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西部の人 Man of the West (1958)

過去のある男が悪に立ち向かう姿を描く、監督アンソニー・マン、主演ゲーリー・クーパージュリー・ロンドンリー・J・コッブアーサー・オコンネル共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇


スタッフ キャスト ■
監督:アンソニー・マン

製作:ウォルター・ミリッシュ
原作:ウィル・C・ブラウン”The Border Jumpers”
脚本:レジナルド・ローズ

撮影:アーネスト・ハラー
編集
ヴィクター・ヒーアマン
リチャード・V・ヒーアマン
音楽:リー・ハーライン

出演
リンク・ジョーンズ:ゲーリー・クーパー

ビリー・エリス:ジュリー・ロンドン
ドック・トビン:リー・J・コッブ
サム・ビースリー:アーサー・オコンネル
コーリー・トビン:ジャック・ロード
クロード・トビン:ジョン・デナー
トゥラウト:ローヤル・ダーノ
ポンチ:ロバート・J・ウィルク

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1958年製作 99分
公開
北米:1958年10月1日
日本:1958年11月1日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1870年代、テキサス州、クロスカット。
グッドホープから来たリンク・ジョーンズ(ゲイリー・クーパー)は、愛馬を馬屋に預けて身なりを整え、フォートワース行きの汽車に乗ろうとする。

駅で保安官に話しかけられたリンクは、来た場所や名前を偽り、無法者の”ドック・トビン”に気をつけろと言われて汽車に乗車する。

初めて汽車に乗るリンクに目をつけた、いかさま師のサム・ビースリー(アーサー・オコンネル)は、彼の座席に向かい話しかける。

フォートワースには、町に学校を作るために学校教師を探しに行くというリンクの話を聞き、サムは席を外す。

燃料のまきを積み込む場所で汽車は停車し、サムは再びリンクに話しかけ、クロスカットの酒場の歌手ビリー・エリス(ジュリー・ロンドン)を紹介する。
...全てを見る(結末あり)

サムから、ビリーが教師の資格を持っていることを知らされたリンクは、まき積みを手伝おうとする。

その時、数人の者達が、汽車に乗っていた男の合図と同時に汽車を襲い、金の入ったリンクの鞄を奪い逃走する。

銃で殴られたリンクと足を怪我したサム、そしてビリーは、汽車が走り去ったために置き去りにされてしまい、三人は仕方なく歩き始める。

三人は、かつてリンクが住んでいたという家にたどり着き、彼はビリーとサムを納屋に向かわせる。

家に向かったリンクは、その場で、汽車を襲ったコーリー・トビン(ジャック・ロード)、トゥラウト(ローヤル・ダーノ)、ポンチ(ロバート・J・ウィルク)らに迎えられる。

悪党共を前に怯むこともないリンクは、一味のリーダーで、実はリンクの叔父だったドック・トビン(リー・J・コッブ)と対面し、お互い驚いてしまう。

トビンは、かつて共に無法の限りを尽くしたリンクが、去って改心したことを語り、右腕の彼を失い、無能な手下がまともな仕事ができないことを嘆く。

トビンは、汽車の襲撃で傷を負った手下を楽にさせるよう、コーリーに射殺することを命ずる。

リンクは、とりあえず仲間に戻ることをトビンに伝え、ビリーとサムを連れて来る。

やや正気を失いつつあるトビンに手の内を見せないリンクは、ビリーの様子を気にしながら、一味と共に仕事をしようとする。

死んだ男の墓を掘らされていたサムは、死体を運んできたリンクに、この場に来てから、悪党のように人が変わったことを伝える。

コーリーらが、ビリーの服を脱がせようとして騒ぎ始めるが、トビンがそれを制止する。

リンクはビリーが自分の女だと伝え、トビンは二人に納屋で寝るよう命ずる。

納屋で空の鞄を見つけたリンクは、預かった金が亡くなっていることに気づく。

リンクは、酔って現れたトビンに怯えるビリーに寄り添い夜を明かす。

翌朝、仲間のクロード・トビン(ジョン・デナー)が現れたことを確認したリンクは、目覚めたビリーに、悪党と普通の人々の違いに気づき改心した経緯と、妻子もいることなどを話す。

その後クロードは、翌日のラッスーの銀行撃計画のことをリンクに話すが、彼を思い出したクロスカットの保安官が動き出し、仕事がやりにくくなったことを伝える。

リンクは、自分の過去を知りながら信用してくれた人々のためにも、一味と縁を切り決着をつけたいという胸の内をビリーに伝える。

クロードは、ビリーらが足手まといになると言って始末しようとするが、トビンはそれを許さない。

ラッスーの銀行襲撃に向かう途中、ビリーをいたぶったコーリーを挑発したリンクは、彼と格闘になり叩きのめす。

恥をかかされたコーリーは拳銃を抜くが、放った弾丸は、リンクをかばおうとしたサムに命中してしまう。

コーリーはトビンに射殺され、サムはリンクに感謝して息を引き取る。

その後リンクは、クロードが自分の考えを見抜いていることと、身内であるトビンを裏切れないことを知らされる。

その夜、襲撃計画を語るトビンが、最初に町に向かう者を決めようとして、リンクが、自分しかいないことを伝えて志願する。

それを承知したトビンは、トゥラウトを連れて行くようリンクに指示する。

リンクに惹かれ始めたビリーは、彼の身を案じながら、それが叶わぬことを悟る胸の内を伝える。

クロードは、リンクと一緒に銀行に向かうトゥラウトに、その場を出たところで彼を殺すよう指示する。

翌日、ビリーを残すことでトビンらを警戒しながら、リンクはトゥラウトを連れてラッスーに向かう。

しかし、廃坑の町の銀行は閉鎖されていて、その場にいた女が銃を向けたため、トゥラウトが彼女を射殺してしまう。

リンクはトゥラウトを殴り、発砲する彼を銃撃し、息絶えたのを確認してガンベルトを奪う。

暫くして現れたクロードとポンチを迎え撃ち、リンクは銃撃戦を繰り広げる。

リンクはポンチを射殺し、銃弾を受けながらも、クロードを倒す。

幼馴染みのクロードを、殺したくはなかったリンクは悔やみながら、町を離れてビリーの元に向かう。

トビンが、ビリーに暴行を加えたことを知ったリンクは、彼を捕えて保安官に引き渡そうとする。

半狂乱のトビンは銃を乱射し、リンクは仕方なく彼を射殺する。

リンクは、町の人々の金を取り戻し、ビリーと共にその場を離れる。

再び町で歌うというビリーは、叶わぬ恋と知りながら、リンクに愛を伝える。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1870年代。
町にできる学校の教師を探すために、テキサスフォートワースに向かったリンク・ジョーンズは、汽車で旅する途中、強盗団の襲撃を受け、人々から預かった金を奪われてしまう。
酒場の歌手ビリーといかさま師サムと共に置き去りにされたリンクは、徒歩で、かつて住んでいた家に向かう。
そこで、リンクは汽車を襲撃したコーリーらと対面し、そして、叔父である一味のリーダー、トビンに再会する。
実は、かつてトビンの右腕として、リンクは無法の限りを尽し、その後、改心して平凡な人生を送っていたのだった。
銀行襲撃を計画するトビンだったが、ビリーらを助けるためにリンクは、彼らに加担すると見せかけてチャンスを待つのだが・・・。
__________

ウィル・C・ブラウンの小説”The Border Jumpers”を基に製作された作品。

ゲーリー・クーパーの晩年の作品であり、アンソニー・マンとのコンビ、その軽快な演出も楽しめる正統派西部劇である。

悪人にはとても見えないゲーリー・クーパーが、かつては無法者であったという設定もなかなか興味深い。

ゲーリー・クーパーは、長身ではあるが、いかにも平民風な男として登場するのだが、突如として誰をも寄せ付けない雰囲気に変貌する演出、また、そのタイミングも絶妙だ。

メロディを聴いただけで分かる、リー・ハーラインらしい音楽もファンには嬉しい。

正しく、荒野に咲く一輪の花、酒場の歌手ジュリー・ロンドンの美しさも際立ち、主人公二人の将来が気になるラストも忘れられない。

実はゲーリー・クーパーよりも10歳も若い、無法者一味のリーダーを個性的に演ずるリー・J・コッブ、いかさま師アーサー・オコンネル、無法者一味のジャック・ロードジョン・デナーローヤル・ダーノロバート・J・ウィルクなどが共演している。


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