1970年から出版された、イギリスの小説家パトリック・オブライアンの”オーブリー&マチュリンシリーズ”の10作目”The Far Side of the World”(1984)を基に製作された作品。 ナポレオン・ボナパルトのフランス軍の前に劣勢のイギリス艦隊の中でフリゲート艦”サプライズ”の艦長指揮下、少年士官候補生が勇敢に戦う姿を描く、製作、監督、脚本ピーター・ウィアー、主演ラッセル・クロウ、ポール・ベタニー、ジェームズ・ダーシー他共演の海洋スペクタクル・アドベンチャー大作。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ピーター・ウィアー
製作総指揮:アラン・B・カーティス
製作
サミュエル・ゴールドウィンJr.
ダンカン・ヘンダーソン
ピーター・ウィアー
原作:パトリック・オブライアン”The Far Side of the World”
脚本
ピーター・ウィアー
ジョン・コリー
撮影:ラッセル・ボイド
編集:リー・スミス
美術・装置
ウィリアム・サンデル
ロバート・グールド
衣装デザイン:ウェンディ・スタイツ
音楽
クリストファー・ゴードン
アイヴァ・デイヴィス
リチャード・トネッティ
出演
ラッセル・クロウ:ジャック・オーブリー艦長
ポール・ベタニー:スティーブン・マチュリン
ジェームズ・ダーシー:トーマス・プリングス
マックス・パーキス:ウィリアム・ブレイクニー
マックス・ベニッツ:ピーター・カラミー
ビリー・ボイド:バレット・ボンデン
リー・イングルビー:ホロム
ロバート・パフ:アレン
ジョージ・イネス:ジョエル・プライス
マーク・ルイス・ジョーンズ:ホッグ
クリス・ラーキン:ハワード艦長
リチャード・マッケーブ:ヒギンズ
デヴィッド・スレルフォール:キリック
エドワード・ウッドオール:ウィリアム・モウェット
イアン・マーサー:ホラー
ジョセフ・モーガン:ウィリアム・ウォーリー
アメリカ 映画
配給
20世紀FOX
ミラマックス
2003年製作 138分
公開
北米:2003年11月14日
日本:2004年2月28日
製作費 $150,000,000
北米興行収入 $93,926,390
世界 $212,011,110
■ アカデミー賞 ■
第76回アカデミー賞
・受賞
撮影・音響編集賞
・ノミネート
作品・監督・編集・音響・視覚効果・メイクアップ・美術・衣装デザイン賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1805年4月。
ヨーロッパの征服を狙うフランスのナポレオン・ボナパルトの前に、イギリス艦隊は勇敢に立ち向かっていた。
__________
ブラジル北岸沖。
イギリス海軍のフリゲート艦”サプライズ”の艦長ジャック・オーブリー(ラッセル・クロウ)に対し、フランスの私掠船”アケロン”の撃沈命令が下る。
兵士の不足から、少年の士官候補生まで乗船していたサプライズは、霧の中に船影を発見し攻撃を受ける。
多数の死傷者を出し、舵を壊されたオーブリー艦長は、敵艦がアケロンだと知り霧の中に逃げ込む。
軍医スティーブン・マチュリン(ポール・ベタニー)に死傷者の報告を受けたオーブリーは、天候に助けられたと神に感謝する。
オーブリーは、沿岸の浅瀬で船の修理をすることを、副官のトーマス・プリングス(ジェームズ・ダーシー)や、航海長のアレン(ロバート・パフ)に告げる。
腕を骨折したウィリアム・ブレイクニー(マックス・パーキス)は傷口が悪化し、マチュリンは、彼の右腕を切断する。
オーブリーは、本好きのブレイクニーに”ネルソン提督”の著書を渡し、”ナイルの海戦”で、提督に仕えたことなどを話して聞かせ、彼を激励する。 修復の終わったサプライズは航海に戻り、アケロン造船を目撃したウィリアム・ウォーリー(ジョセフ・モーガン)が、その模型を作りオーブリーに渡す。 それを見たオーブリーは、最新鋭の敵艦の手強さをと船尾の弱さを知り戦術を探る。 平穏な航海が続いていたのだが、突然アケロンが現れ、オーブリーは全速前進の指示を出す。 夜になり、船の灯りを消して偽造船を放ち、アケロンの目をくらまし、サプライズは、夜明けには敵艦の船尾につく。 ホーン岬を目の前に、嵐の中、一気にアケロンの背後についたサプライズだったが、マストが折れてウォーリーが海に放り出される。 マストのロープを切り離さなくては、船が沈没してしまう事態になり、オーブリーは、船を救うためにウォーリーを見捨ててロープを切る。 太平洋上に出たオーブリーは、アケロンが捕鯨船を必ず狙うと見て、食糧補給のため”ガラパゴス諸島”に向かう。 現地に到着したサプライズの乗組員は、見たこともない多種多様、新種の生物に驚き、マチュリンは興味を抱きそれを詳細に観察する。 オーブリーが小船を発見し、アケロンに船を焼かれた捕鯨船の船員ホッグ(マーク・ルイス・ジョーンズ)を救助する。 それが1週間前だと聞いたオーブリーは、サプライズを出航させてアケロンを追う。 マチュリンは、”ガラパゴス”の貴重な発見を見逃せず、オーブリーに下船を要求するが、アケロンを追うことが先決だとそれを却下される。 オーブリーは、アケロンを追いながら戦闘訓練を続けて戦いに備えるが、やがて風が止み日取りが続く。 ウォーリーを助けられなかったホロム士官候補生(リー・イングルビー)が、船員に嫌われ見下されているのを知ったオーブリーは、彼に渇を入れて威厳を持たせる。 しかし、ホロムの心の病は続き、ブレイクニーとの見張りの夜、砲弾を抱え海に身を投げる。 オーブリーはホロムの死を悼み神に祈ると、帆が風を受け恵みの雨が降り、彼は直ちに出航を命ずる。 その直後、マチュリンが、事故で船員に銃撃されてしまい、オーブリーは、彼の治療をするために”ガラパゴス”に上陸する。 マチュリンは、ヒギンズ(リチャード・マッケーブ)を助手にして、鏡を見ながら自ら傷口の治療を始め、それを成功させる。 島に滞在中、ブレイクニーが、見事な生物の観察をしてそれを書きとめ、回復したマチュリンに見せる。 マチュリンはそれに感心し、アケロンを目前に自分の命を救ってくれたオーブリーに感謝する。 ブレイクニーと島の生物採取に向かったマチュリンは、小高い丘でアケロンを発見し、生物を捨てサプライズに戻る。 オーブリーはアケロンを追い、マチュリンとブレイクニーが持ち帰った”ナナフシ”をヒントに、サプライズを捕鯨船に見せかけて敵を誘う作戦に出る。 捕鯨船の船員に扮したオーブリーは、士官候補生ピーター・カラミー(マックス・ベニッツ)に、アケロンに捕らえられた捕鯨船の捕虜救出の指揮を執らせる。 ブレイクニーも同行を希望するが、オーブリーは自分達が攻撃に出た後の船の指揮を彼に任せ、船員に戦法を指示し決戦に備える。 アケロンが近づき、オーブリーの号令で一斉に砲撃を始めたサプライズは、敵艦のメインマストを倒して乗り移る。 壮絶な戦いが始り、マチュリンらもそれに加わり敵を撃破し、オーブリーは、アケロンの船長の死を確認する。 しかし、カラミーや航海長アレンらは戦死し、オーブリーは亡骸を海に葬る。 船の修復を終えたオーブリーは、副官プリングスをアケロンの艦長に任命して南下させる。 しかし、アケロンの船長が、軍医に扮して生きていることを知ったオーブリーは、それを再び追跡する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1805年、ナポレオン戦争の時代。
イギリス海軍のフリゲート艦”サプライズ”の艦長ジャック・オーブリーは、フランスの私掠船”アケロン”の、拿捕もしくは撃沈を命ぜられる。
”サプライズ”には、兵士の不足から、少年の士官候補生まで乗船していた。
有能な艦長オーブリーは、士官候補生を率い、フランス軍の武装船アケロンを追う。
戦いを知らない戦力である少年士官候補生らは、オーブリーを信じるしかなかった。
さらに、敵に立ち向かう彼らに前に、大海原の脅威が待ち構えていた・・・。
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敵艦を撃破するまでを、大海の激戦を舞台に、繊細な人物描写と、少年士官候補生の活躍や成長を描いた見応えあるドラマに仕上がっている。
全編を通して、冒険心をそそる展開で見せるピーター・ウィアーの演出は見事で、圧巻の海戦スペクタクルはもとより、”ガラパゴス諸島”での生物観察など、見所満載の超一級の娯楽作として大いに楽しめる。
第76回アカデミー賞では作品賞以下9部門にノミネートされ、撮影、音響編集賞を受賞した。
・ノミネート
作品、監督、編集、音響、視覚効果、
メイクアップ・美術、衣装デザイン賞
1億5000万ドルの巨費を投じ、北米では1億ドル弱に終わったものの、全世界の興行収入は約2億1200万ドルのヒットとなった。
「インサイダー」(1999)、「グラディエーター」(2000)、「ビューティフル・マインド」(2001)と、3年連続でアカデミー主演賞にノミネートされ、名実共にハリウッドの実力派スターとしての地位を築き上げたラッセル・クロウは、指揮官そして人間として部下、乗組員から慕われる艦長を、彼らしいユーモアも交えながら丁寧に演じている。
*「グラディエーター」でアカデミー主演賞受賞。
友人として、対立もしながら艦長を支える軍医、好演が際立つポール・ベタニー、副官のジェームズ・ダーシー、腕を切断することになりながらも、軍医の導きで生物に興味を持つ士官候補生、TVドラマ「ROME」で、若きオクタヴィウスを演じたマックス・パーキス、海戦で命を落すマックス・ベニッツ、仲間を助けられず、悩み海に身を投げるリー・イングルビー、航海長ロバート・パフ、乗組員のビリー・ボイドなどが共演している。