アメリカ海軍史上初めてアフリカ系アメリカ人として”マスター・ダイバー”となった実在の軍人カール・ブラシアの苦悩や闘いを描く、監督ジョージ・ティルマンJr.、主演ロバート・デ・ニーロ、キューバ・グッディングJr.、シャーリーズ・セロン他共演のヒューマン・ドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョージ・ティルマンJr.
製作
ビル・バダラート
ロバート・テイテル
製作総指揮
ビル・コスビー
スタン・ロバートソン
脚本:スコット・マーシャル・スミス
撮影:アンソニー・B・リッチモンド
編集:ジョン・N・カーター
音楽:マーク・アイシャム
出演
ロバート・デ・ニーロ:レスリー・ウィリアム”ビリー”サンデー最上級曹長
キューバ・グッディングJr.:カール・ブラシア
シャーリーズ・セロン:グウェン・サンデー
アーンジャニュー・エリス:ジョー・ブラシア
ハル・ホルブルック:”Mr.パピー”大佐
マイケル・ラパポート:スノーヒル
パワーズ・ブース:プルマン艦長
デヴィッド・キース:ハーティガン艦長
ジョシュア・レナード:ティモシー・ダグラス・アイザート
デヴィッド・コンラッド:ハンクス大佐
グリン・ターマン:フロイド曹長
ホルト・マッキャラニー:ディラン・ローク
アリミ・バラード:コーク
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2000年製作 128分
公開
北米:2000年11月10日
日本:2001年5月26日
製作費 $32,000,000
北米興行収入 $48,814,909
世界 $82,343,495
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1966年。
墜落した米軍機が海上に核弾頭を投棄し、それを回収するダイバーの中に、カール・ブラシア(キューバ・グッディングJr.)という黒人兵士の姿があった。
__________
1943年、ケンタッキー州、ソノーラ。
小作農の貧しい家庭で育ったブラシアは、海軍に入る夢を抱きながら、父を支えながら逞しく成長する。
そして、海軍で生き抜くことを父に誓わされ、ブラシアは入隊して家族の元を去っていく。
南太平洋、救難サルベージ船ホイスト。
ブラシアは、海軍での黒人の役割は、コックか雑用係という定説にうんざりしていた。
水浴の規則を破り営倉に入れられたブラシアは、その泳ぎと度胸をプルマン艦長(パワーズ・ブース)に見込まれる。
ある日、郵便ヘリの事故で、強引な救助活動をする最上級曹長ビリー・サンデー(ロバート・デ・ニーロ)の行動を見ていたブラシアは、潜水夫に憧れを抱く。 しかし、サンデーは肺を損傷し、潜れない体になってしまい教官職を言い渡される。 ブラシアは、プルマン艦長に”マスター・ダイバー”になる夢を語る。 黒人としては前例のないことではあったが、ブラシアの熱意に負けた艦長は、彼を養成所に推薦する。 2年後、ニュージャージー州、海軍ダイバー養成所。 同僚のスノーヒル(マイケル・ラパポート)に兵舎に案内されたブラシアだったが、彼以外の兵士は黒人との同居を嫌い、兵舎を出てしまう。 厳しい訓練は続き、ブラシアは、落第点寸前の学業を、図書館で働きながら医学部に通う女性ジョー(アーンジャニュー・エリス)の助けで乗り切り、やがて二人は愛し合うようになる。 潜水作業中に事故が起き、同僚を救ったブラシアだったが、勲章が、その場から逃げたディラン・ローク(ホルト・マッキャラニー)に与えられてしまう。 父親の死の知らせにショックを受けていたブラシアは、サンデーの妻グウェン(シャーリーズ・セロン)に連れられて酒場に入る。 それに因縁をつけるサンデーは、ブラシアと息を止める勝負をして負けてしまう。 そんな意地の張り合いばかり続けるブラシアに愛想を尽かしたジョーだったが、ブラシアは彼女にプロポーズする。 サンデーは、養成所所長で、提督になるはずが、精神を病み、その道が絶たれた”Mr.パピー”(ハル・ホルブルック)から、自分がいる間は、黒人の卒業生は出さないよう命令を受ける。 上層部が黒人を合格させないと、ブラシアに脅迫まがいの警告をするサンデーだったが、ブラシアは、最終試験に現れ妨害を受けながらも作業を完了する。 サンデーは、ブラシアを犬死させようとする、Mr.パピーの命令に背き彼を助けようとしたため、降格追放となってしまう。 1956年。 1966年。 危機を逃れたブラシアは、潜水艦が泥を跳ね上げてくれたおかげで、核弾頭を発見することが出来る。 しかし、核弾頭の引き上げ作業中の事故により、ブラシアは左足に重傷を負ってしまう。 その頃、サンデーはアルコール依存症となり療養所に入り、妻グウェンも辛い日々を送る。 負傷した足を切断することになったブラシアだったが、”マスター・ダイバー”になる夢は捨て切れず、苦しいリハビリに励む毎日を続ける。 そんなある日、軍に復帰し二流養成所の教官に成り下がっていたサンデーがブラシアの前に現れ、彼のダイバー復帰に手を貸そうとする。 サンデーは、海軍上層部のコネとブラシアの国民的人気を利用して、公聴会を開かせることに成功する。 大佐に昇進したハンクスが、委員長となった公聴会に挑んだブラシアは、入室を禁じられながらも強引に押し入ってきたサンデーに見守られながら質問を受ける。 そして、130キロの最新の潜水服を装着し12歩歩くテストを受け、ブラシアは、サンデーに励まされながらそれを成し遂げる。 そして、ブラシアは海軍の誇りを胸に、軍務復帰を認められる。 1968年、カール・ブラシアは、脚を切断後に復帰した始めての海軍兵になった。 2年後、アフリカ系アメリカ人初の”マスター・ダイバー”となり、退役まで9年間任務に就いた。
...全てを見る(結末あり)
丸一日、検問所で待たされたブラシアは、そこの教官に赴任していたサンデーの命令で入所が許可される。
ホイスト乗船時代の上官ハンクス少佐(デヴィッド・コンラッド)を殴り倒したサンデーは、兵曹長に格下げされてしまう。
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スペイン沖のホイスト艦長ハーティガン(デヴィッド・キース)は、海底のブラシアに、核弾頭を狙うソ連潜水艦が近づいていることを知らせる。
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*(簡略ストー リー)
小作農の貧しい家庭で育った青年カール・ブラシアは、海軍に入る夢を果たすものの、黒人の役割はコックか雑用という決まりがあり、満足できない日々を過ごしていた。
泳ぎと度胸を、プルマン艦長に見込まれたブラシアは、ある日、事故で救助活動をする、最上級曹長ビリー・サンデーの行動を見て、潜水夫に憧れを抱く。
その後、肺を損傷し、潜れない体になったサンデーは、教官職を言い渡される。
ブラシアは、”マスター・ダイバー”になる夢を抱き、プルマン艦長の推薦で養成所に入ることが出来る。
教官となっていたサンデーの下、厳しい訓練と差別に遭いながら、ブラシアはそれに耐え、ついに潜水士になるのだが・・・。
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厳しい訓練や人種差別、保守的な軍部の圧力に耐えながら、海軍に人生を捧げた逞しい男の姿は胸を打つ。
優秀だが、破天荒な行動が災いする教官と主人公の対立、一人の人間として、主人公を尊敬し支援する教官との終盤の男の友情も美しく描かれている。
やや大味に思えるジョージ・ティルマンJr.の演出だが、相変わらず気合の入った力強い演技を見せるロバート・デ・ニーロと、その彼に臆することないキューバ・グッディングJr.の、実力派同士のぶつかり合いが作品を引き締め、かなり見応えあるものになっている。
前年の「サイダーハウス・ルール」(1999)の好演で期待したシャーリーズ・セロンは、夫と年のつり合わない、美しいだけの意味不明な女性役で、影が薄かったのが残念。
主人公の妻役のアーンジャニュー・エリス、謎の養成所司令官ハル・ホルブルック、養成所で唯一人主人公を支えるマイケル・ラパポート、主人公の夢を切り開くきっかけを作るサルベージ船ホイスト艦長のパワーズ・ブース、後の艦長デヴィッド・キース、主人公の軍務復帰を阻止しようとするデヴィッド・コンラッドなどが共演している。