現代社会における高校生やその家族のつながりと関係を描く、製作、監督、脚本ジェイソン・ライトマン、出演ローズマリー・デウィット、ジェニファー・ガーナー、ジュディ・グリア、ディーン・ノリス、アダム・サンドラー、アンセル・エルゴート、ケイトリン・ディーヴァー他共演のコメディ・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェイソン・ライトマン
製作
ジェイソン・ライトマン
ヘレン・エスタブルック
製作総指揮
マイケル・ビューグ
メイソン・ノヴィック
原作:チャド・カルテン”Men, Women & Children”
脚本
ジェイソン・ライトマン
エリン・クレシダ・ウィルソン
撮影:エリック・スティールバーグ
編集:デイナ・E・グローバーマン
音楽:ビビオ
ナレーター:エマ・トンプソン
出演
ヘレン・トルビー:ローズマリー・デウィット
パトリシア・ベルトマイヤー:ジェニファー・ガーナー
ドナ・クリント:ジュディ・グリア
ケント・ムーニー:ディーン・ノリス
ドン・トルビー:アダム・サンドラー
ティム・ムーニー:アンセル・エルゴート
ダニー・ヴァンス:ティモシー・シャラメ
ハナ・クリント:オリヴィア・クロチッチア
ブランディ・ベルトマイヤー:ケイトリン・ディーヴァー
ジム・ヴァンス:デヴィッド・デンマン
シークレットラヴァー:デニス・ヘイスバート
ドス:J・K・シモンズ
レイ・ベルトマイヤー:ジェイソン・ダグラス
アンジェリーク:シェーン・リンチ
シュリンク:フィル・ラマール
アリソン・ドス:エレナ・カンポーリス
クリス・トラビー:トラヴィス・トープ
ドス:ティナ・パーカー
ブランドン・レンダー:ウィル・ペルツ
コーチ:リチャード・ディラード
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
2014年製作 119分
公開
北米:2014年10月1日
日本:未公開
製作費 $16,000,000
北米興行収入 $705,910
世界 $2,240,540
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
2012年6月。
”NASA”の無人宇宙探査機”ボイジャー1号”が太陽系の境界付近に到達した。
テキサス。
ポルノサイトを閲覧するのが趣味だったドン・トルビー(アダム・サンドラー)は、自分のパソコンがウィルスに侵されたために、息子クリス(トラヴィス・トープ)のパソコンを使おうとする。
ドンは、クリスもポルノサイトを見ていることを知る。
高校の強豪フットボール部の有力選手ティム・ムーニー(アンセル・エルゴート)は、チームをやめることを考えるものの、コーチ(リチャード・ディラード)に引き留められる。
過保護な母パトリシア・ベルトマイヤー(ジェニファー・ガーナー)に、有害なSNSなどを常に監視されているブランディ(ケイトリン・ディーヴァー)は、自分を守りたいと言う母に従うしかなかった。 高校生のハナ・クリント(オリヴィア・クロチッチア)は、母ドナ(ジュディ・グリア)の協力を得て、いつか有名になりたいと思い、自分の写真などを掲載するウェブサイトを公開していた。 ドンと妻ヘレン(ローズマリー・デウィット)は、冷めた関係だった。 ダイエットに執着する高校生のアリソン・ドス(エレナ・カンポーリス)は、父(J・K・シモンズ)が部屋に運んでくれたパイを前にして苦しむ。 ゲームばかりするティムが理解できない父親のケント(ディーン・ノリス)は、自分もフットボールで活躍したことを考えながら息子を見守る。 2013年9月27日。 ハナとメールをして卑猥なことを想像したクリスは、ポルノサイトを見る。 ドナとモールで買い物中のハナは、タレント発掘イベントが行われていたため、それに参加する。 フットボールをやめたティムは、モールのフードコートに一人でいたブランディのテーブルに座る。 ブランディからフットボールをやめたことを訊かれたティムは、宇宙的な観点からすると、続ける意味がないことに気づいただけだと答える。 フットボールの試合が行われ、ドンやジム・バンス(デヴィッド・デンマン)からティムの復帰の可能性を訊かれえたケントは、興味を失ったようなので分からないと答える。 ティムは、”Facebook”でブランディにメッセージを送る。 それをチェックしたパロリシアは、メッセージを削除してしまう。 試合に出たクリスは、ハナに声をかけられる。 翌日、クリスは学校で、”911”について知る人から話を聞き、二人一組で発表することになり、ハナと組もうとする。 ランチの時間、カップケーキを食べるアリソンは、恋していたブランドン・レンダー(ウィル・ペルツ)のことを考える。 ドンは、ポルノサイトからエスコートサービスをチェックし、ヘレンは職場で出会い系サイト”アシュレイ・マディソン”に登録する。 ネット上の危険性を親達に語るパトリシアは、自宅にドナ達を集めて話をする。 ドンとヘレンに”911”のことを尋ねたクリスとハナは、パソコンでそれをまとめる。 帰ろうとするハナは、クリスに刺激になると言って自分のサイトを”Google Chrome”にブックマークする。 会合に参加したケントから、息子のティムがゲーム”ギルドウォーズ”にハマっていると言われたパトリシアは、特に危険だと指摘する。 帰り際にドナと話し意気投合したケントは、彼女をデートに誘う。 ゲームをするティムは、父と離婚してカリフォルニアに住む母リディアの”Facebook”を見て、婚約をしたことを知り動揺する。 帰宅したケントに話しかけられたティムは、父が部屋から出て行った後で”Facebook”を開き、母にブロックされたことに気づく。 クリスの宿題で”911”当時のことを思い出したドンは、ヘレンに愛を伝える。 ティムは、フットボールをやめたことで、度々、嫌がらせのメッセージを受ける。 図書室でメッセージのことをブランディに話したティムは、それを知らなかった彼女から、母が勝手に消したと言われる。 母にはいつも監視されていると話すブランディは、それはネット上だけなのだが、”Tumblr”にアカウントを持っているという秘密をティムに打ち明ける。 ブランディからアカウントを教えてもらったティムは、母親が間抜けな男と駆け落ちして婚約したことを話す。 そのことを父は知らないと言うティムに、ブランディは同情する。 友人の家でブランドンと話したアリソンは、ダイエットの効果があったと言われ、二人は愛し合う。 妹に会うと言って出かけたヘレンはホテルに向かい、出会い系サイトの相手を待つ。 テレビ出演が決まったハナはドナと共に喜び、次の段階のための準備を始める。 ティムに会おうとしたブランディは、パトリシアには友人の家に行くと言って出かける。 バーでエスコートサービスの相手アンジェリーク(シェーン・リンチ)を待っていたドンは、現れた彼女に声をかける。 アカウント名”シークレットラヴァー123”(デニス・ヘイスバート)は、バーにいたヘレンに話しかける。 ドンとヘレンは緊張しながら相手と話し、それぞれ部屋に向かう。 ドナと食事をしたケントは、ハナがハリウッドでテレビ出演することになり、プロデューサーの父親に会うかもしれないということを知る。 妻リディアの話になったケントは、彼女を諦める気になったのは、君に出会ったからだとドナに伝える。 それをドナが好意的に受けとめてくれたので安心したケントは、愛し合ってもいいと言われる。 仕事のことを話すドンは、アンジェリークに服を脱がされる。 ヘレンも、巨漢のシークレットラヴァーと愛し合う。 パトリシアは、夫のレイ(ジェイソン・ダグラス)から、ブランディの監視を止めて今夜は解放してあげるようにと言われる。 惹かれ合うティムとブランディは、多くを語らず二人だけの時間を過ごす。 ドンとヘレンは、性的に満たされたことには満足する。 食事を終えてドナを送ったケントは、彼女にキスして別れる。 友人の家に寄ったブランディは、母パトリシアから電話がなかったと言われて不思議に思い、携帯電話が故障していないか確認する。 普段ではありえないことなので、ブランディはパトリシアのことを心配する。 ベッドの中でブランディが帰宅したことに気づいたパトリシアは、安堵する。 翌日、フットボールのことで自分を侮辱したダニー(ティモシー・シャラメ)を殴り騒ぎを起こしたティムは、カウンセラーのシュリンク(フィル・ラマール)と話をする。 シュリンクから友人がいるかと訊かれたティムは、退部する前は大勢いた友達をほとんど失ったと答える。 女友達は一人いると話すティムは、いい感じであることをシュリンクに伝える。 ティムは、60億キロ離れた”ボイジャー1号”から撮影された地球の写真”ペイル・ブルー・ドット”が、人間の存在意義を問いかけているという考えを話す。 自分にとってそれが重要なことかと訊かれたティムは、自分が明日この世から消え去ったとしても、宇宙はそれに気づかないと答える。 シュリンクに薬を処方してもらったティムは、迎えに来てくれたケントと家に向かう。 日焼けマシンで、腹部にハートのマークの中にブランドンのイニシャルを付けたアリソンは、それを彼に見せようとするものの、写真で送れと言われる。 アリソンは、それを携帯電話で撮ってブランドンに送る。 パトリシアにGPSで追跡されているブランディは、位置変更してティムに会いに行く。 その後もアンジェリークとシークレットラヴァーと密会したドンとヘレンは、それにより夫婦の絆が深まる。 授業中に気分が悪くなったアリソンはトイレで気を失ってしまい、救急車で病院に運ばれる。 両親に見守られながら、医師から診察の結果を知らされたアリソンは、子宮外妊娠して自然流産したと言われる。 驚く両親にアリソンの健康を第一に考えるべきだと伝えた医師は、今回の場合、自然流産は幸運だったと話し、栄養不足の彼女が妊娠を継続できなかったと説明する。 アリソンは一晩、入院することになり、動揺するドスは席を外す。 ハナのアピール映像を編集するクリスは、彼女と愛し合おうとするものの、うまくできなかった。 アリソンは、あなたの子を流産したと、ブランドンにメールで知らせる。 翌日クリスは、フットボールの練習中に、ハナと寝たことでチームメイトに冷やかされる。 昨夜のことを友達に話したハナを責めたクリスは、自分達の関係が何なのかを彼女に尋ねる。 何でもないと言うハナは、深刻な性的問題を抱える変な人としか思えず、付き合う気はないとティムに伝える。 ”アシュレイ・マディソン”のサイトをチェックしていたドンは、ヘレンがそれに登録していることを知り動揺する。 再び妹の家に行くと言うヘレンを、ドンは牽制する。 登校したアリソンは、ブランドンとのメールのやり取りで夜の試合後に会うことになる。 ハナのテレビ出演がなくなったことを知ったドナは、彼女のサイトの写真の中に、局の基準では不健全と判断するものがあり、販売目的で写真撮影を行っていたことも問題があると指摘される。 その夜、フットボール場で、ハナのサイトのことなどをケントに話したドナは、正直に話してくれたが少し距離を置く方がいいと言われる。 試合後にアリソンは、夜中に自分の家に来てほしいいうメールをブランドンから受ける。 テレビ出演がなくなったことをハナに話したドナは、サイトのせいなので閉鎖したことを伝える。 納得できないハナはドナを侮辱したために頬を叩たかれ、データは削除したと言われたためにその場を去る。 ブランディが”Tumblr”にアカウントを持っていることに気づいたパトリシアは、ティムと連絡し合い会っていることを知る。 バーで男性と話していたヘレンは、その場にドンが現れたために驚く。 パトリシアに”Tumblr”のパスワードを変えられて、有害だと言われたブランディは、携帯電話を没収される。 ティムが母親とネットで連絡し合っていることを知ったケントは、自分達を捨てた女だと伝える。 来年はフットボール部に戻れと言われたティムはそれを拒み、今は”ギルドウォーズ”をやりたいだけだとケントに伝える。 解約して再インストールもできないようにクレジットカードを使えなくしたと伝えたケントは、お前のためだと言って部屋を出る。 ブランディの携帯電話に送られてきたティムからのメールに答えたパトリシアは、興味がなくなったことを彼に伝える。 パトリシアは、ブランディが部屋にいないことに気づき、彼女を捜しに行く。 シュリンクから処方された薬を一度に殆ど飲んだティムは、意識を失う。 ティムの家に着いたブランディは、彼が倒れていることに気づき、ケントは救急車を呼ぶ。 病院で治療を受けるティムを、ブランディはケントと共に見守る。 ブランドンの家に着いたアリソンは、彼の部屋の窓に石を投げつけてその場を去る。 意識が戻ったティムは謝罪するケントを許し、寄り添うブランディに励まされる。 翌朝、帰宅したヘレンは、朝食を作るドンに今回のことを説明しようとするものの、彼から、自分はもっと悪いことをしたと言われる。 全て話し合ってもいいが、それよりも朝食にしようと言われたヘレンは、何も答えなかった。 病院に向かったパトリシアは、ティムに付き添うブランディの姿を見て、自分のしてきたことを後悔して涙する。 ケントはドナに会って話し合い、パトリシアは、ブランディの監視を止める。 人々は、”ボイジャー”が撮影した宇宙の一点”ペイル・ブルー・ドット/地球”で生き続けるために、それを大切にするしかない。
...全てを見る(結末あり)
”ボイジャー1号”は太陽系を出て未知の領域に入る。
■ 解説 評価 感想 ■
*(簡略ストー リー)
2012年、テキサス。
”NASA”の無人宇宙探査機”ボイジャー1号”が太陽系の境界付近に到達した頃。
平凡な日々を送るドン・トルビーと妻ヘレンの夫婦関係は冷めかけていた。
子供時代からポルノサイトを見ていたドンの息子である高校生のクリスは、性的趣向が正常ではなくななる。
クリスと親交を深めるハナは有名人になることを夢見て、それに協力する母ドナと共にウェブサイトを公開する。
宇宙の中ではあまりにも小さな存在である地球について考え、空虚さを感じる日々を送る高校生のティムは、フットボール部を止めてしまう。
過保護な母親パトリシアに全てを監視されるマンディは、そんなティムと親交を深めるのだが・・・。
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2011年に発表された、チャド・カルテンの小説”Men, Women & Children”を基に製作された作品。
数々の話題作を手掛けるジェイソン・ライトマンが製作、監督、脚本を兼ねる注目作であり、過去の彼の作品の出演者や期待の若手スターなどが共演した作品。
現代社会が抱えるネットの問題や、夫婦や家族の関係などを深く描く内容は、観る者に訴えるものがある。
太陽系惑星探査機”ボイジャー1号”の旅と共に物語は進行し、約60億キロ離れた時点で撮影した写真”ペイル・ブルー・ドット”が効果的に使われ、無限の宇宙の中で、ただの一点でしかない地球で生きるしかないことに考えが達する人々の思いが、しみじみと描かれている。
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ボイジャー1号の旅と人々の生きる道を語るナレーターは、エマ・トンプソンが担当している。
ジェイソン・ライトマン作品ではあるが限定で公開され、その後も大規模な拡大公開にはならず、興行的には成功しなかった。
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製作費 $16,000,000
北米興行収入 $705,910
世界 $2,240,540
夫(アダム・サンドラー)との関係も冷めかけ、互いに浮気をするローズマリー・デウィット、その息子で性的趣向が正常ではないトラヴィス・トープ、ネットに危険性を感じながら娘(ケイトリン・ディーヴァー)の全てを監視するジェニファー・ガーナー、その夫ジェイソン・ダグラス、娘(オリヴィア・クロチッチア)をスターにすることが夢であるジュディ・グリア、彼女と付き合う離婚したばかりの男性ディーン・ノリス、その息子で、宇宙の中では小さな存在である地球のことを考えながら空虚な日々を送るアンセル・エルゴート、彼のフットボール部のチームメイト、ティモシー・シャラメ、その父親デヴィッド・デンマン、出会い系サイト”アシュレイ・マディソン”でヘレンと知り合う男性デニス・ヘイスバート、高校生のウィル・ペルツ、彼に好かれるためにダイエットに執着する娘(エレナ・カンポーリス)を気遣う父親J・K・シモンズ、カウンセラーのフィル・ラマールなどが共演している。