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猿人ジョー・ヤング Mighty Joe Young (1949)

モンスター映画の傑作「キングコング」(1933)のメリアン・C・クーパー(製作)とアーネスト・B・シュードサック(監督)が再び組みジョン・フォードも製作に参加した作品。
興行主によりアフリカから連れてこられた巨大ゴリラと飼い主の少女の活躍を描く、主演テリー・ムーアベン・ジョンソンロバート・アームストロング他共演のファンタジー・アクション。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ファンタジー

ジョン・フォード / John Ford 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:アーネスト・B・シュードサック

製作:メリアン・C・クーパー
製作総指揮:ジョン・フォード
脚本:ルース・ローズ
撮影:J・ロイ・ハント
編集:テッド・チーズマン
特殊効果:レイ・ハリーハウゼン

音楽:ロイ・ウェッブ

出演
ジル・ヤング:テリー・ムーア

グレッグ・ジョンソン:ベン・ジョンソン
マックス・オハラ:ロバート・アームストロング
ウィンディ:フランク・マクヒュー
スミス:ポール・ギルフォイル
ジョーンズ:ダグラス・フォーリー
ジョン・ヤング:レジス・トゥーミイ
孤児院の養育員:エレン・コービー
カウボーイ:リチャード・ファーンスワース
プロデューサー:チャールズ・レイン
ガソリンスタンド店員:ウィリアム・シャラート
サム:ジャック・ペニック

アメリカ 映画
配給 RKO

1949作 94分
公開
北米:1949年7月27日
日本:1952年1月12日
製作費 $1,800,000


アカデミー賞 ■
第22回アカデミー賞
・受賞
特殊効果賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
アフリカタンザニア
母を亡くし父ジョン・ヤング(レジス・トゥーミイ)と暮らしていた少女ジルは、現地人からあるものを買うために取引を始める。

ジルは懐中電灯などを渡し、ゴリラの子供を手に入れてジョーと名付け、ジョンが帰ってきたために慌てる。

ジョーをベッドに隠したジルは、自分もカーテンの陰に隠れてジョンを待つ。

ジョンはベッドで動くものに気づき、それがゴリラの子であることを知り、ジルを呼んで事情を聞く。

ジョーを飼うと言うジルに、人間より遥かに強く大きくなるゴリラの危険性などをジョンは話して聞かせる。
...全てを見る(結末あり)

12年後、ニューヨーク
ハリウッドに進出してナイトクラブを作る構想のある興行主のマックス・オハラ(ロバート・アームストロング)は、アフリカで猛獣を捕獲することを考えていた。

そこに紹介状を持参したグレッグ・ジョンソン(ベン・ジョンソン)が現れるが、オハラの部下ウィンディ(フランク・マクヒュー)は、カウボーイには用はないと考える。

ところが、それを聞いて閃いたオハラは、アフリカから手記を送ると言ってグレッグを連れて旅立つ。

猛獣などを捕えまずまず満足するオハラだったが、更なる話題性を考える。

その時、現地人が騒ぎ始め、巨大なゴリラが現れたため、オハラはそれを生け捕りにしようとする。

グレッグらカウボーイは、投げ縄でゴリラを捕えようとする。

ゴリラは暴れまわり、オハラを捕えて投げ飛ばそうとする。

そこに現れたジル(テリー・ムーア)が、オハラを解放するようジョーに指示する。

ジョーはそれに従い、ジルは騒ぎについてグレッグに追求する。

ジルは、この土地から去るようにとグレッグに言って、ジョーと共にその場を去る。

オハラは、ジルを捜しだすようグレッグに指示する。

ジルの家を見つけたグレッグは、彼女に謝罪して、オハラが話し合いを求めていることを伝える。

父親が半年前に亡くなり、ジョーと召使いとで暮らすと言うジルは、この地が気に入った様子の誠実そうなグレッグに親しみを感じる。

現れたオハラもジルに謝罪し、話がしたいことを伝え、銃をその場に置いた彼らは家に招かれる。

オハラは、ハリウッドのナイトクラブの件などをジルに話して契約を済ませようとするが、グレッグは急ぎ過ぎだと言って意見する。

これが自分のやり方だと強引に話を進めようとしたオハラだったが、そこにジョーが現れて客を脅す。

オハラはその場から逃げて、ジルがジョーを制止して落ち着かせる。

それを見ていたオハラは成功を確信し、ジルと契約して帰国する。

ハリウッド
オハラのナイトクラブはオープンし、アフリカのジャングルをイメージした店内は大盛況となる。

ガラスの向こうに本物のライオンを見ることができるのだが、”ジョセフ・ヤング”という見世物は秘密にされ、それはウィンディにも知らされていなかった。

ショーは始まり、挨拶したオハラは着飾ったジルを紹介して、”ジョセフ・ヤング”の好きな曲をピアノで弾かせる。

そして、ジルとピアノが置かれている台を持ち上げる巨大ゴリラのジョー”ジョセフ・ヤング”が登場して、来場客を驚かせる。

次に怪力男達が紹介され、ジョーと綱引きをする。

ジョーの怪力に男達は圧倒され、一人の巨漢の男を軽々と持ち上げたジョーは、客席に放り投げる。

ショーを終えたジョーは、グレッグの指示に従い大人しく檻に入る。

その後、ショーは10週目を迎え、ジルは有名人になり人々に注目される。

それが望んでいる生活でもないジルは、檻に閉じ込められて元気がないジョーが何も食べないことを心配する。

ジョーのことを考えるジルはアフリカに帰ると言い出すが、オハラは納得しない。

不満ではなく、このままでは、檻に入れられたジョーが死んでしまうと訴えるジルの意見を聞き入れたオハラは、対策を考えることを約束する。

17週目、最終興行となったショーは始まり、ジョーは客のジョーンズ(ダグラス・フォーリー)やスミス(ポール・ギルフォイル)にからかわれ酒瓶まで投げられて怒り始め、ジルも客を批判する。

酔ったジョーンズとスミスはオハラに注意されて苛立ち、仕返しにジョーに酒を飲ませることを考える。

ジルを食事に誘ったグレッグは、彼女が我慢の限界に達していることを知る。

檻に向かったジョーンズとスミスは、ジョーに酒を飲ませてしまう。

オハラを説得してアフリカに帰すことをジルに約束したグレッグは、彼女から一緒に来てほしいと言われ好意を伝えられる。

グレッグはジルの気持ちを嬉しく思い、二人は愛を確かめる。

酔ったジョーはジョーンズとスミスにからかわれ、怒って檻を壊し、店内に向かい暴れ始める。

店内はパニックになり、ジョーはガラスを壊してライオンを逃がしてしまう。

ジョーは店内を破壊し尽くし、グレッグと戻ったジルは、オハラから情況を知らされる。

警官を足止めするよう指示したジルは、ジョーの元に向い檻に入れる。

押入った警官は、逃げ出したライオンを射殺する。

その後この件は法廷で裁かれ、ジョーは射殺されることになりジルは悲しむ。

責任を感じたオハラは、ジョーをアフリカに帰すことを考え、それを知ったジルは喜ぶ。

檻に向かったオハラは発作を装い、監視していた警官に助けを求めてオフィスに連れて行かれる。

その間にジルがジョーを檻から出し、グレッグが用意したトラックに乗せてその場から逃れる。

電話線を切りラスベガスに向かうというメモを残して店を出たオハラは、入り口の鍵を閉める。

ウィンディがパトカーに細工して、オハラと共にその場を去る。

オハラらがラスベガスに向かったことを知った警官は、入り口をこじ開けてパトカーに乗るものの動かない。

合流したオハラはトラックに乗り移り、ガソリンスタンドでタイヤに空気を入れる。

オハラは無線を傍受し、自分達が北に向かっていると警察が思い込んでいることを知る。

トラックに乗り込もうとした浮浪者がジョーに気づき叫び声を上げたため、グレッグは車を出す。

車を直した警官は、騙されている可能性を考えて念のために南に向かう。

その頃、警察側は、浮浪者から巨大なゴリラを目撃したという情報を得る。

オハラは自分達の位置がバレたことを知り、グレッグはトラックと衝突しそうになり急停車する。

車を降りたグレッグはトラック・ドライバーのサム(ジャック・ペニック)を殴り倒し、ジョーをその車に乗せるようジルに指示する。

オハラは、グレッグとジルを港に向かわせて、トラックを運転して囮になる。

パトカーに追いつかれたオハラは車を止められ、荷台を確認した警官は、その場にいたサムを確認する。

オハラは、逮捕連行されるものの白を切る。

グレッグが裏道を進んだため、悪路でタイヤがはまってしまう。

ジルはジョーにトラックを押すよう指示するが、パトカーが追いつき銃撃してくる。

トラックは走り去るが、パトカーは悪路にはまってしまう。

途中、孤児院の火事に気付いたグレッグらはその場に向い、2階に子供達が取り残されていることを養育員(エレン・コービー)から知らされる。

ジルは子供達を見つけ、外壁をよじ登ったグレッグは彼女らと共に屋上に避難しようとする。

それに気づいたジョーは、大木に登り建物に移りジルを助ける。

グレッグは子供達を連れてその場から逃れようとするが、建物が崩壊し始める。

子供達をシーツに包んだグレッグは、ロープで二人を降ろす。

ジョーと地上にたどり着いたジルは子供達を助ける。

グレッグも地上に戻るが、一人の子供が取り残されていることに気づき、再びロープで上り始める。

ジルはジョーに子供を助けるよう指示し、グレッグはロープが切れたため地面に落下してしまう。

木に登ったジョーは子供を掴み、到着した警官がジョーを撃とうとするが、オハラがそれを阻止する。

火が木に燃え移ったため再び登ったジョーだったが、木は倒れてしまう。

木は地面に倒れる寸前で止まり、ジョーは子供を離さずに助かる。

建物が倒れることに気づいたジョーは子供を助けるが、瓦礫の直撃を受ける。

ジルはジョーに駆け寄り、人命を救ったジョーを撃とうとする者はもういなかった。

ニューヨークに戻ったオハラは、アフリカから届いたフィルムをウィンディに見せられる。

それには、幸せそうに暮らすジルとグレッグ、そしてジョーの姿が映っていた。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ニューヨークの興行主オハラは、ハリウッドにオープンするつもりのナイトクラブの見世物のため、アフリカに向い猛獣を捕獲しようと考える。
カウボーイのグレッグを伴い現地に向かったオハラは、巨大なゴリラに襲われる。
現れた少女ジル・ヤングがゴリラ”ジョー”の飼い主だったため、オハラは彼女を説得し契約してジョーを連れて帰国する。
ハリウッド、オハラのナイトクラブはオープンし、ジャングルを再現した店内は大盛況となる。
ステージに立ったオハラは、ジルを紹介して雰囲気を盛り上げ、そしてジョーが登場する。
ショーは大いに受けて評判となり興業は続くのだが、それはジルとジョーが望んでいたことではなかった・・・。
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同じモンスター映画の古典的名作「キングコング」(1933)から16年経っているだけあり、特撮技術がかなり進歩したという感じだ。

巨大ゴリラ”ジョー”の表情や仕草は絶妙であり、細やかな動きで愛嬌のあるキャラクター創造は見事だ。

その功績が認められ、第22回アカデミー賞では特殊効果賞を受賞した。

特殊効果技術の巨匠レイ・ハリーハウゼンが参加した、最初のメジャー作品でもある。

モンスターの映像だけでなく、ナイトクラブのセットも豪華で、クライマックスの孤児院火災の迫力映像も素晴らしい。

1998年にリメイク作品「マイティ・ジョー」が公開された。

オズの魔法使」(1939)のドロシー役を彷彿させる主人公の少女、小柄で愛くるしいテリー・ムーア、彼女を見守る誠実なカウボーイ役ベン・ジョンソン、「キングコング」にも出演した興行主で、強引な前半から終盤は人情味を見せるロバート・アームストロング、その部下フランク・マクヒュー、酔った客ポール・ギルフォイルダグラス・フォーリー、主人公の父親レジス・トゥーミイ、孤児院の養育員エレン・コービー、カウボーイのリチャード・ファーンスワース、プロデューサーのチャールズ・レイン、ガソリンスタンド店員ウィリアム・シャラート、トラック・ドライバーのジャック・ペニックなどが共演している。


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