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ギャンブラー McCabe & Mrs. Miller (1971)

鉱山の町で商売を始めた男と彼の売春宿を仕切る女の関係を描く、監督、脚本ロバート・アルトマン、主演ウォーレン・ベイティジュリー・クリスティルネ・オーベルジョノワマイケル・マーフィー他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇


スタッフ キャスト
監督:ロバート・アルトマン

製作
デヴィッド・フォスター
ミッチェル・ブロワー
原作:エドマンド・ノートン”McCabe”
脚本
ロバート・アルトマン
ブライアン・マッケイ
撮影:ヴィルモス・スィグモンド
編集:ルー・ロンバード
音楽:レナード・コーエン

出演
ジョン・マッケイブ:ウォーレン・ベイティ
コンスタンス・ミラー:ジュリー・クリスティ
シーハン:ルネ・オーベルジョノワ
ユージーン・シアーズ:マイケル・マーフィー
アーネスト・ホランダー:アンソニー・ホーランド
バート・コイル:バート・レムゼン
アイダ・コイル:シェリー・デュヴァル
カウボーイ:キース・キャラダイン
クレメント・サミュエルス:ウィリアム・ディヴェイン
スモーリー:ジョン・シャック
バトラー:ヒュー・ミリアス
エリオット牧師:コリー・フィッシャー

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1971年製作 121分
公開
北米:1971年6月24日
日本:1972年4月8日
北米興行収入 $8,200,000


アカデミー賞
第44回アカデミー賞

・ノミネート
主演女優賞(ジュリー・クリスティ


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1902年、ワシントン州、プレスビテリアン・チャーチ。
町に現れた流れ者のジョン・マッケイブ(ウォーレン・ベイティ)は、シーハン(ルネ・オーベルジョノワ)の酒場でポーカーを始めて客を呼ぶ。

翌日、三人の女を200ドルで買ったマッケイブは、売春宿を始めようとする。

小さな町で商売敵になるより手を組むことをマッケイブに提案したシーハンだったが、それを断られる。

その後、酒場と賭博場を建てるマッケイブの元に、蒸気自動車に乗ってコンスタンス・ミラー(ジュリー・クリスティ)が現れれる。

コンスタンスが食事をしたいと言うためにシーハンの店に向かったマッケイブは、売春宿をやるための資金提供を彼女から求められる。
...全てを見る(結末あり)

既に売春宿はやっていると言うマッケイブに、あんな女達ではだめだと伝えたコンスタンスは、彼を納得させる。

その後、コンスタンスが手配した女達が到着し、用意した風呂場で体を洗わせる。

愛し合うようになっていたマッケイブから、赤字だと言われたコンスタンスは、最初の一週間の売り上げを渡して、風呂代も有料にすることを伝える。

帳簿もまともにつけられないとコンスタンスから言われ、商売のことに口出しされたマッケイブは気分を害する。

そんな時、H&S鉱業のユージーン・シアーズ(マイケル・マーフィー)とアーネスト・ホランダー(アンソニー・ホーランド)が現れ、この町の鉱山に興味があることを伝える。

自分のビジネスを一括して5500ドルで会社が買い取るつもりがあるとシアーズから言われたマッケイブだったが、二人の話を聞こうとしない。

その件をコンスタンスに伝えたマッケイブは、5500なら悪くはないと思うが、とぼけておいたと言って、二人が値を釣り上げるはずだと考える。

相手を警戒するコンスタンスは、今度、現れた時は殺されるとマッケイブに伝える。

そこにシアーズとホランダーが現れ、即決を条件に金額を6250ドルに上げると言われたマッケイブだったが、それを拒む。

コンスタンスは、部屋でアヘンを吸っていた。

高額を提示した会社が黙ってはいないと言われたマッケイブは、それならばよほどの価値があるのだろうとシアーズとホランダーみ伝える。

1万4000~5000ドルが妥当だと二人に伝えたマッケイブは、翌朝、相談に乗ることにする。

コンスタンスの元に戻ったマッケイブは、話が発展したことを伝える。

今回の交渉が馬鹿げていると言うホランダーは、シアーズに後を任せて帰ろうとする。

翌朝、マッケイブは、賭博を任せているスモーリー(ジョン・シャック)から、シアーズとホランダーの件を知らされる。

争いの末に頭を打ち死亡した、バート・コイル(バート・レムゼン)の葬儀が行われる。

現れた流れ者のカウボーイ(キース・キャラダイン)は、マッケイブの売春宿の女、全てを相手にしようとする。

コンスタンスは、バートの妻アイダ(シェリー・デュヴァル)に商売をさせようとする。

この地でのビジネスに限界を感じたコンスタンスは、H&Sとの交渉の件をマッケイブに尋ね、スモーリーが話をしていると言われる。

H&Sを警戒するコンスタンスに、心配いらないと伝えたマッケイブだったが、スモーリーから、相手がこれ以上話をする気がない様子だと知らされる。

シーハンの店にいる男バトラー(ヒュー・ミリアス)から聞いた話だとスモーリーから言われたマッケイブは、殺されると警告するコンスタンスに、女に助けてもらう気はないことを伝える。

バトラーに会ったマッケイブは、シアーズとホランダーとの話は十分でなかったと言って、6500ドルで手を打つことを伝えるものの、それを断られる。

交渉はできないと判断したマッケイブは去ろうとするが、彼を引き止めたバトラーは、友人の親友の男を殺したことを確かめようとする。

イカサマがバレて撃たれたと伝えたマッケイブは、機嫌が悪くなる前に消えろとバトラーから言われて、その場を去る。

シーハンから、マッケイブが人を撃ったという噂を聞いたバトラーは、殺しができる男ではないと考える。

バトラーに見下され、商売をコンスタンスに仕切られるマッケイブは、自分を情けなく思う。

翌朝、シアーズとホランダーが発ったことを知ったマッケイブは、弁護士のクレメント・サミュエルス(ウィリアム・ディヴェイン)の元に向かい相談して、弱者のために無料で依頼を受けると言われる。

難しい話をされたマッケイブは、自分は殺されたくないだけだと伝えて、法廷で争えばその危険はないとサミュエルスから言われる。

その話をマッケイブから聞いたコンスタンスは、そんなことよりも身を守ることを考えるようにと伝えて嘆く。

自分が交渉すると言うコンスタンスに、マッケイブは無理だと伝える。

女達に別れを告げたカウボーイは、シーハンの酒場に向かおうとして、若者から言いがかりをつけられて射殺される。

翌朝、行きの中、銃を持って教会に向かったマッケイブは、塔に上がりバトラーら三人組の様子を監視したエリオット牧師(コリー・フィッシャー)に銃を奪われてしまう。

ここは神の家だと言われたマッケイブは、エリオットに銃を向けらて追い払われる。

教会に押入ったバトラーは、エリオットを射殺する。

風呂場で一人を殺したマッケイブは、脇腹を撃たれてしまう。

エリオットの落したランプの火で教会は火事になり、それを知った住人は火を消そうとする。

宿に戻ったマッケイブは、外を歩くもう一人の男を銃撃し、相手が死んでいること確認する。

住人達は、バケツリレーで教会の火を消そうとする。

山に逃げようとしたマッケイブは、バトラーに撃たれるものの、近寄ってきた彼を射殺する。

何んとか教会の火を消した住人は喜ぶ。

マッケイブは雪の中で息絶え、コンスタンスはアヘン窟で横たわる。


解説 評価 感想
*(簡略ストー リー)
1902年、ワシントン州、プレスビテリアン・チャーチ。
流れ者のジョン・マッケイブは、賭博と売春の商売を始める。
現れた商魂逞しいコンスタンスに売春宿を任せたマッケイブは、愛し合うようになった彼女のお陰で商売を発展させる。
ある日、H&S鉱業のシアーズとホランダーが現れ、5500ドルでビジネスを一括して買いたいと言われたマッケイブは、駆け引きをしようとしてそれを断ってしまう。
ただでは済まないとコンスタンスから言われたマッケイブは、警戒しつつも、更に値を上げる交渉をしてしまう。
諦めたシアーズとホランダーは町を出て、交渉は無駄だと判断した会社が派遣した殺し屋が現れたことを知ったマッケイブは動揺する・・・。
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1959年に発表された、エドマンド・ノートンの小説”McCabe”を基に製作された作品。

前年の「M★A★S★H マッシュ」(1970)で第23回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞して、世界的に評価されたロバート・アルトマンが、何とも言えない詩情を感じさせる独得のタッチで描く作品として非常に評価の高い作品。
* 「M★A★S★H マッシュ」の出演者が多く出演している。

2010年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

第44回アカデミー賞では、主演女優賞(ジュリー・クリスティ)にノミネートされた。

英雄伝などもなく、正義感や勇気を前面に出す正統派西部劇でもないところが、ベトナム戦争などで疲弊する社会などを反映するドラマとして、当時は大いに受け入れられた。

噂ではガンマンと言われるやり手のギャンブラー風で登場する主人公が商売を始めるものの、実は愛した女の商才で身を持たせながら、鉱山会社にビジネスを奪われそうになり悲しい結末を迎えるという、一人の男の運命、現実の厳しさを鋭く描く作品でもある。

後に「シャンプー」(1975)、「天国から来たチャンピオン」(1978)でも共演し、その関係も噂になったウォーレン・ベイティジュリー・クリスティの共演も注目。

結局は凄腕のガンマン、そしてギャンブラーでもなく、商才もない、才能があるように見せかけることに長けていただけの男を雰囲気を出して演ずるウォーレン・ベイティ、そんな彼のビジネスを陰で支える女をジュリー・クリスティが好演している。

主人公の商売敵である酒場の主人ルネ・オーベルジョノワ、主人公のビジネスを買い取ろうとする鉱山会社から派遣されるマイケル・マーフィーアンソニー・ホーランド、住人のバート・レムゼン、その妻シェリー・デュヴァル、流れ者のカウボーイ、キース・キャラダイン、弁護士のウィリアム・ディヴェイン、主人公に賭博場を任されるジョン・シャック、主人公の命を狙うヒュー・ミリアス、牧師のコリー・フィッシャーなどが共演している。


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