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アル・パチーノ ブロークン 過去に囚われた男 Manglehorn (2014)

愛する女性の思い出の中で生きる老人の孤独な日々と新たな道筋を見つける姿を描く、製作、監督デヴィッド・ゴードン・グリーン、主演アル・パチーノホリー・ハンターハーモニー・コリンクリス・メッシーナ他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

アル・パチーノ / Al Pacino / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン
製作
リサ・マスカット
デヴィッド・ゴードン・グリーン
デリック・ツェン
クリストファー・ウッドロウ
モリー・コナーズ
製作総指揮
マリア・セストーン
サラ・E・ジョンソン
ホイト・デヴィッド・モーガン
ブラッド・クーリッジ
メリッサ・クーリッジ
トッド・ラバロウスキ
ダニー・マクブライド
ジョディ・ヒル
脚本:ポール・ローガン
撮影:ティム・オアー
編集:コリン・パットン
音楽:エクスプロージョンズ・イン・ザ・スカイ

出演
A・J・マングルホーン:アル・パチーノ
ドーン:ホリー・ハンター
ギャリー・ホッジス:ハーモニー・コリン
ジェイコブ・マングルホーン:クリス・メッシーナ

アメリカ 映画
配給 IFC Films
2014年製作 97分
公開
北米:2015年6月19日
日本:未公開
製作費 $4,000,000
北米興行収入 $143,100


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
テキサス州。
田舎町で鍵店を営む老人A・J・マングルホーン(アル・パチーノ)は、孤独な独り暮らしをしていた。

過去に愛したクララを想う日々を送るマングルホーンは、一日も彼女を忘れたことはなかった。

カフェと同じフロアにある銀行の行員ドーン(ホリー・ハンター)が気になるマングルホーンは、彼女と話して帰宅する。

ミツバチが巣を作ったポストから手紙を出し、送る手紙を入れたマングルホーンは家に戻り、食欲のない飼い猫ファニーにエサを与える。

外食したマングルホーンは、辛いだけの日々を考えながら、クララとの思い出が甦り、それがまた彼を毎日、苦しめた。
...全てを見る(結末あり)

スロットマシンをしている際に、野球のコーチをしていた際に世話をした青年ギャリー・ホッジス(ハーモニー・コリン)に声をかけられたマングルホーンは、日焼けサロンを経営していると言う彼からバーに誘われて向かうものの、楽しむ気になれなかった。

翌日、訪ねて来た実業家である息子のジェイコブ(クリス・メッシーナ)と食事をしたマングルホーンは、知人のギャリーに会ったことを話す。

ギャリーのサロンの名刺を渡されたジェイコブは、彼はヤク中だったと伝えるものの、マングルホーンから更生したと言われる。

そんなギャリーには興味がないジェイコブは、マングルホーンと口論になり、話題を変えて母親と話しているか尋ねる。

愛してないので話していないと答えたマングルホーンは、愛する女を失い、人生を見失ったとジェイコブに伝える。

話がかみ合わないジェイコブは、会えてよかったとマングルホーンに伝えて席を立つ。

翌日、ジェイコブの娘である孫のカイルと公園で遊んだマングルホーンは、帰宅してポストの手紙を確認する。

その中の一通に口づけをしたマングルホーンは、それを奥の部屋にしまいに行く。

ファニーを連れて郊外に出かけたマングルホーンは、街道での多重事故現場に遭遇する。

その後、ファニーを獣医に診てもらったマングルホーンは、異物を飲み込んで腸閉塞を起こしていたために食欲がなかったことを、医師から知らされる。

レントゲン写真を見せられたマングルホーンは、異物が鍵だったことを知り、開腹手術が必要だと言われる。

ファニーは手術することになり、銀行に向かったマングルホーンは、そのことををドーンに伝える。

明日はパンケーキ店で老人達と話をすることをドーンに伝えたマングルホーンは、彼女を誘う。

その場に現れたある男性が歌を歌い始め、それに応えた女性行員に花を渡す姿を見たマングルホーンとドーンは、その行為に感心する。

翌日、パンケーキ店で老人達と話したマングルホーンは、現れたドーンとテーブルを共にする。

引退のことを訊かれたマングルホーンは、やることがないと答え、自分の夢は、ファニーを船に乗せて海の彼方に消えることだと話す。

楽しい時間を過ごしたマングルホーンとドーンは、また会うことを約束する。

数日後、クララのことを想いつつ、招待されたドーンの家を訪ねたマングルホーンは、彼女がいつも話していた愛犬チーフに話しかける。

ドーンと出かけたマングルホーンは、レストランで食事をする。

バーに誘われたマングルホーンは、手術が終わり寂しい思いをしているファニーに会いに行くとドーンに伝える。

毎日、生甲斐を感じて過ごしていると言うドーンの話を聞いたマングルホーンは、自分とは正反対の性格である彼女から好意を示されて戸惑う。

ドーンの着ている洋服が、特別な女性であるクララのものと似ていると言うマングルホーンは、彼女のことを夢中になって話し始める。

自分を含めてクララには誰もかなわないと言われたドーンは、マングルホーンに惹かれて昨日から楽しみにしていたにも拘らず、ショックを受けたと伝えて涙する。

ここに来る前までは、あなたも自分に好意を持っていると思ったとマングルホーンに伝えたドーンは、気分を害してその場を去る。

ギャリーのサロンに向かったマングルホーンは、その場がいかがわしい行為をする場所だと知る。

憤慨したマングルホーンは、ギャリーを罵り痛めつけてその場を去る。

少年時代に、野球のコーチだったマングルホーンに世話になったギャリーは、彼を恨まなかった。

翌朝、訪ねて来たジェイコブから、仕事のことで捜査されていると言われたマングルホーンは、育て方を間違えたと伝える。

こんな時ぐらい励ましてほしいと言うジェイコブは、資産を凍結されたことを話す。

少しでもいいので金を貸してほしいと言われたマングルホーンは、それを断り、猫のファニーが手術をしたために治療費がかかると伝える。

妻にも相手にされず、相談するためにここに来たと伝えたジェイコブは、同じように孤独を選んだ自分も頼る者はいないと話すマングルホーンから、誰も電話に出ず手紙の返事も来ないと言われる。

ジェイコブは、何も語らずにその場を去る。

ファニーを病院に迎えに行き連れて帰ったマングルホーンは、エサを食べたために驚き喜ぶ。

ポストから手紙を出したマングルホーンは、返送されてきたクララへの手紙を確認する。

奥の部屋に向かったマングルホーンは、その手紙をしまい、返送されてきた大量の手紙を前に、彼女に会いたいと考える。

その後マングルホーンは、クララの写真をヨットに貼り、手紙などを乗せて不用品を燃やす。

金庫の中にしまってあった、たった一度届いたクララからの手紙を手にしたマングルホーンは、”一方的に自分を避けて、説明もなく理由も分からず困惑するばかりです・・・”という内容を読み返す。

銀行に向かったマングルホーンはドーンと話し、先日のことを謝罪してやり直したいことを伝える。

マングルホーンが反省していることを確認したドーンは、その証拠を見せてほしいと伝えて、来週会う約束をして帰る彼を見つめる。

クララらの思い出は、ヨットと共に処分される。

ジェイコブに電話をしたマングルホーンは、留守電だったために、愛していることを伝えるメッセージを残す。

公園で娘のカイルと遊ぶジェイコブを遠くから見守るマングルホーンは、彼の心には大きな愛があると考えたことが正しかったと思う。

車に戻ったマングルホーンは、鍵を車内に忘れてロックしてしまったことに気づく。

それを通りにいたパントマイムの青年に伝えたマングルホーンは、彼から”見えない鍵”を放ってもらう。

冗談のつもりで、それで車のロックを開ける真似をしたマングルホーンは、ロックが解除されたために驚く。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
テキサスの田舎町で鍵店を営む老人A・J・マングルホーンは、愛する女性クララを想う孤独な日々を送っていた。
そんなマングルホーンは、気になる存在だった銀行の行員ドーンとの距離を縮める。
しかし、ドーンと親しくなっても、クララ以上の女性はいないと考えるマングルホーンは、ドーンの心を傷つけてしまう。
金銭問題でトラブルを起こし、助けを求める息子ジェイコブの話も聞き入れないマングルホーンだったが、孤独な人生と決別する決心をする・・・。
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ファンタジーやコメディからシリアスな作品までをこなすデヴィッド・ゴードン・グリーンが製作も兼ねた作品で、彼の盟友ともとも言えるダニー・マクブライドが製作に参加している。

デヴィッド・ゴードン・グリーンは、第71回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞にノミネートされた。

地味な作品ではあるが、盟友アル・パチーノが、愛する女性への思い出の中だけで生きる、孤独で頑固な老人を深く演じ、観る者に訴える名演を見せてくれる。

アル・パチーノと同じくアカデミー主演賞受賞者であるホリー・ハンターが、気難しい主人公に惹かれる銀行の行員役を演じ、その自然な演技も見逃せない。

主人公の息子クリス・メッシーナ、その少年時代の友人で日焼けサロンを経営するハーモニー・コリンなどが共演している。


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