パリ旅行中のアメリカ人脚本家が小説家を目指す過程で1920年代にタイム・トリップして体験する夢の世界とロマンスを描く、監督、脚本ウディ・アレン、出演オーウェン・ウィルソン、レイチェル・マクアダムス、マリオン・コティヤール、キャシー・ベイツ、エイドリアン・ブロディ他共演によるファンタジー・コメディ。 |
・ウディ・アレン / Woody Allen 作品一覧
・レア・セドゥ / Léa Seydoux / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ウディ・アレン
製作総指揮:ハヴィエル・メンデス
製作
レッティ・アロンソン
スティーヴン・テネンバウム
ジャウメ・ローレ
脚本:ウディ・アレン
撮影:ダリウス・コンジ
編集:アリサ・レプセルター
美術・装置
エレーヌ・デュブルイユ
アニー・シーベル
音楽:ステファン・レンベル
出演
ギル・ペンダー:オーウェン・ウィルソン
イネズ:レイチェル・マクアダムス
ジョン:カート・フラー
ヘレン:ミミ・ケネディ
ポール・ベイツ:マイケル・シーン
キャロル・ベイツ:ニーナ・アリアンダ
美術館のガイド:カーラ・ブルーニ
コール・ポーター:イヴ・ヘック
ゼルダ・セイヤー・フィッツジェラルド:アリソン・ピル
アーネスト・ヘミングウェイ:コリー・ストール
F・スコット・フィッツジェラルド:トム・ヒドルストン
ジョセフィン・ベーカー:ソニア・ロランド
ホアン・ベルモンテ:ダニエル・ランド
ガートルード・スタイン:キャシー・ベイツ
パブロ・ピカソ:マルシャル・ディ・フォンゾ・ボー
アドリアナ:マリオン・コティヤール
ガブリエル:レア・セドゥ
ジューナ・バーンズ:エマニュエル・アザン
サルバドール・ダリ:エイドリアン・ブロディ
マン・レイ:トム・コーディア
ルイス・ブニュエル:アドリアン・ドゥ・ヴァン
T・S・エリオット:デイヴィッド・ロウ
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック:ヴァンサン・モンジュー・コルテ
ポール・ゴーギャン:オリヴィエ・ラブルダン
エドガー・ドガ:フランソワ・ラスタン
ティセラン:ガッド・エルマレ
スペイン/アメリカ 映画
配給 ソニー・ピクチャーズ・クラシックス
2011年製作 94分
公開
北米:2011年5月20日
日本:2012年5月26日
製作費 $17,000,000
北米興行収入 $56,816,660
世界 $151,119,220
■ アカデミー賞 ■
第84回アカデミー賞
・受賞
脚本賞
・ノミネート
作品・監督・美術賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
パリ。
ハリウッドで成功はしているものの、満たされない日々を過ごす脚本家ギル・ペンダー(オーウェン・ウィルソン)は、パリに移り住み小説家になる夢を恋人イネズ(レイチェル・マクアダムス)に語る。
ギルは、イネズの実業家の父親ジョン(カート・フラー)の出張に便乗してパリに来ていたため、彼の妻ヘレン(ミミ・ケネディ)とで食事をしていた。
そこに、イネズの友人である大学教授のポール・ベイツ(マイケル・シーン)と妻キャロル(ニーナ・アリアンダ)が現れる。
イネズはキャロルに誘われて、翌日の”ベルサイユ宮殿”行きを承知するが、それに気乗りしないギルと、ホテルに帰り口論になる。 話は、マリブに住み安定した脚本家生活を捨てて、行き詰まっている小説の執筆にまで発展するものの、二人は愛を確かめる。 翌日ギルは、仕方なく付き合った”ベルサイユ宮殿”や、その後の”ロダン美術館”で、ガイド(カーラ・ブルーニ)の説明を否定し、知識を自慢するような態度のポールに嫌気が差し適当に反論してしまう。 その夜、ワインの試飲会の後で、ポールとキャロルとでイネズはダンスに向かうが、ギルは一人でホテルに戻ろうとする。 歩いてホテルに向かったギルは道に迷ってしまい、夜中の12時を知らせる鐘の音と共に現れた、1920年代の”プジョー”(Type 176)に乗っていた者達に誘われる。 あるクラブに連れて行かれたギルは、コール・ポーター(イヴ・ヘック)が歌い、作家F・スコット・フィッツジェラルド(トム・ヒドルストン)や妻ゼルダ・セイヤー(アリソン・ピル)に声をかけらて戸惑い、パーティーのホストが、ジャン・コクトーだと知り驚いてしまう。 その後、フィッツジェラルドらに誘われて違う店に向かったギルは、ジョセフィン・ベーカー(ソニア・ロランド)を前に自分の目を疑い、次に、アーネスト・ヘミングウェイ(コリー・ストール)に対面することになる。 ヘミングウェイは、作家として自信の持てないギルの小説を、信頼する作家ガートルード・スタイン(キャシー・ベイツ)に見せることを約束する。 興奮したギルは、ホテルに戻り原稿を取りに行こうとするのだが、待ち合わせ場所を聞くのを忘れて店に戻る。 しかし、その場はコインランドリーになっていたため、ギルは仕方なくホテルに戻る。 翌日、ギルは、昨晩あったことをイネズに話すが、信じてもらえるはずもなく、その夜、彼女を”プジョー”が現れた場所に連れて行く。 何も起きないことで、しびれを切らしたイネズはホテルに戻ってしまうが、12時の賭けと共に”プジョー”が現れる。 車にはヘミングウェイが乗っていて、ギルはガートルード・スタインのアパートに向かい、パブロ・ピカソ(マルシャル・ディ・フォンゾ・ボー)とその愛人のアドリアナ(マリオン・コティヤール)と顔を合わせる。 スタインはギルの原稿をチェックし始め、アドリアナがそれを気に入り、二人は話し込む。 ヘミングウェイに飲みに誘われたギルは、それを断ってホテルに戻るものの、興奮して眠れない。 翌日、イネズと共に、美術館でポールと絵画を鑑賞したギルは、スタインに酷評されたピカソの描いたアドリアナの絵を前に、解説を始めてイネズやポールを驚かせる。 その夜ギルは、イネズや彼女の両親との食事にも付き合わずに、1920年代の仲間達と楽しい時間を過ごしてアドリアナと散歩をする。 その時、ギルとアドリアナは、フィッツジェラルドが浮気をしたことを疑い、自殺しようとしてセーヌ川に飛び込もうとする、ゼルダを見かけてそれを制止する。 その際、婚約者のイネズの話が出たため、アドリアナはそれが気になり、クラブにいた彼女はそこを立ち去る。 ギルは、その場にいたサルバドール・ダリ(エイドリアン・ブロディ)に声をかけられる。 そこにルイス・ブニュエル(アドリアン・ドゥ・ヴァン)とマン・レイ(トム・コーディア)が現れる。 ダリは、二つの世界で二人の女性と付き合い、アドリアナには魅了されているという、ギルの悩みを聞いてあげる。 その後もその解決方法を探ったギルは、”ロダン美術館”のガイドに、二人の女性を愛したというロダンについてを尋ねて助言をも求める。 その頃、夜な夜な出かけるギルを不審に思ったジョンは、探偵ティセラン(ガッド・エルマレ)を雇い、彼の動向を探らせる。 その夜、ティセランが監視していることも知らずに、12時に”プジョー”を待っていたギルは、イギリスの詩人で劇作家のT・S・エリオット(デイヴィッド・ロウ)の出迎えを受けて感激してしまう。 スタインのアパートを訪ねたギルだったが、アドリオアナが、ヘミングウェイと共にアフリカに行ったことを知り、スタインには小説を評価される。 ギルは、イネズの家族との週末旅行にも同行せず、街に出て、アンティーク・ディーラーの(レア・セドゥ)の店に寄る。 その後、ギルは蚤の市で、ある一冊の古い日記帳を見つけて、それを美術館のガイドに訳してもらう。 それには、アドリアナが自分に惹かれていたことなどが書かれていたため、夢の中でピアスを贈られたということも知り、ギルはイネズのピアスを持ち出して夜に備える。 ジョンの気分が悪くなったために、イネズらは戻ってきてしまい、焦ったギルは、ピアスを戻して別の物を用意し、”プジョー”に乗りスタインの元に向かう。 アドリアナはヘミングウェイとはうまくいかず、ピカソとも別れたということをスタインから聞いたギルは、彼女が出席しているという、シュルレアリストの結婚式に顔を出す。 アドリアナに会ったギルは、結婚に迷っていることを伝え、彼女を街に誘い出してキスをする。 ギルは、アドリアナにピアスを贈り”ベル・エポック”の時代に向かい、”マキシム”で楽しい時間を過ごして、その後、”ムーラン・ルージュ”に向かう。 アドリアナは、画家のアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(ヴァンサン・モンジュー・コルテ)に声をかけて、ポール・ゴーギャン(オリヴィエ・ラブルダン)やエドガー・ドガ(フランソワ・ラスタン)と親交を持つ。 1920年代よりも、魅力的なこの時代に留まりたいというアドリアナに驚くギルは、自分が2010年から逃げ出して、夢の時代にトリップしたことを伝える。 アドリアナは、自分が暮らす1920年代に魅力を感じることができず、”ベル・エポック”こそ黄金の時代だと言う。 しかしギルは、ロートレックらは”ルネサンス”こそが黄金時代だと語ったことなどから、その時代が気に入っても、いつの日か他の時代に憧れるようになることに気づく。 アドリアナは、結局は、現在こそが黄金時代だと言うギルの話を理解できず、その時代に残ることを決めて、彼と別れることになる。 スタインの元に戻ったギルは、預けた原稿がさらによくなったと言われるが、その内容で、主人公が、婚約者と知識を自慢する男の浮気が見抜けないのが疑問だと言って、ヘミングウェイが指摘した意見を伝える。 ギルはそのことをイネズに追求し、彼女は一旦は浮気を否定するものの、それを認める。 パリに残ることをイネズに伝えたギルは、二人が合わないということを理解して、その場を去る。 その様子を妻ヘレンと見ていたジョンは、ギルの監視していた探偵ティセランが消息を絶ったことをイネズに伝える。 街で時を過ごしたギルはガブリエルに出くわし、パリに住むことになったことを伝えて、彼女をコーヒーに誘う。 雨の中、話が弾む二人は、恋の予感を感じながら、気まぐれな街に消えていく。
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*(簡略ストー リー)
パリ。
ハリウッドで成功はしている脚本家のギル・ペンダーは、小説家への転身を考えるものの、執筆に苦労していた。
婚約者イネズの父親ジョンの出張に便乗し、この地を訪れていたギルは、ある夜、独りでホテルに帰ることになる。
道に迷ってしまったギルは、12時の鐘と共に現れた、クラシックな”プジョー”に乗せられ、あるクラブに向かう。
そこには、音楽家のコール・ポーターや作家のフィッツジェラルドとゼルダ・セイヤー夫妻らが集い、その後ギルは、ヘミングウェイにも対面することになる。
ヘミングウェイに、自分の小説をガートルード・スタインに見せることを約束してもらい、ギルは彼女のアパートで、ピカソとその愛人であるアドリアナに出会う。
現実では、自分に理解を示さないイネズとの関係に迷っていたギルは、アドリアナにの魅力に惹かれてしまう。
その後ギルは、1920年代の素晴らしい世界に魅了され、夜な夜な、歴史を作った文化人との時を過ごしながら、アドリアナとの親交も深めるのだが・・・。
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美しいパリの街並み、のどかな中にも力強さが感じられる、偉人達が登場する1920年代、軽妙なウディ・アレンの演出と共に、情緒溢れる、雰囲気抜群の作風は実に心地よい。
パリを愛する、ウディ・アレンの思い入れが感じられる、見慣れた風景も新鮮に見える描写にも注目だ。
登場する多くの文化人が、それぞれ非常に個性的に描かれ、彼らを知れば知るほど味わい深い、ノスタルジックな世界に浸れる、ウディ・アレン作品としては、指折りの仕上りを見せているとも言える。
第84回アカデミー賞では脚本賞を受賞した。
・ノミネート
作品・監督・美術賞
北米興行収入は約5700万ドルで、全世界では約1億5100万ドルとなり、ウディ・アレン作品では最大のヒットとなった。
夢の世界へのトリップと現実での苦悩の末に、自分の生きる道を見つける主人公を、”やわらかな”演技で好演するオーウェン・ウィルソン、彼を理解しようとしない、現実的な婚約者役のレイチェル・マクアダムス、その父カート・フラーと母ミミ・ケネディ、友人夫婦マイケル・シーンとニーナ・アリアンダ、美術館のガイド役、ニコラ・サルコジ仏大統領(当時)夫人カーラ・ブルーニ、主人公を魅了する、キーパーソンとなる女性を魅力的に演ずるマリオン・コティヤール、ガートルード・スタインを貫禄十分に演ずるキャシー・ベイツ、アンティークのディーラーで、主人公と結ばれるだろうという女性を演ずるレア・セドゥ、サルバドール・ダリをユーモアをまじえて演ずるエイドリアン・ブロディ、コール・ポーターのイヴ・ヘック、ゼルダ・セイヤー・フィッツジェラルドのアリソン・ピル、アーネスト・ヘミングウェイ役のコリー・ストール、F・スコット・フィッツジェラルドのトム・ヒドルストン、ジョセフィン・ベーカー役のソニア・ロランド、ホアン・ベルモンテのダニエル・ランド、パブロ・ピカソ役のマルシャル・ディ・フォンゾ・ボー、ジューナ・バーンズのエマニュエル・アザン、マン・レイのトム・コーディア、ルイス・ブニュエルのアドリアン・ドゥ・ヴァン、T・S・エリオットのデイヴィッド・ロウ、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックのヴァンサン・モンジュー・コルテ、ポール・ゴーギャンのオリヴィエ・ラブルダン、エドガー・ドガのフランソワ・ラスタン、探偵のガッド・エルマレなどが共演している。