”ミンストレル・ショー”の一座の花形芸人の活躍を描く、監督マイケル・カーティス、音楽アーヴィング・バーリン、主演アル・ジョルスン、ロイス・モラン、ローウェル・シャーマン他共演のミュージカル・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:マイケル・カーティス
原作戯曲
アーヴィング・バーリン
ジェームズ・グリーソン
脚本
ジョセフ・ジャクソン
ゴードン・リグビー
撮影:バーニー・マッギル
編集:オーウェン・マークス
音楽:アーヴィング・バーリン
出演
アル・フラー:アル・ジョルスン
ノラ・メドウズ:ロイス・モラン
ビリー・ウェスト/ウェスティ:ローウェル・シャーマン
フラー夫人:ルイーズ・ドレッサー
メドウズ:ホバート・ボスワース
スラッツ:タリー・マーシャル
ハンク・スミス/タンボー:ミッチェル・ルイス
トレンブル保安官:ジャック・カーチス
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1930年製作 84分
公開
北米:1930年3月26日
日本:未公開
製作費 $786,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
”ミンストレル・ショー”の一座”メリー・メドウ・ミンストレルズ”は、座長メドウズ(ホバート・ボスワース)を先頭に、雨の中パレードを始めて興業の宣伝をする。
メドウズは、役者タンボー役のハンク・スミス(ミッチェル・ルイス)、ショーの司会を務める通称ウェスティのビリー・ウェスト(ローウェル・シャーマン)、そして花形スターのアル・フラー(アル・ジョルスン)を紹介する。
アルは、雨も気にせずに陽気に歌う。
劇場の楽屋に向かったアルは、メドウズの娘である心を寄せるノラ(ロイス・モラン)に声をかけ、衣装が濡れている彼女を気遣う。
アルは、故郷にいる母(ルイーズ・ドレッサー)のことを想いながら旅を続けていた。
ショーの最中にメドウズは、トレンブル保安官(ジャック・カーチス)が客席にいることに気づき、トラブルを避けようとする。 メドウズは、ステージを下りたアルにトレンブルを引き止めてもらい、その隙に旅立とうとする。 トレンブルと話をしたアルは、彼がショーに興味があることを知り、財政難の一座のために、彼に投資をさせようとする。 アルは、農場を売って6000ドルを投資すると言われ、共同経営者にすることを約束してトレンブルをおだてる。 トレンブルのおかげで一座の興業は成功し、その後も巡業の旅を続ける。 故郷の町に着いたアルは、駅に来てくれた母に歓迎され、メドウズらを紹介する。 アルはウェスティの婚約者ノラも紹介し、来年の巡業後に戻ることを母に伝えて列車に戻り、彼女のために歌いながら去って行く。 一座は次の街でも人々に歓迎され、ノラは、女性ファンと話すウェスティが気になる。 それを知ったアルはチャンスだと思い、楽屋で涙するノラを慰めようとする。 しかし、ノラの話を聞いたアルは、彼女に愛を告げる様子をウェスティに見せて、彼を嫉妬させようとする。 それに気づいたウェスティは、アルとノラの関係を皆に知らせて祝福する。 考えてもいなかった展開に驚くノラは悲しみ、勝手なことをしたアルを批判し、部屋から追い出してしまう。 リハーサルを始めたアルは、ステージ脇のノラを見つめながら恋の曲を歌う。 その後アルは、ノラのことはジョークだったと皆に話しながら、酔ってハンクとカードを始める。 ハンクがイカサマをすることに気づいたウェスティは、やめさせようとしてアルと口論になり揉める。 ウェスティは、アルがノラを本気で愛していることを知り、彼が楽屋でわざと嫉妬させようとした話を聞く。 アルを寝かせたウェスティは、ハンクを部屋に呼んでイカサマの件を追及し、アルの金を全額返すようにと言って、指示に従わなければ一座から追い出すと伝える。 それを不満に思ったハンクは、アルがショーでウェスティを撃つ際に使う拳銃に実弾を入る。 *画面はカラーに変わる。 ショーで歌い終わったアルと、司会のウェスティの掛け合いが始まる。 アルは、いつものように銃でウェスティを撃つが、彼が口から血を流し意識不明なために焦り、観客に気づかれないようにしてその場を切るり抜ける。 撃たれたウェスティを気遣うメドウズは、医師を呼んだことをアルに伝える。 動揺するアルは、ウェスティと口論していたことをメドウズに追及される。 到着した医師はウェスティを診察し、胸部の傷を確認して、彼は病院に運ばれる。 警官から警察署に連行すると言われたアルは、ステージに上がることを許可され、動揺しながら歌う。 *画面はモノクロに戻る。 翌日、警官と共に病院に向かったアルは、一命を取り留めたウェスティと面会するものの、彼に非難される。 アルは、ハンクが輸血に協力していることを知り、弁解しても無駄だと思いその場を去る。 ノラから信じていると言われたアルは、彼女を安心させるために、ウェスティは疑っていないと伝える。 病室の様子を見ていたノラはアルの気持ちを理解するが、アルは警官に連行される。 その後、移送中のアルは他の囚人と共に逃走する。 列車に隠れて故郷の町に着いたアルは、母の家に向かい、ヨーロッパ巡業のために3年間は会えなくなることを伝える。 アルは、母との別れを惜しみ旅立とうとする。 駅に向かったアルは、協力してくれたスラッツに出頭することを伝える。 次の町の駅で一座に遭遇したアルは、自分に気づいたノラに呼び止められる。 メドウズは、ウェスティの件で、ハンクが実弾を入れたことを自白したことをアルに知らせる。 アルは、ウェスティから今夜のショーに出演してほしいと言われ、ステージに立つことになる。 *画面はカラーに変わる。 町で一座のパレードが行われ、劇場に着いたメドウズは、ヨーロッパから戻ったと言ってアルを紹介する。 アルは、人々の前で熱唱する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストーリー)
”ミンストレル・ショー”の一座”メリー・メドウ・ミンストレルズ”の花形スター、アル・フラーは、座長メドウズの娘ノラに惹かれていた。
アルは、ノラが友人であるショーの司会者ウェスティの婚約者であったために遠慮していた。
そんなアルは、あるトラブルで同僚のハンクの恨みを買う。
ハンクは、アルがショーで使う銃に実弾を入れてしまい、そのためにウェスティが重傷を負ってしまう。
その直前にウェスティと口論していたアルは疑われ、警官に逮捕されてしまうのだが・・・。
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サイレント時代の1926年にワーナー・ブラザーズに移籍していたマイケル・カーティスが監督し、トーキー映画で革命を起こしたアル・ジョルスンが主演した作品。
「ジャズ・シンガー」(1927)、「シンギング・フール」(1928)、「Say It with Songs」(1929)に続く、アル・ジョルスンが、顔を黒く塗った”ミストレル・マン”役を演ずる作品として知られている。
人種差別が合法だった時代に製作された作品であることをふまえて鑑賞しないと、違和感を覚える人は多いだろう。
公民権法の施行により消滅した、この演技手法でスターとなったアル・ジョルスンの功績は評価できないという声もあるが、本作他で見せる彼の圧倒的な歌唱力や人々に訴える表現力は、後の映画界に大きな影響を与えたことは間違いない。
主人公が惹かれる座長の娘ロイス・モラン、彼女の婚約者であるショーの司会者ローウェル・シャーマン、主人公の母親ルイーズ・ドレッサー、座長のホバート・ボスワース、主人公の逃亡に協力しようとする放浪者タリー・マーシャル、主人公を恨み彼を陥れようとする同僚ミッチェル・ルイス、おだてられて一座に投資する保安官のジャック・カーチスなどが共演している。