釣りの専門家であるにも拘らず実は素人だった男性がひょんなことから出場することになった釣り競技会場で巻き起こす騒動を描く、製作、監督ハワード・ホークス、主演ロック・ハドソン、ポーラ・プレンティス、ジョン・マッギーヴァー、マリア・ペルシー共演によるコメディ。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ハワード・ホークス
製作:ハワード・ホークス
原作:パット・フランク”The Girl Who Almost Got Away”
脚本
ジョン・フェントン・ミューレイ
スティーヴ・マクニール
撮影:ラッセル・ハーラン
編集:スチュアート・ギルモア
音楽:ヘンリー・マンシーニ
出演
ロジャー・ウィロビー:ロック・ハドソン
アビゲイル・ペイジ:ポーラ・プレンティス
ウィリアム・キャドワルダー:ジョン・マッギーヴァー
イソルデ”イージー”ミュラー:マリア・ペルシー
テックス・コナーズ:シャーリーン・ホルト
フィップス少佐:ロスコー・カーンズ
ジョン・スクリーミング・イーグル:ノーマン・アルデン
警官:ジェームズ・ウェスターフィールド
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1964年製作 120分
公開
北米:1964年1月29日
日本:1964年3月14日
北米興行収入 $6,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
サンフランシスコ。
”アバクロンビー&フィッチ”の釣り具販売部門に勤めるロジャー・ウィロビー(ロック・ハドソン)は、後からついて来た女性アビゲイル・ペイジ(ポーラ・プレンティス)が、いつもの自分の駐車スペースに車を止めたためにどいてもらおうとする。
話も聞かずに、現れたイソルデ”イージー”ミュラー(マリア・ペルシー)と去ってしまったアビゲイルの車をどかそうとしたロジャーだったが、その場にいた巡査(ジェームズ・ウェスターフィールド)から、自分の車の駐車違反の切符を切られてしまう。
釣りのエキスパートであるロジャーは、著書がベストセラーとなっていた。
店で待っていた常連客のフィップス少佐(ロスコー・カーンズ)の相手をして、社長ウィリアム・キャドワルダー(ジョン・マッギーヴァー)の元に向かったロジャーは、自分待っていたアビゲイルとイージーと話をすることになる。 イージーはロッジのオーナーの娘で、アビゲイルは広報担当だと知らされたロジャーは、ワカプーギー湖の釣りの競技会に招待されたと言われる。 それを断らおうとするロジャーは動揺し、アビゲイルは、プロが出場することで彼が引け目を感じていると思う。 出場を渋るロジャーとバーに向かったアビゲイルは、イージーと共に彼を説得するが、理由は一つだけだと彼から言われてある場所に向かう。 アビゲイルとイージーをピアノ博物館に連れて行き、音楽を鳴らし皆に聞こえないようにしてその理由を話したロジャーは、実は釣りをしたことがないと二人に伝える。 驚いたアビゲイルとイージーは呆れてしまい、ロジャーをペテン師呼ばわりする。 イージーは帰ってしまい、アビゲイルは、ロジャーとランチをしながら、対応策を考える。 釣りに関するあらゆる本を読んで専門家をに装っていると話すロジャーは、出場しなければ真実をバラすとアビゲイルから言われ、週末までに自分とイージーが釣りを教えることを約束してその場を去る。 キャンプ用具一式を持参して湖に向かったロジャーは、カワプーギー族の族長ジョン・スクリーミング・イーグル(ノーマン・アルデン)に迎えられる。 ロジャーがキャンプ場に着いたことを知ったアビゲイルとイージーは、泳いでその場に向かう。 アウトドアは全く素人のロジャーは、テント張りなどで悪戦苦闘し、その様子を見たアビゲイルとイージーは笑ってしまう。 キャンプは無理だと言われたロジャーは、アビゲイルとイージーと共にロッジに行くことになり、その様子を見られてしまったイーグルに口止め料を払う。 その夜ロジャーは、自分の競技会の出場を知り勝ち目がないと言うフィリップス少佐のために、出場を辞退しようとする。 しかし、フィリップス少佐は受けて立つ気になり、アビゲイルにもおだてられる。 翌日、約束の場所でアビゲイルと会ったロジャーは、ボートで釣ると言われて焦り、泳げないことを伝える。 仕方なく恐る恐るボートに乗ったロジャーは、エンジンをかけた勢いで水に落ちてしまい、空気膨張式ウェーダーを使い浮上するものの、大騒動になる。 ロッジに戻ったロジャーは、社長キャドワルダーからの電話を受け、キャビンに着いたことと、イーグルが来ることを知らされる。 キャドワルダーに会ったbイーグルは、カスター将軍の頭皮を20ドルで売りつける。 イージーは、部屋に戻ったアビゲイルがロジャーを意識していることを知る。 翌日、アビゲイルと共に釣りを体験したロジャーは、触るのも嫌な釣った魚をひたすら持たされる。 そこにボートでイージーが現れ、雨が降り出す中、魚を持たされたままのロジャーは、シカゴの優勝者キルロイが来ることを知らされる。 そのため自分はお役御免だと言われたロジャーは、骨折したことにして競技会を棄権することを考え、ギブスをはめて怪我人を装うことになる。 ロジャーの腕をギブスで固定したアビゲイルとイージーは、キルロイが来たと知らされてロビーに向かう。 そのまま待つようにと二人から言われたロジャーは、ギブスが固まったためにシャツを着てロビーに向かおうとする。 アビゲイルとイージーから、キルロイも事故で骨折したと言われたロジャーは、ギブスを外すことになる。 ロジャーのギブスを万力で挟んだアビゲイルは、それを電動丸ノコで切断する。 夜中に電話をかけてロジャーを起こしたアビゲイルは、睡眠薬をもらいに彼の部屋に向かう。 アビゲイルに口説かれそうになったロジャーは、フィリップス少佐からの電話を受け、質問があるので部屋に行くと言われる。 バーにいると言うフィリップス少佐に自分が行くと伝えたロジャーは、アビゲイルに帰るように指示しキスしてバーに向かう。 その場にいた少佐やキャドワルダーらに釣りについて助言したロジャーは、部屋に戻る。 アビゲイルがベッドで眠っていることに気づいたロジャーは驚き、彼女を起こそうとする。 その様子をイーグルが目撃してしま、ロジャーは、仕方なく寝袋で眠る。 ロジャーの婚約者テックス・コナーズ(シャーリーン・ホルト)が、翌朝、来ることをフロント係から知らされたキャドワルダーは、明日、伝えるよう指示する。 翌朝、イージーに起こされたロジャーは、寝袋から出れないまま、アビゲイルは睡眠薬を飲みベッドで寝ていることを知らせる。 そこにテックスが現れ、ロジャーの寝袋のファスナーを外そうとするイージーに気づく。 ロジャーとイージーとの関係を疑うテックスは、寝室からアビゲイルが現れたためにその場を去ろうとする。 キャドワルダーが迎えに来たために、競技会に行かなくてはならないロジャーは、テックスを引き止めて、説明するので夜まで待ってほしいと伝える。 自分を疑うキャドワルダーに潔白だと伝えたロジャーは、反省もしないアビゲイルを非難する。 3日間の競技会は始り、自分の著書を参考にしながら、ロジャーは釣りにチャレンジする。 何んとか獲物をゲットしたロジャーは、その様子をイーグルに見られてしまう。 そこそこの大物を釣ったロジャーは、フィリップス少佐に小差でトップを譲るものの満足する。 テックスに電話をしたロジャーは、機嫌が直った彼女と会う約束をする。 イージーから、アビゲイルにキスしたのは愛の始りだと言われたロジャーは、それを否定する。 ロジャーの態度に納得いかないイージーは、席を立った際にドレスのファスナーが外れてしまう。 ファスナーを直そうとしたロジャーは、それをテックスに見られてしまい、憤慨した彼女はその場を去る。 競技会2日目、前日に続き苦労しながらも大物を釣ったロジャーは、フィリップス少佐を抜きトップになる。 その夜、バーで飲んでいたロジャーは、現れたアビゲイルと話し、魅力的で刺激的ではあり、キスもしたいと伝える。 行動に移してほしいと言ってロジャーからキスされるものの、アビゲイルは動揺してしまう。 競技会3日目、獲物をゲットしたロジャーだったが、それを見ていたアビゲイルから、クマに襲われそうだと言われ、焦って水に飛び込む。 特大の魚を釣り上げたロジャーは、自分が優勝して、これで魚とも縁が切れるとアビゲイルに伝える。 その場を去ったアビゲイルとも別れることになるロジャーは寂しさを感じ、その夜、自分が優勝したことをキャドワルダーからの電話で知らされる。 現れたアビゲイルから、このまま人を騙し続けるのを見ているのは忍びないと言われたロジャーは、全てを話すことに決めた瞬間に気が楽になる。 バーに向かい、審査委員長、キャドワルダー、フィリップス少佐らに、優勝を辞退することを伝えたロジャーは、自分はプロではなく、釣りをしたこともないと告白する。 少佐は半信半疑だったが、キャドワルダーから解雇されたロジャーは、それを気にもせずにその場を去る。 去ってしまったアビゲイルに会いたいとイージーに伝えたロジャーは、その理由を訊かれ、愛しているからだと答える。 一緒にいたイーグルから、アビゲイルが東の滝でキャンプしていると言われたロジャーは、連れて行ったと言う彼の案内でその場に向かう。 アビゲイルに会うものの帰ったほしいと言われたロジャーは、ボートが流されたので無理だと伝える。 話したくないと言うアビゲイルは寝袋に入ってしまい、委員会には真実を話し、会社はクビになり、テックスとも終わったことをロジャーから知らされる。 雨が降って来たため、ロジャーも防水の寝袋に入る。 バーでロジャーのことを話し合っていたフィリップス少佐は、道具さえよければ誰にでも魚が釣れることを宣伝できるとキャドワルダーに話し、ロジャーをクビにしたのは失敗だと伝える。 焦ったキャドワルダーは、ロジャーを捜しに行く。 大雨になったために、寝床は湖の上に流されてしまい、ロジャーは、カヌーで現れたキャドワルダーから思い止まるよう説得されて納得する。 キスした時のように自分を好きになれるかとアビゲイルから訊かれたロジャーは、昨夜のことは忘れたいと伝えるものの、嫌がる振りをしただけだと彼女から言われる。 ロジャーは、自分を奇妙で魅力的だと再び思えるかとアビゲイルから訊かれ、キスしてほしいと言われる。 アビゲイルを黙らせたロジャーは、彼女を抱きしめてキスする。
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■ 解説 評価 感想 ■
*(簡略ストー リー)
サンフランシスコ。
”アバクロンビー&フィッチ”の釣り具販売部門担当で、釣りのエキスパートとして著書がベストセラーになっていたロジャー・ウィロビーは、ロッジのオーナーの娘イージーと広報のアビゲイルから、ワカプーギー湖の釣りの競技会出場の招待を受ける。
焦ったロジャーは、実は自分が釣りをしたことがないことを二人に伝え、専門書を読んでエキスパートを装っているだけだと話す。
呆れたアビゲイルとイージーだったが、数日間、特訓すれば大丈夫だとロジャーに伝えて、彼を競技会に出場させる。
釣りが未経験どころか魚に触れることもできず泳げもしないロジャーは、仕方なく湖のロッジにむかうのだが・・・。
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ドラマ、サスペンス、西部劇、ミュージカル、コメディと、あらゆる分野の作品を手掛ける、巨匠ハワード・ホークス製作による監督作品。
スケール感のある長身、そしてアマイマスクのロック・ハドソンの個性を生かし、軽快で小気味よいハワード・ホークスの演出が冴える快作に仕上がっている。
主人公とヒロインの恋が芽生えるラブ・コメディであり、それを中心に展開する物語は、とにかく忙しいドタバタ喜劇としても楽しめる内容になっている。
主人公が”アバクロンビー&フィッチ”の釣り具販売部門に勤めていることもあり、当時のアメリカの豊かさが感じられるアウトドア商品が興味深く描写され、その他の小道具の使い方なども面白い。
テンポの良いヘンリー・マンシーニの音楽も実に楽しい。
上記のように、ロック・ハドソンが際立つ長身(196cm)であるためユーモアに派手さが加わり、衝突しながらも愛し合うようになる、男勝りで風変わりなヒロインを愉快に演ずるポーラ・プレンティスも177cmの長身なので、2人の演技は迫力がある。
主人公の上司である社長ジョン・マッギーヴァー、ヒロインに広報を任せる友人でもあるロッジのオーナーの娘マリア・ペルシー、主人公の婚約者シャーリーン・ホルト、主人公の顧客である釣好きの少佐ロスコー・カーンズ、ワカプーギー族の族長ノーマン・アルデン、警官のジェームズ・ウェスターフィールドなどが共演している。