ホテルの21階から飛び降りようとする元刑事の無謀な行動を描く、サム・ワーシントン、エリザベス・バンクス、ジェイミー・ベル、アンソニー・マッキー、エド・ハリス、キーラ・セジウィック、エドワード・バーンズ、ウィリアム・サドラー他共演のサスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:アスガー・レス
製作総指揮
ジェイク・マイヤーズ
デヴィッド・レディ
製作
ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ
マーク・ヴァーラディアン
脚本:パブロ・F・フェニベス
撮影:ポール・キャメロン
編集:ケヴィン・スティット
音楽:ヘンリー・ジャックマン
出演
ニック・キャシディ:サム・ワーシントン
リディア・マーサー:エリザベス・バンクス
ジョーイ・キャシディ:ジェイミー・ベル
マイク・アッカーマン:アンソニー・マッキー
アンジェラ”アンジー”マリア・ロペス:ジェネシス・ロドリゲス
デヴィッド・イングランダー:エド・ハリス
スージー・モラレス:キーラ・セジウィック
ジャック・ドハーティ:エドワード・バーンズ
ダンテ・マーカス:タイタス・ウェリヴァー
フランクリン”フランク”キャシディ:ウィリアム・サドラー
アメリカ 映画
配給 サミット・エンターテインメント
2012年製作 102分
公開
北米:2012年1月27日
日本:2012年7月7日
製作費 $42,000,000
北米興行収入 $18,600,910
世界 $46,221,190
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク、”ルーズベルト・ホテル”。
”ウォーカー”と名乗り21階の眺めのいい部屋を取ったったニック・キャシディ(サム・ワーシントン)は、客室係のフランクリン(ウィリアム・サドラー)に案内され、朝食を済ませて指紋を消しメモをする。
気持ちを落ち着かせながら、部屋の窓から外に出たニックは、路上の人々に気づかれる。
1か月前、シンシン刑務所。
服役していたニックは上告を却下されて、元警察官の身で25年の刑を覚悟し、毎日、自殺を考えていることを弁護士に伝える。
元相棒の刑事マイク・アッカーマン(アンソニー・マッキー)はニックと面会し、彼の無実の罪を晴らしたい気持ちを伝える。 マイクは、ニックの父親が病で余命短いことを知らせ、葬儀に出られるよう手を打つことを伝えて彼を励ます。 その後、父親が亡くなり、葬儀に参列することを許されたニックは、親不孝だと自分を責める弟ジョーイと言い合いになる。 止めに入った監視の警官から銃を奪ったニックは、手錠をジョーイに外させて車を奪い逃走する。 ニックは、貨物列車が迫る線路を強引に渡り、接触して車は横転する。 姿を消したニックは、貸倉庫に向かい身支度をする。 群衆が注目する中、ニューヨーク市警の刑事ジャック・ドハーティ(エドワード・バーンズ)がホテルに到着して、部屋に向かいニックに話しかける。 部屋に戻るよう説得されたニックは、リディア・マーサー刑事(エリザベス・バンクス)を呼ぶようにと、ドハーティに伝える。 刑事ダンテ・マーカス(タイタス・ウェリヴァー)も現れて、彼とドハーティは、”潔白な身で逝く”というニックのメモを見つける。 眠っていたマーサーは電話で起こされ、ドハーティにホテルに呼ばれる。 ”ニュース12”のリポーター、スージー・モラレス(キーラ・セジウィック)は、現場の模様を中継で伝える。 2分で飛び降りるというニックを前に、現れたマーサーは、ぎりぎりまで待ち彼に声をかける。 名が知られている交渉人の自分を呼べば、注目が集まるとニックから言われたマーサーは、ドハーティらを部屋から追い払うが、5分で説得するよう指示される。 その頃マイクは、ニックの居場所を捜そうとする。 部屋の指紋をドハーティに調べさせたマーサーは、それが出ないことを知らされる。 マーサーに説得されるニックは、ジョーイからの連絡を受ける。 テレビではモラレスのリポートが続き、先月マーサーが交渉に失敗し、警官が自殺したことが伝えられる。 ジョーイは、恋人のアンジェラ”アンジー”マリア・ロペス(ジェネシス・ロドリゲス)と共に、ニックと連絡を取りながら、宝石王デヴィッド・イングランダー(エド・ハリス)の保有するビルの屋上に向かい爆弾を仕掛ける。 ニックが逃走したのは、始めからジョーイと仕組んだことだった。 ビルの警備ロックは解除され、ニックが飛び降りると見せかけたと同時に、ジョーイが爆破スイッチを入れる。 焦ったマーサーだったが、ニックにタバコを吸わせてその指紋を調べさせる。 ジョーイはビル内に侵入し、エレベーター・ダクトから階下に向かう。 父親の写真を持っていたニックは、そのことでマーサーと話になるが、そこにテレビ局のヘリコプターが近づく。 ニックは写真を落としてしまい、ビルの壁にしがみつく姿が中継され、それを、署に戻ったマイクが確認する。 同時にマイクは、ジョーイ名義で貸倉庫があるという報告を受けて、その場に向かう。 マーサーは、ニックが自殺する気がないことと、何か裏があると考え、それをドハーティに伝える。 ジョーイとアンジーは、監視カメラに細工するものの、熱感知センサーに気づく。 ニックは、本当のことを教えるよう話しかけるマーサーと会話しながら、ジョーイ達の様子を気にする。 指紋照合の結果、マーサーは、ニックがイングランダーの4000万ドルのダイヤを盗んだ罪で、服役していたことを知る。 イングランダーが、ホテルと付近のビルを所有することを知ったマーサーらは、ニックが無実を訴えようとしていることにも気づく。 マイクは倉庫を調べ、自分達に関する資料を見つけて、ニックとジョーイが何かを企んでいることを知る。 マーサーからの連絡を受けたマイクは、倉庫にあった自分達の資料を燃やす。 消火器でセンサー感知を防いだジョーイとアンジーは、ダクトの前の壁を破ろうとする。 イングランダーは、”モナーク・タワー”建設発表会見が近づき、ホテルで騒ぎを起こす自殺志願者が、ニックだということを知らされる。 身元が分かったマーサーは、ニックにこの件の意味を問い、”モナーク ダイアモンド”輸送警備のバイトをしていた彼から、無実を訴えるために手を貸してくれと言われる。 ニックは、紙幣をバラまいて路上の人々を混乱させ、警備員が警官を連れてビルに入ったことをジョーイに知らせる。 イングランダーの元に向かったマーカスは、ニックを早急に逮捕するよう指示される。 ジョーイとアンジーは壁を元に戻してその場を離れ、金庫の暗証番号を知り、警備員と警官は、その場が異常ないことを確認する。 突入部隊が到着し、マーカスは15分後に行動に移すことをマーサーに伝える。 ニックは、ダイヤを送り届けた後、覆面の二人組に襲われたことをマーサーに話す。 ”リーマン・ショック”と不動産の損で、破産寸前だったイングランダーが、4000万ドルの盗難保険金で生き返ったことを、ニックはマーサーに伝える。 ダイヤ強奪は、イングランダーの自作自演だと訴えるニックは、彼が警官しか雇わないことを指摘し、自分を信じるよう伝えてマーサーに協力を求める。 現場に到着したマイクは、マーカスから状況を聞き、ニックの監房にあった資料を受取る。 ニックが服役した後、麻薬汚職の疑いがある同僚刑事”ウォーカー”は、川で死体で発見された。 それを知ったマーサーは、ウォーカーの仲間がニックをハメたという考えをマーカスに伝える。 マーカスはそれを信じないまま、部隊に突入命令を出す。 トイレに向かったマイクは、自分に関する資料を抜き取りマーサーらのいる部屋に向かう。 マーサーは、ウォーカーとの関係をマイクに聞き、彼をその場から追い払う。 客室係フランクリンから食事を渡されたニックは、ダクトから金庫に向かうアンジーに指示を与える。 ニックから、もう少し時間をくれと言われたマーサーは、マイクから渡された資料に、爆弾の設計図があることをドハーティから知らされる。 アンジーはニックの支持でセンサーを切り、ジョーイの元に戻る。 マーカスは、強行突入することをマーサーに伝えるが、それに納得しない彼女は窓から外に出てしまう。 ジョーイとアンジーは金庫を開けて、ニックは、近づいてきたマーサーに、ダイヤを盗むことを伝える。 警報を知り金庫に向かったイングランダーは、何者かが侵入したことに気づくが、隠し金庫のダイヤが無事だったことを確認する。 部屋に戻り内務調査官に連絡を入れたマーサーだったが、マイクがドハーティの隙を見て部屋に入りニックの元に向かう。 部屋に戻るようマイクに説得されたニックは、誰が犯人かを確かめようとする。 その時、突入部隊が行動を起こし、ニックは、その一人にしがみつきながら逃走する。 イングランダーのオフィスで待ち構えていたジョーイは、彼に銃を向けてダイヤを奪う。 計画通りに事を済ませたジョーイとアンジーは、フロントに向かい、フランクリンにバッグを預け、彼は中のダイヤを確認してしまう。 イングランダーからの連絡を受けたマーカスは、ダイヤがジョーイと女に盗まれたことを知らされ、起爆装置を持っていると思われるニックを射殺するよう指示する。 マーサーは、マイクとマーカスに関する状況証拠を掴んでいたことを内部調査官から知らされる。 ニックは、厨房でフランクリンからダイヤを受取り、その場を離れ、再びホテルの外に出る。 ジョーイとアンジーを見つけたマーカスは、彼を痛めつけてダイヤの在処を聞き出そうとする。 マーサーは、突入部隊の指揮官に、ニックが無実だということを伝えて行動を中止させる。 屋上で追い詰められたニックを、現れたマーサーが助けようとするものの、マーカスの指示で彼女は連行されてしまう。 マーカスはイングランダーに連絡し、彼とジョーイが屋上に現れる。 ジョーイを殺すと言ってイングランダーに脅されたニックは、彼にダイヤを彼に渡す。 イングランダーは、二人を殺すようマーカスにと命じてその場を去る。 マーサーは、警官に銃を向けて屋上に戻ろうとする。 現れたマイクは、マーカスを銃撃しながら自分も撃たれる。 瀕死のマイクは、イングランダーらがニックをハメるとは知らなかったことを伝える。 防弾チョッキを着ていたため無事だったマーカスは、ニックに銃を向けるが、現れたマーサーが彼を射殺する。 建物を離れたイングランダーを追い、ニックは屋上から飛び降り、クッションの上に落下する。 ニックはイングランダーに近づいて叩きのめし、無実の証拠であるダイヤをかざして民衆に訴える。 イングランダーは警官に連行され、ニックはリポーターのモラレスにインタビューされる。 ニックは釈放され、マーサーは彼を迎えて、ダイヤを盗んだ方法を聞く。 バーに向かったニックは、オーナーの父親フランクリンをマーサーに紹介する。 その場に現れたジョーイは、盗んだダイヤを取り出して、アンジーにプロポーズする。 フランクリン、そしてニックとマーサーはもそれを喜ぶ。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)
ニューヨーク、”ルーズベルト・ホテル”。
“ウォーカー”と名乗りチェックインして、21階の部屋で朝食をとったニック・キャシディは窓を出て自殺しようとする。
元警官のニックは、宝石王イングランダーの
4000万ドルと言われる”モナーク・ダイヤ”を盗んだ罪で服役したものの、無実の罪を晴らすため、弟のジョーイと共謀して逃走したのだった。
ニックは刑事ドハーティに、交渉人マーサーを呼ぶよう伝える。
マーサーは、ニックの説得を始めるのだが、イングランダーのビルに侵入したジョーイが爆弾で屋上の壁を破る。
ニックの元相棒マイクは彼を捜していたのだが、ホテルの騒動と、ニックとジョーイが何かを企んでいることに気づく。
ニックと話を続けるマーサーも、彼が単純な自殺志願者とは思えず、彼が無実を訴えようとしていることに気づくのだが・・・。
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緊張しながら自殺しようとする主人公、観る者は、哀れみを感じ・・・と言いたいところなのだが、プロの強盗団並みのダイヤ強奪計画、汚職と裏切りが渦巻く警察内部も問題など、大きな事件に発展していく、スピード感ある内容は目が離せない。
”ルーズベルト・ホテル”で実際に行われたロケも素晴らしい効果を上げ、緊迫感を盛り上げる。
本作が長編デビューとなるアスガー・レスは、豪華出演者各々の個性を生かした軽快な演出で、序盤から、主人公の計画のヒントになる描写など、意識しているとそれが読めてくるパブロ・F・フェニベスの脚本もまずまず面白味はある。
ただ、キーラ・セジウィックが、それほど重要でもないTVリポーターなどで登場すると、何かありそうな雰囲気を、彼女の周辺で感じてしまい邪魔をしているところなどが気になる。
彼女が演じなくてもとも思う。
悲壮感も漂う序盤から一転、入念に準備をして進めた計画を着々と実行する主人公サム・ワーシントン、彼を説得する交渉人で、爽やかな雰囲気もあり、主人公との恋愛に発展しそうなラストもいいエリザベス・バンクス、主人公に協力する弟ジェイミー・ベル、その恋人役ジェネシス・ロドリゲス、主人公の元相棒の刑事アンソニー・マッキー、宝石王のエド・ハリス、TVリポーターのキーラ・セジウィック、度々発する発言が可笑しい刑事エドワード・バーンズ、同じく刑事タイタス・ウェリヴァー、そして主人公の父親でもあったホテルの接客係ウィリアム・サドラーなどが共演している。