1974年に公開された、監督ロバート・アルドリッチ、主演バート・レイノルズによるアメリカ映画「ロンゲスト・ヤード」を基に製作された作品。 受刑者となり囚人サッカー・チームを率いて看守チームと戦うことになった八百長でサッカー界から追放されたスター選手の奮闘を描く、製作マシュー・ヴォーン、製作総指揮ガイ・リッチー、主演ヴィニー・ジョーンズ、ラルフ・ブラウン、デヴィッド・ヘミングス、ジェイソン・ステイサム他共演、監督バリー・スコルニックによるスポーツ・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:バリー・スコルニック
製作:マシュー・ヴォーン
製作総指揮
ガイ・リッチー
アルバート・S・ラディ
原案:アルバート・S・ラディ”ロンゲスト・ヤード”
脚本
トレイシー・キーナン・ウィン
チャーリー・フレッチャー
クリス・ベイカー
アンドリュー・デイ
撮影:アレックス・バーバー
編集
デイン・ウィリアムズ
エディ・ハミルトン
音楽
ジョン・マーフィ
マリリン・マンソン
出演
ダニー・ミーン:ヴィニー・ジョーンズ
バートン:ラルフ・ブラウン
刑務所長:デヴィッド・ヘミングス
ドク:デイビッド・ケリー
チャーリー・サイクス:ジョン・フォージハム
マッシヴ:ヴァス・ブラックウッド
チッヴ:ジェイミー・サイヴス
ニトロ:スティーヴン・マーティン・ウォルターズ
トロージャン:ロビー・ギー
ビリー:ダニー・ダイア
モンク:ジェイソン・ステイサム
ボブ・ライクリー:ジェイソン・フレミング
ラチェット:ジェフ・ベル
トレイシー:サリー・フィリップス
ラジ:オミッド・ジャリリ
イギリス/アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
2001年製作 99分
公開
イギリス:2001年12月26日
北米:2002年2月22日
日本:2002年10月5日
製作費 £2,500,000
北米興行収入 $92,190
世界 $7,310,210
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
元サッカー・イングランドの代表のキャプテン、ダニー“ミーン・マシーン”ミーン(ヴィニー・ジョーンズ)は、ドイツ戦での八百長をしたためにサッカー界から追放されていた。
飲酒運転でパトカーに追われたダニーは、パブに寄ってを酒を飲み、現れた警官に暴行する。
3年の実刑を受けることになったダニーは刑務所に向かい、有名人であるため、囚人達の注目を集めて”歓迎”される。
看守長バートン(ラルフ・ブラウン)の部屋に連れて行かれたダニーは、刑務所長(デヴィッド・ヘミングス)からサッカー・チームのコーチを依頼されても断るようにと言われる。 チームのメンバーである看守ラチェット(ジェフ・ベル)に痛めつけられたダニーは、バートンに従うようと言われて脅される。 トロージャン(ロビー・ギー)とラジ(オミッド・ジャリリ)の監房に入ることになったダニーは、最年長の囚人ドク(デイビッド・ケリー)の元に連れて行かれる。 刑務所内を仕切る囚人チャーリー・サイクス(ジョン・フォージハム)と話したダニーは、八百長試合で大金を失ったため貸しがあると言われる。 食堂に向かい、調達屋のマッシヴ(ヴァス・ブラックウッド)に声をかけられたダニーだったが、多くを語らない。 同じ監房のトロージャンとラジとも、ダニーは話を合わせる気もなかった。 翌日ダニーは、特別房に収監されている、素手で23人も殺した凶悪犯モンク(ジェイソン・ステイサム)とは関わるなとドクから忠告される。 バートンと共に所長に会ったダニーは、看守で構成されるセミプロ・チームのコーチを依頼され、長年プレーしていないと答えて断る。 一応、納得して考えることを伝えた所長だったが、コーチを兼ねるバートンに、チーム強化のためダニーにコーチをさせるよう命ずる。 食堂でダニーにトラブルを起こさせて、刑期を延長する可能性を伝えた所長は、彼を牽制する。 看守チームを鍛えるには、囚人チームを作り試合をさせることを提案するようにとマッシヴから助言されたダニーは、所長と話して許可を得る。 受刑者にチームへの参加者を募ったダニーとマッシヴだったが、メンバーを集めることができない。 そんな時ダニーは、競馬新聞をサイクスに特別に渡している所長が、彼の指示で賭けていることをドクから知らされる。 ダニーに近寄るものの相手にされない、爆発物の専門家である囚人のニトロ(スティーヴン・マーティン・ウォルターズ)は、看守のラチェットに協力しようとする。 別の刑務所に移動したいというニトロと、情報は聞くというラチェットが話している姿をダニーは目撃する。 自分と親しくするマッシヴを痛めつけたラチェットに襲い掛かったダニーは独房に入れられ、それがきっかけとなり、ダニーを信用した囚人達はチームに入る気になる。 トロージャンやラジらのプレーを見てテストしたダニーは、トレーニングを始める。 競馬で借金をした所長は、ノミ屋に脅されていた。 その後も相手にされないニトロは、ダニーらを貶める情報を渡せとラチェットから迫られて脅される。 サイクスの手下チッヴ(ジェイミー・サイヴス)にナイフで襲われたダニーは、反撃する。 その場に現れたバートンに、髭剃りで傷つけたと伝えたダニーは、チッヴのことは黙っていた。 感謝するチッヴのプレーを見たダニーは、サイクスの仲間達がチームで使えると考えていた。 仲間を貸してほしいとサイクスに伝えたダニーは、チームに賭けて儲けることを提案し、考えてはおくと言われる。 マッシヴに結果は分からないと、サイクスのことを話したダニーは、プレーしたいと言うビリー(ダニー・ダイア)をチームに入れる。 賭けのことを所長に話したサイクスは、看守チームに金を注ぎ込み手持ちの現金がないと言われるものの、何とかするようにと伝える。 罪もない女や幼い子供を殺してしまい、何をしても罪を償いきれないと言って後悔するドクの話を聞いたダニーは、彼の気持ちを察して同情する。 話に乗るとサイクスから言われたダニーは、ニトロが看守に通じていると知らされる。 協力する条件として殴り合いの勝負をすることを、サイクスはダニーに伝える。 サイクスの仲間のケッチと机で向き合い、互いの手を繫いで殴り合いを始めたダニーは、勝負に勝つ。 翌日からチームの本格的なトレーニングを始めたダニーは、ディフェンスを固めようとする。 ダニーは、サッカーの才能もあるモンクが使えるとチッヴから言われる。 モンクを特別房から出せば借金を返せると所長に伝えたサイクスは、看守チームに賭けるよう指示する。 ダニーからチームに誘われたモンクはそれを断るが、看守が相手だと聞いてやる気になる。 大きな賭けになったことをダニーに知らせたサイクスは、囚人チームに賭けたために負けられないと伝える。 ようやくチームらしくなってきたダニーは、巧妙な反則技なども教える。 囚人チームの妨害を考えるラチェットは、ニトロにそれを支持する。 看守チームのビデオと情報が手に入ると言われて、所長の秘書トレイシー(サリー・フィリップス)の元に向かったダニーは、その代償として彼女から迫られて愛し合う。 サイクスに呼ばれてミーティングをしていたダニーは、ビデオを忘れたことに気づく。 ドクがそれを取りに行くのだが、ニトロが仕掛けた爆弾が爆発する。 その間、八百長のことを訊かれたダニーは、借金を作り悪党に脅されたために仕方なくやったと皆に話す。 ラチェットの指示に従ったニトロだったが、希望の場所ではない医療刑務所に強制的に送られる。 ドクの葬儀を済ませたダニーは、試合会場に向かい、イングランド中の囚人のためにも相手を倒すことを皆と共に誓う。 看守チームを率いるバートンは、徹底的に相手を叩きのめすよう指示する。 ドクの預金を預かっていたことを伝えたサイクスは、それで作った”ミーン・マシーン”ののユニフォームを皆に渡す。 ボブ・ライクリー(ジェイソン・フレミング)の実況が始まり、両チームがピッチに登場し、ダニーとバートンがコイントスをする。 所長も見守る中、試合は始り、暫く小康状態が続く。 パスを受けたダニーがゴールを決めて、ミーン・マシーンが先制する。 モンクは怒りを抑えて何とか冷静さを保つものの、両チームは乱闘になる。 そこでハーフタイムとなり、前半は1-0でミーン・マシーンがリードして終わる。 苛立つ所長はロッカールームのバートンらを非難し、負けたら全員失業だと伝える。 ダニーを呼んだ所長は、ドクを殺した共犯だと言って20年の刑にはなると伝え、試合に負けることを強要する。 悩みながら後半に挑んだダニーはミスを連発し、負傷者に代わって入ったビリーも役に立たない。 ラジが反則でレッドカードを受けてしまい、ミーン・マシーンは10人で戦うことになる。 残り29分、ミーン・マシーンが追加点を入れて2-0となるが、油断したキーパーのモンクがボールを奪われ、看守チームが得点する。 怪我をした振りをしてダニーはベンチに戻るが、マッシヴはどこも異常がないことに気づく。 自分の好きにさせろとダニーから言われたマッシヴは、様子を見に来たサイクスに捻挫だと伝える。 その間、9人で戦うミーン・マシーンは追加点を許し、同点となってしまう。 選手交代を審判に伝えたマッシヴは、ダニーからシューズを渡せと言われる。 サイクスはそれを制止しようとするものの、ダニーはピッチに戻る。 信用してもらえないダニーはパスを受けられず、仕方なく孤軍奮闘する。 その後、ミーン・マシーンが得点するものの、直前にモンクがラチェットを痛めつけてファウルしたために、それが認められない。 ロスタイムとなり、看守チームには、ゴールが狙える位置でフリーキックが与えられる。 フリーキックをモンクがセーブしてボールはミーン・マシーンに渡り、キーパーをかわしたダニーは、自分でゴールせずにビリーにパスする。 ビリーは見事にゴールを決めてタイムアウトとなり、ミーン・マシーンは勝利する。 チーム全員がダニーの元に集まり、情況を見守っていた囚人達は刑務所内で歓喜する。 ダニーに近づき、ただでは済まさないと言う所長に対し、自分の囚人だと伝えて黙らせたバートンは、チームの戦いぶりを称えてダニーと握手する。 その時、爆発が起きて驚いた所長は、自分の車が爆破されたことをサイクスから知らされる。 ダニーを独房に入れろと所長から指示されたバートンは、それに従おうとしない。 所長にボールを渡し、記念に飾っておくようにと伝えたダニーは、マッシヴと共にピッチを去る。
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*(簡略ストー リー)
元サッカー・イングランドの代表のキャプテン、ダニー“ミーン・マシーン”ミーンは、ドイツ戦での八百長をしたためにサッカー界から追放されていた。
飲酒運転をして警官に暴行して逮捕され、3年の実刑を受けることになったダニーは刑務所に向かう。
看守長バートンに呼ばれたダニーは、所長から自分達のサッカー・チームのコーチを依頼されても断るようにと言われ、それに従う。
納得しない所長は、ダニーにコーチをさせるよう指示するものの、バートンはダニーを脅して、それに従わないようにする。
そんな時ダニーは、囚人仲間のマッシヴから、看守チームの強化のために、囚人チームを作り試合をさせることを提案され、早速メンバーを集めようとするのだが・・・。
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ロバート・アルドリッチとバート・レイノルズが組んだアメリカ映画の快作「ロンゲスト・ヤード」(1974)を基に、ガイ・リッチーとマシュー・ヴォーンが、「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」(1998)、「スナッチ」(2000)に続きコンビを組み、両作に出演したヴィニー・ジョーンズ主演で製作された作品。
舞台は両作とも刑務所なのだが、本作はイギリス映画であるために、当然、アメリカン・フットボールからサッカーに変わっている。
「ロンゲスト・ヤード」(1974)の内容をほぼ再現しているのだが、個性派集団の囚人チームの描き方がインパクト的に弱い。
終盤の試合も、サッカーとアメリカン・フットボールでは盛り上がりも格段の差があり(演出力の差)、全体的に今一パンチに欠けている。
イングランド”プレミアリーグ”でプレーし、母親の出身国のウェールズ代表としてキャプテンも務めた経験がある、プロ中のプロ、ヴィニー・ジョーンズが主人公を演じて熱演しているこのは注目だ。
主人公を歓迎しない看守長ではあるが、試合後はスポーツマンらしく健闘を称え合うラルフ・ブラウン、看守チーム強化のために主人公を利用する刑務所長デヴィッド・ヘミングス、主人公が慕う最長老の囚人デイビッド・ケリー、刑務所内を支配する囚人ジョン・フォージハム、その手下である囚人でチームに加わるジェイミー・サイヴス、主人公に協力する囚人ヴァス・ブラックウッド、主人公に相手にされない爆破犯のスティーヴン・マーティン・ウォルターズ、主人公と同房のロビー・ギーとオミッド・ジャリリ、決勝点を決める囚人のダニー・ダイア、特別房に入れられている凶悪犯ジェイソン・ステイサム、試合の実況をする囚人ジェイソン・フレミング、看守のジェフ・ベル、刑務所長の秘書サリー・フィリップスなどが共演している。