カルト集団のコミューンから逃げ出した女性が過去を忘れられずに苦悩する姿を描く、監督、脚本ショーン・ダーキン、主演エリザベス・オルセン、ジョン・ホークス、サラ・ポールソン、ヒュー・ダンシー他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ショーン・ダーキン
製作
アントニオ・カンポス
パトリック・カニンガム
クリス・メイバッハ
ジョシュ・モンド
製作総指揮:テッド・ホープ他
脚本:ショーン・ダーキン
撮影:ジョディ・リー・ライプス
編集:ザカリ-・スチュアート=ポンティエ
音楽
デニエル・ベンシ
ソーンダー・ジュリアーンズ
出演
マーサ/マーシー・メイ:エリザベス・オルセン
パトリック:ジョン・ホークス
ルーシー:サラ・ポールソン
テッド:ヒュー・ダンシー
ワッツ:ブラディ・コーベット
マックス:クリストファー・アボット
ケイティ:マリア・ディッツィア
サラ:ジュリア・ガーナー
ゾーイ:ルイーザ・クラウゼ
アメリカ 映画
配給 フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
2011年製作 102分
公開
北米:2011年10月21日
日本:2013年2月23日
製作費 $1,000,000
北米興行収入 $2,990,630
世界 $3,538,450
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク州、キャッツキル山地。
カルト集団の一員マーサ(エリザベス・オルセン)は、コミューンから逃亡する。
共同生活者ワッツ(ブラディ・コーベット)が、レストランでマーサを見つけるものの、彼女は従おうとしない。
姉ルーシー(サラ・ポールソン)に電話をしたマーサは、迎えに行くという彼女を待つ。
コネチカット州。 翌朝、テッドに会ったマーサは、その後、ルーシーと湖のほとりで過ごしながらコミューンのことを考える。 両親を失い孤独だったマーサは、コミューンでの生活を始めて、リーダーのパトリック(ジョン・ホークス)から”マーシー・メイ”という名前を付けられる。 テッドに泳ぐことを誘われたマーサは、何のためらいもなく全裸で水に入り、驚いたルーシーは彼女に注意する。 マーシーはコミューンの生活にも慣れるが、パトリックから、自分達を受け入れ”役割”を探すようよう言われる。 ルーシーは、マーサの言動を気にしながら、彼女の世話をする。 マーシーは、パトリックと肉体関係を持ち、それが、誰もが通る道で良いことであり、皆で愛し合う自分達を信じるよう仲間達の母親役ケイティ(マリア・ディッツィア)に言われる。 ゾーイ(ルイーザ・クラウゼ)にも、その体験が懐かしく思うと言われたマーシーは、現状を受け入れようとする。 マーサは、ルーシーが町に出かけたため、テッドに誘われてボートに乗る。 ルーシーが健康診断のため病院に向かい、子供を作る考えをテッドから聞いたマーサは、それが信じられないことだと答える。 愛し合っている最中に無断で部屋に入ってきたマーサが、常軌を逸していると考えたテッドは、彼女を追い出そうと考えるもののルーシーになだめられる。 ルーシーは、マーサが体験したことを気にするが、彼女は恋人に騙されて別れただけだと答える。 ティーンエージャーのサラ(ジュリア・ガーナー)が仲間に加わり、マーシーは彼女の世話をする。 マーシーは、ドラッグ入りのハーブ・ドリンクをサラに与えて、儀式だと言ってパトリックの元に向かわせる。 夢と現実の境目が判断しにくくなったマーサは、力になりたいと言って干渉するルーシーの意見を迷惑に思い始める。 食事の際、テッドに生き方について意見されたマーサは口論になり席を立つ。 その夜、コミューンに電話をかけたマーサは、ゾーイがその場を去ったことなどを知る。 マーシーは、ワッツらと共にある家に忍び込み、その場にあった物を物色して立ち去る。 マーサは、ワッツらが乗ってきた車を見つけて窓を割り傷つける。 家ではパーティーが開かれるが、マーサは、追ってきた者がいると言って取り乱し、ルーシーとテッドが落ち着かせる。 マーシーは、パトリックらとある家に忍び込み、家主に見つかりケイティが彼を殺害してその場を去る。 一晩中眠り目覚めたマーサは落ち着きを取り戻し、ルーシーは安心する。 しかし、その後も様子のおかしいマーサを、テッドは病院に入れようと考えルーシーに相談する。 マーシーは、殺された男性のことが頭から離れずに動揺し、納得したはずだと言うパトリックに責められるものの、見捨てはしないと彼になだめられる。 そのことを思い出したマーサは、心配するテッドを階段から蹴り落としてしまい、ルーシーには、他の者と間違えたと答える。 マーサを見限ろうとするルーシーは、施設に入れることを彼女に伝える。 翌朝、言い過ぎたことをマーサに謝罪したルーシーは、予約した施設に向かう準備をするよう伝える。 少しの時間、湖で泳いでいたマーサは、対岸にいる男に気づく。 ルーシーとテッドと共に施設に向かうマーサは、車の前に飛び出した湖の男が、止めてあった車に乗る様子を見つめる。 マーサは、後を追ってくる男の車を気にしながら怯える。
ルーシーは、マーサを湖畔の自宅に連れて行き休ませて、彼女が戻ったことを帰宅した夫テッド(ヒュー・ダンシー)に知らせる。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)
ニューヨーク州、キャッツキル山地。
カルト集団のコミューンで暮らすマーサは、その場を抜け出して姉ルーシーに連絡を入れる。
コネチカット州の湖畔の家にマーサを連れて行ったルーシーは、妹の言動を気にしながら世話をする。
コミューンの生活が頭から離れないマーサは、現実と夢の境目が分からなくなり動揺する。
そんなマーサの様子を、常軌を逸していると感じ始めたルーシーの夫テッドは、彼女を追い出そうとする。
その後、マーサの現実逃避は激しくなり、苦しみながら、コミューンの者達が現れて連れ戻されると考え恐怖に怯える・・・
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カルト集団のマインド・コントロールから逃れようとする女性の心理を描く20代のショーン・ダーキンの、抑え気味の映像表現と繊細な演出が見どころの作品。
平穏な社会に戻るものの、過去のトラウマにより、日増しに不安定になる主人公の心を、フラッシュバックと共に現実と対比させて描くドラマが、幻覚や恐怖感と共に混沌としながら終わるところも興味深い。
子役時代から、姉の”オルセン姉妹”作品にも出演していた主人公を演ずるエリザベス・オルセンは、体を張った演技で好演し、本格的映画デビューとなった本作で高い評価を受け、各映画賞を受賞した。
カルト集団のリーダーを雰囲気を感じさせながら演ずるジョン・ホークス、主人公の姉役サラ・ポールソン、その夫ヒュー・ダンシー、コミューンの仲間達、ブラディ・コーベット、クリストファー・アボット、マリア・ディッツィア、ジュリア・ガーナー、ルイーザ・クラウゼなどが共演している。