1991年にオフ・ブロードウェイで上演された、スコット・マクファーソンの舞台劇”Marvin’s Room”を基に製作された作品。 寝たきりの父の面倒を見る白血病の姉、息子と打ち解けることができないシングルマザーの妹、疎遠だった2人の絆の修復を描く、主演メリル・ストリープ、ダイアン・キートン、レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デニーロ、ヒューム・クローニン、グウェン・バードン他共演、監督ジェリー・ザックスによる家族愛のドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェリー・ザックス
製作
スコット・ルーディン
ジェーン・ローゼンタール
ロバート・デニーロ
原作:スコット・マクファーソン”Marvin’s Room”(戯曲)
脚本:スコット・マクファーソン
撮影:ピョートル・ソボチンスキー
編集:ジム・クラーク
音楽:レイチェル・ポートマン
出演
リー:メリル・ストリープ
ベッシー:ダイアン・キートン
ハンク:レオナルド・ディカプリオ
ウォリー医師:ロバート・デニーロ
マーヴィン:ヒューム・クローニン
ルース:グウェン・バードン
チャーリー:ハル・スカルディーノ
ボブ:ダン・ヘダヤ
シャーロット医師:マーゴ・マーティンデイル
介護施設院長:シンシア・ニクソン
アメリカ 映画
配給 ミラマックス
1996年製作 98分
公開
北米:1996年12月18日
日本:1997年2月8日
製作費 $23,000,000
北米興行収入 $12,803,310
■ アカデミー賞 ■
第69回アカデミー賞
・ノミネート
主演女優賞(ダイアン・キートン)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
フロリダ。
クリニックでウォリー医師(ロバート・デニーロ)の診察を受けたベッシー(ダイアン・キートン)は、頼りない彼の様子を見て出直すことを伝える。
ビタミン欠乏症だと思い込むベッシーは、そうとも言えないとウォリー言われ採血だけして帰宅する。
オハイオ州。
ベッシーの妹であるシングルマザーのリー(メリル・ストリープ)の息子ハンク(レオナルド・ディカプリオ)は、レーサーだった父親の写真だけを持参し他の写真に火を点け、弟チャーリー(ハル・スカルディーノ)と家出する。
美容師を目指すリーは、ハンクが家に放火して逮捕されたことを知り警察署に向かう。
チャーリーと共に修道院に向かったリーは、一時的な住まいとして部屋を借りる。 帰宅したベッシーは、17年前に脳卒中で倒れ寝たきりの父マーヴィン(ヒューム・クローニン)のことを任せていた叔母ルース(グウェン・バードン)が、テレビ・ドラマに夢中になっていたことを知る。 ベッシーは、当てにならないルースや、何もできないマーヴィンのことを考えると気が滅入ってしまう。 精神施設での療養が必要と判断されたハンクの担当医で精神科医のシャーロット(マーゴ・マーティンデイル)と面会したリーは、理解し合えない親子関係を話す。 ハンクと会ったリーは、彼が眠っていたために何も話さずにその場を去る。 ウォリーに診察結果を聞いたベッシーは、白血病の精密検査を勧められ骨髄を採取される。 その後、ベッシーは白血病と診断され、それを知らされたリーは、骨髄移植のドナーを探している彼女のためにフロリダに向かうことを考える。 外出許可が出たハンクに、親戚だけが頼りの今回の件を説明したリーは、チャーリーも連れてフロリダに向かう。 精密検査を受けたベッシーは、今後を考え困惑するルースを安心させる。 父マーヴィンの面倒を見なかったことでベッシーに恨まれていると考えるリーは、20年振りに家族と再会することになる。 リーはベッシーとの再会を喜ぶが、変わり果てた父マーヴィンの様子を見て動揺する。 その後、リーはルースの元気な姿を見て安心し、ベッシーは初めて会う甥達を抱きしめる。 ルースにも挨拶したハンクとチャーリーは、リーと共にマーヴィンに会うが、マーヴィンは誰か分からず興奮してしまう。 その夜、眠れないハンクは、マーヴィンが使っていた道具箱を見つけて持ち出す。 それに気づいたベッシーに、道具箱をあげると言われたハンクは、彼女と不仲だった母リーのことなどを話す。 しかしハンクは、自分に優しくするのは検査を受けさせるためだと言って道具箱を受け取ろうとしない。 ベッシーは道具箱をハンクに渡し、愛を告げて検査をするかは判断に任せると伝える。 翌日、リーはベッシーと共にクリニックに向かい移植の適合性を調べる。 その後ベッシーは、ハンクを誘い海岸までドライブして彼の父親のことなどを話し、二人は楽しい時間を過ごす。 ハンクに検査を受けるよう説得するリーは、ウォリーから、ドナーが見つからなかった場合のベッシーの余命などを知らされる。 このままでは父マーヴィンが心配なリーとベッシーは、介護施設を見学する。 ベッシーはマーヴィンを預ける気にはなれず、リーに自宅で面倒を見るよう説得する。 美容師になる夢が断たれるリーはそれを拒み、ベッシーと激しい口論になる。 翌日、ハンクとチャーリーも検査を受けることになり、ベッシーが二人に付き添う。 ベッシーは、心を開きつつあるハンクの微妙な気持ちに触れ、言い合いもしながら親交を深める。 ハンクとまともな話もできないリーは、ベッシーに息子とうまく接する方法を聞いたりもする。 ベッシーは疎遠だったことを忘れ、リーと打ち解ける努力をする。 カツラをとったベッシーの抜け落ちた髪の毛を見たリーは心が痛む。 リーはベッシーのためにカツラを整え、それをつけたベッシーの姿を見たハンクらは喜ぶ。 翌日、リー達は気晴らしのため”ディズニー・ワールド”に向かう。 ハンクはベッシーの元に残ると言い出し、リーは父親の話ばかりする彼にある真実を語る。 夫が幼いハンクに暴力を振るうことを知ったリーは、チャーリーが産まれた後に子供達を連れて家を出たのだった。 ハンクはそれを信じようとせず、リーを嘘つき呼ばわりする。 その頃、気分が悪くなったベッシーが吐血して意識を失ってしまう。 意識は戻るものの怯えるベッシーを、リーは自分や子供達が付いていると言って励ます。 その夜、ハンクは工具箱を持って車で出かけてしまう。 翌朝、ハンクが家を出て行ったことをベッシーへのメモで知ったリーは、それを彼女には言えなかった。 そこにウォリーから電話があり、ベッシーは子供達の移植が無理だったことを知らされ、それを聞いたリーは悲しむ。 ベッシーに幸せな人生だったと言われたリーは、動揺して荷物をまとめ家を出ようとする。 しかしリーは、その場にハンクが現れたため荷物を置き、彼に出かける時は知らせるよう注意し、ハンクは素直に母に従う。 マーヴィンの相手をするベッシーは、その様子を見に来たハンクに笑顔で応える。 リーは、マーヴィンとベッシーの面倒を見る決心をして、薬と食事を用意して二人の元に向かう。 その部屋でリーは、笑顔のマーヴィンに”これが私達なのよ、リーも居るは・・・”と語りかけるベッシーと父を見つめる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
フロリダ。
寝たきりの父マーヴィンの面倒を見るベッシーは、医師ウォリーの診察を受け白血病と診断される。
叔母ルースと共に父の世話をしてきたベッシーはショックを受け、20年間疎遠だったシングルマザーの妹リーに連絡する。
骨髄移植のドナーの適合検査を受けるために、リーは、家に放火して逮捕され精神施設に入れられていた息子ハンクと弟チャーリーを連れてベッシーの元に向かう。
リーは、反抗的なハンクに梃子摺りながら、相容れない関係のベッシーと再会するのだが・・・。
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実力派、ベテラン、そして期待の若手スターなど、超豪華なキャストが話題になった作品。
愛情が途絶えていた家族の関係修復を描くドラマは、介護、重病治療、離婚に伴う親子の諍いなど、舞台演出家のジェリー・ザックスは、アメリカ社会の様々な問題を切実に描いている。
邦題がいかにも安っぽいが、なぜ原題が”Marvin’s Room/マーヴィン(父親)の部屋”何だろうと考えて観ていると、それが理解できるラストで納得・・・。
レイチェル・ポートマンのドラマの内容に合った優しい音楽も印象に残る。
主演のメリル・ストリープは、やや浮ついた考えの人物として登場するが、心の変化と共に次第に落ち着いた表情となるところなど、変幻自在の演技で観る者を画面に引き付ける。
犠牲や悲しみ、その辛さを乗り越えようとする健気に生きる姿が涙を誘う、素晴らしい演技を見せたダイアン・キートンは、第69回アカデミー賞で主演賞にノミネートされた。
翌年の「タイタニック」(1997)を控える、母親に反抗する少年を見事に演じるレオナルド・ディカプリオ、脇役に徹する医師ロバート・デニーロ、主人公の父親である大ベテランのヒューム・クローニンとその妹を楽しく演ずるグウェン・バードン、主人公の息子ハル・スカルディーノ、病院の受付係である医師の兄ダン・ヘダヤ、精神科医マーゴ・マーティンデイル、そして、介護施設院長役でシンシア・ニクソンも出演している。