サイトアイコン That's Movie Talk!

あぁ、結婚生活 Married Life (2008)

不自由ない結婚生活を送っているように見える夫婦とそれに絡む男女の愛憎を描く、主演クリス・クーパーピアース・ブロスナンパトリシア・クラークソンレイチェル・マクアダムス、製作、監督、脚本アイラ・サックスによる異色のラブ・サスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:アイラ・サックス

製作
アイラ・サックス

スティーヴ・ゴリン
シドニー・キンメル
ジャワル・ガー
原作:ジョン・ビンガム”Five Roundabouts to Heaven”
脚本
オーレン・ムーヴァーマン

アイラ・サックス
撮影:ピーター・デミング
編集:アフォンソ・ゴンキャルヴァス
音楽:ディコン・ヒンチリフ

出演
ハリー・アレン:クリス・クーパー

リチャード・ラングレー:ピアース・ブロスナン
パット・アレン:パトリシア・クラークソン
ケイ・ネスビット:レイチェル・マクアダムス
ジョン・オブライエン:デヴィッド・ウェンハム
トム:デヴィッド・リッチモンド=ペック
アルヴィン・ウォルターズ:ティモシー・ウェッバー

アメリカ 映画
配給
MGM
ソニー・ピクチャーズ・クラシックス
2008年製作 90分
公開
北米:2008年3月7日
日本:2008年9月13日
製作費 $12,000,000
北米興行収入 $1,507,000
世界 $2,851,820


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1949年9月5日。
ビジネスで成功を収めている中年男性ハリー・アレン(クリス・クーパー)は、親友のリチャード・ラングレー(ピアース・ブロスナン)を呼び出し相談を始める。

ハリーは人生を価値あるものにしようと、妻パット(パトリシア・クラークソン)との結婚生活を捨て、恋人のケイ・ネスビット(レイチェル・マクアダムス)との人生を選ぼうとする。

パットを傷つけたくないために、ハリーはそれを彼女に切り出せないでいたが、ある計画を考えてる。

そこにケイが現れ、ハリーとは不釣合いな若くて天使のような女性が、どうして彼と恋仲になったのか、リチャードは疑問に思う。

ハリーは、遠まわしに愛情が薄れた場合の話しをパットにしてみると、彼女はショックを受けて発作を起こしてしまう。
...全てを見る(結末あり)

リチャードは、ハリーが出張の際にケイの世話を頼まれ、彼女から戦争で夫を失ったことなどを聞き、二人で食事に出かける。

ケイに惹かれてしまったリチャードは、彼女がハリーを死ぬほど好きで、結婚まで考えていると聞き改めて驚いてしまう。

ある日、ハリーはケイとの情事の帰りに、道端でアルヴィン・ウォルターズ(ティモシー・ウェッバー)という男性を拾う。

ウォルターズは、7ヶ月も闘病で苦しんだ姉を看取った帰りだったのだ。

苦しみから解放された姉が、ようやく安らぎを得られただろうということを、ウォルターズはハリーにしみじみと話す。

そしてハリーは、帰宅してベッドに入りパットの手が触れた瞬間、彼女を苦しみから解放するために、殺害する決心をする。

ハリーは薬局で毒物を手に入れ、”アルヴィン・ウォルターズ”とサインし、アスピリンの容器にそれを入れて持ち帰る。

10月7日。
ケイへの思いが募るリチャードは、ハリーが離婚を決意するまでに彼女を手に入れようとする。

そんな時、ハリーの別荘に寄ったリチャードは、彼とも知り合いの、売れない作家ジョン・オブライエン(デヴィッド・ウェンハム)とパットとの浮気現場を目撃してしまう。

その場を立ち去ろうとしたリチャードは、ジョンに呼び止められて気まずい時間を過ごし、二人から愛し合っていることを告げられる。

そしてリチャードは、パットもハリーのことが心配で離婚を決意できないということを聞かされる。

ハリーとパット、両者の気持ちを知ったリチャードは考える。

二人が離婚すれば丸く収まるのだが、それでは自分がケイを失ってしまうことになる・・・・。

そこでリチャードは、自分に都合がいいように、二人の離婚を阻止しようとする。

ハリーは、毒物を愛犬に試して死亡させてしまい、一方でリチャードは、愛犬の死に悲しむパットに同情し、自分は手を引こうとも考える。

しかし、それを切り出せず、ハリーの優しさのない態度を見たリチャードはケイに接近する。

10月26日。
ハリーは計画を実行に移し、パットの胃薬に毒物を入れて出社する。

家の電話の回線が故障し、ハリーは様子を探るために隣人に電話して様子を見てきてもらう。

家からは応答がなく、パットが死んだと思い会社で動揺するハリーだったが、そこに、薬を飲まなかった彼女から電話が入る。

パットが就寝前に薬を飲むと聞いたので、ハリーは仕事で遅くなると彼女に告げてケイの元に向かう。

食事を済ませたケイは、人を不幸にしては自分の幸せは得られないと、ハリーに別れ話を切り出す。

気分を害したハリーはその場を去り、二階にいたリチャードが、ケイの元に歩み寄り彼女を抱きしめる。

しかし、ケイに自分の出した手紙を返すよう言いに戻ったハリーは、二人の関係を知ってしまう。

パットが薬を飲む前に帰宅しようとしたしたハリーは焦り、途中でパトカーに止められてしまい、家に着きベッドの上で倒れこむパットを見つける。

ハリーは動揺するが、庭を男(ジョン)が駆け去っていくの見かける。

すると、薬を飲んでいなかったパットが、起き上がりハリーに話しかける。

ハリーは安堵して、パットを抱きしめて愛を告げる。

そして、ハリーが摩り替えた薬を飲んでパットは眠りに付く。

リチャードとケイは、ハリーが落ち着くまで様子を見てから彼の家を訪ねる。

何事もないよう接するしかないハリーは、リチャードとケイを歓迎して食事を共にし、二人が結婚することを聞いて祝福する。

ハリーは、パットを毒殺しようとしたことをリチャードに話すが、その後も果たせなかった夢の後、悔は口にせず、パットに愛情を注ぐ。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1940年代の終わり。
中年男性ハリー・アレンは、結婚生活に不満がある訳ではないが、価値ある人生を送りたいと考える。
そこでハリーは、若い女性ケイを恋人にして情事を繰り返す。
ハリーに、彼とは不釣合いなケイを紹介された親友リチャードは、一目で彼女に惹かれてしまう。
妻パットに離婚を切り出せずに悩み、傷つけたくないと考えるハリーは、彼女の殺害を計画する。
そして、リチャードがケイに惹かれてしまったこともら知ずに、ハリーは計画をを実しようとするのだが・・・。
__________

1953年に発表された、ジョン・ビンガムの小説”Five Roundabouts to Heaven”を基に製作された作品。

主な登場人物の4人は、基本的には善良な人々なのだが、それぞれが身勝手でもあり、それが、大真面目に描かれていても、どこかユーモラスに見えるところが興味深い。

また、中盤は、妻殺害計画がサスペンス・タッチで進む展開も面白味がある。

1940年代後半の、アメリカ中流社会のイメージを再現した、衣装やセットも楽しめる。

オープニング・タイトルで流れる、ドリス・デイの”I Can’t Give You Anything But Love”も効果的に使われ、当時の雰囲気がよく出ている。

彼にしては珍しいタイプの役柄で、家庭的な雰囲気で登場するクリス・クーパーは、中盤に彼らしくクセのある人物に変貌する辺り、さすがに実力派らしく、変幻自在の見応えある演技を見せてくれる。

裏切りと見るか、または結果的には主人公の人生を救ったとも言える、いかにもプレイボーイ風の親友ピアース・ブロスナン、夫無しでは生きていけないように見せかけ、ちゃっかり浮気しているパトリシア・クラークソン、成り行きで”鞍替え”するのも致し方ないのか・・・レイチェル・マクアダムス、結局主人公の妻との浮気もばれず、その後も夫婦と付き合うデヴィッド・ウェンハムなどが共演している。


モバイルバージョンを終了