1977年に発表された、ビリー・ヘイズ自身の体験談を基に、ウィリアム・ホッファーと共同執筆した同名小説の映画化。 ハシシの密輸で逮捕された青年の絶望的な獄中生活と苦悩を描く、製作デヴィッド・パットナム、監督アラン・パーカー、脚本オリヴァー・ストーン、主演ブラッド・デイヴィス、ランディ・クエイド、ジョン・ハート他共演の実録ドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:アラン・パーカー
製作総指揮:ピーター・グーバー
製作
デヴィッド・パットナム
アラン・マーシャル
原作
ビリー・ヘイズ
ウィリアム・ホッファー
脚本:オリヴァー・ストーン
撮影 マイケル・セレシン
編集:ジェリー・ハンブリング
音楽 ジョルジョ・モロダー
出演
ビリー・ヘイズ:ブラッド・デイヴィス
ジミー・ブース:ランディ・クエイド
マックス:ジョン・ハート
ハミドゥ:ポール・L・スミス
テックス:ボー・ホプキンス
エリック:ノーバート・ワイザー
スーザン:アイリーン・ミラクル
ヘイズ:マイク・ケリン
リフキ:パオロ・ボナセリ
スタンリー・ダニエルス:マイケル・エンサイン
イエシル:フランコ・ディオジーニ
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1978年製作 120分
公開
北米:1978年10月6日
日本:1978年10月28日
製作費 $2,300,000
北米興行収入 $35,000,000
■ アカデミー賞 ■
第51回アカデミー賞
・受賞
脚色・作曲賞
・ノミネート
作品・監督
助演男優(ジョン・ハート)
編集賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1970年10月6日、トルコ、イスタンブール。
ハシシを隠し国外に運び出そうとしていたアメリカ人青年ビリー・ヘイズ(ブラッド・デイヴィス)は、空港でそれが見つかりはしないかと、緊張の極に達してしまう。
恋人スーザン(アイリーン・ミラクル)を先に行かせ、トイレで気を落ち着かせたビリーは、何とか出国手続きを済ませ彼女の元に向かう。
しかし、機内に搭乗しようとしていたビリーらを、テロリストを警戒する当局員が待ち構えていた。
ビリーは焦り、上着の下に隠していたハシシを取り除こうとするが、間に合わずに、当局に捕らえられてしまう。
当局の取調べは終わり、アメリカ領事館のテックス(ボー・ホプキンス)が、ビリーの身柄を引き取る。 ハシシの入手先を教えるため、テックスと当局員をその場所に案内したビリーは、彼らの隙を見て逃亡してしまう。 再びテックスに捕らえられたビリーは、サグマルチラー刑務所に投獄されてしまう。 監獄の寒さに耐え切れず毛布を盗んだビリーは、所長ハミドゥ(ポール・L・スミス)に、拷問に近い罰を受け痛めつけられる。 同じ囚人の、ジミー・ブース(ランディ・クエイド)とエリック(ノーバート・ワイザー)に介抱されたビリーは、自分の罪が重いことを知らされる。 ロウソク台2個を盗んだ、罪の荒っぽいだけのジミーと違い、ハシシの密輸で捕まった理知的なエリックは、ビリーに、一番の古株で、イギリス人のマックス(ジョン・ハート)に会うよう助言する。 マックスは腕利きの弁護士を紹介しようともするが、一番いいのは、”ミッドナイト・エクスプレス”(脱獄)に乗ることだとビリーに伝える。 ビリーの父親ヘイズ(マイク・ケリン)が、刑務所に面会に現れ、領事館のスタンリー・ダニエルス(マイケル・エンサイン)と弁護士イエシル(フランコ・ディオジーニ)を伴い彼を励ます。 しかしビリーは、裁判で4年2ヶ月の判決を受けて服役することになり、失意の涙を流す父に別れを告げ監獄に向かう。 ビリーの絶望の日々は始るが、彼は模範囚として減刑を期待する毎日を送る。 1972年4月。 その頃ジミーは、無謀な脱獄計画を立てて実行にうつすが、あえなく捕まりハミドゥに半殺しにされる。 ビリーは、ゲイのエリックから体を求められるが、友情以上の深入りは拒む。 1974年6月。 ダニエルスは、ビリーが見せしめとして犠牲になり、おそらく終身刑となることを彼に伝え、彼は奈落の底に突き落とされてしまう。 そして、再び開かれた裁判の結果、ビリーは30年の刑を言い渡される。 ビリーは、絶望の日々に見切りをつける決心をして、ジミーとマックスとで、石壁の裏側の坑道を見つけ脱獄を企てる。 脱獄計画は実行されるが、坑道が行き止まりだと分かり、3人は引き返す。 しかし、嫌われ者の囚人リフキ(パオロ・ボナセリ)が、坑道の入り口に気づき、それがハミドゥに知れる。 それをジミーの仕業と考えたハミドゥは、再び痛めつけられた彼は、市内の病院に運ばれてしまう。 マックスはリフキの金を盗み復讐するが、リフキは彼を逆に陥れる。 怒ったビリーは、リフキに襲い掛かり、彼の下を噛み切ってしまう。 1975年1月。 精神に異常をきたす寸前のビリーは、スーザンの面会を受け、彼女から、救われる道はあり、希望を持つよう言われてアルバムを渡される。 ビリーは、アルバムに隠された現金に気づき、マックスに別れを告げる。 ビリーは、ハミドゥに100ドルを渡し買収して病院に入る。 しかし、ハミドゥはビリーを痛めつけ、犯そうとする。 抵抗したビリーは、はずみでハミドゥを殺してしまい、看守に扮して刑務所を脱出する。
...全てを見る(結末あり)
弁護士イエシルは、各方面への賄賂ばかりを要求して、ビリーはそれに苛立ちを隠せなくなる。
エリックは出所し、ビリーもあと53日を刑務所で過ごすのみとなった日に、領事館のダニエルスは、裁判のやり直しがあることを彼に伝える。
気が触れてしまったマックスと共に、ビリーは特別精神病棟に移される。
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*(簡略ストー リー)
1970年。
大量のハシシを、イスタンブールから密輸しようとしたアメリカ人の青年ビリー・ヘイズは、空港で当局に逮捕されてしまう。
劣悪な環境の中、ビリーは裁判は始まり、懲役4年2ヶ月の判決を受けてしまう。
1974年。
模範囚として減刑を期待する日々を送っていたビリーだったが、裁判のやり直しを告げられてしまう。
そしてビリーは、見せしめのために30年の刑を言い渡される。
絶望の日々に見切りをつけようとしたビリーは、囚人仲間のジミーとマックスとで、脱獄計画を企てるのだが・・・。
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社会性のある作品での評価が高い、アラン・パーカーの、30代半ばにして力強い演出を印象付けた、彼の出世作でもある。
当時の国策ににより、本国から見放されてしまう若者の体験する、地獄を見るような生活、圧制の中の刑務所の、おどろおどろしい雰囲気が、主人公の絶望感を一層際立たせる。
第51回アカデミー賞では、作品賞をはじめ6部門にノミネートされ、脚色、作曲賞を受賞した。
・ノミネート
作品、監督
助演男優(ジョン・ハート)
編集賞
他、ゴールデングローブ賞、カンヌ映画祭、グラミー賞などでも高く評価された作品。
特に、アカデミー作曲賞を受賞したジョルジョ・モロダーの、哀愁漂うテーマ曲は、名曲として心に残り、同じく脚本賞を受賞した、若き日のオリヴァー・ストーン(32歳)の才能が世界的に知られた作品でもある。
迫真の演技を見せる主演のブラッド・デイヴィスも、本作により、若手の実力俳優として、注目を集めるようになった。
無鉄砲で乱暴な囚人ランディ・クエイド、日本では本作で彼の名を知った人々が多い、名演を見せる、アカデミー助演賞候補にもなったジョン・ハート、刑務所長ポール・L・スミス、領事館員のボー・ホプキンス、主人公の恋人アイリーン・ミラクル、父マイク・ケリンなどが共演している。