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マイノリティ・リポート Minority Report (2002)

SF作家フィリップ・K・ディックが1999年に発表した同名短編小説の映画化。
犯罪撲滅の画期的な予防システム・チームのチーフが自らその標的となり混乱する姿を描く、監督スティーブン・スピルバーグ、主演トム・クルーズコリン・ファレルサマンサ・モートンマックス・フォン・シドー他共演のSFサスペンス超大作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF

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スタッフ キャスト ■
監督:スティーブン・スピルバーグ

製作総指揮
ゲイリー・ゴールドマン

ロナルド・シャセット
製作
ボニー・カーティス

ジェラルド・R・モーレン
ヤン・デ・ボン
ウォルター・F・パークス
原作:フィリップ・K・ディック
脚本
ジョン・コーエン

スコット・フランク
撮影:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
音楽:ジョン・ウィリアムズ

出演
ジョン・アンダートン:トム・クルーズ

ダニー・ウィットワー:コリン・ファレル
アガサ:サマンサ・モートン
ラマー・バージェス:マックス・フォン・シドー
ソロモン・エディ:ピーター・ストーメア
フレッチャー:ニール・マクドノー
ジャッド:スティーヴ・ハリス
リオ・クロウ:マイク・ビンダー
アン・ライヴリー:ジェシカ・ハーパー
アイリス・ヒネマン博士:ロイス・スミス
ギデオン:ティム・ブレイク・ネルソン
ララ・クラーク:キャサリン・モリス
ルーファス・ライリー:ジェイソン・アントン

アメリカ 映画
配給
20世紀FOX(世界)
ドリームワークス(北米)
2002年製作 145分
公開
北米:2002年6月21日
日本:2002年12月7日
製作費 $102,000,000
北米興行収入 $132,014,112
世界 $353,600,000


アカデミー賞 ■
第75回アカデミー賞

・ノミネート
音響編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
2054年のワシントンD.C.、犯罪予防局。
アメリカ政府は、多発する殺人事件への対抗政策として“プリコグ”と呼ばれる予知能力者を使い、未来に起こる犯罪を察知し、事件が起きる前に犯人を捕らえる、殺人予防システムを開発した。

3人の”プリコグ”を使ったこのシステムにより、わずか1ヶ月でワシントンD.C.の殺人発生率は90%減少し、6年の間に首都は犯罪が存在しない社会となっていた。

犯罪取締チームのチーフ、ジョン・アンダートン(トム・クルーズ)は、6年前に失踪した息子のことで悩み苦しみながらの、過酷な任務に精神的疲労も蓄積し、薬物に頼る生活を送っていた。

犯罪予防局局長ラマー・バージェス(マックス・フォン・シドー)は、司法省の捜査官ダニー・ウィットワー(コリン・ファレル)を警戒するよう忠告される。
...全てを見る(結末あり)

犯罪予防局に、出入りを許されたウィットワーの言い分は、逮捕される人間がまだ犯罪を犯していないということだった。

司法長官の代理として、ウィットワーは、予防局内部の調査を始める。

”プリコグ”の一人アガサ(サマンサ・モートン)の予知夢で、アン・ライヴリーの殺害事件を知り調査したアンダートンは、ある日、自分が殺人の容疑者となる予知を知ってしまう。

ウィットワーはアンダートンの自宅を探り、薬物使用などを知り彼を追及する。

しかし、アンダートンは銃を取り出し、その場から逃亡する。

バージェス局長に、ウィットワーが予知夢を改ざんし、自分が殺人を犯すように仕向け、陥れようとしているということを訴えたアンダートンは、予防局チームに居場所を知られてしまう。

ウィットワーはバージェスに詰め寄るが、彼は、チームの副長フレッチャー(ニール・マクドノー)にこの事件を任せ、アンダートンを守ることをウィットワーに告げる。

フレッチャーは、同僚のジャッド(スティーヴ・ハリス)らと、アンダートンが地下鉄で逃走中であることを察知して、彼を追い詰めて逮捕しようとする。

それを逃れたアンダートンは、駆けつけたウィットワーらからも追われ、自動車工場の生産ラインを利用し、製造された車で逃走する。

犯罪予防システムの開発者でもある、アイリス・ヒネマン博士(ロイス・スミス)を訪ねたアンダートンは、予知夢の偽造が可能かを彼女に尋ねる。

アンダートンは、”プリコグ”の意見が一致しない場合には、”マイノリティ・リポート”(少数派報告)が廃棄されてしまうため、無実の人間が犯罪者となってしまう可能性があることをヒネマン博士から聞く。

バージェス局長も、”マイノリティ・リポート”の件を承知で、司法長官はシステムを独占し、ウィットワーはアンダートンの地位を狙っていたのだ。

ヒネマン博士は、”マイノリティ・リポート”を捜し出すことをアンダートンに指示し、それが、予知夢を見た”プリコグ”の中にあることを伝える。

アンダートンは、予防局の眼球スキャンをクリアするため、同じ薬物常用者でもある、医師ソロモン・エディ(ピーター・ストーメア)に眼球の移植手術を受ける。

一方、ウィットワーは、アンダートンの息子が失踪した事件を知り、彼の元妻のララ・クラーク(キャサリン・モリス)に接触する。

アンダートンは、フレッチャー率いるチームの捜査を掻い潜り、顔を変形させて予防局に侵入し、最も優秀である”プリコグ”アガサを連れ出すことに成功する。

ウィットワーは、特別な装置無くして、アガサから情報をダウンロードすることは、不可能だということを承知していた。

その装置を、既に自分の依頼で組み立てていた、サイバーパーラーの経営者ルーファス・ライリー(ジェイソン・アントン)の元に向かったアンダートンは、アガサの情報の中には、自分の”マイノリティ・リポート”がないことを知る。

それに気づいたウィットワーは、フレッチャーらを現場に派遣するが、アンダートンはアガサを連れて逃亡する。

アガサの予知能力で、フレッチャーらの追跡をかわしたアンダートンは、予知夢に出てきた建物を捜し当て、自分が殺すことになるリオ・クロウ(マイク・ビンダー)の居場所を突き止める。

予知夢の場面が次々現れる中、アンダートンとアガサは、クロウの部屋に向かう。

その部屋で息子の写真を見つけたアンダートンは、クロウが息子を誘拐して殺害したことを知り、彼に銃口を向ける。

アンダートンは、クロウを殺すのを思い止まるが、クロウは、自分を殺してくれなければ家族が困ることを告げる。

さらにクロウは、アンダートンの息子殺しは偽装で、何者かに指示された行動だということを告白する。

クロウは尚も自分を殺すようアンダートンに迫り、彼に銃の引き金を引かせてしまう。

その後、現場検証をしたウィットワーは、その場の状況から、これが仕組まれた事件だと考えるようになる。

ウィットワーは、バージェス局長をアンダートンの家に呼び出し、アン・ライヴリー(ジェシカ・ハーパー)殺人事件の予知夢に絡み、黒幕がデータを消去していることを報告する。

その瞬間、バージェスの銃弾がウィットワーの胸を貫き、止めを刺される。

アンダートンとアガサは、彼の元妻ララの家に向かうが、彼女はそれをバージェスに知らせる。

ララに、この事件が仕組まれたものであることを話したアンダートンは、やがて、アガサの母アン・ライヴリー殺害事件を、自分が調査していたのが理由だということに気づく。

アガサは、バージェスに指示されたフレッチャーらの到着をアンダートンに知らせるが、彼は包囲されて逮捕される。

アガサは予防局に戻され、アンダートンは拘束所に隔離される。

バージェスはララに同情するが、彼女がアン・ライヴリーについて、バージェスに質問しても彼から答えは得られなかった。

拘束室の、アンダートンの元に向かったララは彼を解放し、全国に拡大した、犯罪予防局の長官に就任したバージェスに連絡を入れさせる。

予防局チームのジャッドがララからの連絡を受けて、アガサの予知夢をバージェスの祝賀会会場に転送する。

バージェスのアン・ライヴリー殺しが暴露され、さらに彼がアンダートンを殺す予知夢が映し出される。

未来を変える選択を、アンダートンに迫られたバージェスだったが、彼は自ら命を絶つ。

やがて、予防システムは廃止され、受刑者は釈放される。

アンダートンとララは新たな生活を始め、彼女は妊娠する。

そして、アガサは、平穏な生活が出来る場所で暮らすことになる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
2054年のワシントンD.C.
アメリカ政府は、多発する殺人事件への対抗政策として“プリコグ”と呼ばれる予知能力者を使い、未来に起こる犯罪を察知して、事件が起きる前に犯人を捕らえる、殺人予防システムを開発した。
犯罪取締チームのチーフであるジョン・アンダートンは、失踪した息子のことで精神的なダメージを受けて、薬物に頼る日々を送っていた。
そんなある日アンダートンは、自分が殺人の容疑者となる予知を知ってしまう。
逮捕される人間が、犯罪を犯していないということに疑問を呈する、司法省の捜査官ウィットワーは、アンダートンの周辺を探る。
アンダートンの、薬物使用などを確認したウィットワーはそれを追及するが、彼はその場から逃走してしまう・・・。
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ブレードランナー」(1982)や「トータル・リコール」(1990)などで知られるSF作家フィリップ・K・ディックが、1999年に発表した同名短編小説の映画化。

スティーブン・スピルバーグ・ファミリーとも言える製作スタッフと、スーパー・スターのトム・クルーズが組んだことで話題になった作品。

第75回アカデミー賞では、音響編集賞にノミネートされた。

1億ドルを超す巨費を投じた近未来の美しい映像やCG、さらには斬新なデザインのセットなど、最高峰の技術を大いに堪能できる。

北米で約1億3200万ドル、全世界では約3億5400万ドルの大ヒットとなった。

優秀ではあるが、精神的不安定な主人公を演ずるトム・クルーズの熱演の他、売り出し中の新鋭コリン・ファレルの、若さを感じさせない貫禄ある演技や、陰謀の黒幕としてドラマを引き締める、大ベテランマックス・フォン・シドーの重厚な演技と存在感も圧倒的だ。

優秀な予知能力を発揮するサマンサ・モートン、短い出演ながら強烈なインパクトを残す整形外科医ピーター・ストーメア、主人公の部下役のニール・マクドノースティーヴ・ハリス、アガサ(S・モートン)の母親ジェシカ・ハーパー、終盤活躍する元妻のキャサリン・モリス、システムの開発者ロイス・スミスなどが共演している。

また、キャメロン・クロウがバス、キャメロン・ディアスが地下鉄の乗客で登場する。


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