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M★A★S★H マッシュ M*A*S*H (1970)

1968年に発表された、リチャード・フーカーの小説”MASH: A Novel About Three ArmyDoctors”の映画化。
医師としては優秀だが軍の規律を無視し勝手気ままに生きる若い軍医達の生き様を描く、監督ロバート・アルトマン、主演ドナルド・サザーランドトム・スケリットエリオット・グールドロバート・デュヴァルサリー・ケラーマン他共演によるブラック・コメディの傑作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ


スタッフ キャスト
監督:ロバート・アルトマン
製作:インゴ・プレミンジャー
原作:リチャード・フーカーMASH: A Novel About Three ArmyDoctors
脚本:リング・ランドナーJr.
撮影:ハロルド・E・スタイン
編集:ダンフォード・B・グリーン
音楽:ジョニー・マンデル

出演
ベンジャミン・フランクリン”ホークアイ”ピアース大尉:ドナルド・サザーランド

オーガスタス・ベッドフォード”デューク”フォレスト大尉:トム・スケリット
ジョン・フランシス・エグゼヴィア”トラッパー・ジョン”マッキンタイア大尉:エリオット・グールド
フランク・バーンズ少佐:ロバート・デュヴァル
マーガレット”ホット・リップス”ホーリハン少佐:サリー・ケラーマン
ヘンリー・ブレイモア・ブレイク中佐:ロジャー・ボーエン
ジョン・パトリック”デイゴ・レッド”マルケヒー神父:ルネ・オーベルジョノワ
ウォルター・コスキウスコ”ザ・ペインレス・ポール”ウォルドウスキー大尉:ジョン・シャック
マリア”ディッシュ”シュナイダー中尉:ジョー・アン・プフラグ
”レーダー”オリーリー伍長:ゲイリー・バーゴフ
チャーリー・ハモンド准将:G・ウッド
イゼキエル・ブラッドバリー”ミ・レイ”マーストン4世大尉:マイケル・マーフィー
オリヴァー・ジョーンズ大尉:フレッド・ウィリアムソン

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX

1970年製作 115分
公開
北米:1970年1月25日
日本:1970年7月18日
製作費 $3,500,000
北米興行収入 $73,200,000


アカデミー賞
第43回アカデミー賞

・受賞
脚色賞
・ノミネート
作品・監督
助演女優(サリー・ケラーマン
編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1951年、朝鮮戦争下、南朝鮮。
ベンジャミン・フランクリン”ホークアイ”ピアース大尉(ドナルド・サザーランド)とオーガスタス・ベッドフォード”デューク”フォレスト大尉(トム・スケリット)の二人の軍医が、第4077M・A・S・Hアメリカ陸軍移動外科病院)に配属され、盗んだジープで現地に向かう。

食堂で看護師長マリア”ディッシュ”シュナイダー(ジョー・アン・プフラグ)に声をかけるホークアイとデュークが見かけない顔だったっために、指揮官であるヘンリー・ブレイモア・ブレイク中佐(ロジャー・ボーエン)は、二人に近づき話をする。

二人が配属されたことを知ったブレイクは、ジョン・パトリック”デイゴ・レッド”マルケヒー神父(ルネ・オーベルジョノワ)、歯科医のウォルター・コスキウスコ”ザ・ペインレス・ポール”ウォルドウスキー大尉(ジョン・シャック)、”レーダー”オリーリー伍長(ゲイリー・バーゴフ)らを紹介する。

ホークアイとデュークは、フランク・バーンズ少佐(ロバート・デュヴァル)と同じ宿舎になる。
...全てを見る(結末あり)

二人は、テントの中で祈りばかり捧げているバーンズを気味悪く思い、ブレイクに部屋の変更を要望する。

バーンズは別室に移すとブレイクから言われた二人は、負傷者が順番待ちの手術室に向かうよう指示される。

夫がいるディッシュを口説こうとしていたホークアイは、胸部外科の医師ジョン・フランシス・エグゼヴィア”トラッパー・ジョン”マッキンタイア大尉(エリオット・グールド)が来たことを知らされる。

大学時代にフットボールの試合で対戦したことがあったトラッパーのことを思い出したホークアイは、彼とデュークと共に、看護師を追いかけ回す毎日を送る。

そんな時、新任看護師長のマーガレット・ホーリハン少佐(サリー・ケラーマン)が赴任する。

ブレイクに施設を案内されていたホーリハンは、バーンズを許せないトラッパーが、彼を殴り倒す現場を見てしまう。

トラッパーはブレイクから謹慎処分を言い渡され、士官の醜態を見たホーリハンは呆れてしまう。

宿舎にいたトラッパーは、現れたブレイクからバーンズを殴った理由を訊かれ、死人が出る度に誰かに責任をなすりつけようとするバーンズが悪いとデュークが答える。

ブレイクは、ホーリハンが上層部に苦情を出すことを恐れたブレイクは、トラッパーを外科主任にするつもりであったが、それを1週間延期することを伝える。

ホーリハンからバーンズが不満を訴えていると言われたホークアイは、医者として最低の男だと伝えて彼を侮辱する。

それを否定するホーリハンから、バーンズが優秀な軍医だと反論されたホークアは、女好きではあったが、頭でっかちの堅物の彼女を流石に敬遠する。

チャーリー・ハモンド准将(G・ウッド)に会いに行くブレイクは、バーンズに後を任せて出発する。

軍紀の乱れを憂慮したホーリハンは、バーンズと連名で報告書を作り、二人は惹かれ合うようになる。

二人が愛し合っている現場を盗聴したレーダーは、それを皆に知らせ、トラッパーが部隊中に放送してしまう。

それに気づいたホークアイは、バーンズとの行為を止めて彼をテントから出るよう指示する。

翌日、ホーリハンは、バーンズとの行為中に発した”ホット・リップス”というあだ名で呼ばれ、トラッパーにからかわれて動揺する。

戻ったブレイクは、ホークアイとバーンズが話している姿を見て、建設的な意見交換をしているとレーダーから言われる。

ホーリハンとのことをホークアイから冷やかされ、さらに執拗にからかわれたバーンズは彼に襲い掛かり、拘束され連行されてしまう。

デイゴ神父から、ウォルドウスキーが告解で話したことが問題だと言われたホークアイは、本人と話をする。

ホークアイは、ウォルドウスキーから自分が同性愛だと気づいたと告白される。

自殺することに決めたと仲間の前で話すウォルドウスキーは、うまく自殺する方法を皆に訊く。

そんなウォルドウスキーのために、ホークアイ、デューク、トラッパーらは、仕方なく”最後の晩餐”の儀式を行う。

ホークアイらは、簡単に自殺できると偽り睡眠薬をウォルドウスキーに飲ませて、皆が彼に別れを告げる。

ディッシュの協力を得たホークアイは、彼女にウォルドウスキーの心を癒してもらう。

翌朝、帰国するディッシュは笑顔でM・A・S・Hを去り、ウォルドウスキーは別人のように元気になる。

その後ホークアイらは、ホーリハンが本当にブロンドかで賭けになり、彼女が使用中のシャワー用のテントを捲り上げてしまう。

激怒したホーリハンは取り乱し、彼らを軍法会議にかけなければ辞任すると訴える。

議員の息子が手榴弾で負傷し、手術のため日本に行く命令を受けたホークアイとトラッパーは、羽目を外すには打ってつけの場所である九州の小倉に向かう。

ゴルフクラブを持参して現地に着いた二人は、手際よく手術を済ませて、上官の命令も聞かずに、軍医である大尉イゼキエル・ブラッドバリー”ミ・レイ”マーストン4世(マイケル・マーフィー)とある店に向かい食事をする。

店員が米兵の子供を産み、その子を診てもらいたいとミ・レイから言われたホークアイとトラッパーは、様子を見に来た上官を麻酔で眠らせ、女達と絡んでいるところを写真に撮ってしまう。

M・A・S・Hに戻ったホークアイとトラッパーは、任務に戻る。

ハモンド准将からの連絡を受けたブレイクは、ホーリハンとバーンズの告発報告を受けたことを知らされるものの、デマだと伝える。

それを確かめるためにM・A・S・Hを訪れたハモンドは、準備中のフットボール・チームがあることをホークアイから知らされる。

何よりもフットボールを愛するハモンドは、自分のチームとの賭け試合を計画してその気になり、それをブレイクに伝えて、ホーリハンの話などどうでもよくなってしまう。

助っ人にNFLサンフランシスコ・フォーティナイナーズ”の元選手”槍投げジョーンズ”ことオリヴァー・ジョーンズ大尉(フレッド・ウィリアムソン)をチームに入れたホークアイらは、早速、将校も兵卒もなく平等な立場で練習を始めて、ジョーンズを後半まで温存する作戦を、ホークアイはコーチのブレイクに提案する。

そして、M・A・S・H対ハモンド将軍率いる325部隊との試合が始まる。

325部隊が試合の主導権を握り、M・A・S・Hは、相手選手に麻酔薬の注射などをして対抗するものの歯が立たず、前半は16対0で終る。

ブレイクは掛け金を2倍にすることをハモンドに提案し、それを了承され、後半が始まり、秘密兵器のジョーンズを投入したM・A・S・Hは攻勢に転ずる。

互いに反則合戦となり試合は荒れて、終了直前に、一か八かの作戦に出たM・A・S・Hが、逆転のタッチダウンを決めて勝利する。

その後、帰国命令が出たホークアイとデユークは、トラッパーらに別れを告げて、意気揚々とM・A・S・Hを去って行く。

二人がジープ泥棒かをレーダーに確認したブレイクは、乗って来た車だと言われて納得する。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1951年、朝鮮戦争下、南朝鮮。
第4077M・A・S・Hアメリカ陸軍移動外科病院)に、ホークアイ・ピアース大尉、デューク・フォレスト大尉、トラッパー・ジョン・マッキンタイア大尉ら、三人の軍医が配属される。
腕は立つものの、看護師を追いかけ回す毎日を送っていた彼らの前に、新任看護師長ホーリハン少佐が現れる。
三人の他の態度、軍紀の乱れに呆れたホーリハンは、協力してその報告書を上げようとしていたバーンズ少佐と親密になってしまう。
しかし、凝りもしない三人と仲間達は、さらなる悪巧みを考える・・・。
__________

これでもかと言わんばかりの、主人公三人の常軌を逸した行動と、かなりリアルに描写される手術シーンの対比などで、悲惨で痛ましい戦争の現実を描き痛烈に批判しているブラック・コメディ。

さらに、作品の内容とは全くイメージの違う、物悲しい主題曲”Suicide Is Painless”も、戦争への皮肉を込めたメッセージとして効果をあげている。

ユーモアとエロティシズムを掛け合わせたロバート・アルトマンの演出は、ベトナム戦争で疲弊した当時の人々や若者達の心情や社会情勢を見事に反映している。

1996年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

第43回アカデミー賞では、作品賞以下5部門にノミネートされ、脚色賞を受賞した。
・ノミネート
作品・監督
助演女優(サリー・ケラーマン
編集賞

また、カンヌ国際映画祭ではパルムドールも受賞した。

興行収入は、北米のみで7300万ドルを超す大ヒットを記録した。

医師としては優秀なのだが、とてつもない馬鹿げた振る舞いを繰り返すドナルド・サザーランドトム・スケリットエリオット・グールドらにとっては、その後、活躍するチャンスを掴むきっかけとなった作品で、無名に近かった三人の、特異なキャラクターは異彩を放っている。

陰気で祈りばかり捧げている軍医ロバート・デュヴァル、お色気で迫る看護師長のサリー・ケラーマンM・A・S・Hの指揮官で、部下達の暴走も我関せずといった感じの中佐ロジャー・ボーエン、自殺願望を克服する大尉のジョン・シャック、従軍神父のルネ・オーベルジョノワ、魅力的な看護師ジョー・アン・プフラグ、気弱だがメカに強い伍長のゲイリー・バーゴフ、フットボールに目のない将軍役のG・ウッド、元NFLの名プレイヤーで、現役時代の背番号と同じ、”24”でフットボールの試合に登場するフレッド・ウィリアムソン、主人公の二人が日本に向かった際に行動を共にする軍医マイケル・マーフィーなどが共演している。


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