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厳しい自然の中で生きるアイルランド自由国のアラン諸島の人々の日常生活を描く、監督、脚本、撮影ロバート・Ｊ・フラハティによるフィクショナル・ドキュメンタリー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督：ロバート・Ｊ・フラハティ
製作：マイケル・バルコン
脚本：ロバート・Ｊ・フラハティ
撮影：ロバート・Ｊ・フラハティ
編集：ジョン・ゴールドマン
音楽：ジョン・D・H・グリーンウッド
出演
アランの男：コールマン”タイガー”キング
妻：マギー・ディーレン
息子：マイケル・ディーレン
アイルランド自由国 映画
配給 ゴーモン・ブリティッシュ
1934年製作 78分
公開
アイルランド自由国：1934年5月6日
北米：1934年10月18日
日本：1935年3月
＊詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
アイルランド自由国、アラン諸島。
土壌がない岩だけの島で、人々は逞しく生きていた。
アランの男（コールマン”タイガー”キング）の息子（マイケル・ディーレン）は、岩場でカニを獲る。
家に帰る途中で母（マギー・ディーレン）に出くわした息子は、荒れる海から戻る父ら三人が乗るボートが岩場に着く場所に向い手伝う。
男達は、船底に穴の開いたボートを運ぶ。 網が高波にさらわれそうになったために、男達はその場に向かう。 男達は、傷んだ網を何とか引き上げて家に持ち帰る。 人々の生命を支えるのはジャガイモだったが、土壌がないため、砕いた岩と海草を用意する。 岩の割れ目の底に溜まった土を探し、それをカゴに入れてひたすら運ぶ。 砕いた岩、そして海草その上に運んだ土を敷く。 男はボートに向い、穴の開いた箇所にタールを浸した布を張り付けて修理する。 息子は、獲ったカニを餌にして崖の上からヒモを垂らして魚を釣る。 崖を降りてみた息子は、海中の巨大なウバザメを確認する。 湾にウバザメの大群が向かっていることに気づいた男達は、沖に向いそれを捕えようとするものの、結局は逃げられてしまう。 翌日も獲物を追った男達は、ウバザメの背にモリを刺してロープを引く。 海底に隠れたウバザメの様子を窺う男達は、浮かんできた獲物が弱るのを待つ。 妻は、海草を運びながらその様子を見守る。 男はもう一本のモリを刺し、遂にウバザメを仕留める。 二日がかりで獲ったウバザメの肝臓から、人々はランプを灯す油を採るのだった。 翌日もウバザメを捕えた男達は、冬の間の油の心配がなくなったことを喜ぶ。 男達に続き、他の者達も次々とボートで沖に向いウバザメを追う。 妻と息子は、ウバザメの肝臓を煮るための大釜を準備する。 人々は海岸に集まり、協力してウバザメを引き上げる。 息子も漁に出ようとするが、悪天候になる恐れがあるため、父に家に戻るよう指示される。 その後、海は荒れ始め、夫を心配しながら妻は海草を運ぶ。 妻は息子と共に、必死にボートを漕ぐ夫達を見守る。 何とか岩場にたどり着いた男達に、妻と息子は駆け寄る。 運ぶことができないボートは波に飲まれて壊れてしまう。 漁に行けなくなり、食べ物も油もなくなってしまうと言って妻は嘆く。 しかし、夫が生きていたことに対し、妻は神に感謝する。 無事だったロープを担ぎながら、荒れ狂う海を見つめる男は、妻と息子と共に家に向かう。
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＊(簡略ストー リー)
アイルランド自由国、アラン諸島。
土壌がない岩だけの島で、人々は逞しく生きていた。
人々は、生命を支えるジャガイモを栽培するため、砕いた岩と海草を用意し、その上に岩の割れ目の底に溜まった土を敷き詰める。
やがて、ウバザメの大群が現れ、人々は、長い冬の夜を過ごすランプを灯す油を採取するため、大群で現れたウバザメを捕獲しようとする。
ウバザメと海で格闘する男達は、ようやく捕えた獲物の肝臓を煮て油を採るのだった・・・。
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”ドキュメンタリー”の生みの親と言われるロバート・Ｊ・フラハティが監督、脚本、撮影を担当する作品で、過酷な条件下で暮らす人々の日常生活を描く作品。
出演者はアラン諸島の住人であり、その生活を映し出す紛れもないドキュメンタリーなのだが、ある家族の日常にスポットを当てた、ドラマ・タッチの作品に仕上げられている。
文明とはかけ離れた生活を送る人々の生活を、半ば同情するような気持で観始めたのだが、日々を生きるために、決められたことをこなしていく人々には、苦しみの表情などは見られない。
生きるための知恵、人間の本質、その逞しい姿がストレートに伝わってくる、力強い内容は感動的である。
また、荒れ狂う海と岸壁に打ち寄せる波の凄まじさなどは、現在のコンピューター技術を駆使したアクション映画などとは比べものにならない。
それを遥かに上回る本物の迫力映像は必見だ。
主人公になる一家は、夫コールマン”タイガー”キング、その妻マギー・ディーレン、息子マイケル・ディーレンが演じている。