたことを伝え安心させる。 しかし、警察と取引したセルビーは、その会話を録音させて、その内容でアイリーンの殺人の容疑は固まる。 法廷の証言台に立ったセルビーは、アイリーンを指さして彼女の殺人を認める。 アイリーンは、自分を見つめるセルビーを恨もうとせずに涙する。 死刑判決が下ったアイリーンは、判事や陪審員を罵りながら法廷を去る。 アイリーンとセルビー(実名:ティリア・ムーア)は、その後、二度と話をしなかった。 アイリーン・ウォーノスは、フロリダ州の刑務所で12年服役し、2002年10月9日、薬物投与により処刑された。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)
1986年、フロリダ。
ヒッチハイクをしながら客を取る、その日暮らしの娼婦アイリーン・ウォーノスは、人生に絶望して自殺も考える。
そんなアイリーンは、ゲイの女性セルビーと出会い意気投合する。
セルビーを気に入ったアイリーンは、親元を離れていた彼女と暮らすことを考え、求め合った二人は、それを実行に移そうとする。
アイリーンは、自分が稼ぐことをセルビーに約束して客を取るが、ヴィンセントという男に痛めつけられてレイプされる。
殺されそうになったアイリーンは、拘束を逃れ、ヴィンセントを射殺してしまう。
車を奪ったアイリーンは、セルビーを連れて町を出てホテルに部屋を取り、殺人がばれることを警戒して、堅気の仕事を見つけようとするのだが・・・。
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長編デビューとなるパティ・ジェンキンスが演出と脚本を担当し、実在の殺人犯の生き様を赤裸々に描いた問題作。
*アイリーン・ウォーノスは、本作公開の前年に死刑が執行された。
その後の活躍を見れば、容姿だけが売り物の美人女優でないことは納得できるのだが、とにかく、凄まじいばかりのシャーリーズ・セロンの演技は、驚きと共にショックでもあった。
製作も兼ねている彼女は、体重を10キロ以上増やし、メイクに長時間賭けて撮影に挑み、その情熱が伝わる、形振り構わぬ体当たりの演技は心打たれる。
各賞で絶賛されたシャーリーズ・セロンは、圧倒的な支持を受けて、第76回アカデミー賞で主演女優賞を受賞した。
ティリア・ムーア自身の許可が得られなかったために、実名では登場しない主人公のパートナーを、繊細な演技で好演するクリスティーナ・リッチ、彼女が世話になる両親の友人アニー・コーリー、主人公の辛い人生を唯一人理解するブルース・ダーン、主人公をレイプする男リー・ターゲセン、主人公の客となる吃音の男性プルイット・テイラー・ヴィンス、殺される警官マルコ・セント・ジョン、同じく児童性愛者マーク・マコーレイ、善意で主人公を車に乗せて殺されるスコット・ウィルソン、囮捜査官のケイン・ホッダーなどが共演している。