透明人間になった男性がCIAに追われながら巻き起こす騒動と恋の行方を描く、監督ジョン・カーペンター、主演チェビー・チェイス、ダリル・ハンナ、サム・ニール、マイケル・マッキーン、スティーヴン・トボロウスキー他共演のSFコメディ。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・カーペンター
製作
ブルース・ボドナー
ダン・コルスルッド
製作総指揮:アーノン・ミルチャン
原作:H・F・セイント”Memoirs of an Invisible Man”
脚本
ロバート・コレクター
ダナ・オルセン
ウィリアム・ゴールドマン
撮影:ウィリアム・A・フレイカー
編集:マリオン・ロスマン
音楽:シャーリー・ウォーカー
出演
ニック・ハロウェイ:チェビー・チェイス
アリス・モンロー:ダリル・ハンナ
デヴィッド・ジェンキンス:サム・ニール
ジョージ・タルボット:マイケル・マッキーン
ウォーレン・シングルトン:スティーヴン・トボロウスキー
バーナード・ワックス博士:ジム・ノートン
モリッシー:パット・スキッパー
ゴメス:ポール・ペリ
タイラー:リチャード・エプカー
クレラン:スティーヴン・バー
エレン・タルボット:パトリシア・ヒートン
リチャード:グレゴリー・ポール・マーティン
キャシー・ディトーラ:ロザリンド・チャオ
委員会議長:サム・アンダーソン
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1992年製作 99分
公開
北米:1992年2月28日
日本:1992年7月4日
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $14,358,030
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
サンフランシスコ。
透明人間になってしまったニック・ハロウェイ(チェビー・チェイス)は、その件について語る。
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証券アナリストのニックは、秘書のキャシー・ディトーラ(ロザリンド・チャオ)に仕事を任せ、社交の場であるアカデミー・クラブに向かう。
一人でバーで飲んでいたニックは、友人のジョージ・タルボット(マイケル・マッキーン)から声をかけられて誘われるものの、気が進まない。
ところが、テーブルにいた美しいアリス・モンロー(ダリル・ハンナ)に惹かれたニックは仲間に加わり、紹介された彼女がテレビ・ドキュメンタリーのプロデューサーだということを知る。 意気投合した二人は化粧室で愛し合い、ランチの約束をして別れる。 翌日、二日酔いで灰的企業のマグナスコーピクスに向かったニックは、バーナード・ワックス博士(ジム・ノートン)のプレゼンテーションの最中にトイレに行こうとする。 ニックからトイレの場所を訊かれたエンジニアは計器の上にコーヒーをこぼしてしまい、その場の装置が故障して緊急事態となる。 横になって眠ってしまったニックは、全員が避難した建物に取り残される。 CIAのデヴィッド・ジェンキンス(サム・ニール)は、上司のウォーレン・シングルトン(スティーヴン・トボロウスキー)から、マグナスコーピクスに向かうよう指示され、”消えた”ものがあると言われる。 目覚めたニックは、建物の破片がそこら中に見えたために驚く。 部分的に消えている建物の捜査は始まり、ジェンキンスも現場に到着して状況を把握する。 自分の姿も消えて透明人間になったことに気づいたニックは驚き、ジェンキンスらも彼を確認する。 助けを求めるニックは、見えない壁に激突して意識を失い救出される。 搬送されるニックは、こうなった理由をジェンキンスらに尋ね、精密検査を受けてもらうと言われる。 捕らえられそうになったニックだったが、その時、ビルに変化が起きて全体が消えてしまい、周囲の者達は避難する。 今のままでは死ぬ可能性があると言うジェンキンスは、助かりたければ自分を信じるようにとニックに伝える。 その場から逃れたニックは、酔った男性を殴って気絶させてタクシーを止める。 サンフランシスコに戻ったニックはアパートに向かい、部屋で落ち着こうとする。 ジェンキンスから事情を説明されたシングルトンは、本部に報告しようとするものの、ニックの件は伏せて置くべきだと言われる。 自分達だけでニックを捕えれば、貴重な工作員になるとジェンキンスは考える。 会社のキャシーに電話をしたニックは、心配していた彼女に仕事の調整を指示する。 翌朝、アリスからの電話を受けたニックは、金曜のランチの確認をする彼女がメッセージを残した後に、ジェンキンスからの電話があったために驚く。 弁護士に電話をしたニックは、秘書から政府とのトラブルがあったことを訊かれる。 特殊部隊がアパートを包囲しようとしていることに気づいたニックは、ジェンキンスが何者かを考える。 部屋から逃れようとしたニックは、押し入ろうとする隊員に気づかれないまま外に出ようとするものの、ジェンキンスがいることを知る。 一階の老女に部屋の裏口に向かい逃げたニックは、ジェンキンスから話しかけられるものの相手にしない。 夜になり、歩き続けたニックは、子供の頃には夢見ていた透明人間が不便なものであることを実感し、アカデミー・クラブに隠れることにする。 翌日、ワックス博士に相談するしかないと考えたニックは、公園で彼に話しかけて、自分が透明であることを伝える。 ワックスは、捜査官に監視されていた。 驚くワックスは、ニックから元に戻る方法を訊かれるものの、研究は透明人間とは無関係で、偶然に起きた現象だと答える。 ショックを受けたニックは、直ぐに戻すようにとワックスに言い寄り、捜査官は麻酔弾を発射する。 それがワックスに当たってしまい、その場から逃げたニックは、服を脱ぎながら走り去る。 ニックとランチの約束をしていたアリスは、彼が現れないために会社に電話をするものの、キャシーから病気で休んでいると言われる。 ワックスを尋問したジェンキンスは、ニックのことを聞き出そうとするものの情報を得られない。 ニックのことを詳細に調べたジェンキンスは、平凡な人間だが、透明人間なので工作員には適任だと考える。 アカデミー・クラブで眠ってしまったニックは、全てが叶う夢を見る。 その後、CIAの支部に侵入したニックは、ジェンキンスのオフィスで夜まで待つ。 ニックに気づいたジェンキンスは、彼を牽制しながら、国家に仕える気はないか尋ねる。 1939年に存在していれば第二次大戦を防ぎ歴史を変えられたかもしれないと話すジェンキンスに、ニックは、身体を失っても魂は売らないと伝える。 ジェンキンスに襲い掛かったニックは、彼に銃を向けて建物から出て逃げ去る。 街を出たニックは、海辺にあるジョージの別荘に向かい、過去の自分を捨てて楽しもうとする。 その後、ジョージと妻のエレン(パトリシア・ヒートン)、アリスと友人のリチャード(グレゴリー・ポール・マーティン)が別荘に到着し、誰かが暮らしていた雰囲気を感じる。 食糧も十分にあることを確認したジョージは、酒の趣味でニックが犯人だと分かる。 ジョージとリチャードが自分のことをバカにする話を聞いていたニックは、彼らとの友情は終わりだと思う。 眠ろうとするアリスがリチャードを部屋に入れなかったために安心したニックだったが、リチャードが酒を持って現れ、妻に捨てられたことを話し始める。 慰めるアリスにリチャードが抱きついたために、ニックは彼を投げ飛ばす。 驚いたリチャードは、アリスに謝罪してその場を去る。 翌日、アリスに電話をしたニックは、付近の家にいることを伝えて彼女を呼び寄せる。 顔に包帯を巻いたニックが怪我をしたのかと思ったアリスは、それを外した彼が透明だったために驚き、気絶してしまう。 2時間も帰ってこないアリスを心配するジョージだったが、リチャードは、彼女が怪力の持ち主だと話す。 シングルトンから、早期の事件解決を迫られたジェンキンスは、自分のやり方に口を出す彼に脅しをかける。 現状を理解してくれたアリスの部屋で、今後の対策を考えるニックは、彼女に株で大儲けできる方法を教えて、山分けしてどこかに逃げることを伝える。 昨夜もこの部屋にいたことなどを誰かと話すアリスの会話を、ジョージはドア越しに聴いていた。 翌日、アリスを残して去るジョージは、彼女にセラピストを紹介すると伝える。 街に戻ったジョージは、ニックが別荘に入り込んだという情報を記者に伝え、盗聴していたCIAが動き出す。 ニックの顔にファンデーションを塗りカツラをつけて外出したアリスは、二人でレストランに向かう。 別荘に戻り、人ができないことを何でもやれるニックだったが、普通の生活ができないことで悩む。 株で儲けて隠れて暮らすことが最善策かアリスから訊かれたニックは、彼女から自分を信じてほしいと言われる。 そこにヘリコプターが現れ、ジェンキンスらを確認したニックは、車でサリナス駅に向かう。 サンディエゴ行きの切符を買ったアリスは、そこからメキシコに行けることをニックに伝え、一人で逃げるようにと言われる。 その時、雨が降り出し、濡れたニックを確認できたアリスは、彼とキスしてモーテルに向かい、そして二人は愛し合う。 翌日、アリスと列車の個室に乗ったニックは、メキシコ行きをやめて彼女が望む場所に向かおうとする。 その頃ジェンキンスは、駅員からアリスが列車に乗ったと聞き、次の停車駅に向かう。 ジェンキンスに捕らえられたアリスは、叫び声を上げて個室のニックに知らせる。 麻酔銃を撃たれたニックはその場から逃れ、食堂車を通り車両から落下する。 橋の上から川に落ちたニックは流され、透明人間は死んだと思われた。 同じ頃、ワックス博士は心不全で死亡たことが新聞で報じられる。 アリスを解放するようにという、ニックからのビデオが送られてきたジェンキンスは、彼女に協力を求める。 ニックからの電話を受けたジェンキンスは、アリスに何かあればビデオをマスコミに流すと言われる。 アリスをタクシーに乗せるよう指示されたジェンキンスは、外の公衆電話からかけているというニックを確認する。 現れたシングルトンから、ワックスを殺したと言われて責められたジェンキンスは、アリスを解放するようにという彼の指示に従おうとしない。 通りに出たジェンキンスは、アリスをタクシーに乗せて、部下にニックを捕えさせる。 捕らえた男を殴り、声がニックではないことに気づいたジェンキンスは、それがジョージだったことを知る。 タクシードライバーがニックだったと気づいたアリスは、ジョージに協力してもらったことを知る。 進路を妨害されたニックは、タクシーを止めてその場から逃れ、アリスが捜査官を叩きのめす。 制止するシングルトンを無視してニックを追うジェンキンスは、メイクしていた顔だけが見える彼を見つける。 給水車でメイクを落としたニックは、濡れた服のせいで自分の居場所が分かったジェンキンスに、工事現場のエレベーターで追い詰められる。 屋上に着いたニックは、上着を脱いで飛び降りようとしているように見せかける。 ニックを説得したジェンキンスだったが、上着に近づきその場から落下してしまう。 地上から屋上を見守っていたアリスは、落ちてきたニックの上着を拾いショックを受け、シングルトンの慰められる。 シングルトンは、全て隠蔽するようにと部下に指示を出す。 悲しむアリスだったが、現れたニックから声をかけられてその場を去る。 その後、スイスで暮らすニックとアリスは幸せに暮らし、子供の誕生を楽しみに待つ。
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■ 解説 評価 感想 ■
*(簡略ストー リー)
サンフランシスコ。
証券アナリストのニック・ハロウェイは、ワックス教授のプレゼンテーションを聞くために、ハイテク企業マグナスコーピクスの研究所に向かう。
二日酔いだったニックはトイレで眠ってしまい、事故が起きたことに気づかない。
目覚めたニックは、自分の姿が消えて透明人間になってしまったことに気づく。
マグナスコーピクスの特殊な事故を上司のシングルトンから知らされたCIAのジェンキンスは、現場に向かうよう指示される。
現場に着いたジェンキンスは、ニックを捕えてスパイとして利用しようと考える。
その場から逃れたニックは、子供の頃は夢見ていた透明人間が不便なことに悩みながら、知り合ったアリスの協力を得て今後の対策を考えるのだが・・・。
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1987年に発表された、H・F・セイントの小説”Memoirs of an Invisible Man”を基に製作された作品。
映画としてはお馴染みの”透明人間”を題材にした、ジョン・カーペンター演出によるSFコメディで、人気スターのチェビー・チェイス、ダリル・ハンナ、サム・ニールらが共演した話題作。
透明人間になった主人公が戸惑う様子がコミカルに描かれ、それをスパイとして利用しようとするCIAの謀略を絡めたサスペンス・タッチの内容も面白い。
主人公のチェビー・チェイスがナレーションを務める展開は”フィルム・ノワール”風でもあり、ジョン・カーペンターのこだわりが窺える興味深い作品。
特殊効果もなかなか凝っていて、ビジュアル的にも楽しめる。
主演のチェビー・チェイスは、透明人間になったことで戸惑い苦悩しながら、美女の協力を得て恋も芽生える男性を、彼らしい演技で熱演している。
主人公に協力して愛し合うようになる美女ダリル・ハンナ、主人公をスパイとして利用しようとするCIAのサム・ニール、その上司スティーヴン・トボロウスキー、主人公の友人マイケル・マッキーン、その妻パトリシア・ヒートン、研究所の博士ジム・ノートン、CIAのパット・スキッパー、ポール・ペリ、リチャード・エプカー、スティーヴン・バー、主人公の友人グレゴリー・ポール・マーティン、主人公の秘書ロザリンド・チャオ、委員会議長のサム・アンダーソンなどが共演している。