1816年に着想し1818年に発表された、メアリー・シェリーの小説”Frankenstein: orThe Modern Prometheus”を基に製作された作品。 母親の死をきっかけに死を葬り去る研究に没頭する青年医師の創造した生命体による悲劇を描く、製作フランシス・フォード・コッポラ、製作、監督、出演ケネス・ブラナー、脚本フランク・ダラボン、主演ロバート・デ・ニーロ、トム・ハルス、ヘレナ・ボナム=カーター他共演のドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ケネス・ブラナー
製作総指揮:フレッド・ヒュークス
製作
フランシス・フォード・コッポラ
ジェームズ・V・ハート
ジョン・ヴィーチ
ケネス・ブラナー
デヴィッド・パーフィット
原作:メアリー・シェリー
脚本
ステフ・レイディ
フランク・ダラボン
撮影:ロジャー・プラット
編集:アンドリュー・マーカス
メイクアップ
ダニエル・パーカー
ポール・エンゲレン
キャロル・ヘミング
音楽:パトリック・ドイル
出演
クリーチャー:ロバート・デ・ニーロ
ヴィクター・フランケンシュタイン:ケネス・ブラナー
ヘンリー・クラヴァル:トム・ハルス
エリザベス:ヘレナ・ボナム=カーター
ウォルドマン教授:ジョン・クリーズ
ロバート・ウォルトン船長:エイダン・クイン
フランケンシュタイン男爵:イアン・ホルム
盲目の老人:リチャード・ブライアーズ
ジャスティン:トレビン・マクドーウェル
グリゴーリ:ジミー・ユール
クランプ教授:ロバート・ハーディ
イギリス/アメリカ 映画
配給 トライスター・ピクチャーズ
1994年製作 122分
公開
イギリス:1994年11月4日
北米:1994年11月4日
日本:1995年1月21日
製作費 $45,000,000
北米興行収入 $22,006,300
世界 $112,006,300
■ アカデミー賞 ■
第67回アカデミー賞
・ノミネート
メイクアップ賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1794年。
北極点を目指していたロバート・ウォルトン船長(エイダン・クイン)は、嵐に遭い何人かの船員を失う。
翌日、氷上のウォルトンは、ソリを引いて現れたヴィクター・フランケンシュタイン(ケネス・ブラナー)に、恐ろしい生命体の存在と、この地から退避することを警告される。
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ジュネーブの裕福な家庭に育ったヴィクターは、子供の頃、医師である父フランケンシュタイン男爵(イアン・ホルム)が引き取った、孤児エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)と生活を共にすることになる。
成長したヴィクターは、母親が弟の出産で死亡したのを機に、死を葬りさることを誓い研究を始める。 やがて、義理の妹エリザベスに愛を告白したヴィクターは、学業を修めるため巣立っていく。 1793年、インゴルシュタット。 禁じられた実験を行い、トラブルを起こした事もある教授ウォルドマン(ジョン・クリーズ)は、そんなヴィクターに目をつけて彼を助手にする。 ヘンリーも加わった研究で、ヴィクターは臓器などを組み合わせた人造人間を創造し、死を葬りさることも可能なことを力説する。 やがて町にはコレラが流行し、ワクチンを、ある男に接種しようとしたウォルドマン教授が、抵抗するその男に刺されて命を落としてしまう。 犯人(ロバート・デ・ニーロ)は即刻縛り首となり、生命再生の決め手が、遺体の鮮度だと気づいていたヴィクターは、彼の遺体を盗み、ウォルドマン教授の資料を基に、研究の完成を急ぐ。 一方、ジュネーブでは、エリザベスが、ヴィクターからの連絡が途絶えたのを案じ、インゴルシュタットへ向かおうとする。 ヴィクターは研究のため、最高の頭脳であるウォルドマンの脳を摘出し、コレラ患者の足を切断して片足の遺体に接合する。 羊膜液を注入して、電流を流したカエルの蘇生実験に成功したヴィクターは、いよいよ”クリーチャー”(怪物)での実験に入ろうとする。 エリザベスは、コレラの蔓延で軍が戒厳令を布こうとする中、ヴィクターの元に現れる。 しかし、ヴィクターは、エリザベスへの愛は変わらぬものの、研究を選んでしまう。 稲妻と電気うなぎを利用した実験は成功するが、殺人者や盗人をつなぎ合わせた、”クリーチャー”を創造してしまったことを、ヴィクターは後悔する。 逃亡した”クリーチャー”は、コレラ患者と間違われ、住民に襲われて森の中に逃亡する。 エリザベスは、実験を止めて正気に戻ったヴィクターの元に帰り、二人は再び愛し合うようになる。 森に逃げた”クリーチャー”は、貧しい農家に潜む生活を続け、その家族に尽くして会話や文字を学び、感情も芽生えていく。 ヴィクターはヘンリーをパートナーに迎え、ジュネーブで家業を告ぐことにするが、破棄しようとしていた研究記録が記載されている、日記帳が消失したことに気づく。 ”クリーチャー”は着ていたコートの中にあった、その日記帳を読み、自分を創り出したのがヴィクターだということを知る。 森の家族の、盲目の老人(リチャード・ブライアーズ)の元に現れた借金取りを叩きのめした”クリーチャー”は、彼からは感謝されるが、その醜い姿を見た家族に追い出されてしまう。 まともな人間からは受け入れられない”クリーチャー”は、悲しみのあまり号泣し、家族が森を去ったことにショックを受け、創造主ヴィクターに復讐を誓いジュネーブに向かう。 ジュネーブに戻ったエリザベスは、ヴィクターとの結婚の準備を始め彼の到着を待つが、幼い弟が行方不明になり森の中で発見される。 屋敷に到着したヴィクターが手を尽くすが、弟は死亡して、彼を捜していたヴィクターの幼馴染のジャスティン(トレビン・マクドーウェル)が、犯人扱いされて縛り首となる。 そして、”クリーチャー”はヴィクターの前に現れ、雪山に彼を呼び寄せる。 ”クリーチャー”は自分を見捨てたヴィクターを責め、自分を避けない同類の女を要求する。 その後は、その花嫁を連れて北極に向かい、人目には二度と触れない生活をすることを”クリーチャー”は誓う。 ”クリーチャー”との約束のため、結婚を延期しようとしたヴィクターに対し、エリザベスは我慢の限界に達し、彼の元から立ち去ろうとする。 ヴィクターはエリザベスを引き止め、彼女は二人で窮地を乗り越えることを約束し、急遽、結婚式を挙げる。 そして、ヴィクターは”クリーチャー”を裏切り彼を殺そうと考えるが、”クリーチャー”はヴィクターの父を殺し、寝室にいたエリザベスに襲い掛かり、彼女の心臓をえぐりだして殺害する。 正気を失ったヴィクターは、エリザベスの首とジャスティンの胴体をつなぎ合わせ、新たな生命を誕生させてしまう。 ”クリーチャー”は、生き返ったエリザベスを気に入るが、自らの醜い姿を知ったエリザベスは、ランプで焼身自殺して、屋敷は炎に包まれてしまう。 そして、北に逃れた”クリーチャー”を追って、ヴィクターは北極をさ迷う。 ウォルトン船長に語り終えたヴィクターは、息を引き取り、現れた”クリーチャー”は”父親”の死を悼み、ウォルトンらと共に彼を弔おうとする。 その時、突然氷が裂け、取り残された”クリーチャー”は、ヴィクターの遺体と共に自らに火を放ち、北の海に消えて行く。 そしてウォルトンは、船員に帰国の指示を出す。
...全てを見る(結末あり)
医学生ヘンリー・クラヴァル(トム・ハルス)と学内で知り合ったヴィクターは、過激な言動と思想をクランプ教授(ロバート・ハーディ)教授らに非難される。
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*(簡略ストー リー)
18世紀、ジュネーブ。
裕福な家庭に育ったヴィクター・フランケンシュタインは、母親が亡くなったのを機に、死を葬りさることを誓い研究を始める。
やがて、義理の妹エリザベスに愛を告白したヴィクターは医学生となり、過激な言動と思想を教授らに非難される。
しかし、トラブルを起こした事もあるウォルドマン教授は、ヴィクターに目をつけて彼を助手にする。
その後の研究で、ヴィクターは、臓器などを組み合わせた、人造人間が創造出来る確かな自信を得る。
やがて、ウォルドマン教授がある男に殺され、ヴィクターは、縛り首になったその犯人の遺体を盗み、教授の研究資料を基に、生命再生の実験を急ぐ。
最高の頭脳である、ウォルドマンの脳を摘出したヴィクターは、稲妻と電気うなぎを利用した蘇生実験に成功する。
実験は成功したものの、ヴィクターは、殺人者や盗人をつなぎ合わせて誕生させた、怪物とも言える”クリーチャー”の創造を後悔してしまう・・・。
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1992年の「ドラキュラ」に続くフランシス・フォード・コッポラ製作のホラー大作で、今回は、イギリス期待の若手俳優ケネス・ブラナーが監督を担当し、フランケンシュタインが創造する”怪物・クリーチャー”に、新たな解釈を加えているのが特徴。
第67回アカデミー賞では、メイクアップ賞にノミネートされた。
アメリカ国内の興行収入は低迷したが、全世界では約1億1200万ドルのヒットとなった。
従来の”モンスター”のイメージを一新する、醜さを強調し、やや小ぢんまりした”クリーチャー”に対して、主人公の屋敷内のセットなどは、異常なほど大掛かりな作りにしてあるところなども注目だ。
”クリーチャー”演ずるロバート・デ・ニーロは、円熟味を感じる重厚な演技と、異様なまでに恐ろしい全身メイクなどで、圧倒的な存在感を示す。
製作にも参加し監督、主演を務めるケネス・ブラナーは、野心家の青年医師を好演して、時に”クリーチャー”をも凌ぐ異常さも見せる。
暗いイメージのヘレナ・ボナム=カーターや、「アマデウス」(1984)の役柄を彷彿させる、同僚医学生のトム・ハルスも熱演している。
主人公に影響を与える大学教授役のジョン・クリーズ、北極点到達を目指す船長役のエイダン・クイン、主人公の父イアン・ホルム、盲目の老人リチャード・ブライアーズなどが共演している。