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マイケル・コリンズ Michael Collins (1996)

長年に渡るイギリス支配からの独立を指揮したアイルランドの指導者マイケル・コリンズの”イースター蜂起”から暗殺されるまでを描く、監督ニール・ジョーダンリーアム・ニーソンアラン・リックマンジュリア・ロバーツ共演のヒューマン・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■
監督:ニール・ジョーダン
製作:スティーヴン・ウーリー
脚本:ニール・ジョーダン
撮影:クリス・メンゲス
編集
J・パトリック・ダフナー
トニー・ローソン
音楽:エリオット・ゴールデンサール

出演
リーアム・ニーソンマイケル・コリンズ
エイダン・クインハリー・ボランド
アラン・リックマンエイモン・デ・ヴァレラ
ジュリア・ロバーツキティ・キールナン
スティーヴン・レイネッド・ブロイ
イアン・ハート:ジョー・オレイリー
チャールズ・ダンス:ソームズ
ブレンダン・グリーソンリアム・トビン
ジェラルド・マクソーリーカハル・ ブルハ
ショーン・マッギンレイ:スミス
ジョン・ケニー:パトリック・ ピアース
ジョナサン・リース=マイヤーズ:暗殺者

イギリス/アイルランド/アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1996年製作 132分
公開
イギリス:1996年11月8日
アイルランド:1996年11月8日
北米:1996年10月11日
日本:1997年3月1日
製作費 $28,000,000
北米興行収入 $11,085,320
世界 $16,900,000


アカデミー賞 ■
第69回アカデミー賞

・ノミネート
撮影・作曲賞(ドラマ)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
19世紀末。
イギリスは世界に君臨し、各地に植民地を有していた。

その中で、アイルランドは最も近く、そして大きな問題を抱えていた。

700年のイギリス支配下で、武装蜂起が何度も起きて、1916年に、蜂起とゲリラ戦により植民地支配の形態に変化が生じた。

その立役者がマイケル・コリンズだったが、彼の生と死は、恐怖と悲劇の時代を浮き彫りにする。
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...全てを見る(結末あり)

1916年、ダブリン、”イースター蜂起” 。
12世紀からのイギリス支配を打ち破ろうと、アイルランドの指導者であるマイケル・コリンズ(リーアム・ニーソン)は、エイモン・デ・ヴァレラ(アラン・リックマン)やハリー・ボランド(エイダン・クイン)らと共に武装蜂起を起こすものの失敗に終わり投獄される。

1918年5月。
釈放されたコリンズは、ハリーやジョー・オレイリー(イアン・ハート)らと共に、監視されながらも反英集会を開き、保安隊と衝突する。

敵の武器庫を襲撃したコリンズは、”IRA”(アイルランド共和軍)の軍事担当となる。

コリンズの監視役だった保安隊のネッド・ブロイ(スティーヴン・レイ)は、コリンズの演説などを聞く間に彼に感化され、協力者となり情報を流す。

ネッドの協力で、大胆にも警察内部の資料を盗み出したコリンズは、総督府の高官抹殺と反抗のゲリラ戦を繰り広げる。

コリンズは、デ・ヴァレラを刑務所から救出し、アメリカに渡り大統領に会い、共和国承認を取り付けて国際世論を動かし、イギリスに圧力をかけようとする彼の考えを聞かされる。

ハリーを同行させるという、デ・ヴァレラの意見にコリンズは反対するものの逆らえず、ハリーを恋人のキティ・キールナン(ジュリア・ロバーツ)と共に見送る。

コリンズは、以前からキティが気になる存在だった。

その頃、イギリスはソームズ(チャールズ・ダンス)率いる諜報部の過激部隊”ブラック&タンズ”をアイルランドに送り込み、より厳しい統治を始める。

ブラック&タンズ”の情報を得たコリンズは、奇襲攻撃で部隊を全滅させようと行動を開始し、キティの身の安全を確保する。

ソームズは、ブロイを不審に思い尾行させ、書類を焼却しようとしていたところを捕らえ拷問にかける。

コリンズの作戦は実行され、ソームズを含めた警察幹部らが抹殺されるが、”ブラック&タンズ”はブロイを殺して、報復としてラグビー場で機関銃を乱射し市民を虐殺する。

アメリカから戻ったハリーを出迎えたコリンズは、戦略とはいえ殺人組織のレッテルを貼られたことを、同じく帰国したデ・ヴァレラに指摘され、正規軍に従った行政機関の攻撃を命ぜられる。

1921年。
ついに、イギリスが休戦を申し出てきたため、捜査の目をかいくぐってきたコリンズが、交渉団のリーダーとしてロンドンに向かうことになる。

その頃既に、キティコリンズを愛するようになっていた。

4ヵ月後。
条約を結んだコリンズだったが、国家分断とイギリスへの忠誠を誓わされる。

アイルランド自由国という、共和国ではない条約内容に、デ・ヴァレラハリーは不快感を表して反条約派となり、国家は二分し内戦が避けられない状況になる。

1922年1月16日。
イギリスの総督府が置かれていたダブリン城の、ユニオン・ジャックが降ろされる。

1922年6月7日。
国民投票で条約派は承認されるが、デ・ヴァレラら反対派は受け入れを拒否、各地を制圧し無政府状態になる。

デ・ヴァレラの右腕となったハリーに、話し合いを求めたコリンズだったが、歩みよりは見られず、ついに内戦が勃発する。

激しい市街戦が繰り広げられる中、地下墓地に逃げ込んだハリーは、銃弾を受けて死亡する。

停戦の話し合いのため、コーク州に向かったコリンズは、ある農家でデ・ヴァレラに会うことになる。

その頃、コリンズから求婚されていたキティは、一人その準備を始める。

1922年8月22日。
コリンズは、デ・ヴァレラとの話し合いにオレイリーらと向かうが、ベール・ナ・ブラフで待ち伏せされ、銃弾を浴び31歳の短い生涯を閉じる。

それを知ったキティは、ショックを受けてホテルの部屋に閉じこもってしまうが、オレイリーにコリンズの意志を継ぐよう励まされる。
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ダブリンでの、コリンズの葬儀には50万人が参列し、国や思想を超えて彼の死を悼んだ。

コリンズは、短い生涯の間にイギリスを追い詰め、独立の足がかりとなる条約集結に尽力した。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1916年、ダブリン
アイルランドの指導者マイケル・コリンズは、デ・ヴァレラボランドらと共に、700年に及ぶイギリス支配を打ち破ろうと、武装蜂起を起こすが失敗に終わり投獄される。
2年後に釈放されたコリンズは、監視されながらも反英集 会を開き、やがて彼は”IRA”(アイルランド共和軍)の軍事担当となる。
コリンズの演説や活動は、監視役だった保安隊のブロイの心を動かし、彼は協力者となり情報を流す。
そしてコリンズは、大胆な行動でゲリラ戦を繰り返して、獄中のデ・ヴァレラを救い出し、国際世論まで動かそうと考えるのだが・・・。
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当然のごとく、実在の人物とそれに関係する事件を描いたドラマではあるが、現在も尾を引く微妙な問題を扱った作品であるためか、事実と異なった描写が非常に多く、各方面からの批判や、事実を基にしたフィクションとして製作された作品だという明記が必要だったという意見も出た。

例えば、コリンズに協力し密かに情報を流すネッド・ブロイは、”ブラック&タンズ”の拷問の末に殺された事実はなく、彼は後に警察本部長になり1972年まで生存している。

上記のように、母国の歴史的な事件を、いかに解りやすく描くかを、ニール・ジョーダンが苦心した結果の演出は物議を呼んだが、歴史の流れを掴む上では、内容自体は非常に明快で、ヴェネチア映画祭では、ヴォルピ杯(男優賞)を受賞したリーアム・ニーソンと共に金獅子賞を受賞した。

第69回アカデミー賞では、撮影のクリス・メンゲスと作曲賞(ドラマ)でエリオット・ゴールデンサールがノミネートされた。

一国を動かそうとする指導者が、30歳前後というのは信じ難い事実だが、その若き闘士のマイケル・コリンズを、リーアム・ニーソンは長身を生かし、圧倒的存在感で熱演している。

同志で恋敵ともなるハリー・ボランドを演ずるエイダン・クインエイモン・デ・ヴァレラ役のアラン・リックマンキティ・キールナンジュリア・ロバーツネッド・ブロイ役のスティーヴン・レイ、主人公の右腕でイアン・ハート、暗殺者でジョナサン・リース=マイヤーズなどが共演している。


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