人の記憶に入る遠隔透視能力を持つ記憶探偵と依頼者の少女の関係を描く、主演マーク・ストロング、タイッサ・ファーミガ、ブライアン・コックス、ノア・テイラー、監督ホルヘ・ドラドによる心理スリラー。 |
・マーク・ストロング / Mark Strong / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ホルヘ・ドラド
製作
ジャウム・コレット=セラ
ピーター・サフラン
フアン・ソラ
メルセデセ・ガメロ
製作総指揮
マリア・コントレラス
トム・ドラム
ナタリー・マルチャーノ
原案
マーサ・ホームズ
ガイ・ホームズ
脚本:ガイ・ホームズ
撮影:オスカル・ファウラ
編集:ハイメ・バルドゥエサ
音楽
ルーカス・ビダル
ジョン・オットマン
出演
ジョン・ワシントン:マーク・ストロング
アナ・グリーン:タイッサ・ファーミガ
ミシェル・グリーン:サスキア・リーヴス
ロバート・グリーン:リチャード・ディレイン
ジュディス・モロー:インディラ・ヴァルマ
セバスチャン:ブライアン・コックス
ピーター・ランドグレン:ノア・テイラー
トム・オルテガ:アルベルト・アンマン
メーガン”マウシー”:ジェシカ・バーデン
スーザン・メリック:アントニア・クラーク
ハイメ・フェルド:クレア・カルブレイス
ウォーナー刑事:ロッド・ハレット
サマンサ・ハリス:サニー・ファン・ヘーテレン
ロックフォード上院議員:フリオ・ペリリャン
スペイン/イギリス/アメリカ/フランス 映画
配給
ワーナー・ブラザーズ
スタジオカナル
Vertical Entertainment
2013年製作 99分
公開
スペイン:2014年1月24日
イギリス:2014年7月25日
北米:2014年6月6日
日本:2014年9月27日
製作費 $4,357,370
北米興行収入 $1,218,200
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
カナダ、モントリオール。
人の記憶に入る遠隔透視能力を持つ記憶探偵ジョン・ワシントン(マーク・ストロング)は、その実績を高く評価されていた。
しかしジョンは、妻の自殺で仕事から離れていた。
横領と恐喝でFBIの捜査を受けるロックフォード上院議員(フリオ・ペリリャン)は、記憶捜査の大手”マインドスケープ”と契約し、潔白を証明するため自身の情報を収集する。
マインドスケープに向かい、上司のセバスチャン(ブライアン・コックス)に会ったジョンは、ロックフォードのことを尋ねる。
既に記憶探偵のピーター・ランドグレン(ノア・テイラー)が担当していると言われたジョンは、自分の方が能力が上だと意見する。 暫く現場を離れていたため不安があると言うセバスチャンに、ジョンは金が必要であることを伝える。 海岸の家を売るようにと言われたジョンは、その気がないことを伝え、仕事がないかと尋ねる。 丁度いい仕事があると言うセバスチャンは、アナ・グリーン(タイッサ・ファーミガ)という少女のことを話し始める。 幼い時に一度会っている特別な少女だと言われたセバスチャンは、絶食している彼女に何んとか食べさせるようにとジョンに指示する。 仕方なくその仕事を受けたジョンは、ハンストを続ける彼女のトラウマを探るようにとセバスチャンに言われ、森林地帯の豪邸に向かう。 アナの母親ミシェル(サスキア・リーヴス)に迎えられたジョンは、娘の継父ロバート(リチャード・ディレイン)を紹介される。 二人の話を聞いたジョンは、幼い時から普通の子供と違っていたアナのIQがずば抜けていたとも言われる。 最後の食事は1週間前で、以後はビタミン剤と水しか口にしていないことをジョンは知らされる。 施設に入れるべきだと言うロバートは、この場で治せるはずだとミシェルに言われ、守秘契約を結ぶことをジョンに要求する。 アナが多くの能力を持つとジョンに伝えたミシェルだったが、ロバートは、呪われていると言って席を立つ。 実の父親がミシェルの妊娠中に亡くなったことを知ったジョンは、彼女とロバートとの関係が気になる。 それをミシェルに尋ねたジョンは、よくないが努力はしていると言われる。 学校に戻りたいことが絶食の理由だろうと言うミシェルは、手首を切ったためにそれは許さないとジョンに話し、アナの部屋に案内する。 アナが描いた多くの異様な絵を気にするジョンは、ミシェルに彼女を紹介される。 簡単な質問をして話し始めたジョンは、アナの知識などに感心しながら、医師でないなら何者だと聞かれ、人を記憶に導くと答える。 その後、屋敷の看護師ジュディス・モロー(インディラ・ヴァルマ)と話をしたジョンは、彼女から連絡先の名刺を受け取る。 セバスチャンに会ったジョンは、アナの全ての資料を見ることを許されず、とにかく食べさせる努力をするよう指示される。 翌日、アナの記憶に入ったジョンは、言い争う両親、使用人に手を出すロバートなどを見ながら育った彼女の幼い時代を知る。 ミシェルを傷つけようとして、ペーパーナイフで自分の手を切ってしまったところで、アナは現実に戻る。 ジョンに心を許すアナは、結婚していたかを尋ね、自分と同じ名だという元妻の写真を見たいと伝える。 食べたら見せると言って、テーブルの上に写真を伏せて置かれたアナは、素直にサンドイッチを食べて写真を見る。 ペーパーナイフを確認したいことをミシェルに伝えたジョンは、アナが食べたことを話す。 ジュディスに誘われたジョンは、その夜、バーで彼女と会う。 アナのことでジョンを高く評価したジュディスは、生まれて数か月で息子を亡くしたことを彼から知らされる。 息子と過ごした記憶に戻ることを望んだ妻の思い通りにさせたジョンだったが、やがてそれを拒み、妻は鬱状態になって亡くなった。 妻を救えなかったことを後悔するジョンは、無理な監禁は逆効果になることをジュディスに伝える。 ジュディスを送ったジョンは、”あなたは悪くない”という言葉をつぶやくアナを見かける。 翌日、セバスチャンにそれを伝えたジョンは、そんなはずはないと言われて屋敷に向かう。 アナがジュディスを突き落とし、骨折して病院に運ばれたことをロバートから知らされたジョンは、その監視映像を見せられる。 ジュディスが階下に落ちる姿しか映っていなかったが、ロバートは、アナを施設に入れることをジョンに伝える。 何もしていないと言うアナは、告訴はしないが落されたと証言しているジュディスが、ロバートと愛し合っていたことをジョンに伝える。 言い争いになったロバートがジュディスを突き落としたと言うアナは、自分を施設に入れる口実で、母ミシェルの財産を狙っていると訴える。 自分が死ねば遺産は公益信託へ、施設に入ればロバートが管理できると言うアナは、それを知っていたジュディスが、口封じのために狙われたと話す。 ジョンは、頼みは自分だけであり助けてほしいとアナに言われる。 ジュディスを見舞ったジョンは、アナに突き落とされ、ロバートとは何もないことを彼女に確認してその場を去る。 アナを助けられるかをミシェルに聞かれたジョンは、施設に入れられるのを阻止するには、アナの資料が必要であり、それがセバスチャンに渡っていると知らされる。 セバスチャンから資料を受け取ったジョンは、かなり刺激的な内容のために隠していたと言われる。 資料を調べたジョンは、性的虐待や殺人未遂を起こしていたアナの経歴を確認する。 アナの記憶に入ったジョンは、彼女が学校でルームメイトのスーザン・メリック(アントニア・クラーク)にいじめられ、教師トム・オルテガ(アルベルト・アンマン)に魅力を感じたことを知る。 しかし、その記憶で時計が動いていなかったことなど細部が曖昧なことに気づいたジョンは、それをアナに確認するものの、時計は壊れていたということだった。 アナへの淫行罪で逮捕され収監中のオルテガに面会したジョンは、彼女の家族は悪魔と同じだと言われ、アナに誘惑され罠にハメられたと言われる。 全てを奪われたと言うオルテガは、家族は金の力で警察を抱き込み、アナの悪事を隠したことを伝える。 アナの犯した同級生3人の殺人未遂ももみ消し、メーガン”マウシー”(ジェシカ・バーデン)を犯人にしたが、そんな生徒は存在せず、スーザンの家族も裁判すらできないことをオルテガは話す。 スーザンに会ったジョンは、アナを嫌う彼女から、マウシーという生徒は知らないと言われる。 アナのせいで死をさ迷った際の、痛々しい傷を見せられたジョンは驚く。 屋敷に向いアナの記憶に入ったジョンは、告げ口しなかったために仲直りしたスーザンらの紅茶に、アナが毒を入れたことを知る。 マウシーの犯行だと言うアナは、自分の放校後に彼女が転校したことをジョンに伝え、話を信じようとしない彼に、マウシーと撮った写真を見せる。 その夜、家にいたジョンは、アナの声と姿を見たように思い、屋敷からの電話を受けてその場に向かう。 侵入しようとしたジョンは、現れた人影を追い森に向かうが、誰もいなかった。 翌朝、屋敷を訪ねたジョンは、ロバートの書斎に入り、机の引き出しにあった財産管理の資料に気づく。 そこに現れたロバートに、尾行は必要ないと伝えたジョンは、それを否定される。 アナの記憶に入ったジョンは、彼女が、その中に自分を置き去りにしたことに驚く。 海岸の家に向かったジョンは、家を売却する決心をする。 先が見えない苦悩をセバスチャンに話したジョンは、担当を変えると言われるものの、自分が解決することを伝える。 アナの記憶に入ったジョンは、彼女に屋敷で会ったことがないと言っていたセバスチャンが近づく姿を見て現実に戻る。 アナは気を失ってしまい、目覚めた彼女を落ち着かせたジョンは、彼女に感謝されてある鍵を渡される。 セバスチャンは、アナに手を出したとことでジョンに責められるが、それが事実なら、記憶に入れる者に仕事を依頼するはずがないと反論される。 自分が病み上がりで操りやすいからだと言うジョンは、それを否定する彼に、アナには二度と近づくなと警告してその場を去る。 ミシェルとロバートに情況を説明したジョンは、監禁は逆効果だと伝えてその場を去る。 帰宅して資料を片付けたジョンは、ロックフォード上院議員のニュースを見ながら、マウシーと写ったアナの写真を確認する。 ジョンは、写真の裏のマウシーの筆跡であるはずのメモが、アナから受け取った絵の添え書きと同じだったことに気づく。 マウシーが”ジュリー・サンダース”という名の生徒だったことをアルバムで確認したジョンは、マウシーは別人であることを知る。 オルテガが撮ったアナの半裸の写真も、インターネット上からダウンロードしたもので、受け取った資料のUSBメモリには、大量の裸体の写真があった。 アナからの電話を受けたジョンは、それが切れてしまったために屋敷に向かう。 開いていた入り口から内部に入り、監視室に閉じ込められてしまったジョンは、ミシェルらが倒れていることを監視カメラの映像で確認する。 電源が切られ、その場から脱出して警察に通報したジョンは、森に駆け込むアナを追う。 現れたアナに手を握られたジョンは、男の影を確認しながら、自分といれば安全だと伝える。 しかし、アナはジョンに謝罪しながらその場を去る。 手が血だらけだったジョンは、駆けつけた警官に銃を向けられる。 殺人容疑で逮捕されたジョンは、アナにハメられたことをウォーナー刑事(ロッド・ハレット)に伝える。 ミシェルとロバートは一命を取り留めたが、全ての状況証拠でジョンの容疑は否定できなかった。 監視室の映像も操作したと言われたジョンは、アナから渡され所持していた鍵が、その場のものだとウォーナーから知らされる。 ウォーナーが去った後、その場に現れたランドグレンは、ジョンに戻ろうと伝える。 刑務所のジョンは記憶から現実に戻り、アナの事件で関わった記憶は、全て確認したとランドグレンに言われる。 ジョンとの接触でアナがその能力を操作するまでになったと言うランドグレンは、彼女を見つけられればいいがと伝えてその場を去る。 セバスチャンと面会したジョンは、ランドグレンの証言は考慮されるだろうと言われ、協力を約束される。 アナは、一本のバラと感謝の言葉を添えた写真をジョンに贈る。 最近撮ったことを証明するため、写真のアナは新聞を手にしていた。 出所したジョンは、アナからのバラと写真を受け取り、売却した海岸の家に住む家族を見つめる。 ジュディスを訪ねたジョンは、彼女に迎え入れられる。
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■ 解説 評価 感想 ■
*(簡略ストー リー)
カナダ、モントリオール。
人の記憶に入る遠隔透視能力を持つ記憶探偵ジョン・ワシントンは、妻(サニー・ファン・ヘーテレン)を自殺で亡くして現場を離れていた。
”マインドスケープ”社の上司セバスチャンの元に向かったジョンは、絶食している富豪令嬢アナのトラウマを探る仕事を与えられる。
ジョンは、森の中の豪邸に向いアナの母親ミシェルと継父ロバートに迎えられる。
多くの能力を持つ賢いアナを何とか治療しようとするミシェルだったが、ロバートは施設に入れることを希望していることを知る。
アナの記憶に入ったジョンは、言い争う両親、使用人に手を出すロバートなどを見ながら複雑な環境で育った彼女(クレア・カルブレイス)の心を探るのだが・・・。
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他人の記憶に入り込む探偵を描く斬新なアイデア、実力派マーク・ストロングと、ヴェラ・ファーミガの21歳年下の妹として知られるタイッサ・ファーミガの共演が見所の作品。
記憶に入り込まれる少女の、悩める心やトラウマを探る目的で接した探偵が、妻の自殺により情緒不安定的なまま対処したため、自ら事件に巻き込まれていくという恐ろしい体験を描く見応えある心理サスペンスに仕上がっている。
様々なシーンでヒントが隠されているので、どんでん返し的な結末を知った上で観直すと、更に味わい深く鑑賞できる作品。
結局は主人公の記憶を検証する物語であったという驚きの内容に加え、玄人受けする渋さでファンを魅了する、マーク・ストロングの深い演技が堪能できる作品であり、重要な脇役を演ずることが多い彼が、今後も主演を演じ活躍することを期待したい。
撮影は2011年だったため当時17歳だった、小悪魔的な犯罪少女を好演するタイッサ・ファーミガ、その両親サスキア・リーヴスとリチャード・ディレイン、看護師インディラ・ヴァルマ、主人公の上司ブライアン・コックス、主人公の記憶を検証する同僚の記憶探偵ノア・テイラー、ヒロインの担当教師アルベルト・アンマン、同級生ジェシカ・バーデン、アントニア・クラーク、メイドのクレア・カルブレイス、刑事ロッド・ハレット、主人公の妻サニー・ファン・ヘーテレン、上院議員フリオ・ペリリャンなどが共演している。