心に傷を負いながら最愛の兄を亡くした男の苦悩を描く、製作マット・デイモン、監督、脚本ケネス・ロナーガン、主演ケイシー・アフレック、ミシェル・ウィリアムズ、カイル・チャンドラー、ルーカス・ヘッジズ、グレッチェン・モル他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ケネス・ロナーガン
製作
マット・デイモン
キンバリー・スチュワード
クリス・ムーア
ローレン・ベック
ケヴィン・J・ウォルシュ
製作総指揮
ジョシュ・ゴッドフリー
ジョン・クラシンスキー
デクラン・ボールドウィン
ビル・ミリオーレ
脚本:ケネス・ロナーガン
撮影:ジョディ・リー・ライプス
編集:ジェニファー・レイム
音楽:レスリー・バーバー
出演
リー・チャンドラー:ケイシー・アフレック
ランディ・チャンドラー:ミシェル・ウィリアムズ
ジョー・チャンドラー:カイル・チャンドラー
パトリック・チャンドラー:ルーカス・ヘッジズ
パトリック・チャンドラー(幼少期):ベン・オブライエン
エリーズ・チャンドラー:グレッチェン・モル
ジョージ:C・J・ウィルソン
アイスホッケー・コーチ:テイト・ドノヴァン
シルヴィー・マッギャン:カーラ・ヘイワード
サンディ:アンナ・バリシニコフ
ジル:ヘザー・バーンズ
スー:エリカ・マクダーモット
ジェフリー:マシュー・ブロデリック
ジョエル:オスカー・ウォールバーグ
エメリー:スティーヴン・ヘンダーソン
ウェス:ジョシュ・ハミルトン
通行人:ケネス・ロナーガン
アメリカ 映画
配給
ロードサイド・アトラクションズ
アマゾン・スタジオ
2016年製作 137分
公開
北米:2016年11月18日
日本:2017年5月13日
製作費 $8,500,000
北米興行収入 $47,695,370
世界 $77,540,120
■ アカデミー賞 ■
第89回アカデミー賞
・受賞
主演男優(ケイシー・アフレック)
脚本
・ノミネート
作品・監督
助演男優(ルーカス・ヘッジズ)
助演女優(ミシェル・ウィリアムズ)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
マサチューセッツ州、マンチェスター・バイ・ザ・シー。
リー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)は、兄ジョー(カイル・チャンドラー)の船に乗り、ジョーの息子パトリック(ベン・オブライエン)と共に釣りを楽しもうとする。
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クインシー。
アパートの管理人兼便利屋のリー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)は、入居者と度々トラブルを起こし、上司のエメリー(スティーヴン・ヘンダーソン)から注意される。
心に傷を負うリーは、バーで女性に話しかけられても相手をする気になれず、自分を見ていた男に近づいて殴る。
他の客に制止されたリーは、アパートの地下にあるワンルームの住居に戻る。 翌日、アパートの雪かきをしていたリーは、医師からの電話を受け、兄ジョーが倒れたことを知らされて病院に向かう。 ビヴァリー病院に着いたリーは、家族ぐるみの付き合いである友人ジョージ(C・J・ウィルソン)から、ジョーが亡くなったことを知らされる。 ジョージから、今朝、船を点検している最中に急に倒れたジョーを救急車で運んだと言われたリーは、電話をしてくれたマラー医師と話す。 ジョーの弱っていた心臓が停止したと言われたリーは、連絡するべきである叔父のドニーは、ミネソタのミネトンカで働いていることをジョージから知らされる。 ドニーと元妻ランディ(ミシェル・ウィリアムズ)への連絡をジョージに頼んだリーは、マラー医師と共に遺体安置所に向かう。 ジョーの担当医ベサニー医師が産休だと知ったリーは、よくしてくれた彼女のことを想い出す。 ベサニー医師からうっ血性心不全だと診断されたジョーは、妻エリーズ(グレッチェン・モル)と父スタン、そしてリーと共にその説明を受ける。 普通に生活はできるが、症状からすると5~10年が寿命だと話すベサニーから、あくまで統計を基にしたことだと言われたジョーらは動揺する。 十分な説明が受けられないエリーズは納得できず、家に帰ると言ってその場を去る。 遺体安置所で、息を引き取ったジョーと対面したリーは、兄に別れを告げてジョージの元に戻る。 今後のことは葬儀社に頼めば全て行うとマラー医師から言われたリーは、船やWebサイトをどうするか話し合いたいとジョージに伝える。 連絡をしていない16歳の甥パトリックに知らせようとするリーは、ジョーの私物を受け取る。 ジョーの操縦で沖に出たリーとパトリックは、釣りを楽しむ。 帰宅したリーは、病気で寝ているランディから、母が今帰ったと言われ、パトリックが大物を釣ったことを話す。 娘二人と生まれたばかりの息子の相手をしたリーは、ジョーのことを案ずるランディに大丈夫だと伝える。 具合が悪いランディは、絡んでくるリーを拒む マンチェスター・バイ・ザ・シーに向かいながら高校に連絡したリーは、パトリックがホッケーの練習でグロスターに行っていることを知る。 リンクに着いたリーは、パトリック(ルーカス・ヘッジズ)にリーが亡くなったことを伝え、コーチ(テイト・ドノヴァン)は2人を気遣う。 練習から抜けていいとコーチに言われたパトリックは、チームメイトからも声をかけられる。 リーと共に病院に向かい、ジョーを一目見たパトリックは帰宅する。 パトリックは、友人とガールフレンドのシルヴィー・マッギャン(カーラ・ヘイワード)を家に呼ぶ約束していたため、リーにそれを伝える。 その後、パトリックからシルヴィーを泊めてもいいかと訊かれたリーは、彼女の両親は別々に寝ていると思っているので、口裏を合わせてほしいと言われる。 パトリックから、母エリーズに知らせるべきか訊かれたリーは、どこに住んでいるか誰も知らないと伝える。 リーは、アル中だったエリーズのことを想い出す。 エリーズとメールのやり取りをしていたパトリックは、父の死を知らせる。 翌朝、葬儀社に連絡したリーは葬儀の手配をして、パトリックとシルヴィーを学校に送る。 パトリックと話したコーチは数日休むようにと指示し、自分も同じくらいの年に父親を亡くしたので気持ちは分かると伝える。 ジョーの遺言のことで弁護士のウェス(ジョシュ・ハミルトン)を訪ねたリーは、自分がパトリックの後見人になることを知って驚き、無理だと答える。 自分の住居はワンルームであり、パトリックが学校に通えないと伝えたリーは、ウェスから、マンチェスターに引っ越してほしいと言われる。 引っ越し費用は5000ドルまで負担し、生活が落ち着くまで経費も用意されていると言われたリーは、叔父のドニー二も頼めないために考え込む。 何年かこの地に住んでいたことを訊かれたリーは、ジョーが入院したためにパトリックの世話をしたことをウェスに話す。 兄弟で話し合ったと思ったウェスは驚き、リーから、それならば断わっていたと言われる。 ウェスから、自分の経験は想像を絶すると言われながら、リーは事件の夜のことを想い出す。 ジョーや友人らと家で騒いでいたリーは、子供が寝ていると言うランディに非難され、皆に帰ってもらう。 ビールがないことに気づいたリーは、酔っていたために歩いてコンビニに向かう。 辛い思いのリーは、ウェスから、後見人になりたくなければ構わないが、パトリックの母エリーズは消息不明だと言われる。 出火した家から救い出されたランディは、まだ子供達が残っていることを消防士に伝えて取り乱す。 戻ったリーは、近所の人々と共に火事の様子を見つめているしかなかった。 夜が明けて、救急車で運ばれるランディを見送ったリーは、駆け付けたジョーに慰められる。 子供達が焼け跡から発見され、リーは愕然とする。 よく考えるようにと言われたリーは、気遣ってくれるウェスに感謝してその場を去る。 警察で事情を聞かれたリーは、仲間達と騒いでビールを飲み、マリファナやコカインもあったことをなどを話し始める。 ランディが午前2時か3時に皆を追い返し、暖炉に火をつけてテレビを観ている時にビールがないことに気づき、部屋を温めるために薪を数本くべて出かけた。 酔っていたために運転はやめて歩いてコンビニに向かい、半分、行った所で暖炉にスクリーンをしたか考えて不安になったものの、そのまま店に向かった。 薪が転がり出たと考えるリーは、1階で気絶していたランディを消防士が発見して救出したが、火の回りが早くて戻れなかったと話す。 今のところはそれで十分で、消防捜査官としては罪に問わないだろうと言われたリーは、過失は重大だが誰でも犯すことだと判断され、そのまま家に帰れることを知る。 部屋を出たリーは、警官の銃を奪って自殺しようとするものの、皆に取り押さえられる。 パトリックを連れてその場を去ったリーは、乗らない船を放置しておくのは無駄だと伝える。 自分が管理すると言うパトリックに、リーは財産の管理人になったことを伝えるものの、納得いかないパトリックと口論になる。 親子喧嘩だと思った通行人(ケネス・ロナーガン)から非難されたリーは罵り合い、パトリックが制止する。 船に向かったリーとパトリックは、ジョージから、モーターが壊れかけていて故障ばかりすると言われる。 このままでは船を売ることも考えるリーは、引っ越すことをジョージに伝える。 係留するだけでも金がかかり、パトリックを週末預かってもいいと言うジョージに、後見人になるかとリーは尋ねる。 パトリックからジョージを困らせるなと言われ、後見人になるのが嫌なのかと訊かれたリーは、どんな選択肢があるか探っていると答える。 エリーズには連絡ができないと言うリーに、母はコネチカットにいると伝えたパトリックは、去年メールが来て返信したことを教える。 ビヴァリーの葬儀社に向かったリーは、葬儀の手配をして、埋葬する春までは遺体を冷凍することをパトリックに伝える。 凍結した墓地を掘る方法や他の墓地にすることを提案するパトリックを鬱陶しく思うリーは、葬儀の手配や料金の交渉などを自分でしてみろと言って黙らせる。 パトリックから冷凍が嫌なだけだと言われたリーは、車を停めた場所が分からなくなり、凍えそうだったために苛立つ。 車を見つけたリーは、パトリックから、バンドの練習のため機材を家に取りに行って送ってほしいと言われる。 パトリックを送ったリーは、シルヴィーではなくサンディ(アンナ・バリシニコフ)の家だと言われ、パトリックが二股をかけていることを知る。 数時間後に迎えに行ったリーは、サンディの母ジル(ヘザー・バーンズ)からジョーのお悔やみを言われて、パトリックと共に食事に誘われるものの、遠慮してまた来ると伝えてその場を去る。 バンドの練習は終わり、宿題をしていることにして愛し合おうとしていたパトリックとサンディは、ジルから食事だと言われる。 焦る二人はジルと共に食事をして、パトリックは迎えに来たリーと共に帰る。 家でテレビを観ていたリーは、ランディからの電話を受けて、ジョージからジョーの訃報を聞いたことを知らされる。 パトリックの様子と、葬儀に参列していいか訊かれたリーは、来てほしいと伝える。 ランディから妊娠したことを知らされたリーは動揺し、出かける予定があるよと言って電話を切る。 ジョーの葬儀は行われ、夫のジョシュと共に参列したランディは、リーに言葉をかける。 自宅での食事会が終わり、パトリックからシルヴィーを呼んでいいかと訊かれたリーは、嫌いなのでだめだと言って、彼女の家に行くようにと伝える。 シルヴィーに断られたパトリックは、引っ越す気がないことを伝えるものの、リーは何も答えない。 ランディと別れる傷心のリーは、ジョーとパトリックに別れを告げて町を出る。 夜中に冷蔵庫を開けたパトリックは、床に落ちた冷凍食品を見てパニック発作を起こし、気分が悪くなってしまう。 どうしたいか聞いたリーは、部屋に閉じこもったパトリックから、父を冷凍したくないと言われる。 他に方法がないと言うリーは、パトリックが落ち着くまで傍にいる。 クインシー。 生きる気力をなくしているリーのために、ジョーは家具を買い揃える。 翌朝、今学期までここにいて、その間に受け入れる状況を整えると言うリーは、夏休みにジョージを手伝うようにとパトリックに伝える。 尚も引っ越すことに反対するパトリックと、リーはそれ以上、話す気になれない。 一旦アパートに向かい荷物をまとめたリーはマンチェスターに戻り、考え込みながら手で窓を割ってしまい怪我をする。 エリーズからの電話を受けたリーは、何も離さずに切ってしまう。 その夜、パトリックから、手の怪我と母が電話してきたことを訊かれたリーは、エセックスに住む母が、婚約者を紹介するためにランチを共にしたいと言ってきていることを知らされる。 焦って電話を切ったので話しそびれたと言うリーは謝罪し、母との連絡は続けるつもりのパトリックは、シルヴィーを泊めさせないし母とも話をさせないことで不満を訴える。 自分の人生を壊す最悪の後見人だと言うパトリックは、母と暮らすことをリーに伝える。 無理だと言われたパトリックは、酒を止めて自分と暮らしたいと考える母の提案に従えば、転校せずに友達とも付き合えるし船も維持できるとリーに伝える。 再び電話のことを謝罪したリーはかけ直すことを約束し、エリーズがまともな人間なら会ってもいいと伝えて、それ以上、話そうとしない。 その後リーは、マンチェスターで過ごす間の仕事を探し始める。 パトリックと船の状態が悪いという話になったリーは、借金してでも直すと言われたため、管財人としてその肩代わりをするつもりはないと伝える。 バンドの練習のためにパトリックをサンディの家に送ったリーは、ジルが自分に好意を持っていると言われる。 サンディと愛し合うために30分だけジルの相手をしてほしいといわれたリーは、仕方なく寄ることにする。 気まずい雰囲気でリーと過ごすジルは耐えきれなくなり、サンディの部屋に向かう。 サンディと愛し合おうとしていたパトリックは焦り、リーとの会話が成立せずに疲れてしまったジルから、帰ってほしいと言われる。 帰りの車中で、パトリックから、普通の大人の会話ができないのかと言われたリーは謝罪する。 数日後、リーと共にエリーズの家を訪ねたパトリックは、母と再会する。 歓迎されたパトリックとリーは、エリーズから婚約者のジェフリー(マシュー・ブロデリック)を紹介される。 リーはランチを遠慮してその場を去り、パトリックと食事をしたエリーズはナーバスになり、自分の気持ちをうまく伝えることができずに席を外してしまう。 ジェフリーも、エリーズを見てくると言ってキッチンに向かう。 その後、ジェフリーからパトリックに長文のメールが届き、息子の訪問はエリーズを幸せにしたが、彼女に母親を求めるのはまだ早いため、今後、訪れる時はまず自分に連絡が欲しいという内容だった。 落胆するパトリックを気遣うリーは、銃のコレクションを売ればモーターが買えると伝える。 モーターを交換したパトリックは、リーと共にサンディを乗せて船を快適に走らせる。 パトリックとサンディを家に送り二人きりにさせてあげたリーは、町で買い物をした帰りに、友人のレイチェルと散歩をしていたランディに出くわす。 生まれたばかりの息子ディランをリーに紹介したランディは、車を回してくると言うレイチェルに遠慮して去ろうとする彼に、少し話したいと伝える。 リーが乗り越えたように思えたランディは、ジョーとは連絡していたがパトリックとはあれきりだったことを伝えて、彼をランチに誘う。 ためらうリーに、徹底的に責めたことを気にしているのかを問うランディは、涙しながら、あの事件で心が壊れてそのままだと伝える。 あなたの心も壊れていると言うランディは、もう恨んでいないと伝え、地獄に落ちればいいと思いながら、酷いことを言ったことを悔やむ。 ランディに気を遣うリーは、彼女から愛していると言われ、今の言葉で救われたと伝えて去ろうとする。 死なないでほしいと言われたリーは、自分は大丈夫なので幸せになってほしいと伝える。 尚も謝罪しようとするランディに、自分は何も思っていないと伝えたリーは、混乱しそうな気持を抑えながらその場を去る。 バーに向かい酔ったリーは、肩が触れた男を殴り喧嘩になり、その場にいたジョージが制止する。 リーを家に連れて行ったジョージは、妻ジャニーンに傷の手当てをしてもらう。 苦しむリーの気持ちを理解するジョージとジャニーンは、彼を見守ることしかできなかった。 パトリックと共に家に戻ったリーは、気遣ってくれる彼に感謝しながら眠る。 翌日、娘達から”自分達が燃えている”と言われる夢を見たリーは、火災警報器の音で目覚め、火にかけてあったソースが焦げた煙が充満していることに気づく。 ジョージの家を訪ねたリーは、今後のことを相談する。 翌週、食事の際にリーは、7月から元の仕事に戻ることをパトリックに伝える。 どこに住むのか訊かれたリーは来なくていいと答え、自分はボストンのチャールズタウンに、ジョージとは話してあるので、彼の家に住むようパトリックに指示する。 この家は人に貸すので18歳になったら好きにするようにと言われたパトリックは、21歳になれば売却のできると知らされる。 夏が終わったら船は貸し出すことも話したリーは、船の免許を取ったらどうするかを決めようとパトリックに伝える。 管財人は自分だが、ジョーが用意した経費はジョージに譲ると言うリーは、住む場所以外は前と同じだと話す。 後見人ではなくジョージの養子になることを知らされたパトリックは、ここまでは自分が用意したので、後は自分で決めるようにと言われる。 逃げるのかと訊かれたリーは、ここに残すための判断だとパトリックに伝える。 この家に住むことを勧められたリーは、乗り越えることができない、辛過ぎると伝えて謝罪し、パトリックを抱きしめる。 春になり、ウェスの事務所でジョージと共に手続きを済ませたリーは、家を貸し出して、ジョーの埋葬を済ませる。 散歩しながら帰るリーは、いつからジョージの家に住むのかと訊くパトリックに、7月だと答える。 予備の部屋がある場所が見つからないと話すリーは、ソファーベッドを置くとパトリックに伝える。 その理由をパトリックから訊かれたリーは、お前が遊びに来るからだと答える。 ボストンの大学に入るかもしれないと話すリーは、進学しないと言われたため、それなら物置にするとパトリックに伝える。 その後リーは、パトリックが所有することになるジョーの船で、彼と共に釣りをする。
...全てを見る(結末あり)
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アパートの地下の一室に住むことになったリーは、パトリックと共に訪ねて来たジョーに、最低賃金と部屋が保障されていることを伝える。
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帰りの車の中で、エリーズとうまくコミュニケーションが取れなかったパトリックは気落ちする。
*(簡略ストー リー)
マサチューセッツ州、クインシー。
ある事件により心に傷を負うリー・チャンドラーは、アパートの管理人兼便利屋をしていた。
マンチェスター・バイ・ザ・シーに住む心臓病を患う兄ジョーが倒れたことを知ったリーは、病院に向かう。
病院に到着したリーは、友人のジョージから、ジョーがなくなったことを知らされる。
悲しみを堪えながら、ジョーの息子で16歳の高校生パトリックに父の死を知らせたリーは、兄の葬儀の準備をするためにマンチェスター・バイ・ザ・シーに向かう。
かつて、病気のジョーを気遣いパトリックの世話をするためにこの地で暮らしていたリーは、妻ランディと三人の子供達と暮らしていた。
自分の不注意で火事を起こし、子供達を失ったことでランディに責められたリーは、絶望してこの町を去ったのだった。
ジョーの遺言でパトリックの後見人になったリーは、苦悩しながら今後のことを考えるのだが・・・。
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マット・デイモンが製作に参加し、「ギャング・オブ・ニューヨーク」(2002)の脚本や「マーガレット」(2011)などのケネス・ロナーガンの脚本による監督作品。
*ケネス・ロナーガンは、主人公と言い合いになるマンチェスター・バイ・ザ・シーの通行人役で本作に出演もしている。
心に傷を負う男の苦悩を切実に描くドラマであり、主人公に共感できるか否かで受けとめ方が違うとも言える内容で、苦悩が続くとも希望が見えるとも考えられるエンディングと共に、人間の心の奥底を描くケネス・ロナーガンの繊細な演出により深いドラマに仕上がっている。
各方面で絶賛された本作は、第89回アカデミー賞で作品賞以下6部門にノミネートされ、主演男優賞をケイシー・アフレックが、脚本賞をケネス・ロナーガンが受賞した。
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・ノミネート
作品、監督、助演男優(ルーカス・ヘッジズ)、助演女優(ミシェル・ウィリアムズ)
わずか4館で公開された本作は、評価が上がると共に上映館が増えて、1か月後には1200館で上映された。
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製作費 $8,500,000
北米興行収入 $47,695,370
世界 $77,540,120
主演のケイシー・アフレックは、自分の不注意で起こした火事により子供達を失い心に傷を負いながら、最愛の兄の死に直面しつつ苦悩する男を完璧に演じ、念願のアカデミー主演賞を見事に受賞した。
主人公の妻役として出番は多くないのだが、終盤に夫を許そうとするシーンだけで彼女の演技力に頷いてしまうミシェル・ウィリアムズ、父を失い主人公と共に悲しみながらも、高校生らしい一面を見せるルーカス・ヘッジズの好演が光る。
心臓病で亡くなる主人公の兄カイル・チャンドラー、その息子の幼少期ベン・オブライエン、情緒不安定気味のその母親グレッチェン・モル、その婚約者マシュー・ブロデリック、主人公と兄と家族ぐるみで付き合う友人のC・J・ウィルソン、アイスホッケー・コーチのテイト・ドノヴァン、パトリック(ルーカス・ヘッジズ)のガールフレンド、カーラ・ヘイワードとアンナ・バリシニコフ、その母親ヘザー・バーンズ、ボートショップの経営者エリカ・マクダーモット、主人公の上司スティーヴン・ヘンダーソン、弁護士のジョシュ・ハミルトンなどが共演している。