恋愛に恵まれない女性と冴えないが愛を求めている男性の奇妙な恋をく、製作、監督、脚本ジョン・カサヴェテス(出演も)、主演ジーナ・ローランズ、シーモア・カッセル他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・カサヴェテス
製作:アル・ルーバン
脚本:ジョン・カサヴェテス
編集:フレデリック・ナッドソン
撮影
アルリック・イーデンス
マイケル・D・マーガリーズ
アーサー・オーニッツ
出演
ミニー・ムーア:ジーナ・ローランズ
シーモア・モスコウィッツ:シーモア・カッセル
ジム:ジョン・カサヴェテス
ゼルモ・スウィフト:ヴァル・エイヴリー
モーガン・モーガン:ティモシー・ケリー
シーバ・モスコウィッツ:キャサリン・カサヴェテス
ジョージア・ムーア:レディ・ローランズ
ジムの妻:ジュディス・ロバーツ
バレエ衣裳の少女:アレキサンドラ・カサヴェテス
赤ん坊の女の子:ゾーイ・R・カサヴェテス
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1971年製作 114分
公開
北米:1971年12月22日
日本:2000年4月8日
製作費 $900,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
駐車場係のシーモア・モスコウィッツ(シーモア・カッセル)は、ダイナーで、文無しの中年男モーガン・モーガン(ティモシー・ケリー)に声をかけられて話す。
意味不明な話ばかりをするモーガンを相手にする気がないモスコウィッツは、店を出てバーに向かう。
客達に知り合いだと言って騒ぎを起こしたモスコウィッツは、別のバーに向かう。
そこでもトラブルを起こしたモスコウィッツは、店から追い出される。
花束を持って母親シーバ(キャサリン・カサヴェテス)を訪ねたモスコウィッツは、カリフォルニアに向かうことを伝える。
ロサンゼルスに着いたモスコウィッツは、アパートを借りる。
美術館に勤める中年女性ミニー・ムーア(ジーナ・ローランズ)は、同僚で友人のフローレンスと映画”カサブランカ”を観る。 フローレンスの家に寄ったミニーは、お互い若くないことを承知しながら、性欲のことや愛を求めているのに男が見つからないと話す。 酔いながらタクシーで帰ったミニーは、恋人のジム(ジョン・カサヴェテス)がいることに気づき、いきなり殴られてしまう。 飲まない約束をしたはずだと言って憤慨するジムは、殴り返される。 ミニーから、出会った頃は殴ったりしなかったと言われたジムは責められる。 愛していると言われて仕方なくジムを許したミニーは、彼と一夜を過ごす。 帰宅したジムは、妻(ジュディス・ロバーツ)が不満そうな顔をしているのを気にしながら、息子達と朝食をとる。 美術館で、電話をしてあった男性ゼルモ・スウィフト(ヴァル・エイヴリー)に会ったミニーは、ランチを共にすることになりレストランに向かう。 駐車場係だったモスコウィッツは、ゼルモの車を預かる。 二人は他愛もない話を始めて、ミニーに惹かれたと言うゼルモは、女性とうまく付き合えないことを伝える。 周囲のことも考えずに、大声で自分の考えを話し続けるゼルモの態度に堪えられなくなったミニーは席を外す。 ミニーを追いモスコウィッツに車を用意させたゼルモは、彼女から恋人がいると言われて憤慨し、車に乗り走り去る。 タクシーを呼ぶとミニーに伝えたモスコウィッツは、戻って来たゼルモが彼女を侮辱したために襲いかかる。 殴られたモスコウィッツは反撃してゼルモを殴り倒し、ミニーを車に乗せてその場を去る。 モスコウィッツとホットドッグ・スタンドに向かったミニーは、自分に好意を示す彼を警戒してその場を去る。 ミニーを追って強引に車に乗せたモスコウィッツは、ゼルモに酷い目に遭わされた責任があると言って、彼女を責めながら美術館に送る。 ジムがいることを知らされたミニーは、彼から息子を紹介され、昨夜、妻が自殺未遂をしたと言われる。 大騒ぎになっていることを伝えたジムは、息子を連れてきたのは、別れること確認させるためだとミニーに話す。 愛していることを伝えたジムは、ミニーに手切れ金を渡そうとするものの殴られてします。 思い出は忘れないと言ってジムは息子と共にその場を去り、ショックを受けたミニーは帰宅する。 待っていたモスコウィッツから謝罪を求められたミニーは、気が動転していたために倒れそうになる。 ミニーが何も食べていないと考えたモスコウィッツはレストランに向かうが、雰囲気が悪いために店を出る。 ホットドッグ・スタンドに向かったモスコウィッツは、一目惚れしたことをミニーに伝えるが、何も話そうとしない彼女に苛立つ。 ミニーを送ったモスコウィッツは、拾った女を連れてアパートに向かい、一夜を過ごす。 現れたモスコウィッツを迷惑に思うミニーだったが、以前とは違い、辛く苦しい日々が続くことなどを話す。 ミニーを抱いて寝室に運んだモスコウィッツは、彼女を愛しく思う。 その後、モスコウィッツが眠っている間にアイスクリーム・パーラーに向かったミニーは、彼に電話をして呼び出し、映画を観てドライブをする。 ミニーは、強引に愛を伝えるモスコウィッツに戸惑う。 バーの前で妻を同伴する知人のディックから声をかけられ同席しようと言われたミニーは、モスコウィッツを紹介することを躊躇してしまう。 気分を害したモスコウィッツはその場を去り、ミニーは帰ることにしてディックに送ってもらう。 入口で待っていたモスコウィッツは、俺の女だと言ってディックに襲い掛かり、格闘になった二人をミニーが制止するものの、モスコウィッツが誤って彼女を殴ってしまう。 モスコウィッツを叩きのめしたディックは、倒れているミニーの様子を見て謝罪し、その場を去る。 悪かったと言ってミニーを抱きかかえたモスコウィッツは家に入り、混乱する彼女から、愛など存在しないと言われる。 納得しないモスコウィッツは取り乱し、愛を伝えようとして長く伸びていた髭をハサミで切ってしまう。 長髪もカットしようとしたモスコウィッツを制止したミニーは、彼にキスする。 その後、二人はプールに入り、モスコウィッツから結婚しようと言われたミニーは、母ジョージアに電話をして恋人ができたことを伝える。 モスコウィッツも母シーバに電話をして、皆で会うことになる。 ミニーとモスコウィッツは、シーバとジョージア共に食事をする。 息子は単なる駐車場係だと言って、二人が幸せになれると思うかをジョージアに問うシーバは、子供ができたから結婚すると決めつける。 それを否定するミニーは、愛しているから結婚すると言って、シーバに祝福してほしいと伝える。 こんなバカ息子と結婚したければ勝手にすればいいと言うシーバは、将来を不安に思う。 今後どうする気なのかジョージアから訊かれたモスコウィッツは、大きな会社の駐車場係になる考えを伝える。 魅力のない息子が美しいミニーと愛し合うことが信じられないシーバは、妊娠したから結婚を決めたはずだと言い張り、モスコウィッツは、母の言葉にショックを受ける。 問題を抱えながらも、ミニーとモスコウィッツは、シーバとジョージアに見守られながら結婚式を挙げる。 その後、子供も生まれたミニーとモスコウィッツは、幸せな人生を送る。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ロサンゼルス。
美術館に勤める中年の独身女性ミニー・ムーアは、妻子のある恋人ジムとの関係も冷めつつあった。
そん時ミニーは、自分に惹かれたという男性ゼルモと食事に行ったレストランで、ニューヨークから来た駐車場係のモスコウィッツと出会う。
ゼルモと揉めたモスコウィッツは仕事を失い、その責任をミニーに追及するのだが、彼女に一目惚れしてしまう。
モスコウィッツに付きまとわれたミニーは彼を敬遠するのだが、ジムからも別れを告げられててしまう・・・。
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美しく魅力的ではあるものの男運の悪い中年女性と、冴えない駐車場係にも拘わらずプライドだけは高い男性の恋を描いた、異色の恋愛ドラマ。
製作、監督、脚本、そして出演も兼ねるジョン・カサヴェテス自身の体験を元にしていると言われる作品。
ジョン・カサヴェテスの妻ジーナ・ローランズと、彼の作品の常連で盟友でもあるシーモア・カッセル、ジーナ・ローランズの母親レディ・ローランズ、ジョン・カサヴェテスの母親キャサリン・カサヴェテス、そして、幼い娘のアレキサンドラ・カサヴェテス、ゾーイ・R・カサヴェテスなども出演させていることを考えると、彼の作品への思いが感じられる。
対照的な生き方をしてきた男女の恋が、どう見てもまともな形で成立しそうもない雰囲気で展開するのだが、これ以上の幸せはないという家族の様子を映し出して終わるラストは実に爽やかだ。
魅力的ではあるが優柔不断気味の中年女性を好演するジーナ・ローランズと、彼女と釣り合う雰囲気でもない冴えない男もに拘わらず、傲慢とも言える態度で彼女を支配しようとするシーモア・カッセルの怪演が光る作品。
主人公の恋人である妻子持ちの男性ジョン・カサヴェテス、主人公に惹かれる変人風の中年男性ヴァル・エイヴリー、ダイナーでモスコウィッツ(シーモア・カッセル)に話しかける男ティモシー・ケリー、モスコウィッツの母親役でジョン・カサヴェテスの実母のキャサリン・カサヴェテス、主人公ジーナ・ローランズの母親役で実母のレディ・ローランズ、ジム(ジョン・カサヴェテス)の妻ジュディス・ロバーツ、その後を映し出すラストに登場する、主人公の娘役でジョン・カサヴェテスとジーナ・ローランズの実娘、バレエ衣裳の少女アレキサンドラ・カサヴェテス、赤ん坊の女の子ゾーイ・R・カサヴェテスなどが共演している。