1961年に発表された、ウィンストン・グレアムの小説”Marnie”を基に製作された作品。 幼児期に体験した事件がトラウマとなりその反動で犯罪を犯してしまう女性の行動を描く、製作、監督アルフレッド・ヒッチコック、主演ティッピー・ヘドレン、ショーン・コネリー、マーティン・ガベル、ダイアン・ベイカー、ブルース・ダーン他共演の心理サスペンス。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:アルフレッド・ヒッチコック
製作:アルフレッド・ヒッチコック
原作:ウィンストン・グレアム”Marnie”
脚本:ジェイ・プレッソン・アレン
撮影:ロバート・バークス
編集:ジョージ・トマシーニ
衣装デザイン:イデス・ヘッド
音楽:バーナード・ハーマン
出演
マーニー・エドガー:ティッピー・ヘドレン
マーク・ラトランド:ショーン・コネリー
シドニー・ストラット:マーティン・ガベル
リル・マインウォーリング:ダイアン・ベイカー
バーニス・エドガー:ルイーズ・ラサム
スーザン・クレイボン:マリエット・ハートレイ
ラトランド:アラン・ネピア
最初の探偵:ヘンリー・ベックマン
水兵:ブルース・ダーン
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1964年製作 130分
公開
北米:1964年7月22日
日本:1964年8月29日
製作費 $3,000,000
北米興行収入 $7,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
父の後を継いだ実業家マーク・ラトランド(ショーン・コネリー)は、付き合いのあるシドニー・ストラット(マーティン・ガベル)の会計事務所で、雇っていた女性社員が金庫から1万ドル近くを盗み逃亡したことを知らされる。
ホテルで容姿と名前を変えたマーニー・エドガー(ティッピー・ヘドレン)は、母バーニス(ルイーズ・ラサム)の家を訪れる。
マーニーはバーニスにミンクの襟巻きをプレゼントし、彼女に甘えようとする。
しかし、マーニーは母バーニスに愛されていないことを感じとり、いつも見る悪夢にうなされる。
ラトランドの会社の、募集広告を見たマーニーは、面接を受けて採用されることになり、金庫などを観察する。 帳簿係となったマーニーは、スーザン・クレイボン(マリエット・ハートレイ)が世話役になり働き始める。 その後、マーニーは、ブラウスに付いてしまった赤いインクや、ラトランドのオフィスに呼ばれた際には、稲妻に怯えててしまう。 ラトランドは、そんなマーニーを抱き寄せて軽く唇を寄せ、彼女を自宅に送ろうとする。 マーニーが馬に興味があることを知ったラトランドは、彼女を競馬場に誘う。 その後マーニーは、ある男性(ヘンリー・ベックマン)から声をかけられるが、彼女には身に覚えがなかった。 そして、マーニーはジョッキーの赤玉のユニフォームを見て動揺し、帰り際に再び男に声をかけられ、ラトランドがそれを追い払う。 翌日、ラトランドはマーニーを父(アラン・ネピア)に紹介し、彼女は会社でも会ったラトランドの亡くなった妻の妹リル・マインウォーリング(ダイアン・ベイカー)にも挨拶をする。 厩舎に向かったラトランドとマーニーは、互いに惹かれ合い愛を確認する。 ある週末、社員が退社した後、マーニーは引き出しに書いてある番号を確認して金庫を開け現金を奪う。 しかし、それを知ったラトランドは、マーニーの元に向かい彼女に犯行を認めさせる。 ラトランドは、ストラットの会計事務所にマーニーがいたことも承知で、彼女だという確信はなかったものの雇い入れたことを伝える。 しかし、ラトランドはマーニーを愛してしまったことを伝え、彼女も、しつこいストラットを恨んでの犯行だったことを伝える。 マーニーは、ラトランドの前から姿を消そうと思っていたことも話すが、彼は金庫には金は戻してあり、週明に出社するよう彼女に命ずる。 ラトランドは、マーニーと結婚することも伝え、半ば脅して彼女を自分の所有物にしようとする。 それに抵抗できないマーニーは、仕方なくラトランドと結婚してハネムーンに出かける。 ラトランドに思いを寄せていたリルは、マーニーに嫉妬し、彼女のために浪費を続けるラトランドの行動を不審に思う。 船上のハネムーン・クルーズで、マーニーは動揺しながらラトランドを拒んでしまい、彼はそれに理解を示し紳士的に接する努力をする。 しかし、欲情を抑えきれないラトランドはマーニーを強引に抱こうとしてしまい、翌朝、彼女はプールに身を投げる。 ラトランドが、プールに浮かんでいるマーニーを助け、旅を切り上げて帰国することになる。 二人は表面上は幸せな夫婦を演じていたのだがが、リルはラトランドに言い寄り、怪しげな彼らの行動詮索し、身寄りがないはずのマーニーに母親がいることを伝える。 その後、マーニーの母バーニスの住所や、彼女が男を殺した過去があることを知ったラトランドは、マーニーの生い立ちも調べようとする。 ある夜、マーニーがいつもの悪夢でうなされたために、ラトランドは興奮する彼女をなだめる。 そして、ラトランド邸でパーティーが開かれるが、一切を仕切ったリルがストラットも招待する。 リルは、ラトランドのストラットについてのメモ書きを見ていたため、彼をわざと招待したのだった。 マーニーはストラットに気づき焦るが、ラトランドは知らぬ不利をさせて彼に妻マーニーを紹介する。 ストラットがマーニーに気づいた様子だったため、彼女は身支度して逃げようとする。 それを知引き止めたラトランドは、ストラットと交渉しようとする。 翌日、招待客と狩猟に出かけたマーニーは、客の一人の着ていた赤い乗馬服を見て取り乱し、その場から走り去ってしまう。 そして愛馬がレンガの壁に激突したため、マーニーは地面に叩きつけられてしまう。 マーニーは使用人から拳銃を借りて、苦しむ愛馬を自分の手で射殺する。 その頃、ラトランドはストラットとマーニーの件で話し合いをしていたが、彼女は銃を持ったまま会社の金庫に向かい現金に手を出そうとする。 それを思い留まったマーニーの前にラトランドが現れ、苦しむ彼女を連れて母親バーニスの元に向かう。 マーニーの、心の痛みを消し去ろうとするラトランドは、バーニスの過去や裁判記録を調べ上げたことを話し始める。 かつて、バーニスは売春で生計を立てていたが、ある嵐の夜、彼女は客の男を殺してしまったというのだ。 バーニスはそれを否定して取り乱し、マーニーは、その事件を目撃した5歳だった頃の自分に戻ってしまう。 マーニーに、バーニスの客の白い服の男/水兵(ブルース・ダーン)が迫り、助けようとした母が怪我をしたのを見て、彼女は金棒で男を殴り殺してしまったのだった。 その時の嵐と、男の鮮血の赤がマーニーの悪夢と犯罪を引き起こしてしまう原因だったのだ。 バーニスはマーニーの身代わりになり自首し、娘を自分のような人間にしないことを誓ったのが真相だった。 そして、全てを語り尽くしたマーニーは、今までの彼女の罪を自分の力で償って見せると言うラトランドを、心から頼ろうとする。
...全てを見る(結末あり)
★ヒッチコック登場場面
上映開始後約5分、冒頭で起きた強盗事件の犯人がホテルに到着し、部屋を取りボーイと部屋に向かう彼女が通り過ぎた後、別の部屋から出てくる男性がヒッチコック。
チラリとこちらを見たりすもる。
*(簡略ストー リー)
容姿端麗の女性マーニー・エドガーは、就職した会社の現金を奪っては身分を変え犯行を繰り返す詐欺師の強盗だった。
マーニーは、次のターゲットとして、青年実業家ラトランドの会社に採用され、やがて計画通りに現金を盗み出す。
しかし、ラトランドはマーニーが犯行を犯すだろうことを承知した上で、犯人と知り彼女を採用していたのだった。
ラトランドは、逃亡しようとするマーニーを引き止め、自分の所有物にしようと、有無を言わせぬ条件を突きつける。
仕方なくマーニーは、ラトランドと結婚することになるが頑なに彼を拒もうとする。
やがてラトランドは、マーニーの男性を拒もうとする理由が、彼女の悪夢や心の傷が関係していることに気づく・・・。
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前年公開された衝撃のサスペンス・スリラー「鳥」(1963)で、アルフレッド・ヒッチコックが起用したティッピー・ヘドレンと「007シリーズ」のジェームズ・ボンド役でブレイクして時の人となったショーン・コネリー共演の注目作品。
「鳥」のインパクトが余りにも強かったために、ヒッチコック作品としては平凡に思われてしまう作品でもある。
とは言え、クライマックスで分かる”赤色の恐怖”の効果、「サイコ」(1960)を思わせる二重人格障害の主人公が、愉快犯を連想させる、冒頭の描写からは想像出来ないドラマに発展する内容はなかなか見応えがある。
強盗犯であるだろうと思いながら、主人公を採用しようとする実業家が、彼女がスカートの裾を伸ばして膝を隠す仕草で、犯人だと確信する細かな演出なども心憎い。
*冒頭で、現金を奪われた会計事務所の社長がスカートの話しをする。
音楽は、本作限りでヒッチコックと決別することになるバーナード・ハーマン、イデス・ヘッドの衣装なども楽しめる。
「鳥」(1963)を上回る熱演が光る、トラウマに悩む強盗犯ティッピー・ヘドレンと、今観直してみると、”ジェームズ・ボンド”を意識しないでいられるショーン・コネリーの役柄も新鮮で、二人の演技のぶつかり合いも見所だ。
現金強盗の被害者マーティン・ガベル、ラトランド(ショーン・コネリー)に惹かれる義妹ダイアン・ベイカー、198cmの長身が印象的な、らとランドの父アラン・ネピア(TVシリーズ・バットマンのアルフレッド役)、悲しい過去を持つ主人公の母親ルイーズ・ラサム、社員役のマリエット・ハートレイ、探偵のヘンリー・ベックマン、そして主人公親子に殺される水兵役でブルース・ダーンなどが共演している。